5 / 23
【第1章】 君に教わる恋のルール
4.男に触れられる初めて ※R
頭より先に、身体が反応してしまう。
……これ、完全にやばいやつだ。
「ねぇ、もっと気持ちよくしてあげよっか」
「……っ、からかってんの……」
「からかってないよ。京介がかわいすぎて、もっと触りたくなるだけ」
軽い調子なのに、指先は逃がしてくれない。
胸の先を転がされて、意思と関係なく腰が揺れた。
……ちがう。
勝手に動くな、俺の身体。
「っ……あ、……ん……、変だって……」
「変じゃない。男でも普通に感じるから」
普通って何だよ。
俺、今までこんなの知らなかった。
シャツをめくり上げられて、胸元が空気にさらされた。
ひやっとした冷たさと、すぐ後に触れた慧の舌の温度。
その差に、思わず身体がぞくっと震えた。
「ちょ……恥ずかしいって……」
「恥ずかしがらなくていいよ。綺麗だから」
綺麗って……男に向ける言葉じゃないだろ。
そう思ったのに、慧の目を見たら否定できなかった。
冗談じゃない。
からかってもいない。
本気で、そう思ってる顔だ。
胸の先を口に含まれて、舌でゆっくり弄られる。
一気に電気みたいな痺れが走って、背中が反る。
「んっ……あ、や……っ、それ……」
自分の声が、自分のものじゃないみたいで怖い。
「うん、ちゃんと感じてるね」
慧の手が、今度は腹をなぞるように下へ向かう。
このまま行ったら――
どこまで行くんだ、これ。
その指先がズボンのベルトに触れた瞬間、ようやく理性が戻ってきた。
「……待って」
震える手で、慧の手首を掴む。
「京介?」
「……ごめん。やっぱり、まだ怖い」
今の俺には、これ以上は無理だ。
慧は一瞬だけ目を瞬かせて、それからすっと表情を緩めた。
「そっか。ごめん、急ぎすぎた」
「いや、慧は悪くない。俺が……初めてだから」
言ってしまってから、少し恥ずかしくなる。
初めて。
男に触れられるのも、こんなふうに身体が反応するのも。
全部、初めてだ。
「大丈夫。京介のペースでいいよ」
そう言って、慧は俺の額に軽くキスを落とした。
さっきまでの熱を煽る触れ方じゃない。
安心させるみたいな、静かなキス。
「次は、もっとゆっくり時間をかける」
「……っ、ばか」
思わずそう返すと、慧が小さく笑った。
でも――嫌じゃなかった。
それどころか、ちょっと期待している自分がいた。
慧はゆっくりと俺の身体から離れた。
「京介、シャツ直して」
「……あ、うん」
慌ててシャツを引っ張って整える。
顔が熱い。さっきまでの感覚がまだ身体に残っている。
「可愛かったよ」
「だから可愛いって言うな」
顔を両手で覆うと、慧がくすっと笑った。
「京介。今日、ありがとう」
「……何が」
「俺の誕生日、一緒にいてくれて」
慧が優しく頭を撫でてくる。その手が、たまらなく温かい。
心臓が、また速くなる。
さっきとは違う意味で。
「今日はもう遅いから泊まっていく?」
「え?」
「ベッドは別にするから。安心して」
真面目な顔で言われて、余計に意識してしまう。
「……いや、帰る」
「そっか。じゃあちゃんと送るね」
エントランスでタクシーを待つ。
夜風が頬に当たって、ようやく少し冷静になる。
……はずなのに、頭の中は全然整理できてない。
「京介」
「ん?」
「明日、ちゃんと連絡してね。約束だよ」
「……わかった」
慧がふっと笑って、頬にそっと触れる。
軽く、ほんの一瞬のキス。
それだけなのに、心臓が跳ねた。
「おやすみ、京介」
タクシーの中で、深くシートに背中を預ける。
さっきまでのこと。
慧の声、慧とのキス。
触れられた感覚。
全部が頭の中でぐるぐるしている。
――俺、男に興奮してたよな。
否定したいのに、できない。
ドキドキして、気持ちよくて、離れたくなくて。
これって……恋?
わからない。
でも、また会いたいと思ってる。
次はもっとちゃんと触れたいとも思ってる。
……俺、本当にノンケだったのか?
