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第2部 萌未の手記
衝撃の事実
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フジケンの娘と婚約するって?
あたしはその言葉を聞いてから、黒田店長の話など全く頭に入らず呆然としていた。拓也に一刻も早く真意を確かめたかったが、時刻は夜中の3時を回っている。この日は拓也の家には戻らずにミナミの部屋に帰り、悶々としながら昼までの時間を過ごした。
もし店長が言ったことが本当だとしたら、今までの拓也の言動は全部嘘なのではないか……そんな不穏な考えも湧き上がってきた。内部からフジケンを探るとか言いながら、どっぷりとフジケン側についているのだ。
ひょっとして…
あたしが志保姉の敵を取ることに反対するのも、自分に都合が悪いからじゃないか?
いや、でも、拓也の志保姉に対する想いは間違いないはずだ。
でもでも……時間が経つにつれて気が変わったのだとしたら?
布団に包まりながらそんな思考をぐるぐると巡らせ、窓に引いた遮光カーテンの隙間から暁光が差してくると、身支度を整えて池橋駅へと急いだ。
拓也の家に着くと、拓也はもう起きていてリビングに座り、新聞を読んでいた。本日は水曜日、拓也の仕事は休みのはずだった。
「ミナミの部屋で一泊したの?」
顔を見るなり聞いてくる拓也の向かいに座って彼を睨む。そして開口一番、
「ねえ、フジケンの娘と婚約するって、本当?」
と前置きなくストレートに聞く。拓也の顔が、歪む。
「え?どこでそれを?」
「どこやっていいでしょ?婚約するのかって聞いてんの!」
「いや、それは…」
「するの?しないの?」
「ちょっと待って。それは簡単に答えられることと違う」
拓也のその返答に、目の前がくらっとした。拓也は否定しなかったのだ。
「簡単なことでしょ?するかしないか、それだけのことやない。何でそんな話はないってきっぱり言わないの?」
拓也は新聞を畳んで手を組み、その手の上に頭を乗せて、うーん、と唸った。あたしは容赦なく言葉を被せる。
「全部言ってること、嘘なんやないの?志保姉の意思を継いでフジケンの調査してるとか言って、全部あたしを丸め込もうとしてたんやないの?」
「それは違う!本当に調査はしてる」
拓也はガバっと顔を上げる。
「じゃあ言ってよ!どんな調査してるか、全部教えてよ!」
しばらく目と目を合わせてから、拓也ははあ~っとため息をつく。
「なあ、萌未ちゃん、君は勉強をよく頑張ってた。そして、見事大学生になった。きっとその先にはいろんな将来が待ってる。君は若いんやから、この先、いろんなことが可能性があるんだ。その将来を、復讐なんて悲しいことに費やさないで欲しい。復讐なんて志保も望んでない。志保も絶対、萌未ちゃんの幸せを願ってるはずや」
「はあ?聞いたようなこと言わんといて!あたしの将来はあたしが決める!そんで何やの?あたしは志保姉のこと忘れて、あんたはフジケンの娘と結婚してのうのうと暮らすってか?」
「いや、もし君が復讐を止めるって言うなら、僕も仕事を移ったっていい。ここに住むのは無理やけど、どこか誰も知らんとこ行って、一緒に人生やり直してもいいと思ってる」
「何でそうなるのよ。結局、あんたは何がしたいの?」
「僕がしたいのは復讐やない。志保の意思を継ぐというのも、あんな志保のお父さんみたいな悲しいことが今後無いよう、フジケンの違法なとこを改めることや。調査して、そんで悪いとこ改めて、フジケン興行を綺麗な会社にする、それが今の僕の目指してることや」
「そんで、その暁には娘と結婚しますって?社長にでもなるつもり?ええですなあ、あんたは金持ちになれて、志保姉のこと忘れて幸せになって。言っとくけどその娘の幸せなんて、あたしたち家族の犠牲の上に成り立ってるかもしれないんでしょ?そんなの許せない!絶対、許さないんやから!」
言ってるうちに次第に言葉に怒りの感情が乗る。そうだ、志保姉は大塚のお父さんが死んだ裏にフジケン興業が絡んでいると思って調べていた。そして志保姉自身の死因も、もしかしたらその真相に近づいたから何者かが抹殺したことによるかもしれないのだ。だとしたら、そこには間違いなくフジケンが関わっている。そんなやつの娘と結婚しようだなんて………
感情の波が打ち寄せ、あたしはそこで言葉を詰まらせ、肩を震わせた。睨んでいる拓也の顔が涙で滲んできた。拓也はそんなあたしを黙って見つめ、悲しそうに眉を曇らせた。
そして、ポツンと言った。
「美伽は…何も悪くない」
ミカは…悪くない?
