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第1部 高級クラブのお仕事
厨房でのバトル
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2003年12月8日
クリスマスイベントも2週目に突入し、店には先週にはなかったクリスマスツリーが所狭しと飾られた。この月曜からホステスたちもドレスコードとなり、いよいよイベント本番という様相を呈してくる。
そして先週1週間のスカウトレースとホステスの首レースの成績はというと…
─────────────────
★スカウトレース
(同伴1回→1点、動員1人→1点)
1位 鳴海・西口チーム …………15点
2位 佐々木・河村チーム ………6点
3位 小寺・関チーム ……………4点
4位 桂木・朝倉・椎原チーム …1点
★首レース
(同伴1回→3ポイント
動員1人→1ポイント
予約1組→1ポイント
抜き物5万→1ポイント)
ワースト
1位 由奈 ……3ポイント
2位 優香 ……6ポイント
3位 紀美 ……7ポイント
────────────────
更衣室に貼られた表を見て、涼平はがっくりと肩を落とす。
(あ~あ、チームも最下位、由奈もワースト1で最悪やあ~)
麗子とラムのペアは着実に同伴、動員を伸ばし、もはやスカウトレーストップ2チームは独走体勢にある。
樹理はルイママから2回追加で同伴を付けてもらっていた。
優香が由奈を抜いたのは、前嶋社長の部下だった福田がついに新しい会社を立ち上げ、優香口座として同伴で入った上に12万の高級ワインをおろしたので一挙6点が加算されたのだ。
あと、ワースト3位に名前があがっている紀美はもともと佐和子ママのヘルプとして入ってきたホステスで、毎日着物を着て落ち着いた接客をするのが特徴だが、賑やかな客の多いドルチェでは受けがあまりよくない。佐和子ママ自身の調子の悪さから紀美の成績も低迷しているが、それでも佐和子ママの客が来ると同伴や予約を付けてもらえるので、少しずつでも成績は上がっていくだろう。
一方の由奈はというと…中岡先生の同伴1回に留まっており、また、それ以上成績を上げられる要素も今のところ見当たらなかった。
(やばいなあ~小憎らしいところもあるけど、クビは可哀想やんなあ…何とか方法はないものか…)
とりあえず、由奈に電話してみる。
「しーくん、土曜はありがとう」
(お!礼を言うやなんて珍しい。今日は雪降るんちゃうか…)
「お陰で今日、エイジが同伴で来てくれるって」
「まじで!?てことは…口座も由奈ってこと?」
珍しく殊勝な態度で電話に出た由奈の言葉に眉を上げたが、さらに由奈の同伴の申告で目を見開く。
(おっしゃ!これで4点は入るんちゃうん!?)
だがなぜか、由奈の声のトーンが低い。
「それがね、りなママっているでしょ?エイジは1回、りなママの口座でドルチェに行ったことあるって言うんよ。どうしたらいい?」
(う~ん、やっぱりお水の世界は狭いなあ…)
涼平もそれはどうしたらいいか分からなかったので、口座の件は後で連絡すると言って電話を切った。
(りなママの窓口は山田常務やから、ここは常務に相談してみよう)
常務は店にいなかったので、電話を入れる。
『おう、涼平、どうした?』
「あの、ミナミのホストクラブからエイジって人が今日由奈と同伴してくるんすけど、前にりなママの口座で来たことあるらしいんです。口座ってどうなりますか?」
『ほんなら、りなママの口座やろ』
「でも、土曜に飲みに行った絡みで今日来てくれるらしいんです。由奈にも動員のポイント付けてやりたいし、何とか今日だけ、由奈口座ってわけには…」
『涼平の言うことも分からんでもないけどな、口座っていうんは、そんな簡単なもんと違うんや。もし仮に今日由奈口座にしたとして、それをりなママが見てみ?気ぃ悪くするやろ?由奈は売り上げと違うんやから、これからいろんな席に着かなあかんのに、ママ一人怒らしたら由奈の仕事の範囲を狭くしてしまうんやぞ。それでもって言うんなら、りなママに断りを入れることやな』
常務は事務的な口調でそう言って電話を切った。涼平は明日菜とルイママの件を思い出す。