スマホを見ると、中川からのメッセージがいくつも届いていた。
画面を見つめて、俺は深く息を吐いた。
――好きじゃないなら、ちゃんと断ってあげて。それが優しさだから。
慧の言葉が、胸の奥で静かに響く。
……そうだ。
ちゃんと答えを出さないと。
俺は中川に返信を打った。
『わかった。明日、話そう』
送信ボタンを押して、窓の外を見た。
慧のタワーマンションが遠くに小さく見えていた。
あの部屋の中に、慧がいる。
理由はまだわからない。
でも――
明日から、何かが変わる。
そんな予感だけは、妙にはっきりしていた。
……これ、完全にやばいやつだ。
「ねぇ、もっと気持ちよくしてあげよっか」
「……っ、からかってんの……」
「からかってないよ。京介がかわいすぎて、もっと触りたくなるだけ」
軽い調子なのに、指先は逃がしてくれない。
胸の先を転がされて、意思と関係なく腰が揺れた。
……ちがう。
勝手に動くな、俺の身体。
「っ……あ、……ん……、変だって……」
「変じゃない。男でも普通に感じるから」
普通って何だよ。
俺、今までこんなの知らなかった。
シャツをめくり上げられて、胸元が空気にさらされた。
ひやっとした冷たさと、すぐ後に触れた慧の舌の温度。
その差に、思わず身体がぞくっと震えた。
「ちょ……恥ずかしいって……」
「恥ずかしがらなくていいよ。綺麗だから」
綺麗って……男に向ける言葉じゃないだろ。
そう思ったのに、慧の目を見たら否定できなかった。
冗談じゃない。
からかってもいない。
本気で、そう思ってる顔だ。
胸の先を口に含まれて、舌でゆっくり弄られる。
一気に電気みたいな痺れが走って、背中が反る。
「んっ……あ、や……っ、それ……」
自分の声が、自分のものじゃないみたいで怖い。
「うん、ちゃんと感じてるね」
慧の手が、今度は腹をなぞるように下へ向かう。
このまま行ったら――
どこまで行くんだ、これ。
その指先がズボンのベルトに触れた瞬間、ようやく理性が戻ってきた。
「……待って」
震える手で、慧の手首を掴む。
「京介?」
「……ごめん。やっぱり、まだ怖い」
今の俺には、これ以上は無理だ。
慧は一瞬だけ目を瞬かせて、それからすっと表情を緩めた。
「そっか。ごめん、急ぎすぎた」
「いや、慧は悪くない。俺が……初めてだから」
言ってしまってから、少し恥ずかしくなる。
初めて。
男に触れられるのも、こんなふうに身体が反応するのも。
全部、初めてだ。
「大丈夫。京介のペースでいいよ」
そう言って、慧は俺の額に軽くキスを落とした。
さっきまでの熱を煽る触れ方じゃない。
安心させるみたいな、静かなキス。
「次は、もっとゆっくり時間をかける」
「……っ、ばか」
思わずそう返すと、慧が小さく笑った。
でも――嫌じゃなかった。
それどころか、ちょっと期待している自分がいた。
慧はゆっくりと俺の身体から離れた。
「京介、シャツ直して」
「……あ、うん」
慌ててシャツを引っ張って整える。
顔が熱い。さっきまでの感覚がまだ身体に残っている。
「可愛かったよ」
「だから可愛いって言うな」
顔を両手で覆うと、慧がくすっと笑った。
「京介。今日、ありがとう」
「……何が」
「俺の誕生日、一緒にいてくれて」
慧が優しく頭を撫でてくる。その手が、たまらなく温かい。
心臓が、また速くなる。
さっきとは違う意味で。
「今日はもう遅いから泊まっていく?」
「え?」
「ベッドは別にするから。安心して」
真面目な顔で言われて、余計に意識してしまう。
「……いや、帰る」
「そっか。じゃあちゃんと送るね」
エントランスでタクシーを待つ。
夜風が頬に当たって、ようやく少し冷静になる。
……はずなのに、頭の中は全然整理できてない。
「京介」
「ん?」
「明日、ちゃんと連絡してね。約束だよ」
「……わかった」
慧がふっと笑って、頬にそっと触れる。
軽く、ほんの一瞬のキス。
それだけなのに、心臓が跳ねた。
「おやすみ、京介」
タクシーの中で、深くシートに背中を預ける。
さっきまでのこと。
慧の声、慧とのキス。
触れられた感覚。
全部が頭の中でぐるぐるしている。
――俺、男に興奮してたよな。
否定したいのに、できない。
ドキドキして、気持ちよくて、離れたくなくて。
これって……恋?
