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凍てつく心に安らかな温もりを

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「それで…ライアーさん。教えて下さい私がなんで連れてこられたの?」
ライアーさんのお城?での生活が始まってから一週間が経ったけど未だに教えてくれないライアーさんに少しだけ苛立ってしまう。
「あら、そういえばまだ教えてなかったかしら?」
「教えて貰ってない!」
「まあまあ、そんなに苛立たないの」 
そう言われても二人が待ってる場所に私は帰りたい!
「理由を教える前に一つだけ質問させて頂戴ね、貴女は雪の女王って言う昔話を知ってるかしら?」
「知ってるけどそんなこと関係ないじゃない」
「残念ながら大有りなのよね、まあ聞いて頂戴。昔々ある村にとっても温厚な青年が生活していたの。でも青年はある日突然冷たい人間になり、終いには雪の女王に会いに行く!と言い出したの。そしてその幼なじみが彼を取り返すと言うのが話の流れね」
私が知ってる内容通りの話…。これが何と関係あるの?
「何が関係あるのか分からないって顔しているわね。ふふ、ここからが本題よ。まずこの話には二つの大嘘が混ざっているの。一つ目は雪の女王に会いに行くって言うこと。ほんとは雪の女王が会いに来るって内容なの。昔は正しかったのだけど段々と変わっていっちゃったのね」
「もう、一つの嘘って…何?」
「ええ、こっちが本命よ。それは…彼の幼なじみが追って来たってとこよ」
「え!?でもそしたらそのお話のほとんどが嘘になっちゃう」
「ええ、ほとんど真っ赤な嘘よ。そもそも彼の幼なじみは絶対追って来れないのよ、だって彼女は冷たく冷えきったもの」
「どういうこと?」
「まだゲルダちゃんには早いわ。さて、なんでこのお話と私が関係あるか…だったわね。そんなの簡単よ、少し考えたら分かるじゃない?」
……うーん、でもこのお話は何百年も前のお話だけどこんなに知ってるから…
「ライアーさんが雪の女王なんですか!」
「まあ、及第点ね。正解は、雪の女王とその男は私のパパとママよ」
パパと…ママ!?でも男の人は普通の人間だから長生き出来ないはず…それにライアーさんが雪の女王じゃないなら本物の雪の女王は……。
「ああ、パパとママはもういないわ。私を置いていっちゃったの」
「そんな…寂しくないの?」
「寂しいわ…でもママ達との思い出はずっと残るもの。だから良いの」
ライアーさんの目…なんだか悲しそう…。って違う!私がここに連れてこられた理由を聞かないと!
「で、でもその雪の女王と私になんの関係があるか全然わかんない」
「あらあらやっぱり脱線しちゃうわね~。そういえばママにも脱線しすぎって注意されてたわ。まあ、そんな話は置いといて、ゲルダちゃん…貴女最近怖~い夢、見てない?」
「うん…見てるよ」
「どんな内容か教えてくれる?」
私が見てる夢は私じゃなくなって皆を…食べている夢を見ているけど、信じてくれるとは思わない。きっと馬鹿にするもの。でも…話すだけ話してみようかな。
「私が見てる夢は…」



私が話すのをライアーさんはただずっと真剣な目をしながら聞いてくれた。
「うん、やっぱり間違って無かった。ゲルダちゃん…私が貴女をここに連れてきたのはね…貴女に悪魔が憑いているからなの」
あく…ま?悪魔ってあの悪い…。私…悪い子なんだ…。だから連れてこられちゃったの…。
「あ!違うの!ゲルダちゃんは悪くないから!ね?だから泣かないで!私はね!ゲルダちゃんが悪い悪魔に乗っ取られないようにってあー!もうどうしてこうなっちゃうのー!」
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