確かに、明日菜ほどの性格の持ち主でもママに追い出される結果になったのに、どヘルプの由奈がママと反目になってしまうと、何かと働きにくくなるだろう。とはいえ、りなママとはホールで物を頼まれる以外はしゃべったことなかったが、ドルチェのママの中では一番年も若く、ドルチェに来てから初めてママになったということで、ルイママよりは話を分かってもらえそうな気もする。
ここは1ポイントでも落とす訳にはいかない、涼平は由奈のためにそう思い直し、一度りなママにお伺いを立てることにした。
『はーい』
電話口から軽い声が聞こえる。
「あの、ウェイターの椎原ですが…」
『シイハラ?って誰?』
(…名前ってなかなか覚えてもらえないねんなあ…泣きそ…)
「あの、一番最近に入った…」
『ああ~!涼平ちゃん?どしたん?』
(おお!下の名前で覚えてくれてたんやあ…)
名前を覚えられてなくて一息、覚えられていてまた一息つきながら、先程常務に言ったのと同じ内容をりなママにも訴えかけた。
すると、
『そらあかんわあ~りなもな、エイジの店ではいっぱいお金落としてるもん。由奈ちゃんにありがとうって言っといて~』
と言ってあっさり切られてしまった。
(か、軽いけど、厳しいなあ…やっぱ、これくらい厳しくないと、売り上げなんて上がらへんねんやろうなあ…)
ここで、1ポイントを諦める。が、この後、これが結果的にはいい方向へ向かうこととなるのだった。
営業が始まり、この日もドルチェでは悲喜こもごもの展開が繰り広げられる。
涼平が厨房で休憩をもらっているときのことだった。
「あんた!うちが目をかけてあげてんのに、恩を仇で返す気か?」
ルイママに厨房に呼び出された樹理が、ママに詰め寄られていた。
「何のことですの?」
いつか、明日菜に言い寄られたときと同じようなふてぶてしい態度で、樹理は臆面もなく煙草に火を点ける。
「うちのお客さんと土曜に会って、あれ買えこれ買えってしつこく迫ったらしいなあ。あんたはうちにばれへんと思ってるか知らんけど、今日うちんとこに苦情あってんで」
「そうですの?ほんなら私も正直言いますけど、私、あの社長にホテル迫られたんです。それで断ったから、ママに腹いせにそんな嘘言うてはるんですわ」
そう言って煙草を一吸いした樹理を見て、ルイママは深いため息をついてから、
「あんた、病気やなあ」
と吐き捨てるように言った。
「病気て何です!?ママでも言っていいことと悪いことがあるんとちゃいますか?」
クールに振る舞っていた樹理が珍しく、声を荒げた。ルイママは、ふん、と鼻から息を吐くと、
「これ、何か分かるか?」
と、持っていたポーチからMP3プレーヤーを取り出した。樹理の普段からきつくつり上がった目が一層つり上がる。
「それ、何です?」
「実はな、土曜にあんたと会ってた社長はな、うちに頼まれてあんたと会ってたんや。これにあんたとの会話、全部録音してもろたわ」
樹理の眉間に深いシワが寄る。持っている煙草が震え出す。
「そんなん、当然ですやん。和田さん、私のこと可愛いって言ってくれはって、どうしてもって言うから一晩付き合ったんですわ。身体張った報酬を頂いて何が悪いんです!?」
その樹理の開き直った言葉を聞き、ルイママの眉が一瞬開く。
「ふーん、やっぱりな。和田さんと会ってたんか」
「え……どういうことです?」
心なしか、樹理は青ざめている。
「あんた、語るに落ちたんや。あんたとアフターに行った人らが軒並み連絡取れんようになるから、うち、あんたのこと調べさせてもろたわ。あんた、若名から来たっていうてたやろ?クラブ若名の百合子ママに相談したら、あんたは悪い癖があるって言うやないか。それで今、一芝居打たしてもらったんや。今までのことはもう、どうでもええ。金輪際、うちの席には着かんとってな!」
そこまで言うと、ルイママはカツンとヒールで床を鳴らし、踵を返してホールに戻って行った。残された樹理は忌々しそうに煙草を床に投げ捨て、ガンガンとそれを踏みつけてから、ママを追うようにホールに戻った。
「派手の海の勝ち~!」
一連の騒動が去ると、佐々木マネージャーがおどけて言った。確かに明日菜のときとは違い、完全に樹理はルイママに貫禄負けしているように見えた。
「まるで、ドラマ観てるみたいでしたねえ」
ボトルスペースの片隅で息を飲んで見守っていた涼平はほうっと胸に溜まった息を吐き出し、興奮気味に感想を言うと、
「ここにおると、こんなこと、しょっちゅうや」
と、渡辺チーフが珍しくもないといった口調で言った。
