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第1部 高級クラブのお仕事
ホステスのプライド
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さて、話を少し戻して休憩前のことである。
由奈と一緒に店に入ってきたのは、エイジではなく、勘九郎だった。
エイジは忙しくて来られないとのことだったが、ひょっとしたらそれは口座のことを配慮してかもしれなかった。
(勘九郎が来ると分かってたら、りなママに電話しないで、由奈口座でいけたかもしれんなあ…失敗したかな?)
涼平はそう悔恨をしたが、すでに同伴申告の際にりな口座にしていたので今更変えられない。しばらくして席に呼ばれ行ってみると、席にはすでにりなママも着いていた。
「しーくん、この前はどうもっす!やっぱ新地のクラブはゴージャスっすねえ!俺、エイジさんの代わりでもなければ、こんなとこ来れないっすよねぇ…」
勘九郎は新地のクラブ初体験にかなりテンションが上がっていた。
「やっぱ女性も綺麗な人ばっかすよね~うちの客たちとはレベルが違うなあ~。りなママも若くてママさんって感じやないっすよねえ。こんなベッピンのママやったら、俺、毎日でも来たいっすよ!」
勘九郎はハイテンションで誉め言葉を並べ立てていたが、隣の由奈の冷たい視線に気づくと、
「あ!由奈さんもかなりベッピンさんですけどね…人気あるでしょ?」
と、取って付けたように言った。
「人気ないわよ」
勘九郎とは対照的なローテンションで由奈が返すと、りなママが、
「あら、由奈ちゃんも可愛いわよ。涼平ちゃん、こんな可愛い子入店させたら、りなに紹介してくれな、あかんやん」
と、本気ともお世辞とも取れないことを言った。
「はあ…すんません」
「由奈ちゃん、これからはりなの席にもいっぱい着いてな」
「はーい、ありがとうございまーす」
由奈もりなママに誉められ、ローからハイにギアを入れた。
(単純なやつ…)
とはいえ、土曜に誕生日を祝いに行ってから、今日同伴に結びつけてくるあたりは、なかなかのものである。
(ひょっとして、それを計算して…)
だとすると、ガールズバーでNo.1だったというのはあながちデタラメではないのかもしれない。
「勘九郎ちゃん、由奈ちゃんを応援するために、シャンパン抜いてあげなさいよ」
りなママがそう言うと、勘九郎は慌てて、
「いやいや、そんなん勝手にしたら、エイジさんに怒られるっすよ!」
と手を振る。りなママはその手を両手で包み込み、
「大丈夫よ。今日、りながお店行ってあげるから。そんなら、勘九郎ちゃんも顔立つでしょ?由奈ちゃんも一緒に行こうね~」
「はーい」
「そ、そうっすねぇ…よし、飲みましょ!シャンパン持ってきてください!」
と、勘九郎は完全にりなママの手中に収まっていた。
(か、軽い…軽すぎる。大丈夫か?)
