おれがヒロイン!?無理です、逃げていいですか!

たなぱ

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幼少期編

思いもよらぬ出会い(2)




将来的に攻略対象となるライオネルと、可哀想な少年少女達を救おうと思い立ったおれの行動は素早かった
よくよく考えてみればおれには大きな武器がある
それは内なる筋肉!表面上は全く反映されてないが、大きな魔獣を捌けるほどの筋肉があるのだ!

そしてマリンから教えてもらった殿方の背後に回り込む魔法…これを駆使すれば…5歳児でもきっとやれる…!!



今の自分の見た目はたぶん平民の子供って感じだ、今のところ少し離れてるとは言え、この場所で奴隷商なのか人攫いなのか知らないが男達はおれに気付いていない
というか、普通こう言う誘拐場面ってもっと隠れてやらない?奥まった裏路地だし、誰も居ないけど誰も通らないとは考えない感じ??

なら、なんとかなる気がする…!ならなくても全力で走りつつ叫びながら誘拐犯がいますー!と叫ぶ予備プランもある



まぁ、王都で騒ぐ事でもしかしたら他の攻略対象者まで釣り上げてしまう可能性がある為、予備プランは使わずにおれの力でこっそりと助けたい訳だけど

とにかく、今は考えるより行動しよう!
軽く深呼吸し、髪を隠すための帽子を深く被り、先ずは風圧を調整する魔法を自分の身に纏う


そしてそのまま、全力で走りだし、殿方の背後に回り込む魔法を発動させ男達と誘拐された獣人の子供達の元へ向った





「奴隷商との受け渡し時間までガキ共を逃がすんじゃねぇぞ
ったく、なんで引き渡し場所の部屋閉まってんだよ…はぁ、くそ」

「わかってる、逃げるなら足でも折るさ
本当だよな…誰かに見られたらどうすんだって話だ
まぁ、今日は祭りだしこんな裏路地を好き好んで歩こうって馬鹿はいねぇと思……ぎゃあ!!!!!!な、なんだ!?ぁだだだだだ!やめろ!やめろぉ!!!潰れるっ!いぎぃぃぃぃ!!!」

「………は?おい、何叫んで………っ、な、なんだこのガキ!?どっから現れた!?!」



直接目の前から走って来ました!
そんな返答はせず、帽子で顔が見えないように気を使いながらライオネルを拘束してない方の殿方の背後に回り込みズボンの上から玉を全力で握り締める、それはもう全力で

魔獣の肉を鷲掴みにする気持ちで、強く、強く、2つの玉を握り締めた…!!!

ふふふふ、これは絶対にヒロインなアイリスだったら出来ない荒業だろうね!?同じ性別が男だからこそ出来る、的確に相手を無力化させる技!急所に奇襲を掛けるのだ!


「ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ーーー!!!!やめろぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙ぉ゙!!!!!!」

「くそ、やめろ!なんだこのガキ!!やめろ!!」


もう1人の男が玉を助けようと?おれの方に来たため、トドメとばかりに握りしめてた玉を下から拳で打ち上げ、気絶させそのまま再度殿方の背後に回り込む魔法を発動させる

まるでダンスを誘うような…舞踏会行ったこと無いけど、ドレスでも着てるのかな?ってくらい滑らかに、流れるような足の運びでもう1人の男の背後に回り込みこちらもしっかりと玉を握りしめた


「ガキが!!どこにいっ…………ぎゃぁぁあぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ーーー!!!!玉がぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ぁ゙ーーー!!!!!」


知らぬ間に変態なおっさんと手を繋いでたおれに触れない物は無い!そんな気持ちで更に力強く玉を握りこちらも気絶させ、投げ出されたライオネルをしっかりとキャッチした


…………おれ、とてもヒロインっぽくない!
そんな達成感に満たされつつ、奴隷にされそうになってた子達の方を見ると…なんか、貴方はだれ?って感じじゃなくてとんでも無い物を見たって顔をしている

…………あ、なんかごめん?
でもこれしか5歳児に出来そうな方法が思いつかなかったんです!
誘拐犯?無力化出来たんだしいいじゃないか!


「…………えっと、もう大丈夫だよ!獣人の国の子だよね…?誘拐されてきたとかそんな感じかな…?
縄とか解いてあげるからこっちおいで?
この子、君たちの大切な人なんだろ?」


なるべく怖がらせないように自分と同じ年齢の獣人の子供達へ話しかける
既に行動が怖いですとかいわれたらどうしようも無いけど…おれから敵意を感じなかったのか、少しの間獣人の子供達は互いで見つめ合い考え込んだ後、おれの側に来てくれた

何かを話してはいるようだけど、おれ獣人語分からないから意思疎通は難しい
けど、こちらの言ってることはなんとなく分かってくれるみたいだった

ライオネルを抱っこしたまま、1人1人、身体の状態を見つつ縄を解いて、大きな怪我はしていないか確認すると、背中とかに鞭で打たれた痛々しい痕や蹴られたのか打撲痕があり見ているこっちがしんどくなる

特に、今の気絶してる未来の攻略対象者であるライオネルの怪我は他の子よりも酷く、獣人の子供達の反応的に彼がみんなを庇って殴られたり鞭で打たれたりしていたのかもしれないと推測できた
幸い奴隷紋が付けられる前だった事が救いだろう



とりあえずある程度使えるようになった癒しの魔法を振りまき獣人の子供達を治癒する
とりあえずこれでよし!あとは早くここから離れて騎士とかに人攫いの変態が居ます!と伝えなければ…それに今のおれは迷子!兄様達とはぐれたままなのも不味い!!


「このまま、ここにいたら危険だから…一緒に来てくれるかな?大丈夫、酷いこととかしないから…お家に帰れるように手助けするから…ね?」


ライオネルは癒しを施しても気絶したままの為、お姫様抱っこしてから子供達に伝えると、みんな必死に頷いて付いてきてくれた



ライオネルとの話では幼い頃に誘拐されて奴隷落ちしてしまい、それをヒロインが救う、第三王子として自国に舞い戻り公爵になってヒロインと結婚する…そんなシナリオがある

王家より奴隷は禁止と命を出してるが、私利私欲の為に抜け道を使う者がいるって話が乙女ゲームの2周目で解放されるライオネルのルートで明らかになる
詳しい歴史的なのも説明あったけど、そこまで詳細には流石に覚えていない


獣人の国からこの国に出稼ぎみたいな感じで来るものは少なからず居る為、上手く隠して悪事を働いてたとかそんな感じだ

乙女ゲームプレイしてた時は、奴隷紋に縛られたライオネルを見て、王家法律とか作ってもっと未然に防げよー!って思ったけど、それをしたらライオネルってキャラが居なくなるし…ご都合主義っていえばそうだけど、ゲームとしては普通なんだろうけど、胸糞悪い



ここは乙女ゲームの世界で色々な意味でヒロインに対して強制力もある…けど、それ以上にここは今のおれにとって現実だ
ゲームの世界じゃない、ちゃんとおれが生きてる現実の世界


ふと、大切な今の…アイリスの家族がいる世界を守りたいと無意識に考えていた
何か心に引っかかりがある、不思議な気持ちの中で……………










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