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7話 ひつじは落ち込む……
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「またまたお世話になりますゴブリンさん」
ゴブリンはレベル的にも魔法を試すにはうってつけの相手なのだから仕方がない。
ぽむは新調した黒の魔導書を持ってポーズをつけ、魔法を放った。
「メェメェ(闇よ撃て、ダークボール)」
黒色の玉がゴブリンの顔に当たると、首から上が消えていた。
ぽむのレベルアップしたステータスでは初めての魔法でもゴブリン程度なら相手にはならなかった。
ゴブリンの丘は人気の狩場なだけあって、見物客も多く、ぽむがゴブリンを倒すと拍手が起こる。
その後もダークボールや魔導書なしのファイヤーボールなどでゴブリンを蹴散らしていく。
「そろそろ次の場所に行くか」
「メェ」
ゴブリンの丘を抜けると、森が広がっていて、モンスターのレベルも高くなる。
特に警戒すべきはアーミーアントだ。
1メートルを超す巨大なアリで、一体ならそうでもないが群れで行動しているため、囲まれれば一貫の終わりとなる。
森の中は濃い緑で光が遮られて、微かな光を頼りにぽむとノアは二人で進んでいく。
流石にぽむのファンもどこまでもついてくるということはない。
というか、絶対にそんなことがあってはならなかった。
ファンクラブとしてぽむとノアに迷惑をかけないのが絶対のルール。
そして、それを破るものにはファンクラブ会員でなくとも凄惨な結末が待っていることになる。
そんなこととは露知らず二人は妙に静かな森を探索していた。
「ぽむ、それは毒キノコだ放しなさい」
見るからに毒々しい黒と紫の入り混じったキノコをキラキラとした目で見つめるぽむにノアが注意をする。
「メェ」
すると次は別のキノコを指差す。
「それも毒キノコだ」
「メェ」
真紅のキノコも触るなと言われしょぼんと肩を落とすぽむの上で影が揺れたのをノアは見逃さなかった。
「ぽむ!!」
ノアはぽむを抱き抱えてその場から避ける。
二人のいた場所に鼻をつんざくような酸性の匂いをまき散らす液体が降り注ぎ、落ちた葉や枝を溶かす。
上を見るとアーミーアントが樹に張り付いていた。
一体いれば数十体はいると周りを警戒するも見つけられたのは三体のみ。
つまりは偵察部隊ということだ。
アーミーアントはその名前の通りに軍隊蟻。
軍隊のように組織化されていてそれぞれに仕事が割り振られている。
偵察部隊が敵の力を見極めてそれに対応できるだけの部隊が派遣されてきてしまう。
ぽむは攻撃を躱した瞬間にはファイヤーボールを放ち一体のアーミーアントに命中していた。
燃えながら枝から落ちて絶命する仲間を見ても、残る二体は気にもとめずにお尻を2人に向けて蟻酸を発射する。
ノアは樹を盾にしながらジグザグに走る。
ぽむの二発目のファイヤーボールがアーミーアントに飛んでいくが、木の枝を素早く移動して躱してくる。
ノアはアーミーアントに勝算があって森に足を踏み入れている。
それは炎だ。
弱点であるぽむの火の魔法なら一撃で倒せるが、誤算だったのは機動力。
平地ならばそれほど当てることの難しくない魔法でも樹を縦横無尽に移動されれば命中率はガクッと下がる。
上を取られているのも中々に厳しく、液体の蟻酸を躱すのも楽ではない。
βテストの時はこれほど厄介ではなかったが、自身の油断によるリサーチ不足を反省する。
2箇所別方向から飛んできた蟻酸に両方を避けることは難しかった。
一つを避けて、ぽむをお腹に持って包み込むように抱く。
「ぐっ……」
右腕から背中にかけて痛みが走る。
「メェ」
