【完結】運命の人が敵対企業の専務だったので、ビジネスも恋も全部奪いました

砂原紗藍

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【第一章】その夜の出会いが、全てを変えた

5.焦がれるほど、君に触れたい

この人にとって、これは初めてなんだ。
男に触れられるのも、こんなに感じるのも。

……焦りすぎた、完全に。

京介の初めては俺がもらう。
でも今じゃない。焦っちゃダメだ。

「大丈夫。京介のペースでいいよ」

京介の額にキスを落とす。

「次は、もっとゆっくり時間をかける」

ちょっといたずらっぽく、笑ってみせた。

「……っ、ばか」

京介が照れたように顔を背けた。
年上なのに、可愛いな。

優しく抱きしめる。本当にこの人を離したくない

「可愛かったよ」
「だから可愛いって言うな」

京介が顔を両手で覆う。

「京介。今日はありがとう」
「……何が」
「俺の誕生日、一緒にいてくれて」

頭を撫でると、京介の顔がさらに赤くなった。

「京介、今日はもう遅いから泊まっていく?」
「え?」
「ベッドは別にするから。安心して」

ちょっと真面目な顔で言ったのに、京介は首を振る。

「……いや、帰る」
「そっか。じゃあちゃんと送るね」

エントランスまで見送って、タクシーが到着するのを待つ。

「京介」
「ん?」
「明日、ちゃんと連絡してね。約束だよ」
「……わかった」

ふっと笑って、京介の頬に手を添える。
軽くキスを落とすと、京介が小さく声を漏らした。

「おやすみ、京介」

タクシーが到着して、優しく手を振った。

京介を見送った後、部屋に戻ってソファに座る。 
部屋の中に、まだ京介の香りが残ってる気がする。

やばい。身体がまだ火照ってる。
触れた感触、あの吐息、あの乱れた表情――頭の中でリフレインしてる。

途中で止めたから、欲求不満になって当然じゃない?

「……シャワー浴びよう」

冷たい水で、頭を冷やさないと。

バスルームに向かってシャツを脱ぐ。
鏡に映る自分の顔はは上気して、髪は乱れてる。

京介のせいだ。あの人の全部が、俺の中で暴れてる。
シャワーを浴びても、京介のことを考えてしまう。

「……京介」

名前を呟くだけで胸が苦しい。
会いたい。もう、会いたい。

でも、今週は仕事が忙しい。
SONIC WAVEのプレゼンが控えている。


――翌朝。

アラームより早く目が覚めた。
コーヒーを淹れて、窓の外を眺める。
空が澄んでるとなんだか気分も軽い。

スマホを取り、メッセージを送信する。

『おはよう、京介。昨日はありがとう』

もっと知りたい。好きな食べ物、休日の過ごし方――普段聞けないことも。

そして、もっと触れたい。
もっと、俺のものにしたい。

昼もメッセージを送る。

『京介、今度はご飯食べに行こう』

スマホが鳴った。
京介からだ。

『わかった』

即レス。
京介も、俺に会いたいと思ってくれてるんだ。

『今週は仕事が忙しくて、なかなか会えないかも』
『わかった。無理すんなよ』
『ありがとう。来週、落ち着いたら会いたいな』
『……ああ』
『楽しみにしてる。今日も一日頑張って』

なんだろう、この気分は。
胸が高鳴ってる。ワクワクしてる。

最悪の誕生日だと思ってたのに、京介に会えた瞬間から世界が変わったみたいだ。

これって……運命なんじゃないか?

京介。必ず、お前を俺のものにする。

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