さすがりなママ、由奈よりも一枚上手だ。
席にはベルエポックという、ドルチェでは5万のシャンパンが運ばれてきた。
りなママは由奈に抜き物ポイントを付けてくれ、これで動員の1ポイントはチャラとなった。
(さすがは、ママになるだけはあるなあ…)
狸系の顔がどことなく由奈に似ているが、ホステスとしては遥かに由奈の力量を凌ぐ、そんなりなママのウインウインな采配に、涼平は感服していた。
この日、首レースでは由奈は合計7ポイントとなり、優香を抜き、紀美と並んだ。
涼平としては、以前由奈をかばってくれた優香を抜くのは忍びなかったが、そこは勝負の世界、黙って見守るしか術はなかった。
だが、由奈の快進撃はここから始まることとなる。
ミナミのホストクラブでのアフターで意気投合したのか、りなママは次の日から自分の客の席に必ず由奈を呼ぶようになった。それによって、りなママからの同伴、予約、抜きものポイントが上がり、由奈の順位も上がっていった。
一方、優香もそれを指をくわえて見ていたわけではなく、福田以外にも、明日菜の客を拾ってポイントを稼いだ。
紀美もまた、佐和子ママの客でポイントを着実に上げていく。
唯一ポイントが上がらなかったのは、樹理だった。ルイママに怒られて以来、樹理は呼ばれる席がほとんどなくなり、待機することが多くなった。
「樹理はあかん。もう付ける席ないわ。ほとんどの口座が樹理を外せって言ってきよる」
桂木部長に苦情を言われ、関は、すみません、とひたすら角張った頭を掻くしかなかった。
そして、そんなイベント第2週の終わりに、ついに樹理はクビを宣告された。店は年末の繁忙期だったが、席に着けなくなったホステスをいつまでも置いておくほど甘くはなかった。
第2週の金曜までの成績は次のようになった。
─────────────────
★スカウトレース
(同伴1回→1点、動員1人→1点)
1位 鳴海・西口チーム …………26点
2位 佐々木・河村チーム ………10点
3位 桂木・朝倉・椎原チーム …5点
4位 小寺・関チーム ……………0点
★首レース
(同伴1回→3ポイント
動員1人→1ポイント
予約1組→1ポイント
抜き物5万→1ポイント)
ワースト
1位 茜 ……10ポイント
2位 樹理 ……12ポイント
3位 紀美 ……13ポイント
─────────────────
茜とは18歳の最年少ホステスで、第2週から体調を崩して休みがちになり、ポイントが伸びないでいた。主にりなママによく呼ばれるホステスだったが、由奈がよく呼ばれるようになったのは彼女が休んでいることも一つの要因だったのかもしれない。
優香は15ポイントでワースト4位、由奈に至っては何と20ポイントでワースト8位まで下がり、いずれもクビレースからは名前が消えていた。
優香の自力の頑張りもすごかったが、樹理と由奈に関しては、実力のあるホステスに嫌われることと好かれることの違いが、はっきりと明暗を分かつ形となった。
樹理が早々とクビになったことで小寺・関チームのスカウト点はリセットされて振り出しに戻った。
第3週に入った月曜の営業前、珍しくほとんどのスタッフが顔を揃える中、関が四角い頭を掻きながら、同じチームの小寺次長に、すみません、と謝った。
「いや、俺も1人も女入れられへんかったんや。俺の方こそごめんやで」
小寺次長も分厚い黒縁眼鏡の端をつまみながら、関に謝り返す。
「樹理は見た目はいい女やったけど、あれはキャバ向きやな。個人プレーやないと成績を伸ばせないタイプや。チームプレーの大切なクラブには向かんわ。悪いけど、これで小寺チームは最下位決定やな」
桂木部長はそう言って笑った。
「笑わせる。桂木くんは何にもしてへんやん」
鳴海部長がそんな桂木をけなすと、
「お!ちょっと成績いいからって、言ってくれるやん。俺かて、由奈が一番受けるんはどの席か、毎日考えて采配してる。由奈のポイントが上がってるんはそのお陰もあるわ」
と、桂木は負け惜しみを言う。
(ほんまに、気楽な人や…お前も小寺次長みたいに謙虚になれよ…)
桂木に呆れて心で突っ込んでいた涼平に、
「いや、由奈はよく頑張ってくれてるよ。りなも喜んでる」
と、山田常務が声をかけた。
「そうやな~このままやったら、ラムも抜かれるかもね~」
佐々木マネージャーが、口ほどは心配もしてない軽さでそう言うと、
「すみません。俺も誰も呼んで来れなくて…」
と、河村主任が、こちらはかなり気にしている感じの重い口調で言った。
「大丈夫、大丈夫!麗子ちゃんに頑張ってもらっちゃうから~」
佐々木のおどけた言葉に、
「おいおい、佐々が賞金もらったら、今度俺に何か奢れよ」
