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1話〜10話
提出物
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エル「平和だねぇ...」
昼休み。
窓側の後ろ、教室の隅っこでエルは、空を見上げながら呟いた。
アルス「あぁ、そうだな。」
偏西風に乗って、ゆったりと西へ流れていく雲を眺める。
退屈しのぎにすらならないだろうが、何もしないよりかはマシだろう。
...多分。
エル「子供の頃、本気で雲の上に乗れるって思ってたっけ。」
アルス「あ~、俺も思ってたかも。」
エル「本当に?」
こんな他愛のない話をしばらくしている。
この星には蓋がしてあって、上へ行けるのには限界があるとか、日が昇らなかったら目は覚めないとか、小さい頃に思っていたことを色々話したりしているのだが...
二人が過ごしているこの時間は想像より長いものであった。だいぶ話をしたかと思いきや、携帯で時間を確認するに、まだ3分ほどしか経っていなかった。
エル「...ていうかさ、昼休みなのになんでこんな静かなの?」
振り返ってそう言うエルに続き、アルスも後ろを向いた。
たしかにエルの言う通り、いつもならこの昼休み中はそこそこの騒々しさがあるのだが、今日はそれがない。
アルス「なんか全然人いないな?」
全体を見回す限り、この教室に残っている生徒は自分を含め、8名しかいない。
エル「分かった!今日はレポートの提出日だからだ!みんな出しに行ってるんじゃない?」
レポートというのは、物理の課題のことだろう。
アルス「あ~、今日提出日か。」
掲示物を見ながらそう言う。
うちのクラスの物理は、単元が終わるごとにレポートを書いて提出をしなければならない。出さなかったら試験の点数を引く、いうので、それを恐れてみんな出しに行っているのだろう。
アルス「今頃物理室の前に行列ができているだろうな。」
と、笑いながら言う。
エル「アルス君はもう出したの?」
アルス「ああ。単元が始まった頃に出しておいた。」
エル「ん?」
昼休み。
窓側の後ろ、教室の隅っこでエルは、空を見上げながら呟いた。
アルス「あぁ、そうだな。」
偏西風に乗って、ゆったりと西へ流れていく雲を眺める。
退屈しのぎにすらならないだろうが、何もしないよりかはマシだろう。
...多分。
エル「子供の頃、本気で雲の上に乗れるって思ってたっけ。」
アルス「あ~、俺も思ってたかも。」
エル「本当に?」
こんな他愛のない話をしばらくしている。
この星には蓋がしてあって、上へ行けるのには限界があるとか、日が昇らなかったら目は覚めないとか、小さい頃に思っていたことを色々話したりしているのだが...
二人が過ごしているこの時間は想像より長いものであった。だいぶ話をしたかと思いきや、携帯で時間を確認するに、まだ3分ほどしか経っていなかった。
エル「...ていうかさ、昼休みなのになんでこんな静かなの?」
振り返ってそう言うエルに続き、アルスも後ろを向いた。
たしかにエルの言う通り、いつもならこの昼休み中はそこそこの騒々しさがあるのだが、今日はそれがない。
アルス「なんか全然人いないな?」
全体を見回す限り、この教室に残っている生徒は自分を含め、8名しかいない。
エル「分かった!今日はレポートの提出日だからだ!みんな出しに行ってるんじゃない?」
レポートというのは、物理の課題のことだろう。
アルス「あ~、今日提出日か。」
掲示物を見ながらそう言う。
うちのクラスの物理は、単元が終わるごとにレポートを書いて提出をしなければならない。出さなかったら試験の点数を引く、いうので、それを恐れてみんな出しに行っているのだろう。
アルス「今頃物理室の前に行列ができているだろうな。」
と、笑いながら言う。
エル「アルス君はもう出したの?」
アルス「ああ。単元が始まった頃に出しておいた。」
エル「ん?」
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