イファマール追憶記 Light

夜美神威

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序章~はじまりの刻~

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かつて世界は6つのエレメントから構成されていた

火・水・風・土・光・そして闇

それら6つで構成されるメンゲエレメントで世界の均衡は守られ

人々は
メンゲエレメントを司る
古代神イファマールを祀られた
イファマール教を信仰し
厳しい戒律の元
ユートピアを造り上げ
人々は恒久的な平和で豊かな生活を営んでいた

しかしその均衡を破壊する者達が現れた

彼らはラ・リーベルテと自らを呼称し

世界にFREEDOMを実現すべく

エレメントを6つのクリスタルに分け世界中に飛散させた

神の力<クリスタル>を手にいれた
国々はその絶大な力で
世界を支配する

そして
人々はかつて祀った
古代神イファマールへの信仰が薄くなり
厳しかった戒律を破りつつ

急速な近代化によって
物質文明を築き上げた

機械文明の幕開けである

現在世界を構成するのは
クリスタルを保持している6ヵ国
クリスタル保持してない1ヵ国で
7つの国が世界栄世理事国として
世界を支配していた

大陸の中央に位置し火のクリスタルを司る機械国家ヴィマロ帝国

大陸の東に位置し風のクリスタルを司る近代国家イニシア皇国

大陸北東部に位置し土のクリスタルを司る農業大国ヒラール国

大陸から離れ南に位置し水のクリスタルを司る海洋国家レヴィアタン共和国

大陸の西部に位置し光のクリスタルを司る観光国家Licht zu beleuchten公国

世界の果てと言われる闇のクリスタルを司る超強権国家ナチナオール帝国

そしてクリスタルを保持しない宗教国家イスカリオテ宗国

他、数百にも上る国や地域

多種多様な人種・価値観・宗教観が存在し

様々な特色を持つ国家群の山積する問題など

世界は再び混沌とした時代へと突入する

イファマールの歴史をひも解くと膨大な時間を必要とする

ここではイファマールに
伝わる歴史の一部をお届けしたい

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

名もなき少女の詩
「なんで・・・なんでおとなは喧嘩するの!!」
「なんで仲良くできないの・・・お肌の色が違うから?信じている神様が違うから?
しゃべる言葉が違うから?住んでいる所が違うから?」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「おはようございます。
本日はイニシア全土に心地良い
風が吹き抜け快晴、午後からは所により
にわか雨が降る可能性があるので
折りたたみ傘をお忘れなく

続いては国内ニュースです。

昨日未明ゼフュロス寺院にて
仏像が何者かによって傷つけられている
可能性があるとしてイニシア文化庁が
調査に乗り出しました
寺院の僧侶の一人が
ご神体を清掃中に発見した物で
地元警察によると
夜間の出入りは不可能との見方から
内部の者による
悪質ないたずらとみて捜査しています

続きまして

昨日年内で休業を発表したイニシアの
歌姫のアミ
アルバム(FREEDOM)が
ヒットチャート1位を獲得

その中から

(夜明け)をお届けします。・・・」

???
またラジオが付けっぱなし
「おはようございます。ナル親皇陛下様朝ですよぉ~」
ナル
「ん・・・ん?それなぁに?」
???
「おはようございます。今日は良い天気ですですよ 風も心地良いです。」
ナル
「眩しい・・・ん~おはようニーナ」
ニーナ
「朝食の準備が整っておりますので身支度が出来次第 食堂の方へおいで下さい」
ナル
「本当ね、今日は良い天気」

ナルの母
「相変わらず固いパンね・・・」
ナル
「お母様イニシアで一番柔らかいパンなんですよ」
ナルの母
「ナル、ヴィマロ帝国のミラ皇帝の即位10周年記念式典には
私は出席しないからナルだけ出席しなさい」
ナル
「お母様は嫌いなんだ・・・あの国・・・」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
士長
「セシル隊長
親衛隊の準備は全て整いました」
セシル
「先遣隊はすでにヴィマロへ出発した。
予定では親皇陛下は明後日の朝
ご出発される・・・ヤンはどうした」
ヤン
「すいません~遅れました」
セシル
「朝礼に送れるのだからさぞ
正当な理由がきっとあるだろうな」
ヤン
「叔母が亡くなりまして・・・」
セシル
「お前・・・
身内を何人殺せば気が済む・・・」

