63 / 208
第1部 高級クラブのお仕事
籠の鳥
しおりを挟む
『大丈夫なの?』
安堵に胸を撫で下ろし、若干息切れしながら答える。
「うん、全然大丈夫やで」
涼平は北新地の南端に流れる堂島川の方向へ歩を進めており、すでに淀屋橋へと渡る橋が目の前に迫っていた。御影石調の親柱には、黒い石版に中之島ガーデンブリッジと彫られていた。
船大工通りに面する高級ホテルの裏手に回ると、そこはもう、すぐ北に繁華街があるとは思えないくらい静かな空間へと切り替わる。道路沿いに堂島川の堤防が広がり、川面には川に沿って走る高速道路の橋桁の黒影が黒々と落ちていた。ちょうど御堂筋と四つ橋の中間に位置するこの橋には、ほとんど人が渡る気配もなかった。
涼平はその橋への階段を上り、欄干に寄りかかるようにして電話に集中した。
『ね、あたし、涼平に聞きたいこと、あるんやけど…』
電話口の声は鼻声ではなくなっていたが、少しかすれているように聞こえた。
「何?」
『うん…あのね、涼平、あたしと出会ってよかったのかなぁ~って、ちょうどさっきね、そんなこと考えてたの』
川面には高速の灯りがぼんやりと揺らめき、それ以外のところに広がる暗闇を引き立たせていた。欄干の冷たい感触がコートの下から伝わり、携帯を持っていない方の手を体の間に挟ませる。
「出会ってよかったに決まってるやん。何でそんなこと聞くの?」
『うん………なら、いいの。あたしも、涼平と出会ってすっごくよかったって思ってるから…』
「なんか…まるで卒業式の友達どうしの会話みたいやなあ…」
身体が弱ってるとはいえ、しんみりとした萌未の語り口に、別れを示唆するような感じがして不安になった。
萌未は、そうね、と言って笑った。
「なあ、俺も聞きたいことあるんやけど…」
冷たい風が橋の上を南北に吹き抜け、直撃を受けた目に涙が滲んだ。酒で火照った顔には心地よかったが、携帯を持っていた右手の感覚はほとんどなくなっていた。
『何?一つだけなら、いいわよ』
「ええ?ずるいよ、俺は数の制限なんてしなかったのに…」
『病人を労りなさいよ』
「うーん…」
聞きたいことはいっぱいあり、どの質問にするかを迷う。
宮本さんの婚約祝いなんて、何で開こうと思った?
そもそも、宮本さんへの想いは吹っ切れた?
それとも、想い人は別にいる?
今、一人でいる?
どんな質問を思い浮かべてみても、結局最終的に聞きたいことは一つに行き着く。
俺を一番好きでいてくれる?
しかし、実際にそれを質問した場合、萌未の答えは100%分かっている。
一番好きよ…
萌未に100人好きな人がいて、自分が100番目であったとしても、彼女はきっとそう答えるだろう。
宮本のことだってそう。
吹っ切れた?と聞けば吹っ切れたと答える。
例え吹っ切れていなかったとしても、その心情を正直に話すとは思えない。
いや、萌未は基本的に正直だ。
ただ、その正直さはあくまで萌未の望む方向に向くのであって、客観的な事実と符号するとは限らない。
もし彼女が自分の弱みを見せまいとするなら……その気持ちに正直に答えようとする、そんなある意味意固地さを彼女には感じる。
ではどんな質問がいいか。
例えそれが客観的に見て嘘であっても、その嘘の向こうに彼女の正直な気持ちが読み取れるような質問は…
「1週間前、交差点で萌未が美伽…ほら、俺の5年間の片想いのやつと歩いてるのを見かけた気がしてん。あのとき、一緒にいた?」
結局、口をついて出たのはそんな質問だった。
『一緒にいたわよ』
即答だった。
『涼平はもう、あたしのもんやから、ちょっかい出さないでねって言ってたの』
「え………ええっ!?な、何で………!?」
密かに期待していたことをすんなり言われ、涼平の頭の中は逆にパニックになった。
あの交差点でのあと、涼平はこんなことを考えていた。
もし、あれが萌未と美伽だったとしたら考えられること…二人が自分がらみで会っていたのでは、ということ…
萌未のマンションから一緒に大学に行った日、萌未は美伽の顔を見た。
そして、美伽とホテルに泊まった日、もし大学で萌未が俺と美伽の話しているところを目撃していれば、萌未はきっと俺が美伽への想いを断ち切れていないと思っただろう。
もし萌未が俺を好きでいてくれるなら、萌未の正直さは俺を直接非難するような方向には向かない。
だがひょっとしたら、美伽のことを大学で見かけ、涼平は自分のものだとか何とか言って釘を刺したりしたのかも…
そしてなぜか意気投合し、あのすれ違った日は一緒に飲みに出ていた、とか……
それは多分に涼平の希望を孕ませた勝手な妄想だった。
そんな妄想を思い描き、萌未が自分のことを好きでいてくれるというストーリーを作って一人でニマニマとする…_
涼平にはそういうところがあった。
四の五の言わないで自分について来い!