わからない。
でも、また会いたいと思ってる。
次はもっとちゃんと触れたいとも思ってる。
……俺、本当にノンケだったのか?
スマホを見ると、中川からのメッセージがいくつも届いていた。
画面を見つめて、俺は深く息を吐いた。
――好きじゃないなら、ちゃんと断ってあげて。それが優しさだから。
慧の言葉が、胸の奥で静かに響く。
……そうだ。
ちゃんと答えを出さないと。
俺は中川に返信を打った。
『わかった。明日、話そう』
送信ボタンを押して、窓の外を見た。
慧のタワーマンションが遠くに小さく見えていた。
あの部屋の中に、慧がいる。
理由はまだわからない。
でも――
明日から、何かが変わる。
そんな予感だけは、妙にはっきりしていた。
あなたにおすすめの小説
【完結】君を上手に振る方法
社菘
BL
「んー、じゃあ俺と付き合う?」
「………はいっ?」
ひょんなことから、入学して早々距離感バグな見知らぬ先輩にそう言われた。
スクールカーストの上位というより、もはや王座にいるような学園のアイドルは『告白を断る理由が面倒だから、付き合っている人がほしい』のだそう。
お互いに利害が一致していたので、付き合ってみたのだが――
「……だめだ。僕、先輩のことを本気で……」
偽物の恋人から始まった不思議な関係。
デートはしたことないのに、キスだけが上手くなる。
この関係って、一体なに?
「……宇佐美くん。俺のこと、上手に振ってね」
年下うさぎ顔純粋男子(高1)×精神的優位美人男子(高3)の甘酸っぱくじれったい、少しだけ切ない恋の話。
✧毎日2回更新中!ボーナスタイムに更新予定✧
✧お気に入り登録・各話♡・エール📣作者大歓喜します✧
オッサン課長のくせに、無自覚に色気がありすぎる~ヨレヨレ上司とエリート部下、恋は仕事の延長ですか?
中岡 始
BL
「新しい営業課長は、超敏腕らしい」
そんな噂を聞いて、期待していた橘陽翔(28)。
しかし、本社に異動してきた榊圭吾(42)は――
ヨレヨレのスーツ、だるそうな関西弁、ネクタイはゆるゆる。
(……いやいや、これがウワサの敏腕課長⁉ 絶対ハズレ上司だろ)
ところが、初めての商談でその評価は一変する。
榊は巧みな話術と冷静な判断で、取引先をあっさり落としにかかる。
(仕事できる……! でも、普段がズボラすぎるんだよな)
ネクタイを締め直したり、書類のコーヒー染みを指摘したり――
なぜか陽翔は、榊の世話を焼くようになっていく。
そして気づく。
「この人、仕事中はめちゃくちゃデキるのに……なんでこんなに色気ダダ漏れなんだ?」
煙草をくゆらせる仕草。
ネクタイを緩める無防備な姿。
そのたびに、陽翔の理性は削られていく。
「俺、もう待てないんで……」
ついに陽翔は榊を追い詰めるが――
「……お前、ほんまに俺のこと好きなんか?」
攻めるエリート部下 × 無自覚な色気ダダ漏れのオッサン上司。
じわじわ迫る恋の攻防戦、始まります。
【最新話:主任補佐のくせに、年下部下に見透かされている(気がする)ー関西弁とミルクティーと、春のすこし前に恋が始まった話】
主任補佐として、ちゃんとせなあかん──
そう思っていたのに、君はなぜか、俺の“弱いとこ”ばっかり見抜いてくる。
春のすこし手前、まだ肌寒い季節。
新卒配属された年下部下・瀬戸 悠貴は、無表情で口数も少ないけれど、妙に人の感情に鋭い。
風邪気味で声がかすれた朝、佐倉 奏太は、彼にそっと差し出された「ミルクティー」に言葉を失う。
何も言わないのに、なぜか伝わってしまう。
拒むでも、求めるでもなく、ただそばにいようとするその距離感に──佐倉の心は少しずつ、ほどけていく。
年上なのに、守られるみたいで、悔しいけどうれしい。
これはまだ、恋になる“少し前”の物語。
関西弁とミルクティーに包まれた、ふたりだけの静かな始まり。