「大丈夫だ」
心配そうな目で見つめてくるぽむにノアは答えるが、状況としてはかなり悪かった。
「うぉぉぉぉぉぉ」
避けることやめ、気合を入れて酸のかかった右腕を上げる。
ぽむはノアの決死の覚悟を汲み取り魔法を放つ。
アーミーアントは蟻酸をお尻から発射する性質上、必ず一度止まる。
その隙をついてファイヤーボールを命中させ一体を倒した。
しかし、まだもう一体が残っている。
ノアのHPはかなり厳しい。
アーミーアントは2人を観察するように見下ろしていたと思えば踵を返して森の中に戻っていった。
ノアは賭けが成功したことに安堵する。
「危なかった、偵察部隊の仕事は情報を持ち帰ることだからな」
「メェ」
ぽむに答えを教えてあげて、回復ポーションを飲んで最低限だけ回復させるとすぐにその場を去る。
のんびりしていれば別部隊がやってきてしまう。
森を無事に抜けることができ、街へと直行するがボロボロの姿は多くの目に触れていた。
ファンの中ではボロボロのノアと無傷のぽむを見て、身を呈してぽむを守った献身的な行動を称える声が多く上がった。
しかし、そうは思わない一部のファンもいて、ぽむを危険な場所へ連れていき、怪我などさせたらどうするんだと怒りをあらわにしていた。
本当に一部のファンが言っているだけでほとんどが相手にしていなかったのだが、ぽむ人気をよく思わない人間たちがそれに乗っかってネットは大荒れすることになる。
そんなことになるとは知らずに2人は宿屋で休息を取っており、思い詰めているぽむをノアは必死にあやしていた。
「大丈夫だから落ち込むな。ほら、この通りバッチリだよ」
「メェェ……」
ノアは完全に回復した右腕をブンブンと回して見せるがぽむの表情は一向に暗いままだった。
大好物のわたがしを食べに行こうと言ってもダメだった。
「今回は俺が油断してたんだ。2人で強くなればあんな蟻なんてすぐに倒せるようになるさ」
「メェ!!」
やっと機嫌を直したぽむはこれまで以上に強くなる決意をする。
ゴブリンはレベル的にも魔法を試すにはうってつけの相手なのだから仕方がない。
ぽむは新調した黒の魔導書を持ってポーズをつけ、魔法を放った。
「メェメェ(闇よ撃て、ダークボール)」
黒色の玉がゴブリンの顔に当たると、首から上が消えていた。
ぽむのレベルアップしたステータスでは初めての魔法でもゴブリン程度なら相手にはならなかった。
ゴブリンの丘は人気の狩場なだけあって、見物客も多く、ぽむがゴブリンを倒すと拍手が起こる。
その後もダークボールや魔導書なしのファイヤーボールなどでゴブリンを蹴散らしていく。
「そろそろ次の場所に行くか」
「メェ」
ゴブリンの丘を抜けると、森が広がっていて、モンスターのレベルも高くなる。
特に警戒すべきはアーミーアントだ。
1メートルを超す巨大なアリで、一体ならそうでもないが群れで行動しているため、囲まれれば一貫の終わりとなる。
森の中は濃い緑で光が遮られて、微かな光を頼りにぽむとノアは二人で進んでいく。
流石にぽむのファンもどこまでもついてくるということはない。
というか、絶対にそんなことがあってはならなかった。
ファンクラブとしてぽむとノアに迷惑をかけないのが絶対のルール。
そして、それを破るものにはファンクラブ会員でなくとも凄惨な結末が待っていることになる。
そんなこととは露知らず二人は妙に静かな森を探索していた。
「ぽむ、それは毒キノコだ放しなさい」
見るからに毒々しい黒と紫の入り混じったキノコをキラキラとした目で見つめるぽむにノアが注意をする。
「メェ」
すると次は別のキノコを指差す。
「それも毒キノコだ」
「メェ」
真紅のキノコも触るなと言われしょぼんと肩を落とすぽむの上で影が揺れたのをノアは見逃さなかった。
