【完結】ノンケだった俺が、敵対企業の年下イケメンCEOに堕とされました

砂原紗藍

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【第1章】 君に教わる恋のルール

4.男に触れられる初めて ※R

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頭より先に、身体が反応してしまう。

……これ、完全にやばいやつだ。

「ねぇ、もっと気持ちよくしてあげよっか」
「……っ、からかってんの……」
「からかってないよ。京介がかわいすぎて、もっと触りたくなるだけ」

軽い調子なのに、指先は逃がしてくれない。
胸の先を転がされて、意思と関係なく腰が揺れた。

……ちがう。
勝手に動くな、俺の身体。

「っ……あ、……ん……、変だって……」
「変じゃない。男でも普通に感じるから」

普通って何だよ。
俺、今までこんなの知らなかった。

シャツをめくり上げられて、胸元が空気にさらされた。
ひやっとした冷たさと、すぐ後に触れた慧の舌の温度。
その差に、思わず身体がぞくっと震えた。

「ちょ……恥ずかしいって……」
「恥ずかしがらなくていいよ。綺麗だから」

綺麗って……男に向ける言葉じゃないだろ。

そう思ったのに、慧の目を見たら否定できなかった。
冗談じゃない。
からかってもいない。

本気で、そう思ってる顔だ。

胸の先を口に含まれて、舌でゆっくり弄られる。
一気に電気みたいな痺れが走って、背中が反る。

「んっ……あ、や……っ、それ……」

自分の声が、自分のものじゃないみたいで怖い。

「うん、ちゃんと感じてるね」

慧の手が、今度は腹をなぞるように下へ向かう。

このまま行ったら――
どこまで行くんだ、これ。

その指先がズボンのベルトに触れた瞬間、ようやく理性が戻ってきた。

「……待って」

震える手で、慧の手首を掴む。

「京介?」
「……ごめん。やっぱり、まだ怖い」

今の俺には、これ以上は無理だ。

慧は一瞬だけ目を瞬かせて、それからすっと表情を緩めた。

「そっか。ごめん、急ぎすぎた」
「いや、慧は悪くない。俺が……初めてだから」

言ってしまってから、少し恥ずかしくなる。

初めて。
男に触れられるのも、こんなふうに身体が反応するのも。
全部、初めてだ。

「大丈夫。京介のペースでいいよ」

そう言って、慧は俺の額に軽くキスを落とした。

さっきまでの熱を煽る触れ方じゃない。
安心させるみたいな、静かなキス。

「次は、もっとゆっくり時間をかける」
「……っ、ばか」

思わずそう返すと、慧が小さく笑った。

でも――嫌じゃなかった。
それどころか、ちょっと期待している自分がいた。

慧はゆっくりと俺の身体から離れた。

「京介、シャツ直して」
「……あ、うん」

慌ててシャツを引っ張って整える。  
顔が熱い。さっきまでの感覚がまだ身体に残っている。

「可愛かったよ」
「だから可愛いって言うな」

顔を両手で覆うと、慧がくすっと笑った。

「京介。今日、ありがとう」
「……何が」
「俺の誕生日、一緒にいてくれて」

慧が優しく頭を撫でてくる。その手が、たまらなく温かい。

心臓が、また速くなる。
さっきとは違う意味で。

「今日はもう遅いから泊まっていく?」
「え?」
「ベッドは別にするから。安心して」

真面目な顔で言われて、余計に意識してしまう。

「……いや、帰る」
「そっか。じゃあちゃんと送るね」



エントランスでタクシーを待つ。
夜風が頬に当たって、ようやく少し冷静になる。

……はずなのに、頭の中は全然整理できてない。

「京介」
「ん?」
「明日、ちゃんと連絡してね。約束だよ」
「……わかった」

慧がふっと笑って、頬にそっと触れる。
軽く、ほんの一瞬のキス。

それだけなのに、心臓が跳ねた。

「おやすみ、京介」

タクシーの中で、深くシートに背中を預ける。

さっきまでのこと。
慧の声、慧とのキス。
触れられた感覚。

全部が頭の中でぐるぐるしている。

――俺、男に興奮してたよな。

否定したいのに、できない。
ドキドキして、気持ちよくて、離れたくなくて。

これって……恋?

わからない。
でも、また会いたいと思ってる。
次はもっとちゃんと触れたいとも思ってる。

……俺、本当にノンケだったのか?

スマホを見ると、中川からのメッセージがいくつも届いていた。

画面を見つめて、俺は深く息を吐いた。

――好きじゃないなら、ちゃんと断ってあげて。それが優しさだから。

慧の言葉が、胸の奥で静かに響く。

……そうだ。
ちゃんと答えを出さないと。

俺は中川に返信を打った。

『わかった。明日、話そう』

送信ボタンを押して、窓の外を見た。
慧のタワーマンションが遠くに小さく見えていた。

あの部屋の中に、慧がいる。

理由はまだわからない。
でも――

明日から、何かが変わる。
そんな予感だけは、妙にはっきりしていた。


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