(5月14日より連載開始)
俺は夜、社長の猫になる
衣草 薫
BL
冤罪で職を追われた葵は、若き社長・鷹宮に拾われる。
ただし条件は――夜は“猫”として過ごすこと。
言葉を話さず、ただ撫でられるだけの奇妙な同居生活。
タワマン高層階の部屋で、葵は距離を崩さない鷹宮に少しずつ惹かれていく。
けれど葵はまだ知らない。自分が拾われた本当の理由を。
一度も話したことないイケメンのクラスメイトと二人組になったらめちゃくちゃ執着されてた
時
BL
「はい、じゃあ二人組作って」──あまり人付き合いが得意ではない夏稀(なつき)にとってそれは地獄の言葉。
けれど高校ではちがう。なぜなら新しくできた友達と『二人組』協定を結んだから。
もう二人組なんて怖くないと思っていた矢先、その友達が風邪で欠席。
ほかに組む相手が見つからず、先生と組むことも覚悟する夏稀だったが、そこで声をかけてきたのは美形の転校生──緒川聖夜(おがわ・きよや)だった。
「俺と二人組にならない?」
その一言をきっかけに聖夜は夏稀との距離を急速に縮めてきて──。
執着美形攻め×平凡受けのちょっと不穏な学園BL。
約九万字、全三十話+αの物語です。
エリート上司に完全に落とされるまで
琴音
BL
大手食品会社営業の楠木 智也(26)はある日会社の上司一ノ瀬 和樹(34)に告白されて付き合うことになった。
彼は会社ではよくわかんない、掴みどころのない不思議な人だった。スペックは申し分なく有能。いつもニコニコしててチームの空気はいい。俺はそんな彼が分からなくて距離を置いていたんだ。まあ、俺は問題児と会社では思われてるから、変にみんなと仲良くなりたいとも思ってはいなかった。その事情は一ノ瀬は知っている。なのに告白してくるとはいい度胸だと思う。
そんな彼と俺は上手くやれるのか不安の中スタート。俺は彼との付き合いの中で苦悩し、愛されて溺れていったんだ。
社会人同士の年の差カップルのお話です。智也は優柔不断で行き当たりばったり。自分の心すらよくわかってない。そんな智也を和樹は溺愛する。自分の男の本能をくすぐる智也が愛しくて堪らなくて、自分を知って欲しいが先行し過ぎていた。結果智也が不安に思っていることを見落とし、智也去ってしまう結果に。この後和樹は智也を取り戻せるのか。
またのご利用をお待ちしています。
あらき奏多
BL
職場の同僚にすすめられた、とあるマッサージ店。
緊張しつつもゴッドハンドで全身とろとろに癒され、初めての感覚に下半身が誤作動してしまい……?!
・マッサージ師×客
・年下敬語攻め
・男前土木作業員受け
・ノリ軽め
※年齢順イメージ
九重≒達也>坂田(店長)≫四ノ宮
【登場人物】
▼坂田 祐介(さかた ゆうすけ) 攻
・マッサージ店の店長
・爽やかイケメン
・優しくて低めのセクシーボイス
・良識はある人
▼杉村 達也(すぎむら たつや) 受
・土木作業員
・敏感体質
・快楽に流されやすい。すぐ喘ぐ
・性格も見た目も男前
【登場人物(第二弾の人たち)】
▼四ノ宮 葵(しのみや あおい) 攻
・マッサージ店の施術者のひとり。
・店では年齢は下から二番目。経歴は店長の次に長い。敏腕。
・顔と名前だけ中性的。愛想は人並み。
・自覚済隠れS。仕事とプライベートは区別してる。はずだった。
▼九重 柚葉(ここのえ ゆずは) 受
・愛称『ココ』『ココさん』『ココちゃん』
・名前だけ可愛い。性格は可愛くない。見た目も別に可愛くない。
・理性が強め。隠れコミュ障。
・無自覚ドM。乱れるときは乱れる
作品はすべて個人サイト(http://lyze.jp/nyanko03/)からの転載です。
徐々に移動していきたいと思いますが、作品数は個人サイトが一番多いです。
よろしくお願いいたします。