「ぽむ!!」
ノアはぽむを抱き抱えてその場から避ける。
二人のいた場所に鼻をつんざくような酸性の匂いをまき散らす液体が降り注ぎ、落ちた葉や枝を溶かす。
上を見るとアーミーアントが樹に張り付いていた。
一体いれば数十体はいると周りを警戒するも見つけられたのは三体のみ。
つまりは偵察部隊ということだ。
アーミーアントはその名前の通りに軍隊蟻。
軍隊のように組織化されていてそれぞれに仕事が割り振られている。
偵察部隊が敵の力を見極めてそれに対応できるだけの部隊が派遣されてきてしまう。
ぽむは攻撃を躱した瞬間にはファイヤーボールを放ち一体のアーミーアントに命中していた。
燃えながら枝から落ちて絶命する仲間を見ても、残る二体は気にもとめずにお尻を2人に向けて蟻酸を発射する。
ノアは樹を盾にしながらジグザグに走る。
ぽむの二発目のファイヤーボールがアーミーアントに飛んでいくが、木の枝を素早く移動して躱してくる。
ノアはアーミーアントに勝算があって森に足を踏み入れている。
それは炎だ。
弱点であるぽむの火の魔法なら一撃で倒せるが、誤算だったのは機動力。
平地ならばそれほど当てることの難しくない魔法でも樹を縦横無尽に移動されれば命中率はガクッと下がる。
上を取られているのも中々に厳しく、液体の蟻酸を躱すのも楽ではない。
βテストの時はこれほど厄介ではなかったが、自身の油断によるリサーチ不足を反省する。
2箇所別方向から飛んできた蟻酸に両方を避けることは難しかった。
一つを避けて、ぽむをお腹に持って包み込むように抱く。
「ぐっ……」
右腕から背中にかけて痛みが走る。
「メェ」
「大丈夫だ」
心配そうな目で見つめてくるぽむにノアは答えるが、状況としてはかなり悪かった。
「うぉぉぉぉぉぉ」
避けることやめ、気合を入れて酸のかかった右腕を上げる。
ぽむはノアの決死の覚悟を汲み取り魔法を放つ。
アーミーアントは蟻酸をお尻から発射する性質上、必ず一度止まる。
その隙をついてファイヤーボールを命中させ一体を倒した。
しかし、まだもう一体が残っている。
ノアのHPはかなり厳しい。
アーミーアントは2人を観察するように見下ろしていたと思えば踵を返して森の中に戻っていった。
ノアは賭けが成功したことに安堵する。
「危なかった、偵察部隊の仕事は情報を持ち帰ることだからな」
「メェ」
ぽむに答えを教えてあげて、回復ポーションを飲んで最低限だけ回復させるとすぐにその場を去る。
のんびりしていれば別部隊がやってきてしまう。
森を無事に抜けることができ、街へと直行するがボロボロの姿は多くの目に触れていた。
ファンの中ではボロボロのノアと無傷のぽむを見て、身を呈してぽむを守った献身的な行動を称える声が多く上がった。
しかし、そうは思わない一部のファンもいて、ぽむを危険な場所へ連れていき、怪我などさせたらどうするんだと怒りをあらわにしていた。
本当に一部のファンが言っているだけでほとんどが相手にしていなかったのだが、ぽむ人気をよく思わない人間たちがそれに乗っかってネットは大荒れすることになる。
そんなことになるとは知らずに2人は宿屋で休息を取っており、思い詰めているぽむをノアは必死にあやしていた。
「大丈夫だから落ち込むな。ほら、この通りバッチリだよ」
「メェェ……」
ノアは完全に回復した右腕をブンブンと回して見せるがぽむの表情は一向に暗いままだった。
大好物のわたがしを食べに行こうと言ってもダメだった。
「今回は俺が油断してたんだ。2人で強くなればあんな蟻なんてすぐに倒せるようになるさ」
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