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今、できる事
しおりを挟むおれたちが猫の精霊と出会って1週間後、ラドラ様が学園に戻ったタイミングで再びおれとエアの部屋に全員が集まった
学園に居るはずのレヴィル様が居ないと思ったら、1日でヒロイン♂との交流に疲れ果てそのままラドラ様の影に入りに協会本部に居たらしい
少し赤いラドラ様の反応を見るに、きっと影に居るだけでは無かったのだろう…
ある意味久々に再会し、互いに得た情報を話、猫の精霊を二人に紹介する
ラドラ様は見える精霊に驚いていたがレヴィル様はなるほどと納得しているようだった
そして、おれとエアが出会ってからのラドラ様の変化、猫の精霊が教えてくれた事も共有する
精霊の秘薬がなんとかなりそうな状況は大きな進歩だと言っていい
「リナルド様、実は私の方もかなり進展がありました…私に起きたことを実は教会にいる時に思い出しまして…
前に話した異物混入を食べた者はリナルド様達と接触した私の影響もあり正気になりかけていました…そして、預かってた闇の魔石を使用して闇の魔力を流し、現在全員が正気に戻ったんです」
「そっちでもそんな事があったんですか!?」
ラドラ様の発言にエアが驚く、それはそうだろうおれ達が猫の精霊と話した内容に似ているのだから…驚きの中に、追加でレヴィル様がこんな事を言ってきて更に驚く事になる
「くくくっ…なるほど?母の魔力に近いと思ったが、それはその精霊のせいでは無いな…
リナルド、エア、お前達は恐らくだが俺の両親と近しい魂を持っている可能性がある、特にリナルド…お前に付いたその精霊が触媒にでもなったのだろう…
俺の両親が起こした事象に似た事を行える…と言えばわかりやすいか?」
レヴィル様の話では聖獣の守り人である夫夫は聖獣を生むまで周囲を闇で覆い、呪い子の恨みや憎しみまでも抱きこむように鎮めて居たのだと言う
その二人から生まれたレヴィル様だからこそ分かる感覚、産まれたい気持ちの中に過去殺された憎悪と無念の思いがあったがそれすらも忘れる程、心地良い闇の魔力に触れたと…
生まれてからただただ新たな母と父が恋しくなるような優しい闇…それがヒロイン♂の魅了と精神汚染を中和や浄化に近い事をしているかもしれないと、そういう事らしい
「それが事実だとしたら凄い事だが…とりあえず明日から、ひたすらエアと闇の同調を学園内で行ってみて様子を見てみるつもりです…レヴィル様の方はどうでしたか?ヒロイン♂の部屋とか死んでもおれは入りたくない場所ですけど」
「ふはは!確かに、あんな地獄に好き好んで入る存在は洗脳された犠牲者だけだろうな、それだけとんでもない恐ろしい場所だったぞ?初めて精霊である俺が現実逃避を体験した
ラドラ、あの環境からお前が抜け出してくれてよかった、本当によかった…」
一言で表すならヒロイン♂の周囲は地獄だった、と笑いながら報告してくれるレヴィル様が体験しそうになった内容は鳥肌モノだった
体液を求めてヒロイン♂に群がる攻略対象者…まるで女王と下僕のようだったと、そう表現されてハーレムルートの異常性と、とんでもない不快感に全員が恐怖した
猫の精霊はおれとエア以外には話してもニャーしか伝わらず、何故かレヴィル様とも会話できない謎があった
猫と竜種は元々言語が違うからしょうがない?とまるで家猫扱いで可愛がられ、腹を出して眠る猫の精霊はただの猫に見える
4人と1匹で1週間何があったか話、ついでにお茶と安全なお菓子を食べながら過ごすのも楽しい
この部屋にいる限り、ヒロイン♂が現れなければ…とても平和で楽しい学院生活だったと考えると少し悲しかった
………………………
………………
………
翌日からエアと一緒にいる時間、ひたすら同調を繰り返す生活が始まった
教室で廊下で、図書館で…そして食堂でも
場所を選ばすに周囲に薄く広げるように同調を繰り返す
視認は出来ないが、雰囲気は伝わるため、同調するその姿に聖獣様の伝説を強く信じている学園長含め、教員からの視線は、ヒロイン♂がいるにも関わらず、以前よりもかなり優しい物に変わった気がした
レヴィル様と知らない間に闇属性になってたラドラ様でも同じ事が出来ないかどうか、そちらでも同調を試してくれている
もう一つ、猫の精霊の力を借りてヒロイン♂の前から姿を消してみた、居るのにいない状態をエアとレヴィル様が行えるモブ化魔法の派生で常に学院内では居るのに居ない、でも居る…そんな異様な環境を作り上げて、ぼくかわいそうをさせない状態を作り観察中だ
四六時中レヴィル様と居るわけにはいかないし、おれが再現するにも限界があったからとても助かっている
「リナルド様酷いです」と大声で入ってきても目的の人物がいないのはさぞ恥ずかしいだろうな?
同調していく内に気づいた事もある、おれの視界が灰色に見えるのは過去にこの世界と別の所で、ヒロイン♂がハッピーエンドになる代償に実質の贄として、苦しみながら死んでいった悪役令息のリナルドの魂の残滓が折り重なっているから…既視感を見せてきたのは猫の精霊だが常に灰色にはしていないと言っていた
誰かを不幸にして幸せになる、それが本当に幸せな事だと言える存在は恐ろしいよ…
おれ達の行動で未来が変わりつつある、卒業パーティーを待たずに大きな事件が起きた
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