クリスマスイベントも2週目に突入し、店には先週にはなかったクリスマスツリーが所狭しと飾られた。この月曜からホステスたちもドレスコードとなり、いよいよイベント本番という様相を呈してくる。
そして先週1週間のスカウトレースとホステスの首レースの成績はというと…
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★スカウトレース
(同伴1回→1点、動員1人→1点)
1位 鳴海・西口チーム …………15点
2位 佐々木・河村チーム ………6点
3位 小寺・関チーム ……………4点
4位 桂木・朝倉・椎原チーム …1点
★首レース
(同伴1回→3ポイント
動員1人→1ポイント
予約1組→1ポイント
抜き物5万→1ポイント)
ワースト
1位 由奈 ……3ポイント
2位 優香 ……6ポイント
3位 紀美 ……7ポイント
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更衣室に貼られた表を見て、涼平はがっくりと肩を落とす。
(あ~あ、チームも最下位、由奈もワースト1で最悪やあ~)
麗子とラムのペアは着実に同伴、動員を伸ばし、もはやスカウトレーストップ2チームは独走体勢にある。
樹理はルイママから2回追加で同伴を付けてもらっていた。
優香が由奈を抜いたのは、前嶋社長の部下だった福田がついに新しい会社を立ち上げ、優香口座として同伴で入った上に12万の高級ワインをおろしたので一挙6点が加算されたのだ。
あと、ワースト3位に名前があがっている紀美はもともと佐和子ママのヘルプとして入ってきたホステスで、毎日着物を着て落ち着いた接客をするのが特徴だが、賑やかな客の多いドルチェでは受けがあまりよくない。佐和子ママ自身の調子の悪さから紀美の成績も低迷しているが、それでも佐和子ママの客が来ると同伴や予約を付けてもらえるので、少しずつでも成績は上がっていくだろう。
一方の由奈はというと…中岡先生の同伴1回に留まっており、また、それ以上成績を上げられる要素も今のところ見当たらなかった。
(やばいなあ~小憎らしいところもあるけど、クビは可哀想やんなあ…何とか方法はないものか…)
とりあえず、由奈に電話してみる。
「しーくん、土曜はありがとう」
(お!礼を言うやなんて珍しい。今日は雪降るんちゃうか…)
「お陰で今日、エイジが同伴で来てくれるって」
「まじで!?てことは…口座も由奈ってこと?」
珍しく殊勝な態度で電話に出た由奈の言葉に眉を上げたが、さらに由奈の同伴の申告で目を見開く。
(おっしゃ!これで4点は入るんちゃうん!?)
だがなぜか、由奈の声のトーンが低い。
「それがね、りなママっているでしょ?エイジは1回、りなママの口座でドルチェに行ったことあるって言うんよ。どうしたらいい?」
(う~ん、やっぱりお水の世界は狭いなあ…)
涼平もそれはどうしたらいいか分からなかったので、口座の件は後で連絡すると言って電話を切った。
(りなママの窓口は山田常務やから、ここは常務に相談してみよう)
常務は店にいなかったので、電話を入れる。
『おう、涼平、どうした?』
「あの、ミナミのホストクラブからエイジって人が今日由奈と同伴してくるんすけど、前にりなママの口座で来たことあるらしいんです。口座ってどうなりますか?」
『ほんなら、りなママの口座やろ』
「でも、土曜に飲みに行った絡みで今日来てくれるらしいんです。由奈にも動員のポイント付けてやりたいし、何とか今日だけ、由奈口座ってわけには…」
『涼平の言うことも分からんでもないけどな、口座っていうんは、そんな簡単なもんと違うんや。もし仮に今日由奈口座にしたとして、それをりなママが見てみ?気ぃ悪くするやろ?由奈は売り上げと違うんやから、これからいろんな席に着かなあかんのに、ママ一人怒らしたら由奈の仕事の範囲を狭くしてしまうんやぞ。それでもって言うんなら、りなママに断りを入れることやな』
常務は事務的な口調でそう言って電話を切った。涼平は明日菜とルイママの件を思い出す。
確かに、明日菜ほどの性格の持ち主でもママに追い出される結果になったのに、どヘルプの由奈がママと反目になってしまうと、何かと働きにくくなるだろう。とはいえ、りなママとはホールで物を頼まれる以外はしゃべったことなかったが、ドルチェのママの中では一番年も若く、ドルチェに来てから初めてママになったということで、ルイママよりは話を分かってもらえそうな気もする。