と、鳴海部長が拳で小突く真似をする。佐々木はペロッと舌を出した。
「お前さんらも頑張ってるけどな、」
そんな部下たちのやり取りを聞き、黒服の重鎮、松岡専務が口を開いた。
「一番頑張ってるんは、売り上げのホステスや。そん中でもチーママ連中が頑張るから、お前さんらもヘルプのスカウトが出来るんやぞ。ええか、今週は一年で一番忙しい週になるやろ。でもな、それはノルマがかかってるっていうだけと違う。ママを始め、まずは売り上げのホステスたちが、店を忙しくしようと、プライドをかけて仕事してるからや、ということを忘れたらあかんぞ」
老兵の重みのある言葉に、一同、はいっ、と、声を揃えた。
そして、専務が言ったように、ホステスたちがプライドをかけた、一年で一番忙しい週、すなわち、12月の第3週が幕を開けた。
この週のドルチェは月曜から客足が止まることなく、涼平たちはホールを汗だくになって走り回った。
店に入れない客も続出し、口座のホステスたちの殺気立つような空気が店に充満していた。
そしてその殺気はクビレースを掛けた底辺ホステスの争いも巻き込み、熾烈を極めていった。
まず、茜は復帰して来て、日頃目をかけてもらっているりなママの客を中心に同伴、予約とスパートをかけてくる。
そのお陰で、回ってくるポイントの減った由奈は、再び中岡先生と同伴で入ってきた。
不思議なもので、店の空気に飲まれるのか、由奈のようなクラブ経験のないホステスにも、プライドのようなものが芽生えているのが伺えた。
優香は福田を導入してきた。
佐和子ママのプライドは、紀美の同伴、予約に向いているようだった。
もちろん、これらのホステスだけではなく、マリア、春樹、みく、ラムなどの同伴上位争い、貴代ママとルイママの売り上げ1位争い、瞳ママ、佐和子ママ、りなママ、麗子などの売り上げホステスたちの順位争い、そして、優香、由奈、紀美に追い上げられているホステスたちのワーストホステスに名を連ねない争い…それら全てが一つの大きな渦を作り、ドルチェは大海原を躍進する豪華客船のように、北新地の夜を連日賑わせるのだった。
由奈と一緒に店に入ってきたのは、エイジではなく、勘九郎だった。
エイジは忙しくて来られないとのことだったが、ひょっとしたらそれは口座のことを配慮してかもしれなかった。
(勘九郎が来ると分かってたら、りなママに電話しないで、由奈口座でいけたかもしれんなあ…失敗したかな?)
涼平はそう悔恨をしたが、すでに同伴申告の際にりな口座にしていたので今更変えられない。しばらくして席に呼ばれ行ってみると、席にはすでにりなママも着いていた。
「しーくん、この前はどうもっす!やっぱ新地のクラブはゴージャスっすねえ!俺、エイジさんの代わりでもなければ、こんなとこ来れないっすよねぇ…」
勘九郎は新地のクラブ初体験にかなりテンションが上がっていた。
「やっぱ女性も綺麗な人ばっかすよね~うちの客たちとはレベルが違うなあ~。りなママも若くてママさんって感じやないっすよねえ。こんなベッピンのママやったら、俺、毎日でも来たいっすよ!」
勘九郎はハイテンションで誉め言葉を並べ立てていたが、隣の由奈の冷たい視線に気づくと、
「あ!由奈さんもかなりベッピンさんですけどね…人気あるでしょ?」
と、取って付けたように言った。
「人気ないわよ」
勘九郎とは対照的なローテンションで由奈が返すと、りなママが、
「あら、由奈ちゃんも可愛いわよ。涼平ちゃん、こんな可愛い子入店させたら、りなに紹介してくれな、あかんやん」
と、本気ともお世辞とも取れないことを言った。
「はあ…すんません」
「由奈ちゃん、これからはりなの席にもいっぱい着いてな」
「はーい、ありがとうございまーす」
由奈もりなママに誉められ、ローからハイにギアを入れた。
(単純なやつ…)
とはいえ、土曜に誕生日を祝いに行ってから、今日同伴に結びつけてくるあたりは、なかなかのものである。
(ひょっとして、それを計算して…)
だとすると、ガールズバーでNo.1だったというのはあながちデタラメではないのかもしれない。
「勘九郎ちゃん、由奈ちゃんを応援するために、シャンパン抜いてあげなさいよ」
りなママがそう言うと、勘九郎は慌てて、
「いやいや、そんなん勝手にしたら、エイジさんに怒られるっすよ!」
と手を振る。りなママはその手を両手で包み込み、
「大丈夫よ。今日、りながお店行ってあげるから。そんなら、勘九郎ちゃんも顔立つでしょ?由奈ちゃんも一緒に行こうね~」
「はーい」
「そ、そうっすねぇ…よし、飲みましょ!シャンパン持ってきてください!」
と、勘九郎は完全にりなママの手中に収まっていた。
(か、軽い…軽すぎる。大丈夫か?)
