【完結】クズ御曹司に嵌められた俺が、スパダリ社長に拾われて溺愛されてます

砂原紗藍

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【第二章】拾われ男子、スパダリ社長に囲われ中

8.忘れたくてしがみついた夜 ※R

驚いて目を見開く。

涼が、俺に――キス? 

唇がそっと離れた。

「あ、あの……涼……?」
「……力、抜いて」

促されて、少しだけ肩の力が抜ける。
次の瞬間、もう一度唇が重なった。

「ん……」

自然と目が閉じる。

涼の唇が優しく動く。
丁寧で、まるで大切なものに触れるみたいに。

……こんなキス、誰ともしたことがない。

バクバク鳴る心臓も、荒い呼吸も、涼のせいだ。

唇が離れて、目を開けたら涼の顔がすぐそこにあった。

「さっき颯太は“嫌なこと忘れたい”って言ったよね?」
「……うん」
「何が嫌? 何が怖い?」

少し迷う。

……言っていいのかな。
でも、涼ならきっと。

「俺、ずっと健人の言いなりで……」
「うん」

もう、言ってしまおう。
涼になら全部話せる気がする。

「言うこと聞かなかったらクビだって言われ続けてて」

涼は黙って頭を撫でてくれた。

「あの日は、健人が無理矢理……襲おうとしてきた」

涼の手が一瞬止まる。

「けど……俺、全力で拒否したから。何もされてない」
「……うん」
「でも、窃盗疑惑で追い出されて。今でも……あの時の気持ち悪さは消えなくて」
「それは辛かったよね。颯太、よく耐えたね」

鼻の奥がツンとする。
何かが込み上げてきそうで、ぐっと堪えた。

「辛かった……」

震える声で答えると、涼の目が優しくなった。

「俺が触るのは……大丈夫?」
「涼なら平気」

不思議だ。
健人の時はあんなに嫌だったのに、むしろ涼には触れてほしい……かも。

「触って……」

うわ、言っちゃった。

自分からこんなこと言うなんて、信じられない。
恥ずかしさと、何か別の感覚が混ざって、顔が熱くなる。

ふいに抱きしめられて、首筋に唇が落ちてきた。

「ん……っ」

やば、声出た。
くすぐったくて、でも気持ちいい。

「涼……」

もっと――そう言いかけた言葉が、途切れる。
涼の唇が首筋をそっと這って、肌に熱が残る。

「ふ……っ、ん……」

また声が出て、慌てて口を押さえた。
だめだ、我慢できない。

涼の手がパジャマのボタンを外し始める。

「颯太、今は何も考えなくていいよ」

そう言って、涼の唇が鎖骨に。
びくんと体が跳ねる。

「あ……っ」

涼の指が胸の先端に触れて、電気が走ったみたいに体が反応する。

「ん……ぅ、っ……涼の指、つめたい……」

震える声でそう言うと、涼が少し笑った。

「ごめん。じゃあ……こっちで」

涼が動いたと思ったら、唇が胸の先端に触れた。

「あっ……」

え、待って。

さっきとは違う刺激。
涼の舌があったかくて、焦らすように動く。

それ、だめかも。

「ん……っや……あ、ん……」

思わず喘いだ。

「颯太の反応、すごくかわいいね」

低い声と共に、涼の舌がちろちろと動く。

やばい……気持ちよすぎる。

涼の唇がお腹を這って、腰が浮きそうになる。

「あっ……そこ、くすぐったい……」
「嫌?」
「ううん、涼ならいい」

こんなに誰かを求めたことなんて、今までなかった。

「颯太」
「ん……?」
「……あんまり煽らないで。俺も我慢できなくなる」

涼の声と表情にドキッとした。

……この人もこんな顔するんだ。

いつもと違う涼の一面が見れた気がして、ちょっと嬉しくなった。

涼の手が、パジャマのズボンに触れる。

「ひゃ……んっ……」

下着をずらされて、涼の手が動いた。

「気持ちいい?」
「……う、ん……いいっ……ああっ、ん……っ」
「颯太はさ、誰かにそんな声聞かせたの?」
「聞かせてな……あ、んっ、あっ……」

言い終わる前に涼の指が動いて、思考が飛ぶ。

「もう、俺以外の誰にも触らせないから」

耳元でそんな事を言われて、思わず顔を上げる。

涼は俺を守ろうとしてくれてるんだよね。

「うん。涼しか、やだ」

涼が俺の顔をまじまじ見て、なぞるように指を這わせてくる。

涼、涼、涼――

もう、涼しか考えられない。

涼の手が俺の弱いところを擦る。
腰が砕けそう……。

「んっ……ああっ……だめ、それ……涼……」

やばい、イく……

体が限界に近づいてて、もう、無理――。

「いいよ、颯太」

囁きと共に、体が震えた。

「……っ……」

意識が飛びそうになる。
頭が真っ白。体の力が全部抜ける。

「颯太、お疲れ様。すっきりした?」

言われて、初めて気づく。
体が火照って息が荒い。
でも――不思議と、心は穏やかだった。

「……うん」

涼がそっと抱き寄せてくれた。

「おやすみ、颯太。ゆっくり休んで」

低い声が響く。
今は涼の温もりだけが、胸に残ってる。

「……おやすみ」

涼の腕の中で目を閉じる。

さっきまでの怖い記憶は、どこかへ消えていた。
健人に触られた感覚も、あの男たちの顔も、今は思い出さずに済んでる。

……ありがとう、涼。

そう思いながら、意識が沈んでいった。



朝。

目が覚めた瞬間、体がこわばった。
なんか、妙に喉が乾いている。

あ。
……昨日の夜。

涼に――

「っ……」

顔が一気に熱くなる。

「……うわ」

布団を頭まで被る。

どうしよう。涼に顔向けられない。

隣を見ると、涼はまだ眠っている。
寝顔を見てるだけで、昨日のことが蘇る。

「っ……」

俺、涼のこと――
好き、なんだ。

気づいた瞬間、心臓が跳ねた。

……どうしよう。
自覚しちゃった。

昨夜、自分から触って、なんて言っちゃったじゃん。
これからどうやって涼と顔合わせればいいんだよ。

……あ。

朝ごはん、作らなきゃ。

でも――涼の顔、見れない。

布団の中で小さく丸くなった。

恥ずかしくて、嬉しくて、戸惑って。
全部が混ざって、どうしようもない。

好きだ。
涼のことが、好き。

でも――雇い主と、ハウスキーパー。

だめだ。

だってこの関係が壊れたら、俺はまた一人になってしまうから。

……なのに、この温もりが離れてほしくない。
涼に、触れていたい。

そう思ってしまう自分が、怖かった。

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