悪役令息はモブに愛を捧ぐ

たなぱ

文字の大きさ
76 / 88

今、できる事

しおりを挟む




おれたちが猫の精霊と出会って1週間後、ラドラ様が学園に戻ったタイミングで再びおれとエアの部屋に全員が集まった
学園に居るはずのレヴィル様が居ないと思ったら、1日でヒロイン♂との交流に疲れ果てそのままラドラ様の影に入りに協会本部に居たらしい

少し赤いラドラ様の反応を見るに、きっと影に居るだけでは無かったのだろう…



ある意味久々に再会し、互いに得た情報を話、猫の精霊を二人に紹介する
ラドラ様は見える精霊に驚いていたがレヴィル様はなるほどと納得しているようだった
そして、おれとエアが出会ってからのラドラ様の変化、猫の精霊が教えてくれた事も共有する
精霊の秘薬がなんとかなりそうな状況は大きな進歩だと言っていい


「リナルド様、実は私の方もかなり進展がありました…私に起きたことを実は教会にいる時に思い出しまして…
前に話した異物混入を食べた者はリナルド様達と接触した私の影響もあり正気になりかけていました…そして、預かってた闇の魔石を使用して闇の魔力を流し、現在全員が正気に戻ったんです」


「そっちでもそんな事があったんですか!?」


ラドラ様の発言にエアが驚く、それはそうだろうおれ達が猫の精霊と話した内容に似ているのだから…驚きの中に、追加でレヴィル様がこんな事を言ってきて更に驚く事になる


「くくくっ…なるほど?母の魔力に近いと思ったが、それはその精霊のせいでは無いな…
リナルド、エア、お前達は恐らくだが俺の両親と近しい魂を持っている可能性がある、特にリナルド…お前に付いたその精霊が触媒にでもなったのだろう…
俺の両親が起こした事象に似た事を行える…と言えばわかりやすいか?」


レヴィル様の話では聖獣の守り人である夫夫は聖獣を生むまで周囲を闇で覆い、呪い子の恨みや憎しみまでも抱きこむように鎮めて居たのだと言う

その二人から生まれたレヴィル様だからこそ分かる感覚、産まれたい気持ちの中に過去殺された憎悪と無念の思いがあったがそれすらも忘れる程、心地良い闇の魔力に触れたと…
生まれてからただただ新たな母と父が恋しくなるような優しい闇…それがヒロイン♂の魅了と精神汚染を中和や浄化に近い事をしているかもしれないと、そういう事らしい


「それが事実だとしたら凄い事だが…とりあえず明日から、ひたすらエアと闇の同調を学園内で行ってみて様子を見てみるつもりです…レヴィル様の方はどうでしたか?ヒロイン♂の部屋とか死んでもおれは入りたくない場所ですけど」


「ふはは!確かに、あんな地獄に好き好んで入る存在は洗脳された犠牲者だけだろうな、それだけとんでもない恐ろしい場所だったぞ?初めて精霊である俺が現実逃避を体験した
ラドラ、あの環境からお前が抜け出してくれてよかった、本当によかった…」


一言で表すならヒロイン♂の周囲は地獄だった、と笑いながら報告してくれるレヴィル様が体験しそうになった内容は鳥肌モノだった
体液を求めてヒロイン♂に群がる攻略対象者…まるで女王と下僕のようだったと、そう表現されてハーレムルートの異常性と、とんでもない不快感に全員が恐怖した


猫の精霊はおれとエア以外には話してもニャーしか伝わらず、何故かレヴィル様とも会話できない謎があった
猫と竜種は元々言語が違うからしょうがない?とまるで家猫扱いで可愛がられ、腹を出して眠る猫の精霊はただの猫に見える
4人と1匹で1週間何があったか話、ついでにお茶と安全なお菓子を食べながら過ごすのも楽しい
この部屋にいる限り、ヒロイン♂が現れなければ…とても平和で楽しい学院生活だったと考えると少し悲しかった






………………………
………………
………



翌日からエアと一緒にいる時間、ひたすら同調を繰り返す生活が始まった
教室で廊下で、図書館で…そして食堂でも
場所を選ばすに周囲に薄く広げるように同調を繰り返す
視認は出来ないが、雰囲気は伝わるため、同調するその姿に聖獣様の伝説を強く信じている学園長含め、教員からの視線は、ヒロイン♂がいるにも関わらず、以前よりもかなり優しい物に変わった気がした
レヴィル様と知らない間に闇属性になってたラドラ様でも同じ事が出来ないかどうか、そちらでも同調を試してくれている


もう一つ、猫の精霊の力を借りてヒロイン♂の前から姿を消してみた、居るのにいない状態をエアとレヴィル様が行えるモブ化魔法の派生で常に学院内では居るのに居ない、でも居る…そんな異様な環境を作り上げて、ぼくかわいそうをさせない状態を作り観察中だ
四六時中レヴィル様と居るわけにはいかないし、おれが再現するにも限界があったからとても助かっている


「リナルド様酷いです」と大声で入ってきても目的の人物がいないのはさぞ恥ずかしいだろうな?