ミカ?
あたしの頭の中に電流が走り、全く違うところにあった記憶とシナプスで繋がる。
藤原…美伽……?
あたしはガタッと椅子を鳴らして思わず立ち上がった。
「ねえ…フジケンの娘って……」
あたしはそこで言葉を詰まらせたが、拓也は全てを了解しているように、一つ、頷いた。
「ああ、君たちは、同級生だったね」
その言葉に、あたしの目の前に一瞬、暗幕が下りた───。
そう、美伽はあたしの小・中学校の同級生だ。なぜ拓也が彼女と繋がっていたのか、その後問い詰めたところによると、その顛末はこうだった。
大塚のお父さんが亡くなったのがあたしの中学三年の時、拓也は大学入学仕立てだった。志保姉はお父さんの死因を不審に思い、独自の調査によって藤原建設…当時のフジケン興業の前身の会社…が怪しいと突き止めた。図らずも幼馴染の不審死の理由を突き止めようとしていた拓也は志保姉に接触し、やがて目的を同じくしていることが分かり意気投合する。そして拓也は会社の中から、志保姉は新地のホステスとなってフジケン本人から探ろうとするのだが、拓也にしてみれば、ただフジケン興業の入社試験を受けて社員として入り込んだのでは、会社の中枢に行き着くまで時間がかかり過ぎる。そこで目をつけたのが、当時高校生だったフジケンの娘の美伽の家庭教師として創業家の藤原家に入り込むことだった──。
あたしはそこまでの話を、胃のムカつきを抑えながら聞いていたが、ついに耐えられなくなった。
「てことはあんたは、ミイラ取りがミイラになったってことよね?」
「違う!そんなんじゃない!」
「じゃあ何で婚約までするのよ!やってることおかしいと思わないの!?」
そこでまた、拓也はグッと喉を鳴らす。さっき美伽を庇ったことといい、決して婚約のことを否定しない拓也の態度に、あたしは業を煮やし、感情が爆発しそうになって家を飛び出した。
そしてタクシーを捕まえ、ミナミの家に戻ると、ベッドに突っ伏して思いっ切り泣いた。
あたしは馬鹿だ。
あんな男を信用して。
同じ意志を共有する同士だと思ってたのに!
そして、ちょっとお兄ちゃんができたような嬉しい気持ちになっていたのに!
ひとしきり泣き、やがて遮光された部屋の闇に心が囚われる。
ん?
まてよ…?
志保姉を死に追いやったのはやっぱり拓也なんじゃないか?
美伽のことが好きになり、志保姉が邪魔になって…
動機としては十分だ。
アリバイがあるって言っても、傷心の志保姉を自殺に追い詰めることは出来る。
いや、グラス…
あの日、志保姉の死の直前に誰かが訪れていたのは間違いない。
でもそれは警察の言うように単なる間違いだったとしたら?
やはり、志保姉は自殺だったのだとしたら?
それなら原因は間違いなくあの男の心変わりだ。
あので、あいつがやっぱり敵ということになる。
あたしの直感は間違ってなかったことになるのだ。
そして、あいつに疑いを抱くあたしを懐柔すべく家に招き入れた……?
いや、そもそもあいつの家に転がり込んだのはあたしの方からだったし、志保姉は若名でフジケンを探っていたのは間違いない。
だとしたら、フジケン興業の線も捨てがたい。
そんな堂々巡りの思考の末、あたしは顔を上げた。
やはり、自分で動かなきゃだめだ。
拓也に任せたのは間違いだった。
今すぐにあたしに出来ること…
現状気になるのは、いつかのマリアの言葉。
綺羅ママはフジケンを揺すっていたらしいということ。
あたしは綺羅ママから受け取った二つのメモを目の前に出す。
『母の愛』
『DEF』
綺羅ママが死ぬ前に渡してくれたこの二つの言葉は、きっと志保姉が探っていたことに繋がっている。
ふふ、ふふふ、あはははは
自分でもその時、どんな感情に支配されていたのか分からない。
が、心の奥底の暗い深淵からこみ上げてくる笑いにしばらく身を沈めながら、改めて志保姉の敵討ちに身を投じる決意を固めていた──。
あたしはその言葉を聞いてから、黒田店長の話など全く頭に入らず呆然としていた。拓也に一刻も早く真意を確かめたかったが、時刻は夜中の3時を回っている。この日は拓也の家には戻らずにミナミの部屋に帰り、悶々としながら昼までの時間を過ごした。
もし店長が言ったことが本当だとしたら、今までの拓也の言動は全部嘘なのではないか……そんな不穏な考えも湧き上がってきた。内部からフジケンを探るとか言いながら、どっぷりとフジケン側についているのだ。
ひょっとして…
あたしが志保姉の敵を取ることに反対するのも、自分に都合が悪いからじゃないか?