さすがりなママ、由奈よりも一枚上手だ。
席にはベルエポックという、ドルチェでは5万のシャンパンが運ばれてきた。
りなママは由奈に抜き物ポイントを付けてくれ、これで動員の1ポイントはチャラとなった。
(さすがは、ママになるだけはあるなあ…)
狸系の顔がどことなく由奈に似ているが、ホステスとしては遥かに由奈の力量を凌ぐ、そんなりなママのウインウインな采配に、涼平は感服していた。
この日、首レースでは由奈は合計7ポイントとなり、優香を抜き、紀美と並んだ。
涼平としては、以前由奈をかばってくれた優香を抜くのは忍びなかったが、そこは勝負の世界、黙って見守るしか術はなかった。
だが、由奈の快進撃はここから始まることとなる。
ミナミのホストクラブでのアフターで意気投合したのか、りなママは次の日から自分の客の席に必ず由奈を呼ぶようになった。それによって、りなママからの同伴、予約、抜きものポイントが上がり、由奈の順位も上がっていった。
一方、優香もそれを指をくわえて見ていたわけではなく、福田以外にも、明日菜の客を拾ってポイントを稼いだ。
紀美もまた、佐和子ママの客でポイントを着実に上げていく。
唯一ポイントが上がらなかったのは、樹理だった。ルイママに怒られて以来、樹理は呼ばれる席がほとんどなくなり、待機することが多くなった。
「樹理はあかん。もう付ける席ないわ。ほとんどの口座が樹理を外せって言ってきよる」
桂木部長に苦情を言われ、関は、すみません、とひたすら角張った頭を掻くしかなかった。
そして、そんなイベント第2週の終わりに、ついに樹理はクビを宣告された。店は年末の繁忙期だったが、席に着けなくなったホステスをいつまでも置いておくほど甘くはなかった。
第2週の金曜までの成績は次のようになった。
─────────────────
★スカウトレース
(同伴1回→1点、動員1人→1点)
1位 鳴海・西口チーム …………26点
2位 佐々木・河村チーム ………10点
3位 桂木・朝倉・椎原チーム …5点
4位 小寺・関チーム ……………0点
★首レース
(同伴1回→3ポイント
動員1人→1ポイント
予約1組→1ポイント
抜き物5万→1ポイント)
ワースト
1位 茜 ……10ポイント
2位 樹理 ……12ポイント
3位 紀美 ……13ポイント
─────────────────
茜とは18歳の最年少ホステスで、第2週から体調を崩して休みがちになり、ポイントが伸びないでいた。主にりなママによく呼ばれるホステスだったが、由奈がよく呼ばれるようになったのは彼女が休んでいることも一つの要因だったのかもしれない。
優香は15ポイントでワースト4位、由奈に至っては何と20ポイントでワースト8位まで下がり、いずれもクビレースからは名前が消えていた。
優香の自力の頑張りもすごかったが、樹理と由奈に関しては、実力のあるホステスに嫌われることと好かれることの違いが、はっきりと明暗を分かつ形となった。
樹理が早々とクビになったことで小寺・関チームのスカウト点はリセットされて振り出しに戻った。
第3週に入った月曜の営業前、珍しくほとんどのスタッフが顔を揃える中、関が四角い頭を掻きながら、同じチームの小寺次長に、すみません、と謝った。
「いや、俺も1人も女入れられへんかったんや。俺の方こそごめんやで」
小寺次長も分厚い黒縁眼鏡の端をつまみながら、関に謝り返す。
「樹理は見た目はいい女やったけど、あれはキャバ向きやな。個人プレーやないと成績を伸ばせないタイプや。チームプレーの大切なクラブには向かんわ。悪いけど、これで小寺チームは最下位決定やな」
桂木部長はそう言って笑った。