相手の心情をグジグジと慮ってばかりいず、時にはそんな傲岸不遜な態度に出てみたい。
そしてきっとその強引さは萌未には有効に思える。
だが、それを実行に移すには、涼平は自分に自信が無さ過ぎた。
なので、その思い描いていた通りのことを萌未に言われ、嬉しくなるというより、頭の中を見透かされている感じがして慌ててしまった。
『嘘よ』
「え………ええっ?」
『そんな訳ないでしょ?あたし、美伽さんとはしゃべったこともないわよ。』
「あ…ですよねぇ…。やっぱり俺の錯覚やったんや…」
『そうよ。涼平って面白いこと言うのね』
新地に巣くっている狐や狸が、自分の妄想につけ込んであの夜あんな幻覚を見せた…そんなファンタジックな発想の方が、涼平には現実的に思えた。
萌未の姉の部屋に寝泊まりさせてもらうというちょっと普通ではあり得ない非現実的なシチュエーションが、まるで異世界に迷い込んてしまったような質量のない感覚を身の回りのいろんなことにまとわせていたのだ。
(口説きがきつくて困ってたのよ)
クラブ若名で聞いた萌未の客への本音が、自分に対してもどこかで言われている…そんなネガティブな考えが常に付き纏う。
もし誰かに妄想なんか止めて現実的に事実を受け止めよと言われたならば、萌未にしてみればちょっと毛色の変わったコレクションを手に入れただけなのだという考えに行き着く。
彼女は涼平という風変わりな鳥を見つけ、籠の中に閉じ込める。
そしてたまに餌を与えにやってきて、そのコレクションを眺めるのだ。
(籠の扉は開いているのよ。逃げたければ、逃げなさい。でも、逃げられないでしょ?)
そう、涼平にとっては彼女の与えてくれる餌が唯一の生きる糧になってしまっていて、彼女の鳥籠から逃れられない。
そんな涼平の姿を見て、彼女は満足気に微笑む…
俺を一番好きでいてくれる?