いや、でも、拓也の志保姉に対する想いは間違いないはずだ。
でもでも……時間が経つにつれて気が変わったのだとしたら?
布団に包まりながらそんな思考をぐるぐると巡らせ、窓に引いた遮光カーテンの隙間から暁光が差してくると、身支度を整えて池橋駅へと急いだ。
拓也の家に着くと、拓也はもう起きていてリビングに座り、新聞を読んでいた。本日は水曜日、拓也の仕事は休みのはずだった。
「ミナミの部屋で一泊したの?」
顔を見るなり聞いてくる拓也の向かいに座って彼を睨む。そして開口一番、
「ねえ、フジケンの娘と婚約するって、本当?」
と前置きなくストレートに聞く。拓也の顔が、歪む。
「え?どこでそれを?」
「どこやっていいでしょ?婚約するのかって聞いてんの!」
「いや、それは…」
「するの?しないの?」
「ちょっと待って。それは簡単に答えられることと違う」
拓也のその返答に、目の前がくらっとした。拓也は否定しなかったのだ。
「簡単なことでしょ?するかしないか、それだけのことやない。何でそんな話はないってきっぱり言わないの?」
拓也は新聞を畳んで手を組み、その手の上に頭を乗せて、うーん、と唸った。あたしは容赦なく言葉を被せる。
「全部言ってること、嘘なんやないの?志保姉の意思を継いでフジケンの調査してるとか言って、全部あたしを丸め込もうとしてたんやないの?」
「それは違う!本当に調査はしてる」
拓也はガバっと顔を上げる。
「じゃあ言ってよ!どんな調査してるか、全部教えてよ!」
しばらく目と目を合わせてから、拓也ははあ~っとため息をつく。
「なあ、萌未ちゃん、君は勉強をよく頑張ってた。そして、見事大学生になった。きっとその先にはいろんな将来が待ってる。君は若いんやから、この先、いろんなことが可能性があるんだ。その将来を、復讐なんて悲しいことに費やさないで欲しい。復讐なんて志保も望んでない。志保も絶対、萌未ちゃんの幸せを願ってるはずや」
「はあ?聞いたようなこと言わんといて!あたしの将来はあたしが決める!そんで何やの?あたしは志保姉のこと忘れて、あんたはフジケンの娘と結婚してのうのうと暮らすってか?」
「いや、もし君が復讐を止めるって言うなら、僕も仕事を移ったっていい。ここに住むのは無理やけど、どこか誰も知らんとこ行って、一緒に人生やり直してもいいと思ってる」
「何でそうなるのよ。結局、あんたは何がしたいの?」
「僕がしたいのは復讐やない。志保の意思を継ぐというのも、あんな志保のお父さんみたいな悲しいことが今後無いよう、フジケンの違法なとこを改めることや。調査して、そんで悪いとこ改めて、フジケン興行を綺麗な会社にする、それが今の僕の目指してることや」
「そんで、その暁には娘と結婚しますって?社長にでもなるつもり?ええですなあ、あんたは金持ちになれて、志保姉のこと忘れて幸せになって。言っとくけどその娘の幸せなんて、あたしたち家族の犠牲の上に成り立ってるかもしれないんでしょ?そんなの許せない!絶対、許さないんやから!」
言ってるうちに次第に言葉に怒りの感情が乗る。そうだ、志保姉は大塚のお父さんが死んだ裏にフジケン興業が絡んでいると思って調べていた。そして志保姉自身の死因も、もしかしたらその真相に近づいたから何者かが抹殺したことによるかもしれないのだ。だとしたら、そこには間違いなくフジケンが関わっている。そんなやつの娘と結婚しようだなんて………
感情の波が打ち寄せ、あたしはそこで言葉を詰まらせ、肩を震わせた。睨んでいる拓也の顔が涙で滲んできた。拓也はそんなあたしを黙って見つめ、悲しそうに眉を曇らせた。
そして、ポツンと言った。
「美伽は…何も悪くない」
ミカは…悪くない?