「笑わせる。桂木くんは何にもしてへんやん」
鳴海部長がそんな桂木をけなすと、
「お!ちょっと成績いいからって、言ってくれるやん。俺かて、由奈が一番受けるんはどの席か、毎日考えて采配してる。由奈のポイントが上がってるんはそのお陰もあるわ」
と、桂木は負け惜しみを言う。
(ほんまに、気楽な人や…お前も小寺次長みたいに謙虚になれよ…)
桂木に呆れて心で突っ込んでいた涼平に、
「いや、由奈はよく頑張ってくれてるよ。りなも喜んでる」
と、山田常務が声をかけた。
「そうやな~このままやったら、ラムも抜かれるかもね~」
佐々木マネージャーが、口ほどは心配もしてない軽さでそう言うと、
「すみません。俺も誰も呼んで来れなくて…」
と、河村主任が、こちらはかなり気にしている感じの重い口調で言った。
「大丈夫、大丈夫!麗子ちゃんに頑張ってもらっちゃうから~」
佐々木のおどけた言葉に、
「おいおい、佐々が賞金もらったら、今度俺に何か奢れよ」
と、鳴海部長が拳で小突く真似をする。佐々木はペロッと舌を出した。
「お前さんらも頑張ってるけどな、」
そんな部下たちのやり取りを聞き、黒服の重鎮、松岡専務が口を開いた。
「一番頑張ってるんは、売り上げのホステスや。そん中でもチーママ連中が頑張るから、お前さんらもヘルプのスカウトが出来るんやぞ。ええか、今週は一年で一番忙しい週になるやろ。でもな、それはノルマがかかってるっていうだけと違う。ママを始め、まずは売り上げのホステスたちが、店を忙しくしようと、プライドをかけて仕事してるからや、ということを忘れたらあかんぞ」
老兵の重みのある言葉に、一同、はいっ、と、声を揃えた。
そして、専務が言ったように、ホステスたちがプライドをかけた、一年で一番忙しい週、すなわち、12月の第3週が幕を開けた。
この週のドルチェは月曜から客足が止まることなく、涼平たちはホールを汗だくになって走り回った。
店に入れない客も続出し、口座のホステスたちの殺気立つような空気が店に充満していた。
そしてその殺気はクビレースを掛けた底辺ホステスの争いも巻き込み、熾烈を極めていった。
まず、茜は復帰して来て、日頃目をかけてもらっているりなママの客を中心に同伴、予約とスパートをかけてくる。
そのお陰で、回ってくるポイントの減った由奈は、再び中岡先生と同伴で入ってきた。
不思議なもので、店の空気に飲まれるのか、由奈のようなクラブ経験のないホステスにも、プライドのようなものが芽生えているのが伺えた。
優香は福田を導入してきた。
佐和子ママのプライドは、紀美の同伴、予約に向いているようだった。
もちろん、これらのホステスだけではなく、マリア、春樹、みく、ラムなどの同伴上位争い、貴代ママとルイママの売り上げ1位争い、瞳ママ、佐和子ママ、りなママ、麗子などの売り上げホステスたちの順位争い、そして、優香、由奈、紀美に追い上げられているホステスたちのワーストホステスに名を連ねない争い…それら全てが一つの大きな渦を作り、ドルチェは大海原を躍進する豪華客船のように、北新地の夜を連日賑わせるのだった。
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全39チャプターですので最後までお付き合いいただけると嬉しいです。
それでは「よろひこー」!
(⋈◍>◡<◍)。✧💖
追伸
まあ、堅苦しく読んで下さいとは言いませんがいつもと違って、ちょっと気持ちを引き締めて読んでもらいたいです。合掌。
(。-人-。)
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