あたたかく光る

たまこ

文字の大きさ
27 / 33

27話

しおりを挟む
  王都へと着き、まずは王宮へ向かった。

「オルガさまっ!」

王宮の着き、オルガが馬車から降りた時、ひとりの獣人がオルガの元へ走ってきた。
オレンジ色の毛と茶色い瞳をした、人懐っこそうな人だった。

「久しぶりだな、ガルバ」
「お久しぶりですっ!」

ふたりは久々にあったようだった。

「僕はガルバですっ!前にオルガさまに腕を鍛えてもらっていました!」

ニコニコとした笑顔でそう言った。

「あ、引き止めてすみませんっ!中へどうぞ」

 中へ入り、ミウとオルガは玉座の間に呼ばれた。

「長旅ご苦労さま。久しぶりだねオルガ」
「お久しぶりです父上」

高い目線の先に王が座っていたが、降りてきてオルガの肩に手を置き話した。

「ミウくん、家のものが悪かったね、ごめんね」
「いっ、いえっ」

次はミウの頭に手を置き話した。
想像してた怖い王とは違い、とても優しそうな王でミウは驚いた。

「オルガはこれからどこで過ごすんだい?」
「アルンの屋敷の近くにあるところに住もうと思っています」
「ここにふたりで住んでもいいんだよ⋯?」
「いえ、アルンの所にはミウの友達がいますので」
「そうか」

王は寂しそうな顔をした。

「また来てくれるかい?」
「仕事で王宮に来ることは多くなると思いますのでまた顔を見せに来ます」

そうオルガが言うと王は嬉しそうな父親の顔をした。

 話が終わった後、例のアルンの近くの屋敷に来ていた。

先程会ったガルバという獣人とにだ。

「今日から僕もよろしくお願いします!」

そう頭を下げた。

「ミウの護衛を頼むことにしたから、よろしくしてやってくれ」
「ぼっぼくのご⋯えい?」
「またなんかあったら嫌だし、こいつは頼れるし信頼出来るやつだから大丈夫だ」
「オルガさまからの褒め言葉っ!嬉しいですー!!」

ガルバは嬉しさ有り余ってオルガに抱きついた。

「離れろっ!」
「嫌ですー!」

ミウはその光景に「ふふっ」と笑った。
ガルバが来てくれたことでとても明るくなりそうな予感がした。

「ガルバさんよろしくお願いします」

深々と頭を下げるミウをみてガルバはアタフタした。

「そんなっ!頭をあげてくださいっ!もうてっきりオルガさまが連れてる子っていうから生意気そうな子を想像してたんですけど⋯こんなに素直で可愛いなんて聞いてませんっ!」
「なんだよ生意気そうな子って」
「あわわわ、すみませんっ!」

口が滑ったとでも言うように自分の口を抑えるガルバの頭を強めにオルガは掴んでいた。

「あと、ミウはやらねぇぞ?」
「こ、怖い父親だ」
「あぁ?」
「すみません、すみませんっ」
「おふたりとも仲良しですね⋯!」

ミウがそう言うとオルガは嫌そうな顔をして、ガルバは嬉しそうな顔をした。
そんな正反対なふたりにミウはまたクスッと笑った。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

思いを込めてあなたに贈る

あんど もあ
ファンタジー
ファナの母が亡くなった二ヶ月後に、父は新しい妻とその妻との間に生まれた赤ん坊を家に連れて来た。義母は、お前はもうこの家の後継者では無いと母から受け継いだ家宝のネックレスを奪うが、そのネックレスは……。

出戻り王子が幸せになるまで

あきたいぬ大好き(深凪雪花)
BL
初恋の相手と政略結婚した主人公セフィラだが、相手には愛人ながら本命がいたことを知る。追及した結果、離縁されることになり、母国に出戻ることに。けれど、バツイチになったせいか父王に厄介払いされ、後宮から追い出されてしまう。王都の下町で暮らし始めるが、ふと訪れた先の母校で幼馴染であるフレンシスと再会。事情を話すと、突然求婚される。 一途な幼馴染×強がり出戻り王子のお話です。 ※他サイトにも掲載しております。

別れの夜に

大島Q太
BL
不義理な恋人を待つことに疲れた青年が、その恋人との別れを決意する。しかし、その別れは思わぬ方向へ。

夫と息子に邪険にされたので王太子妃の座を譲ります~死に戻ってから溺愛されても今更遅い

青の雀
恋愛
夫婦喧嘩の末に置き去りにされた妻は、旦那が若い愛人とイチャついている間に盗賊に襲われ、命を落とした。 神様の温情により、10日間だけこの世に戻った妻と護衛の騎士は、その10日間の間に心残りを処分する。それは、娘の行く末と……もし、来世があるならば、今度は政略といえども夫以外の人の妻になるということ。 もう二度と夫と出会いたくない彼女は、彼女を蔑ろにしてきた息子とも縁を切ることを決意する。 生まれかわった妻は、新しい人生を強く生きることを決意。 過去世と同じ轍を踏みたくない……

虐げられた令息の第二の人生はスローライフ

りまり
BL
 僕の生まれたこの世界は魔法があり魔物が出没する。  僕は由緒正しい公爵家に生まれながらも魔法の才能はなく剣術も全くダメで頭も下から数えたほうがいい方だと思う。  だから僕は家族にも公爵家の使用人にも馬鹿にされ食事もまともにもらえない。  救いだったのは僕を不憫に思った王妃様が僕を殿下の従者に指名してくれたことで、少しはまともな食事ができるようになった事だ。  お家に帰る事なくお城にいていいと言うので僕は頑張ってみたいです。        

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

拗らせ問題児は癒しの君を独占したい

結衣可
BL
前世で限界社畜として心をすり減らした青年は、異世界の貧乏子爵家三男・セナとして転生する。王立貴族学院に奨学生として通う彼は、座学で首席の成績を持ちながらも、目立つことを徹底的に避けて生きていた。期待されることは、壊れる前触れだと知っているからだ。 一方、公爵家次男のアレクシスは、魔法も剣術も学年トップの才能を持ちながら、「何も期待されていない」立場に嫌気がさし、問題児として学院で浮いた存在になっていた。 補習課題のペアとして出会った二人。 セナはアレクシスを特別視せず、恐れも媚びも見せない。その静かな態度と、美しい瞳に、アレクシスは強く惹かれていく。放課後を共に過ごすうち、アレクシスはセナを守りたいと思い始める。 身分差と噂、そしてセナが隠す“癒やしの光魔法”。 期待されることを恐れるセナと、期待されないことに傷つくアレクシスは、すれ違いながらも互いを唯一の居場所として見つけていく。 これは、静かに生きたい少年と、選ばれたかった少年が出会った物語。

彼女にも愛する人がいた

まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。 「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」 そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。 餓死だと? この王宮で?  彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。 俺の背中を嫌な汗が流れた。 では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…? そんな馬鹿な…。信じられなかった。 だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。 「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。 彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。 俺はその報告に愕然とした。

処理中です...