ミカ?
あたしの頭の中に電流が走り、全く違うところにあった記憶とシナプスで繋がる。
藤原…美伽……?
あたしはガタッと椅子を鳴らして思わず立ち上がった。
「ねえ…フジケンの娘って……」
あたしはそこで言葉を詰まらせたが、拓也は全てを了解しているように、一つ、頷いた。
「ああ、君たちは、同級生だったね」
その言葉に、あたしの目の前に一瞬、暗幕が下りた───。
そう、美伽はあたしの小・中学校の同級生だ。なぜ拓也が彼女と繋がっていたのか、その後問い詰めたところによると、その顛末はこうだった。
大塚のお父さんが亡くなったのがあたしの中学三年の時、拓也は大学入学仕立てだった。志保姉はお父さんの死因を不審に思い、独自の調査によって藤原建設…当時のフジケン興業の前身の会社…が怪しいと突き止めた。図らずも幼馴染の不審死の理由を突き止めようとしていた拓也は志保姉に接触し、やがて目的を同じくしていることが分かり意気投合する。そして拓也は会社の中から、志保姉は新地のホステスとなってフジケン本人から探ろうとするのだが、拓也にしてみれば、ただフジケン興業の入社試験を受けて社員として入り込んだのでは、会社の中枢に行き着くまで時間がかかり過ぎる。そこで目をつけたのが、当時高校生だったフジケンの娘の美伽の家庭教師として創業家の藤原家に入り込むことだった──。
あたしはそこまでの話を、胃のムカつきを抑えながら聞いていたが、ついに耐えられなくなった。
「てことはあんたは、ミイラ取りがミイラになったってことよね?」
「違う!そんなんじゃない!」
「じゃあ何で婚約までするのよ!やってることおかしいと思わないの!?」
そこでまた、拓也はグッと喉を鳴らす。さっき美伽を庇ったことといい、決して婚約のことを否定しない拓也の態度に、あたしは業を煮やし、感情が爆発しそうになって家を飛び出した。
そしてタクシーを捕まえ、ミナミの家に戻ると、ベッドに突っ伏して思いっ切り泣いた。
あたしは馬鹿だ。
あんな男を信用して。
同じ意志を共有する同士だと思ってたのに!
そして、ちょっとお兄ちゃんができたような嬉しい気持ちになっていたのに!
ひとしきり泣き、やがて遮光された部屋の闇に心が囚われる。
ん?
まてよ…?
志保姉を死に追いやったのはやっぱり拓也なんじゃないか?
美伽のことが好きになり、志保姉が邪魔になって…
動機としては十分だ。
アリバイがあるって言っても、傷心の志保姉を自殺に追い詰めることは出来る。
いや、グラス…
あの日、志保姉の死の直前に誰かが訪れていたのは間違いない。
でもそれは警察の言うように単なる間違いだったとしたら?
やはり、志保姉は自殺だったのだとしたら?
それなら原因は間違いなくあの男の心変わりだ。
あので、あいつがやっぱり敵ということになる。
あたしの直感は間違ってなかったことになるのだ。
そして、あいつに疑いを抱くあたしを懐柔すべく家に招き入れた……?
いや、そもそもあいつの家に転がり込んだのはあたしの方からだったし、志保姉は若名でフジケンを探っていたのは間違いない。
だとしたら、フジケン興業の線も捨てがたい。
そんな堂々巡りの思考の末、あたしは顔を上げた。
やはり、自分で動かなきゃだめだ。
拓也に任せたのは間違いだった。
今すぐにあたしに出来ること…
現状気になるのは、いつかのマリアの言葉。
綺羅ママはフジケンを揺すっていたらしいということ。
あたしは綺羅ママから受け取った二つのメモを目の前に出す。
『母の愛』
『DEF』
綺羅ママが死ぬ前に渡してくれたこの二つの言葉は、きっと志保姉が探っていたことに繋がっている。
ふふ、ふふふ、あはははは
自分でもその時、どんな感情に支配されていたのか分からない。
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