イニシア皇国は農業・工業・商業の
バランスのとれた国家

町には国民のお腹を満たす様々な食材や
人々の生活をサポートする便利な機械類が溢れ
59年間戦争も無く人々は
平和に暮らしていた

一般的に働き者と言われるイニシア国民は
第2次イファマール大戦以降
自国の文化・経済を守るため
鎖国政策が59年続き
その間独自の科学技術力を育んでいた

女中
「陛下?陛下~またです・・・」

皇都テクノシティ 近代的な建物が並び均等の取れた街並みは
未だかつてない活気に満ちあふれていた
イニシアの思想家Lが提唱したLスパイラル経済によって
空前の好景気に見舞われ国民はいつまでも
この好景気が続くと信じている

携帯電話ショップにナルはいた
ナル
「新しい携帯電話見せて下さい」
店員
「こちらが最新式の携帯になります
ALLinONEで防塵・防水で内側・外側カメラに
基本機能のメールに電話・ネット・新しくテレビが観られる機能も追加されてます」
ナル
「この携帯ヴィマロでも使える?」
店員
「衛星回線を使えば通話・メール・ネットはご利用可能です。
テレビは無理ですが・・・衛星回線のご契約なさいますか?」
ナル
「おいくらですか?」
店員
「新たに衛星回線ご利用で2500ガル
現在の通話・コミュン通信定額 プランと併用で
割引が適用され合計で6980ガルになります」
ニーナ
「陛下・・・お母様に怒られますよ?」 
ナル
「いいの」

ナル
「ちょっと携帯ショップへ行ってました。これ最新携帯だよ!CM見て
 前から欲しいって思ってた。テレビ機能知ってる?携帯でどこでも テレビが見られるだって」
ミーナ
「明日の予定についてご報告申し上げます、朝8時にイニシアを出発
10時にヴィマロに到着予定、11時より皇居にて歓迎式典のち
ミラ皇帝主催の昼食会にご参加され1時30分より
ミラ皇帝即位10周年記念式典が始まり・・・」

ナル
「ミラって人とお話出来る機会あります?」
ナルの母
「ナル・・・相手は我が国をマルスの田舎と称してる、相手にはされん」
ナル
「ヴィマロかぁ~帝国って言う位だから凄いんだろうね」
ナルの母
「たいしたことは無いかつてかの国から機械文明を学んだのだが
今や我が国の方がそれを凌駕している、行ってみると分かる」

ナルとミラ この二人の出会いが後に起こる厄災から世界を救う事になるのだが

まだ運命の歯車は回ったばかり

ヴィマロへの出発の朝 
イニシア皇国ではヴィマロ帝国の情報が開示され 
国民の間では議論が活発に行われた 
「帝国主義の国だからいずれイニシアも狙われる」 
「ヴィマロ帝国は白人至上主義者の国で黒人は皆奴隷らしいぞ・・・」 
「経済ではヴィマロの方が上で我が国より豊かな国らしい」

その頃皇居は慌ただしかった

女中
「陛下!?まただ・・・」

ナル
「ミラは何が欲しいかしら・・・最新の携帯電話? ゲーム機かな?」
ニーナ
「ロボットの犬なんていかがです?」
ナル
「それ良いね?頂きっ」

早速ペットショップへ

ナル
「すいません、ワンロボいます?」
店員A
「はい?陛下・・・ですか?はっはい!こちらです」
店員B
「最近のワンロボはとても高性能です 
最新の人工知能搭載で本物の犬そっくりの行動を取ります 
現在ではプログラムですが感情まで体現され 
なにより人間の言葉を理解する所が人気がありますね」

ナル
「ミラはどの犬種が欲しいだろう・・・帝国主義者・・・ 
ドーベルマンかな?でもきっと飼っていると思うから」
ナル
「ゴールデンレトリバーのワンロボ下さい。サイズは成犬で」
店員C
「こちらがGRのワンロボ、サイズは成犬になります。お値段は 
28万8000ガルになります陛下でしたら3万8000ガルお値引き致します」
ナル
「ありがとうございます。ミラきっと喜ぶね」