さっき口から出そうになった質問──それはまるで餌をくれとねだるペットと同じだ。
北新地の高級クラブで日々戦っている萌未にとって、自分を捕捉することなどいとも容易いことなのだ…
暗闇に緩流する堂島川の底知れない深みに、涼平の思考は捕らえられていた。
『そろそろ、寝るね』
沈黙した携帯の先から、彼女のかすれた声が聞こえた。
「うん、おやすみ…俺もちょっと悪酔いしたみたい…」
『ほら、やっぱり酔ってたやない。ちゃんと真っ直ぐ帰って寝るのよ』
「はいはい、お母さん」
『もうっ。じゃ、切るね』
「土曜日、楽しみにしてるから」
『うん。おやすみなさい』
堂島川から見る北新地は、ビルの薄汚れた背面がむき出しになり、まるで舞台裏からショーを観ている感じだ。
ここが現実、向こうは夢…
両手の感覚はすでに消えて久しい。涼平は冷たい欄干にもたれながら、光と影の境界線を、擬宝珠の青銅と体温が同化するまで辿っていた。
安堵に胸を撫で下ろし、若干息切れしながら答える。
「うん、全然大丈夫やで」
涼平は北新地の南端に流れる堂島川の方向へ歩を進めており、すでに淀屋橋へと渡る橋が目の前に迫っていた。御影石調の親柱には、黒い石版に中之島ガーデンブリッジと彫られていた。
船大工通りに面する高級ホテルの裏手に回ると、そこはもう、すぐ北に繁華街があるとは思えないくらい静かな空間へと切り替わる。道路沿いに堂島川の堤防が広がり、川面には川に沿って走る高速道路の橋桁の黒影が黒々と落ちていた。ちょうど御堂筋と四つ橋の中間に位置するこの橋には、ほとんど人が渡る気配もなかった。
涼平はその橋への階段を上り、欄干に寄りかかるようにして電話に集中した。
『ね、あたし、涼平に聞きたいこと、あるんやけど…』
電話口の声は鼻声ではなくなっていたが、少しかすれているように聞こえた。
「何?」
『うん…あのね、涼平、あたしと出会ってよかったのかなぁ~って、ちょうどさっきね、そんなこと考えてたの』
川面には高速の灯りがぼんやりと揺らめき、それ以外のところに広がる暗闇を引き立たせていた。欄干の冷たい感触がコートの下から伝わり、携帯を持っていない方の手を体の間に挟ませる。
「出会ってよかったに決まってるやん。何でそんなこと聞くの?」
『うん………なら、いいの。あたしも、涼平と出会ってすっごくよかったって思ってるから…』
「なんか…まるで卒業式の友達どうしの会話みたいやなあ…」
身体が弱ってるとはいえ、しんみりとした萌未の語り口に、別れを示唆するような感じがして不安になった。
萌未は、そうね、と言って笑った。
「なあ、俺も聞きたいことあるんやけど…」
冷たい風が橋の上を南北に吹き抜け、直撃を受けた目に涙が滲んだ。酒で火照った顔には心地よかったが、携帯を持っていた右手の感覚はほとんどなくなっていた。
『何?一つだけなら、いいわよ』
「ええ?ずるいよ、俺は数の制限なんてしなかったのに…」
『病人を労りなさいよ』
「うーん…」
聞きたいことはいっぱいあり、どの質問にするかを迷う。
宮本さんの婚約祝いなんて、何で開こうと思った?
そもそも、宮本さんへの想いは吹っ切れた?
それとも、想い人は別にいる?
今、一人でいる?
どんな質問を思い浮かべてみても、結局最終的に聞きたいことは一つに行き着く。
俺を一番好きでいてくれる?
