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2.河の水国ガンダダ

13.騒動の中心ではない場所

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ーユウキ姿(ユウトは自分の姿を…)ー

ラドンちゃん微速前進からしばらく

「キュウウウゥゥゥゥン」

ん? エネルギーでも切れたか?

「主君、外の様子を見たほうがよろしいのでは?」

言われなくとも

『コンコン』

扉をノックする

「「「?」」」

クルミルとシスティが疑問に首を傾げる

「もしもし」

気にせず声をかける、すぐそばに誰かいれば反応してくれるだろう

「ハイ、こちらサポートアーノセンターです」

扉のすぐ外にはアーノがいたようだ

「ラドンちゃんが止まってしまったようなのですが、どういうことでしょうか?」

アーノのあのノリそのまま続けよう

「現在、王都の出入り口が大変混み合っていまして誠に申し訳ありませんがしばらくお待ちになった後で再度、お掛け直し(ノック)ください」


「……との事だ」

俺に外の様子をといったクルファに向かい言った

「あっ、はい」

クルファはなんとかうなずいた

「えっと、ユウキさん」

システィが誰かの名前を呼ぶ………
あっユウキって俺だなそう言えば姿変えたままだった

「どうした?」

「外の方は大丈夫でしょうか」

うーん、中で状況がわからないよりも一旦外に出るか

「アーノ外に出るが大丈夫か?」

「あれ、大丈夫だけど外に出るの?」

「ああ」

俺の返事と同時に扉を開けてくれるアーノ、その後ろに見える人の多さ。外に出てラドンちゃんの足元も見てみるがギュウギュウの行列状態だみんな目指すは王都の外に出るための門

「すげえな」

イベント会場や祭りの様な人の込み具合違うのはドラグという乗り物と馬車があるというところだろうか、危ないなー、人身事故が起きなければいいが



『いや、ラドンちゃんに乗っとるお主が言うのか?』

『マイマスター、流石です』

『何がっ!?』

『フフフ』



「…イーリン」

『はっはい、マイマスターどうしましたか?』

何を慌てているんだ?
よくわからんが目的を優先しよう、イーリンさんや俺の横にある建物4つぐらいある家は誰か住んでたり所有されてる?

『…いえ、一様国所有ですが管理されていないので気が付かないでしょう』

そうか、ありがとう

「ユウ…キ」
「ユウキさん」

ナーナンさんとルナさんがそばに来たなにか用があるのだろうか少し待っててくれ

「アーノあそこの4軒どかすぞ」

ラドンちゃんの駐車スペースにする

「建物いる?」

「いらん」

「じゃあ消すね」

サッと降りて取り出したるは日本刀…あれ、魔法じゃないのか?

「あっ、ユウキ瓦礫とかいるー?」

「何もいらんから消し去れ」

「ほーい」

アーノは、居合の構えを取る、そこから

「…あれ?、アーノが使えた技であの構えって」

「抜刀術、終章、必殺の太刀…」

あっ、やっぱり

「「…」」

俺の横にはいつの間にかナーナンさんとルナさんがいた

「雲散霧消」

…うん、俺にはゆっくりと刀を振り抜いているようにしか見えんな

『ガタ』
『ガタ』

おっ?

ナーナンさんとルナさんは見えたのか驚きベランダの手すりにぶつかる

『キンッ』

刀を仕舞う綺麗な音と同時に建物は文字通り、雲散霧消した

「……恐ろしいな」

ナーナンさんが絞り出すように言った

「ええ、避けれるなんて微塵も思えないわ」

そうだろうな、何をどうやったら霧散するんだろうな?

「ラドンちゃんの駐車スペースだ」

どうにか収まってもらう

「キュウ~」

「我慢してくれ」

「キュウ」

ベランダから人の列を眺める

「すげえな」

先が詰まっていても、押して押しどけて最前列に向かおうとする。だがそれも仕方がない

「うっとおしいな~」

ラドン防御により遠距離攻撃は弾くものの時折その防御を貫きこちらに当たりそうになるがアーノが全部防ぐ

「あっ」

ナーナンさんが声を上げる。原因は視線の先にある、子供が転び親が庇い何度も蹴られるその姿

「助けに行けばいい」

「いいのか?」

「いいさ、ラドンちゃんの近場のスペースに集めると良い」

「すまない」

いうと同時に飛んでいく、なんで謝るんだ?