皇居では陛下の帰りを待つと共に 
ヴィマロ帝国ミラ即位10周年記念式典での準備が着実に進められていた

ナル
「ただいま」 
ナルの母
「相変わらずねナル・・・その犬は?・・・目がグリーンって事はロボットか」 
ナル
「うん、ミラにプレゼントしようと思って、喜んでくれるかな?」 
ナルの母
「それは面白い、ぜひ連れて行きなさい」

ヨセフ外務大臣
「最終調整に入る、陛下がお招きを受けたのは隣国ヴィマロ帝国 
100年前第2次イファマール大戦の時は盟国だったが
96年前の黒人解放戦線や69年前の第二次黒人解放戦線
いわゆるWネグロ戦役に置いて敵対して交戦した
現在では59年間我が国は鎖国政策を取るにあたり交易は限られたものである 
今回が実質我が国の国際社会への復帰にあたる。 
現在議会では鎖国政策解除に向けあらゆる法案を審議している 
結果次第では我が国の政局まで左右される事態になりかねない 
気を引き締めて各自行動とるように」

出発まであと1時間あると知ったナル

1通の手紙をしたためた

皇居にて記者会見
イニシアスポーツ皇室担当記者
「陛下、ヴィマロ帝国についてどのようなご考察をなされているのですか?」 
ナル
「ヴィマロ帝国は社会・経済は成熟して我が国同様豊かな国家ですね 
ただし我が国は一貫してヴィマロの黒人に対する奴隷政策に反対の意向を示し 
一刻も早く黒人奴隷政策を見直して頂きたく思います」

「では行って参ります」

こうしてナル達はヴィマロへと向かった

ヴィマロへ向かう途中一人の旅人に出会った 
外務省職員A
「これ ここはヴィマロ帝国イニシア皇国へと続く 
ベアクアップ・ヴァッサァー街
イニシアへなら現在外国人の入国は禁止 
されている。どこへ向かう」 
???
「あなた方は・・・」 
首相補佐官A
「イニシアの政府関係の者だが?」 
???
「お助け下さい・・・寺院・・・Feuerstein寺院で見たんです!」 
首相補佐官A
「何を?」 
???
「今世界的に話題になっている仏像を破壊してる連中です・・・ラ・リーベル・・・」 
皇宮警察巡査長
「おい!しっかりしろ!」
ナル
「大丈夫ですか!気をしっかり!」

男は息絶えた何か大切な事を伝えようとして 
男の遺体はヴィマロ側へと引き渡す事になった

ヴィマロ帝国にて
 
ヴィマロ副首相
「現在各国首脳が我がヴィマロへと続々到着している 
イニシアに関しては論外だ!約束の時間になっても来ない」
ヴィマロ国防総省事務次官A
「100年前イファマール大戦時我が国はイニシア皇国と敵対関係にあり」
ヴィマロ国防総省事務次官B
「違う!!共に破壊者から神によって託されたこの惑星マルスを守ったのだよ。」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
???
「時間だ始めるぞ」

ドォーン

「でもぉ私アイドルだから恋愛禁止なんですよねっ
だからこれからも歌にお芝居に頑張っ・・・
<ニュース速報>
『Feuerstein寺院に置いて爆発事件』

帝都チャンネルアナウンサーA
「番組の途中ですが特別放送番組をお送りします
先ほどヴィマロのFeuerstein寺院に置きまして寺院の駐車場に
停めてあった車が爆発する騒ぎがありま・・・」

関北TVアナウンサー
「たった今入って来た情報です!
死傷者の中に子供が含まれる模様!」

帝都チャンネルアナウンサーA
「現地と繋ぎます。Mさん」
帝都チャンネルリポーターM
「はい、警察関係者によりますと死者2名負傷者14名 死者は成人男性と成人女性で
身元は現在所持していたとされるIDから調べている所です。」

国際ラジオチャンネルDJ
「負傷者の中に子供が含まれていますが命に別条は無いとの事です」

続く・・・
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