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幼少期編
脱迷子!
裏路地で未来の攻略対象、ライオネル達を奴隷商的な人攫いから救った後、獣人ってバレたらさっきの奴らの仲間が来るかも?と考え、誘拐犯が持ってた布を拝借し耳とか尻尾を適度に隠してもらった
そのまま暫くの間更に迷子になりつつ、なんとか大通りに行き着いたおれたちは無事に兄様と再会する事に成功した
「アイリス…!!!どこに行ってたんだい?!ううん、いいやそんな事…よかった、よかったぁ…無事でっ…というかその子達はだれ?」
「アイリス様ぁ!!!神隠しにでもあったのかとっ…マリンはマリンは…アイリス様を探そうと屋根の上走る所でしたっ!!………まさか旦那様達の隠し子っ!?」
「おい、マリン…冗談でも変なことを言うな
アイリス様、ご無事で何よりです…申し訳ない、見守りが甘かった」
「ううん、ぼくがすごくはしゃいでしまってたから…ごめんない…心配かけました…知らない間に裏路地にいて…
あの、実は!!さっき人攫いを見つけて!この子達が酷い目に遭ってて保護してきたんです!!」
迷子になってたおれを必死に探してくれてたと分かる程、兄様やマリン達の顔が悪すぎて物凄く申し訳無くなってしまった…けど
おれだって好きで迷子になった訳じゃない!兄様の優しい手がいつの間にか変態なおっさんに変わってただけなんだ!!
とにかく今は感動の再会をしつつ、獣人の子供達をどうにかしてあげたい!一刻も早く祖国へ返してあげたい!そんな思いで今、裏路地で偶然見た光景や状況を兄様達に説明し相談する
普通なら信じてもらえないか、どうしてそんな危険な事を!って怒られる場面だろうけど…兄様達はおれに対して疑うことも怒ることも無かった
詳しい場所は分からないが、今出てきた裏路地に人攫いの男が2人倒れている事を説明すると兄様マリンに目配せしマリンが裏路地に向かって恐ろしい速度で走り出す
「ケビン、直ぐに騎士を呼んできてくれ
この子達の事を伝え、安全な場所に保護してもらおう…マリンが犯人を探し出してくれるからその後の対応も含めて任せよう
アイリス、本当ならこんな危ないことをするなって怒る所だけど…自分と同じ歳の子達が危険な目に遭って見捨てられなかったんだよね?」
怒りはしない、良いことをしたのは認める、けど1人で危険な事はしないで欲しいと、おれの頭を帽子越しに撫でる兄様…
そんな姿に申し訳ない気持ちになる…おれのした事がどれだけ危険かって…分かってない訳じゃない
無駄に内なる筋肉がついて最近動けるし魔獣捌けるようになったとはいえ、おれはまだ5歳だ
同じ5歳くらいの男の子を軽々とお姫様抱っこしてても…見た目は女児な5歳なんだ…
兄様達を心配させるような行動をしていい訳がない
「………ごめんない…兄様…気が付いたら知らないおじさんと手繋いでて…迷子になった場所で…あんな光景みたら居ても立ってもいられなくて…」
「………そのおじさんの件は後でもっと詳しく聞かせて?
けど…うん…分かってる、アイリスがいい子だってちゃんと分かってるから…次は兄様達をしっかり頼るんだよ?いいね?」
「………………はい!!」
素直に反省したおれに対して兄様は優しく微笑み、ケビンが騎士を連れてくるまでの間、獣人の子供達に対して優しい声を掛けてくれていた
ちゃんと反省したし危ない事はしないと誓うけどさ…何これ!おれの兄様最高なんだけど…
まだ兄様15歳だよね!?既に立派過ぎるっ…かっこいい…!獣人語まで判るのかっこいい…!
やっぱりおれ、ヒロインから逃げ切って一生ハニーベリー男爵家で暮らしたい!
………………………
…………………
……………
暫くしてケビンが騎士を連れて兄様の元へ戻り、マリンが人攫いと思われる男達を肩に担いで戻って来たため、そのまま現世でいう警察署?的な騎士団の屋敷?っぽい場所に獣人の子達を連れていき、無事に預けることに成功したが、ある問題が発生する
「ハニーベリー男爵子息殿!この度はご協力ありがとうございます!この子達は我々が保護し祖国へ送り届けます
法に背き裏で暗躍する人身売買組織は全て潰したと思っていたのですが…この件は上層部へも至急伝え対応を練る所存、安心して下さい」
「よろしくお願いします
……………ただ、この子はどうしましょうか…?アイリスから離れる様子が無く…キミはお家に帰りたくないの?」
なんと、気絶してるからってお姫様抱っこして連れてきたライオネルくんが!!おれの服を握りしめて離してくれないのです!!
いつの間にかちゃんと起きてたし!いつ起きてたの!?起きたら降りようぜ!?何が何でも服を離さないって気合の眼差しでこっち見ないでくれるかな!?
お友達もお家帰らないの?って顔で見てくるのに…ライオネルくん、第3王子でしょ!?乙女ゲームのエピソード的に国との交流がいまの段階では無さすぎて誰も王族だって気付いて無いけど王子なんだから!キミ!!!
お帰り!奴隷紋刻まれて無いんだからお帰り!実家に!
乙女ゲーム的には国王を支える家臣として公爵になる未来があるんだよキミには!
とは考えつつ…乙女ゲームとか、王子とか、現状おれしか知らない情報は言えず、「お家に帰れるんだよ?父様や母様が心配してるんじゃないの?」って優しくライオネルに伝えるが、全く効果は無く、むしろおれの服を握るだけにとどまらず首にしがみついてきやがった…!!
やめて!子供とは言え野郎同士でハグする趣味おれには無いの!ヒロインと勘違いされてるかもって不安になるからやめて!!
無駄に髪の毛ふわっふわで猫吸った時のようないい感じの匂いするのやめて!!!くそっいい匂い!
畜生!甘えんな!すりすりしてくんな!可愛いなこいつ!!
「その子は相当、強く心が傷付いてしまったのかもしれないな…無理に引き離せば心に傷を残しかねない…
獣人国へ帰してあげるのは落ち着いてからの方がいいと思います」
「…………そうですね、アイリスの側を安心できる場所として認識しているのかも…………この子は一度我が家で保護…という形を取りたいと思います
父へは僕から事情を伝えますので上層部への通達はお願いできますか?」
「もちろんです、その子の心が落ち着き次第、国に帰れるように手配しましょう」
とか言う会話が、ライオネルのしがみつき攻撃により、猫吸い?ライオン吸い?する事になってしまったおれには直ぐに飲み込めなかった
ライオネルのせいで、そう言えば前世の実家にいた猫達もこんな匂いしてたな…って懐かしさに途中から浸ってしまってたから…
おれの首にしがみついたままのライオネルを引き離す事無く、他の獣人の子供達とバイバイして…よし、今日はとりあえず家に帰ろうか!ってなって………その時この惨状に気付いたのだ
え、未来の攻略対象がおれの首にしがみついたままなんですけど!?!このまま連れて帰るの!?!
本当なら乙女ゲームの舞台、15歳で魔法学園に行くようになってから出会う筈の、しかも2周目以降に攻略可能になる筈の攻略対象がまさかのヒロインの自宅にくるって展開、普通ある?
ねぇよ!!!
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