「ルナさん、ナーナンさんを手伝ってあげてくれ」

「かしこまりましたわ」

さて、こちらに攻撃をするサハギン、湿地エルフはアーノが対処している

一方、列の方はドラグや馬車に乗っている者たち旅の冒険者だ、イーリンが言うにはこの国の冒険者は各地で戦っている。だが兵士は王城だけを守っているようで民はほったらかしのようだ

「ひでぇ国だな」

『ドガンッ!』

「ん、何だ?」

『マイマスター、ボスが地上に登場したという認識で構いません』

「あっそうですか」

こっちに来なければ関係ないな

「横、失礼します」

「どうした。システィ」

「えっと、この光景を目に焼き付けておいて後でスケッチを…と、思いまして」

なるほど…あるかな?
アイテムボックスを探ると………あった。スケッチブックとペンを取り出しシスティにわたす

「こんな、すごく高価な品を」

「気にすることはない、好きなだけ使ってくれ」

「はい!」

サラサラサラとすごい速さで書く

『ギュンッ!』
『パシッ!』

飛んできた矢をアーノが素手で掴む

「マジでウゼェ!」

無抵抗や関係ない人、子供や老人見境なし、それは本当に苛立たせてくれる

「プレイヤーさん、大丈夫?」

「ああ、助かった」

俺ではなくシスティに向かった矢だがこの子はもう大事な仲間だ俺と同様に守ってくれてありがたい

人の列の方は一生懸命、冒険者達が守っている

沼エルフは川や森が汚されて怒っているがそこから移動するという考えはなかったのだろうか?

交渉はしてもこの国では意味はないだろうしな、サハギンは協力要請をしたのだろうか?

どっちみち2種は敵だ

「くっ」

「なかなか厳しいわね」

子供やその親を連れて来たが2人はボロボロだった。怪我もしている切り傷、擦り傷ちょっとした打撲もある

クソな連中だ、非戦闘員を攻撃とはそこにはなんの意味も無いのに気が付かないのか?

「プレイヤーさん」

「アーノ、この周辺の敵を消し去れ」

「…了解、本気でヤルね」

「頼む」

静かに消えたアーノ、俺はマップで確認すると敵の赤色がどんどん消えていく

非戦闘員を殺そうとするやつなんかコロ確だうせろ

ものの10分もかからず周辺のマップから赤色が消えた

「お待たせしました」

「ご苦労さま、すまないな」

自分にできない事をいつも押し付けてしまって申し訳ないと思う

「…いいんだよプレイヤーさんがやりたい事をできない事をすべて叶えるのが私の望みであり全てだから」

後ろから抱きついてくるアーノの温もりで、苛立った心が穏やかになる

襲撃がなくなったことにより、ゆっくりとだが人が流れていく

この人たちの殆どは非戦闘員のただの民だ、外は安全ではないことは承知なのだろうか?

だがそこまではなにかしてやろうとは思わない



やがて空いてきた頃に俺たちも移動し外へ出た

「このまま、次の国へ行っても問題ないか?」

主にルナさんとシスティに聞きたい

ナーナンさんとクルミルは頷く、うんナーナンさんはアーノを通して1回俺に聞いてきたしね

「私は…問題ありません」

システィはちょっと戸惑いはした問題らしい一様聞くと「攫われたので荷物が」とだが別に大した荷物はないと言ったので本人がいいならいいか

「あたしはちょっとだけ中の墓地に用があるから行ってくるわ」

「待ちましょうか?」

「うんん、大丈夫よすぐに追いかけるから」

「大切な人の墓では?」

「ええ、前国王陛下…あたしの名付け親なの」

「そうか、気をつけてな」

「はい」

さて色々と下がうるさいが無視して行こう、意外なのは、ナーナンさん達は助けようとか協力しようと言った善行と言うか人助けの行為を言ってこない不思議はあるが

まあうるさくないし理由とか説明しなくて助かる
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