【完結】ノンケだった俺が、敵対企業の年下イケメンCEOに堕とされました

砂原紗藍

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【第2章】最悪で最高のライバル

6.恋は静かに侵食する※R

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慧の指がシャツのボタンを外していく。
こうして改めて触れられると、やっぱり少しだけ、身構えてしまう。

「緊張してる?」
「……してない」
「嘘。手、震えてる」

慧が優しく俺の手を包み込んだ。

「っ……」

最後のボタンが外れて、シャツが肩から滑り落ちる。
慧の手が俺の胸にそっと触れた。

「この前、ここ触ったら可愛い声出してたよね」
「……覚えてんのかよ」
「覚えてるよ。京介の声も表情も、全部」

忘れててほしかった。
……いや、覚えててほしい?
――どっちだよ。

胸の先端をつままれて、びくっと身体が跳ねた。

「ほら、やっぱり」
「こ、これは条件反射だし……」

触れられたら、誰だってそうなる。

……そう、誰だって。

必死に理由を探すのに、“慧だから”という答えだけが、しっくりくる。

「可愛いよ、京介」

むかつくのに、慧の顔が近づくと息を呑んだ。

「待っ……」

言い終わる前に、胸の先端が口に含まれる。
舌で転がされ、吸われて、思考が切れる。

「あっ……んっ……慧……」

こんな声出してる自分、信じられない。

慧が俺を抱き寄せて、また唇を重ねる。
今度はもっと深く。

「んっ……」

舌が絡み、息が奪われる。

「……脱がすよ」

抵抗する間もなく脱がされ、完全に裸。
もうダメだ。恥ずかしすぎる。

「京介。目、開けて」
「……やだ」
「開けて?」

優しい声に恐る恐る目を開けた。
あられもない俺の姿を、慧は目を細めて見ている。
顔が熱い。全身が熱い。

「もう、こんなになってる」

包み込まれて、指が動く。
上下に何度も。リズムが心地いい。

……やばい。こんなの、すぐイってしまう。

「京介、感じてる?」
「……うるさい」
「素直じゃないとこも、好き」

耳元で囁かれて、完全に崩れた。

慧の手がさらに激しく動く。
先端から何か溢れてきて、慧の手の動きが滑らかになる。

「あっ……慧……もう……」
「いいよ、出して」

慧の声が優しい。
その声だけで、全部溶けてしまいそうだ。

「俺が全部受け止めるから」

その言葉に、もう限界だった。

「あ、あっ……慧……っ!」

身体が跳ねて、頭が真っ白になる。

「……はぁ……」

ベッドに沈みながら息を整える。
恥ずかしさと、安心感が一緒に押し寄せる。

「京介、可愛かった」

慧が優しく抱きしめて、頭を撫でてくれる。
子供扱いかよ、なんて思うけど嫌じゃない。

「……慧は?」
「俺?」
「ああ。お前だけ我慢してるの、悪いだろ……」

そう言ったら、慧が驚いたような顔をした。

「ありがとう。でも、今日はいい」
「……なんで」
「京介の顔、見られたから」

優しく笑う慧を見て、俺はこの数日のことを思い出す。
胸をしめつけるような、この気持ち。

「……慧」
「ん?」
「好きだ」

その言葉を口にした瞬間、慧が俺をぎゅっと抱きしめる。

「……俺も。大好き」

この腕の中、逃げられる気がしない。
いや、逃げたいとも思わない。


――翌朝。
目を覚ますと、慧の腕の中だった。

慧の寝顔、無防備。

「……ん」

こんな顔で寝るんだな。
クールなCEOの顔とは全然違う。

……ちょっと、可愛いとか思ってる時点で終わってる。

「……何見てんの」

慧が目を開けた。

「うわっ、起きてたのかよ」
「うん。京介の視線で目が覚めた」
「……悪い」
「悪くないよ。朝から京介の顔見られて、幸せ」

朝からそういうのやめろ。恥ずかしいだろ。

「……慧」
「ん?」
「今日、仕事だよな?」
「うん。でも、もうちょっとこうしてたい」

慧が俺をぎゅっと抱きしめる。

「……俺も」

正直に答えると、慧が嬉しそうに笑う。

「じゃあ、あと10分」
「……うん」

仕事ではライバル同士。
ステラの専務と、ECHOのCEO。
でもこうして同じベッドにいる、不思議な関係。

慧の腕の中で目を閉じる。
落ち着く、ってこういうことなんだろうな。

これが恋人。

悪くないな。
……いや、最高かも。



それから一週間。 
SONIC WAVEの配信権争奪戦は、予想以上に激しかった。

「瀬戸専務、今のところ7社が興味を示しています」
「わかった。引き続き、進めて」

ステラは順調に投資家との面談を重ねていた。
デスクで書類に目を通しながら、ふと思う。

ECHOは、どうしてるんだろう。
慧は大丈夫なのか。

……いや、待て。何考えてんだ、俺。
あいつはライバルだろうが。

その時、部下が慌てて入ってきた。

「専務、大変です」
「どうした?」
「ECHOが、Kファンドから50億円の投資を受けたそうです」

……え。

Kファンド。
業界でも有数の大手ベンチャーキャピタル。

「50億……」
「はい。さっき情報が入りました」

慧のやつ、やりやがったな。

「専務?」
「……ああ。引き続き、情報収集を頼むな」

部下が出ていった後、俺は窓の外を見た。

「慧……」

恋人とか、そういうのは今は関係ない。

仕事では、敵。
それだけ。

……のはずなのに。

窓ガラスに映る自分の顔が、妙に複雑な表情をしていて、思わず苦笑した。

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