悪役令息はモブに愛を捧ぐ

たなぱ

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異物の調査





学園祭から1週間
今日はラドラ様とレヴィル様をおれの部屋に呼び、ヒロイン♂から回収した異物混入が疑われる洗脳クッキーの調査を行う日だ


学園祭の振替休日は、互いに開いちゃ行けない扉に全力でぶつかりに行くような楽しい時間を過ごしてしまった為、エアとラドラ様はその後授業中もふと、思い出すのか?しばらくそわそわしてしまっていた

うん、レヴィル様も相当ラドラ様を可愛がった事が分かるな…おれも人の事言えないが…
そわそわする二人が可愛く異物クッキーの事をすっかり忘れてしまい1週間が経過していたのは驚きだ


全員が部屋に入った所で入口と室内に防音、隠蔽の魔術を掛ける、更にレヴィル様が部屋の外へ同じものを掛け誰にも見つかったり邪魔されることなく調査が出来る環境を作ってから例のクッキー等を取り出していく


ラドラ様と大司教様の話から、腐らないという話を聞いていたため、時間停止をしないマジックボックスの収納でどの様に異物クッキー等が変化するのかをまずは確認する

あの場で回収したのは大量のカラフルな個包装された多種クッキー、マドレーヌ、タルト、そしてケーキだ
1週間そのまま常温で保管していれば何かしら変化があるだろう…食材は勿体無い、しかし異物が入ったものを食すのは恐怖でしかない

各自念の為手袋をして、机の上に並べられるだけ並べ状態を観察する…クッキーは焼き菓子だ1週間では無論変化無し…


「……………これは…嘘だろ…?」


「…………くくっ…とんでもない物を売ろうとしていたか…リナルド、あの日感じた悪寒は本物だったな?」


だが、それ以降は明らかにおかしかった、マドレーヌもタルトも…生クリームを使ったケーキでさえもあの日回収したままの状態だったのだ

見た目はそのまま、カビなど生えていなければクリームすら溶けていない…本当にあの日ヒロイン♂から回収したままの状態で全てがそこにあった


「リナルド様…このケーキとか時間経過ありの常温保管ですよね…?な、なんで今作ったみたいに綺麗なんですか…!?保存料どれだけ入れたってこうはならないはずなのに…生クリームがそのままってこわっ…!!!!」

エアが真っ青な顔で机の上を見つめる、その反応は正しい、おれもレヴィル様も寒気が止まらない…すでに気持ち悪い状況だ
袋を開封するが、匂いまでもが劣化していない事実に驚くおれ達…

しかし、一方ラドラ様は机の上を見つめ続け





おもむろに異物入の菓子に手を伸ばし、それを食そうとした






「くくっ…これが精神汚染の効果か…
ラドラ、それは毒に等しい物、そんな物をまた口に入れるくらいなら俺の魔力を飲んでいろ」

「あ、………あ、ぁ゙……………ぁ゙ぁ゙…………、菓子、ソラトの菓子、食べないと………それを…………ぁ゙ぁ゙!!!!菓子を!!邪魔をするな!!!私はそれを、食べたい、食べっ……んむっっ!?!?んんんっーーー!!!!」


菓子に手を伸ばすラドラ様は目が血走り若干濁っているのがわかった…何としても菓子を食べないといけない…そんな恐ろしい気配すら感じる

そんな状況の彼を手慣れた動きで拘束し、暴れるラドラ様を赤子のように抱き直す
そのまま唇を奪い舌を差し込むレヴィル様は自身の魔力を大量にラドラ様に流し込んでいるようだった



ラドラ様は抵抗し、バタバタと暴れるがさすが聖獣の守り人の子息…拘束が一切緩むことは無くレヴィル様の魔力を強制的に受け入れる状況を見つめる


「え、ええ??り、リナルド様??これはえっと、何て展開…!?ラドラ様はどうしちゃってんですか!?」

「エアにはまだ説明してなかったな…レヴィル様とあの日異物回収した時、クラスメイトもヒロイン♂の魅了魔法に掛かっているような状況だったんだ

精神汚染がどの程度、何を基準に発生するか試すのは有りだとレヴィル様が言ってな、今は確実に精神汚染されてたラドラ様がどんな反応をするか確認する展開って感じだ」


エアはおれの話を聞いてすぐに納得したようでラドラを正気に戻す為に口移しで魔力を飲ませてるレヴィル様を見つめている

まさかレヴィル様が番だと言って、すでに魔力の交換も交流もしているラドラ様がヒロイン♂の菓子に反応するのが意外だった
袋のままでは反応がなかったが、袋を開けた途端あれだ…匂いに魅了と精神汚染が反応するのか?
中毒を起こしたように菓子を欲する姿は異様過ぎだ…恐ろしい…


5分ほどラドラ様は暴れていたが、徐々に抵抗が少なくなり、レヴィル様にされるがまま、涙を流してキスを強請る状態になっていた
舌を噛まれているのか時折ビクビクと身体が震えている
それを見てエアがエッチだと呟いているがそんな姿も可愛いい


恐らく正気に戻すのにまだ時間がかかるのだろう、レヴィル様は自らの影の中にラドラ様を連れ込んだ

今は待つしかない、ヒロイン♂の体液が入っていると思われる菓子のとんでもない効果を目の当たりにして、おれもエアも動揺している…





気が付くとある意味の恐怖からエアと手を握り合い二人が影から戻るのを静かに待っていた








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