同調していく内に気づいた事もある、おれの視界が灰色に見えるのは過去にこの世界と別の所で、ヒロイン♂がハッピーエンドになる代償に実質の贄として、苦しみながら死んでいった悪役令息のリナルドの魂の残滓が折り重なっているから…既視感を見せてきたのは猫の精霊だが常に灰色にはしていないと言っていた
誰かを不幸にして幸せになる、それが本当に幸せな事だと言える存在は恐ろしいよ…






おれ達の行動で未来が変わりつつある、卒業パーティーを待たずに大きな事件が起きた





しおりを挟む
感想 15

あなたにおすすめの小説

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!一肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

一軍男子と兄弟になりました

しょうがやき
BL
親の再婚で一軍男子と兄弟になった、平凡男子の話。

過労死転生した公務員、魔力がないだけで辺境に追放されたので、忠犬騎士と知識チートでざまぁしながら領地経営はじめます

水凪しおん
BL
過労死した元公務員の俺が転生したのは、魔法と剣が存在する異世界の、どうしようもない貧乏貴族の三男だった。 家族からは能無しと蔑まれ、与えられたのは「ゴミ捨て場」と揶揄される荒れ果てた辺境の領地。これは、事実上の追放だ。 絶望的な状況の中、俺に付き従ったのは、無口で無骨だが、その瞳に確かな忠誠を宿す一人の護衛騎士だけだった。 「大丈夫だ。俺がいる」 彼の言葉を胸に、俺は決意する。公務員として培った知識と経験、そして持ち前のしぶとさで、この最悪な領地を最高の楽園に変えてみせると。 これは、不遇な貴族と忠実な騎士が織りなす、絶望の淵から始まる領地改革ファンタジー。そして、固い絆で結ばれた二人が、やがて王国を揺るがす運命に立ち向かう物語。 無能と罵った家族に、見て見ぬふりをした者たちに、最高の「ざまぁ」をお見舞いしてやろうじゃないか!

妹を救うためにヒロインを口説いたら、王子に求愛されました。

藤原遊
BL
乙女ゲームの悪役令息に転生したアラン。 妹リリィが「悪役令嬢として断罪される」未来を変えるため、 彼は決意する――ヒロインを先に口説けば、妹は破滅しない、と。 だがその“奇行”を見ていた王太子シリウスが、 なぜかアラン本人に興味を持ち始める。 「君は、なぜそこまで必死なんだ?」 「妹のためです!」 ……噛み合わないはずの会話が、少しずつ心を動かしていく。 妹は完璧令嬢、でも内心は隠れ腐女子。 ヒロインは巻き込まれて腐女子覚醒。 そして王子と悪役令息は、誰も知らない“仮面の恋”へ――。 断罪回避から始まる勘違い転生BL×宮廷ラブストーリー。 誰も不幸にならない、偽りと真実のハッピーエンド。

悪役令息の兄って需要ありますか?

焦げたせんべい
BL
今をときめく悪役による逆転劇、ザマァやらエトセトラ。 その悪役に歳の離れた兄がいても、気が強くなければ豆電球すら光らない。 これは物語の終盤にチラッと出てくる、折衷案を出す兄の話である。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

転生したら、主人公の宿敵(でも俺の推し)の側近でした

リリーブルー
BL
「しごとより、いのち」厚労省の過労死等防止対策のスローガンです。過労死をゼロにし、健康で充実して働き続けることのできる社会へ。この小説の主人公は、仕事依存で過労死し異世界転生します。  仕事依存だった主人公(20代社畜)は、過労で倒れた拍子に異世界へ転生。目を覚ますと、そこは剣と魔法の世界——。愛読していた小説のラスボス貴族、すなわち原作主人公の宿敵(ライバル)レオナルト公爵に仕える側近の美青年貴族・シリル(20代)になっていた!  原作小説では悪役のレオナルト公爵。でも主人公はレオナルトに感情移入して読んでおり彼が推しだった! なので嬉しい!  だが問題は、そのラスボス貴族・レオナルト公爵(30代)が、物語の中では原作主人公にとっての宿敵ゆえに、原作小説では彼の冷酷な策略によって国家間の戦争へと突き進み、最終的にレオナルトと側近のシリルは処刑される運命だったことだ。 「俺、このままだと死ぬやつじゃん……」  死を回避するために、主人公、すなわち転生先の新しいシリルは、レオナルト公爵の信頼を得て歴史を変えようと決意。しかし、レオナルトは原作とは違い、どこか寂しげで孤独を抱えている様子。さらに、主人公が意外な才覚を発揮するたびに、公爵の態度が甘くなり、なぜか距離が近くなっていく。主人公は気づく。レオナルト公爵が悪に染まる原因は、彼の孤独と裏切られ続けた過去にあるのではないかと。そして彼を救おうと奔走するが、それは同時に、公爵からの執着を招くことになり——!?  原作主人公ラセル王太子も出てきて話は複雑に! 見どころ ・転生 ・主従  ・推しである原作悪役に溺愛される ・前世の経験と知識を活かす ・政治的な駆け引きとバトル要素(少し) ・ダークヒーロー(攻め)の変化(冷酷な公爵が愛を知り、主人公に執着・溺愛する過程) ・黒猫もふもふ 番外編では。 ・もふもふ獣人化 ・切ない裏側 ・少年時代 などなど 最初は、推しの信頼を得るために、ほのぼの日常スローライフ、かわいい黒猫が出てきます。中盤にバトルがあって、解決、という流れ。後日譚は、ほのぼのに戻るかも。本編は完結しましたが、後日譚や番外編、ifルートなど、続々更新中。

処理中です...