しかし、実際にそれを質問した場合、萌未の答えは100%分かっている。
一番好きよ…
萌未に100人好きな人がいて、自分が100番目であったとしても、彼女はきっとそう答えるだろう。
宮本のことだってそう。
吹っ切れた?と聞けば吹っ切れたと答える。
例え吹っ切れていなかったとしても、その心情を正直に話すとは思えない。
いや、萌未は基本的に正直だ。
ただ、その正直さはあくまで萌未の望む方向に向くのであって、客観的な事実と符号するとは限らない。
もし彼女が自分の弱みを見せまいとするなら……その気持ちに正直に答えようとする、そんなある意味意固地さを彼女には感じる。
ではどんな質問がいいか。
例えそれが客観的に見て嘘であっても、その嘘の向こうに彼女の正直な気持ちが読み取れるような質問は…
「1週間前、交差点で萌未が美伽…ほら、俺の5年間の片想いのやつと歩いてるのを見かけた気がしてん。あのとき、一緒にいた?」
結局、口をついて出たのはそんな質問だった。
『一緒にいたわよ』
即答だった。
『涼平はもう、あたしのもんやから、ちょっかい出さないでねって言ってたの』
「え………ええっ!?な、何で………!?」
密かに期待していたことをすんなり言われ、涼平の頭の中は逆にパニックになった。
あの交差点でのあと、涼平はこんなことを考えていた。
もし、あれが萌未と美伽だったとしたら考えられること…二人が自分がらみで会っていたのでは、ということ…
萌未のマンションから一緒に大学に行った日、萌未は美伽の顔を見た。
そして、美伽とホテルに泊まった日、もし大学で萌未が俺と美伽の話しているところを目撃していれば、萌未はきっと俺が美伽への想いを断ち切れていないと思っただろう。
もし萌未が俺を好きでいてくれるなら、萌未の正直さは俺を直接非難するような方向には向かない。
だがひょっとしたら、美伽のことを大学で見かけ、涼平は自分のものだとか何とか言って釘を刺したりしたのかも…
そしてなぜか意気投合し、あのすれ違った日は一緒に飲みに出ていた、とか……
それは多分に涼平の希望を孕ませた勝手な妄想だった。
そんな妄想を思い描き、萌未が自分のことを好きでいてくれるというストーリーを作って一人でニマニマとする…_
涼平にはそういうところがあった。
四の五の言わないで自分について来い!
相手の心情をグジグジと慮ってばかりいず、時にはそんな傲岸不遜な態度に出てみたい。
そしてきっとその強引さは萌未には有効に思える。
だが、それを実行に移すには、涼平は自分に自信が無さ過ぎた。
なので、その思い描いていた通りのことを萌未に言われ、嬉しくなるというより、頭の中を見透かされている感じがして慌ててしまった。
『嘘よ』
「え………ええっ?」
『そんな訳ないでしょ?あたし、美伽さんとはしゃべったこともないわよ。』
「あ…ですよねぇ…。やっぱり俺の錯覚やったんや…」
『そうよ。涼平って面白いこと言うのね』
新地に巣くっている狐や狸が、自分の妄想につけ込んであの夜あんな幻覚を見せた…そんなファンタジックな発想の方が、涼平には現実的に思えた。
萌未の姉の部屋に寝泊まりさせてもらうというちょっと普通ではあり得ない非現実的なシチュエーションが、まるで異世界に迷い込んてしまったような質量のない感覚を身の回りのいろんなことにまとわせていたのだ。
(口説きがきつくて困ってたのよ)
クラブ若名で聞いた萌未の客への本音が、自分に対してもどこかで言われている…そんなネガティブな考えが常に付き纏う。
もし誰かに妄想なんか止めて現実的に事実を受け止めよと言われたならば、萌未にしてみればちょっと毛色の変わったコレクションを手に入れただけなのだという考えに行き着く。
彼女は涼平という風変わりな鳥を見つけ、籠の中に閉じ込める。
そしてたまに餌を与えにやってきて、そのコレクションを眺めるのだ。
(籠の扉は開いているのよ。逃げたければ、逃げなさい。でも、逃げられないでしょ?)
そう、涼平にとっては彼女の与えてくれる餌が唯一の生きる糧になってしまっていて、彼女の鳥籠から逃れられない。
そんな涼平の姿を見て、彼女は満足気に微笑む…
俺を一番好きでいてくれる?
