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最後の駆け引き
24.甘え下手の恋模様
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付き合うことになって数週間。
でも正直、何が変わったのかよくわからない。
「陸、おはよう」
朝、カイトが俺のマンションで目を覚ます。最近、泊まっていくことが多い。
「おはよう」
素っ気なく答えて、キッチンに向かう。朝食の準備をしていると、後ろから抱きしめられた。
「陸、つれないじゃん」
「別につれなくない」
「恋人なんだから、もっと甘えろよ」
「……甘えるとか、ガラじゃねぇし」
振り返ると、カイトがいつもの自信満々な顔をしている。
「お前さ、もしかして恋人らしいことするの慣れてない?」
「慣れてるよ。普通に付き合ったこともあるし」
「じゃあなんで素っ気ないんだよ」
「……お前が調子乗るから」
カイトがニヤリと笑う。
「調子に乗ってるって、俺のどこが?」
「全部」
即答すると、カイトが俺の顎を掴んできた。
「まあいいや。お前のツンツンしてるところも可愛いしな」
「可愛いとか言うな」
そう言いながらも、内心では嫌な気はしない。むしろドキドキしてしまう。
「ほんと素直じゃないなあ」
カイトが俺の唇に軽くキスをして、離れていく。短いキスだったけど、心臓がドキドキする。
「おい、勝手にするなって」
「恋人なんだから当然だろ」
カイトの俺様っぷりにイラッとするけど、嫌いじゃない。
会社で、同僚に声をかけられる。
「陸、最近いいことあった?」
「まあ、普通かな」
「そう? なんか顔は嬉しそうだけど」
「……うるさい」
確かに最近は楽しい。カイトと一緒にいると、振り回されてばかりだけど退屈はしない。
夜、カイトの仕事が終わる時間に連絡する。
『お疲れ』
『陸から連絡とか珍しいじゃん。今すぐ会いに行く』
『別に来なくてもいいけど』
『遠慮すんなって。もう向かってる』
『勝手だな』
でも、内心では嬉しい。カイトが会いに来てくれるのが。
翌日の夜、カイトがいつもより早く俺のマンションにやってきた。
「今日早いじゃん」
「陸に会いたくて、適当に仕事切り上げた」
「適当って……大丈夫なのか?」
「全然。俺は売れっ子だからな」
自信満々に言うカイトを見てると、呆れるけど安心する。
「陸、映画でも見よう」
「何の映画?」
「俺が選ぶ」
「俺の意見は?」
「却下」
有無を言わさずソファーに座らされる。
カイトが勝手に選んだアクション映画が始まる。
途中で、カイトが俺を引き寄せて肩に手を回した。
「何してんの?」
「恋人らしいことしてるんだよ」
「恋人らしいって何だよ」
「こういうもんだろ」
腕で軽く固定されて、逃げづらい体勢になる。
映画が終わって、カイトが俺を見つめてる。
「陸」
「何?」
「俺のこと好きって言えよ」
突然命令口調で言われて、ムッとする。
「なんで命令するんだよ」
「お前が言わないからだろ」
「言う必要ないし」
「あるよ。恋人なんだから」
カイトが俺の頬にキスをしながら言う。
「……べつに、嫌いじゃないよ」
「嫌いじゃない、じゃなくて好きって言えって」
「うるさいな」
素直に言うのは恥ずかしい。でも、カイトの期待してる顔を見てると、言いたくなってくる。
「……好きだよ」
小さく呟くと、カイトがニッと笑った。
「よし。じゃあ今度は『愛してる』って言ってもらおうかな」
「調子乗るな」
カイトの俺様っぷりには相変わらず呆れるけど、そんなところも含めて、だんだん愛しくなってきている。
でも正直、何が変わったのかよくわからない。
「陸、おはよう」
朝、カイトが俺のマンションで目を覚ます。最近、泊まっていくことが多い。
「おはよう」
素っ気なく答えて、キッチンに向かう。朝食の準備をしていると、後ろから抱きしめられた。
「陸、つれないじゃん」
「別につれなくない」
「恋人なんだから、もっと甘えろよ」
「……甘えるとか、ガラじゃねぇし」
振り返ると、カイトがいつもの自信満々な顔をしている。
「お前さ、もしかして恋人らしいことするの慣れてない?」
「慣れてるよ。普通に付き合ったこともあるし」
「じゃあなんで素っ気ないんだよ」
「……お前が調子乗るから」
カイトがニヤリと笑う。
「調子に乗ってるって、俺のどこが?」
「全部」
即答すると、カイトが俺の顎を掴んできた。
「まあいいや。お前のツンツンしてるところも可愛いしな」
「可愛いとか言うな」
そう言いながらも、内心では嫌な気はしない。むしろドキドキしてしまう。
「ほんと素直じゃないなあ」
カイトが俺の唇に軽くキスをして、離れていく。短いキスだったけど、心臓がドキドキする。
「おい、勝手にするなって」
「恋人なんだから当然だろ」
カイトの俺様っぷりにイラッとするけど、嫌いじゃない。
会社で、同僚に声をかけられる。
「陸、最近いいことあった?」
「まあ、普通かな」
「そう? なんか顔は嬉しそうだけど」
「……うるさい」
確かに最近は楽しい。カイトと一緒にいると、振り回されてばかりだけど退屈はしない。
夜、カイトの仕事が終わる時間に連絡する。
『お疲れ』
『陸から連絡とか珍しいじゃん。今すぐ会いに行く』
『別に来なくてもいいけど』
『遠慮すんなって。もう向かってる』
『勝手だな』
でも、内心では嬉しい。カイトが会いに来てくれるのが。
翌日の夜、カイトがいつもより早く俺のマンションにやってきた。
「今日早いじゃん」
「陸に会いたくて、適当に仕事切り上げた」
「適当って……大丈夫なのか?」
「全然。俺は売れっ子だからな」
自信満々に言うカイトを見てると、呆れるけど安心する。
「陸、映画でも見よう」
「何の映画?」
「俺が選ぶ」
「俺の意見は?」
「却下」
有無を言わさずソファーに座らされる。
カイトが勝手に選んだアクション映画が始まる。
途中で、カイトが俺を引き寄せて肩に手を回した。
「何してんの?」
「恋人らしいことしてるんだよ」
「恋人らしいって何だよ」
「こういうもんだろ」
腕で軽く固定されて、逃げづらい体勢になる。
映画が終わって、カイトが俺を見つめてる。
「陸」
「何?」
「俺のこと好きって言えよ」
突然命令口調で言われて、ムッとする。
「なんで命令するんだよ」
「お前が言わないからだろ」
「言う必要ないし」
「あるよ。恋人なんだから」
カイトが俺の頬にキスをしながら言う。
「……べつに、嫌いじゃないよ」
「嫌いじゃない、じゃなくて好きって言えって」
「うるさいな」
素直に言うのは恥ずかしい。でも、カイトの期待してる顔を見てると、言いたくなってくる。
「……好きだよ」
小さく呟くと、カイトがニッと笑った。
「よし。じゃあ今度は『愛してる』って言ってもらおうかな」
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