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1話〜10話
テルさん?
しおりを挟むアルス「あ~、腹減ったな。」
昼休み、友達と談笑している中、不意にそう口にしていた。
友達は、「昼飯は?」「弁当ねぇのか?」と尋ねてくる。
アルス「いやまあ、食ったは食ったけど、2限が終わった後だからな。しかもいつもより少なかったし、流石に腹減るわ」
早弁をしたので、昼ごはんがもうない。
アルス「ちょっと購買行ってくるわ。」
とりあえず、なんでもいいから何かを口にしたい、そう思ったアルスはカバンの中にある財布を取り出す。
テル「どこか行くの?」
財布をポケットにしまい、教室を出ようとした時、友達のテルに話しかけられる。
テルは、緑の葉っぱの髪飾りをしており、丈が4部ほどのスカートを穿いている。
アルス「おう、小腹が空いたもんで購買にな。」
そう言うとテルは、へぇ~、と相槌をうち
テル「ボクも今から行こうとしてたから一緒に行かない?」
と言った。
アルス「ああ、別に構わないが。」
そうして、アルスはテルと一緒に購買に向かった。
__________
しばらく廊下を歩いていると、周りの生徒がこちらをチラチラと見てきていることに気が付いた。
テル「それでね、プリクラ撮り終わったら変な人に絡まれてさ~...」
大変だったよ、といった表情で話しながら歩くテル。
みんなが見ているのはおそらくテルの方だろうが、当の本人は気付いていないのか、周りの目も気にせず話し続ける。
アルス「...」
アルスは歩きながら、それを黙って聞いていただけだったが...
テル「連絡先教えてって迫ってくるから通報しようとしたんだよね。そしたら」
アルス「あのさ。」
話し終える気配がないテルに、アルスは突然だが、ようやく話しかける。
テル「ん?どうしたの?」
テルがこちらを見る。
アルス「お前ってさ...」
スカート、蝶ネクタイ、そして髪飾りの順番に沿って視線を動かす。
アルス「男だよな?」
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