さっき口から出そうになった質問──それはまるで餌をくれとねだるペットと同じだ。
北新地の高級クラブで日々戦っている萌未にとって、自分を捕捉することなどいとも容易いことなのだ…
暗闇に緩流する堂島川の底知れない深みに、涼平の思考は捕らえられていた。
『そろそろ、寝るね』
沈黙した携帯の先から、彼女のかすれた声が聞こえた。
「うん、おやすみ…俺もちょっと悪酔いしたみたい…」
『ほら、やっぱり酔ってたやない。ちゃんと真っ直ぐ帰って寝るのよ』
「はいはい、お母さん」
『もうっ。じゃ、切るね』
「土曜日、楽しみにしてるから」
『うん。おやすみなさい』
堂島川から見る北新地は、ビルの薄汚れた背面がむき出しになり、まるで舞台裏からショーを観ている感じだ。
ここが現実、向こうは夢…
両手の感覚はすでに消えて久しい。涼平は冷たい欄干にもたれながら、光と影の境界線を、擬宝珠の青銅と体温が同化するまで辿っていた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
隣に住んでいる後輩の『彼女』面がガチすぎて、オレの知ってるラブコメとはかなり違う気がする
夕姫
青春
【『白石夏帆』こいつには何を言っても無駄なようだ……】
主人公の神原秋人は、高校二年生。特別なことなど何もない、静かな一人暮らしを愛する少年だった。東京の私立高校に通い、誰とも深く関わらずただ平凡に過ごす日々。
そんな彼の日常は、ある春の日、突如現れた隣人によって塗り替えられる。後輩の白石夏帆。そしてとんでもないことを言い出したのだ。
「え?私たち、付き合ってますよね?」
なぜ?どうして?全く身に覚えのない主張に秋人は混乱し激しく否定する。だが、夏帆はまるで聞いていないかのように、秋人に猛烈に迫ってくる。何を言っても、どんな態度をとっても、その鋼のような意思は揺るがない。
「付き合っている」という謎の確信を持つ夏帆と、彼女に振り回されながらも憎めない(?)と思ってしまう秋人。これは、一人の後輩による一方的な「好き」が、平凡な先輩の日常を侵略する、予測不能な押しかけラブコメディ。
日本の運命を変えた天才少年-日本が世界一の帝国になる日-
ましゅまろ
歴史・時代
――もしも、日本の運命を変える“少年”が現れたなら。
1941年、戦争の影が世界を覆うなか、日本に突如として現れた一人の少年――蒼月レイ。
わずか13歳の彼は、天才的な頭脳で、戦争そのものを再設計し、歴史を変え、英米独ソをも巻き込みながら、日本を敗戦の未来から救い出す。
だがその歩みは、同時に多くの敵を生み、命を狙われることも――。
これは、一人の少年の手で、世界一の帝国へと昇りつめた日本の物語。
希望と混乱の20世紀を超え、未来に語り継がれる“蒼き伝説”が、いま始まる。
※アルファポリス限定投稿
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ト・カ・リ・ナ〜時を止めるアイテムを手にしたら気になる彼女と距離が近くなった件〜
遊馬友仁
青春
高校二年生の坂井夏生(さかいなつき)は、十七歳の誕生日に、亡くなった祖父からの贈り物だという不思議な木製のオカリナを譲り受ける。試しに自室で息を吹き込むと、周囲のヒトやモノがすべて動きを止めてしまった!
木製細工の能力に不安を感じながらも、夏生は、その能力の使い途を思いつく……。
「そうだ!教室の前の席に座っている、いつも、マスクを外さない小嶋夏海(こじまなつみ)の素顔を見てやろう」
そうして、自身のアイデアを実行に映した夏生であったがーーーーーー。
クラスのマドンナがなぜか俺のメイドになっていた件について
沢田美
恋愛
名家の御曹司として何不自由ない生活を送りながらも、内気で陰気な性格のせいで孤独に生きてきた裕貴真一郎(ゆうき しんいちろう)。
かつてのいじめが原因で、彼は1年間も学校から遠ざかっていた。
しかし、久しぶりに登校したその日――彼は運命の出会いを果たす。
現れたのは、まるで絵から飛び出してきたかのような美少女。
その瞳にはどこかミステリアスな輝きが宿り、真一郎の心をかき乱していく。
「今日から私、あなたのメイドになります!」
なんと彼女は、突然メイドとして彼の家で働くことに!?
謎めいた美少女と陰キャ御曹司の、予測不能な主従ラブコメが幕を開ける!
カクヨム、小説家になろうの方でも連載しています!
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