ここは1ポイントでも落とす訳にはいかない、涼平は由奈のためにそう思い直し、一度りなママにお伺いを立てることにした。
『はーい』
電話口から軽い声が聞こえる。
「あの、ウェイターの椎原ですが…」
『シイハラ?って誰?』
(…名前ってなかなか覚えてもらえないねんなあ…泣きそ…)
「あの、一番最近に入った…」
『ああ~!涼平ちゃん?どしたん?』
(おお!下の名前で覚えてくれてたんやあ…)
名前を覚えられてなくて一息、覚えられていてまた一息つきながら、先程常務に言ったのと同じ内容をりなママにも訴えかけた。
すると、
『そらあかんわあ~りなもな、エイジの店ではいっぱいお金落としてるもん。由奈ちゃんにありがとうって言っといて~』
と言ってあっさり切られてしまった。
(か、軽いけど、厳しいなあ…やっぱ、これくらい厳しくないと、売り上げなんて上がらへんねんやろうなあ…)
ここで、1ポイントを諦める。が、この後、これが結果的にはいい方向へ向かうこととなるのだった。
営業が始まり、この日もドルチェでは悲喜こもごもの展開が繰り広げられる。
涼平が厨房で休憩をもらっているときのことだった。
「あんた!うちが目をかけてあげてんのに、恩を仇で返す気か?」
ルイママに厨房に呼び出された樹理が、ママに詰め寄られていた。
「何のことですの?」
いつか、明日菜に言い寄られたときと同じようなふてぶてしい態度で、樹理は臆面もなく煙草に火を点ける。
「うちのお客さんと土曜に会って、あれ買えこれ買えってしつこく迫ったらしいなあ。あんたはうちにばれへんと思ってるか知らんけど、今日うちんとこに苦情あってんで」
「そうですの?ほんなら私も正直言いますけど、私、あの社長にホテル迫られたんです。それで断ったから、ママに腹いせにそんな嘘言うてはるんですわ」
そう言って煙草を一吸いした樹理を見て、ルイママは深いため息をついてから、
「あんた、病気やなあ」
と吐き捨てるように言った。
「病気て何です!?ママでも言っていいことと悪いことがあるんとちゃいますか?」
クールに振る舞っていた樹理が珍しく、声を荒げた。ルイママは、ふん、と鼻から息を吐くと、
「これ、何か分かるか?」
と、持っていたポーチからMP3プレーヤーを取り出した。樹理の普段からきつくつり上がった目が一層つり上がる。
「それ、何です?」
「実はな、土曜にあんたと会ってた社長はな、うちに頼まれてあんたと会ってたんや。これにあんたとの会話、全部録音してもろたわ」
樹理の眉間に深いシワが寄る。持っている煙草が震え出す。
「そんなん、当然ですやん。和田さん、私のこと可愛いって言ってくれはって、どうしてもって言うから一晩付き合ったんですわ。身体張った報酬を頂いて何が悪いんです!?」
その樹理の開き直った言葉を聞き、ルイママの眉が一瞬開く。
「ふーん、やっぱりな。和田さんと会ってたんか」
「え……どういうことです?」
心なしか、樹理は青ざめている。
「あんた、語るに落ちたんや。あんたとアフターに行った人らが軒並み連絡取れんようになるから、うち、あんたのこと調べさせてもろたわ。あんた、若名から来たっていうてたやろ?クラブ若名の百合子ママに相談したら、あんたは悪い癖があるって言うやないか。それで今、一芝居打たしてもらったんや。今までのことはもう、どうでもええ。金輪際、うちの席には着かんとってな!」
そこまで言うと、ルイママはカツンとヒールで床を鳴らし、踵を返してホールに戻って行った。残された樹理は忌々しそうに煙草を床に投げ捨て、ガンガンとそれを踏みつけてから、ママを追うようにホールに戻った。
「派手の海の勝ち~!」
一連の騒動が去ると、佐々木マネージャーがおどけて言った。確かに明日菜のときとは違い、完全に樹理はルイママに貫禄負けしているように見えた。
「まるで、ドラマ観てるみたいでしたねえ」
ボトルスペースの片隅で息を飲んで見守っていた涼平はほうっと胸に溜まった息を吐き出し、興奮気味に感想を言うと、
「ここにおると、こんなこと、しょっちゅうや」
と、渡辺チーフが珍しくもないといった口調で言った。
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