悪役令息はモブに愛を捧ぐ

たなぱ

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大舞踏会

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Side ヒロイン♂





おかしいおかしいおかしいおかしい!!!!




どういう事なの?イベントが全然起きない、レヴィルともっと親しくなるためにも必要なのに!!魔晶石のいらない軽いイベント起こそうとしても悪役令息が居ない…違う居るのに居ない…!!
さっきまでそこに居たような気がしたって情報はあるのに誰も見てない、でも授業には出てるって何!?



それにロベール様達以外の、ぼくを大好きだった皆がどこかおかしい…人によってはなんか避けられてる…!?そんな気がする…

何!?何が起きてるの!?ぼくが主人公でヒロインなゲームなのに何が起きてるっていうんだよ!
このままじゃハーレムルートが完成しない…!ロベール様達だけじゃなくてお気に入りのイケメンも全員ぼくのにして皆でハッピーエンド迎える計画が台無しになっちゃう…!


どうしよう、どうしたらいいの?あのやる気ない悪役令息がなんかしたの!?ほんとムカつく、邪魔しないで素直に断罪されておけばいいのに…!!



「どうした?ソラト…何か悩み事か…?」



最近、ぼくの精液を飲まないと眠れないって可愛い事言ってくれるロベール様は、心配そうな顔でぼくを見つめて抱きしめてくれる…
この国の王太子殿下、この国の未来の王だけどぼくに仕える夫になる存在…この学園でもっとも権力がある王子様…
そうだ、そうだよ…おかしいなら修正して新しくシナリオ作ればいいんだ♡



「ロベール様…ぼく、リナルド様に虐められて…もう限界なんです…リナルド様が皆に嘘ばっかり言うから…みんなぼくから離れていく…ラドラ様が会ってくれないのも絶対にそう…

ロベール様、ぼく…ロベール様と早く婚約したい…そして皆とずっと一緒に愛し合いたいよ…」





だからリナルド様を早くなんとかして…?






「ん゙ぁ♡んむっ♡んんっ………♡」
ロベール様は笑って、激しいキスで同意を示してくれる♡まるでぼくを食べるみたいで最高に気持ちいいキス…♡
たくさんぼくを愛して…♡この世界のヒロインが幸せにならないでゲームは成立しないんだから








………………………
………………
………



「今年度の聖夜祭は王太子殿下の計らいで大舞踏会も開催することとなった、なんと国王陛下並びに大司教様も参加されるそうだ
闇の聖獣様と女神ガレリナ様を讃える良き日になるよう各自ダンスの練習もしておくように」



今朝、クラスの担任がおれたちに伝えた言葉は以外な物だった…聖夜祭で大舞踏会?国王陛下達も来る…?闇の聖獣様に混じって異物まで讃える…?
理由がわからず隣に座るエアを見るが、エアも何が何だかわからないと言った表情だった

一ヶ月後に聖夜祭はある、昨年も参加したが、本来冬季の゙長期休暇前の学園のみの祭りだ、ましてや来賓に国王陛下なんて呼ばない…
王太子殿下の゙計らいって事は確実にヒロイン♂が関係しているとしか思えず不気味で仕方ない

ラドラ様もレヴィル様も呆気にとられた顔をしているのを見るに、来賓を呼んで女神ガレリナを讃えるなど教師から聞くとは思わなかった…そんな感じだろう
そのまま授業に移行し、何事もなかったかのように授業が進む


闇の同調をエアと常日頃意識し行い始めてから徐々に変化がいい方向に見られていた…同調された空間に長く居れば居るほど、ゲームの世界とは違う行動をする者が多くなっているそんな状況が見えていたから…
このまま卒業パーティーまで続ければ悪役令息であるリナルドが何も抵抗できないまま断罪されるなんて事にはならない…そう感じていたのに…

ここに来て卒業パーティーで来賓になる国王陛下と大司教様が登場するなんて事自然には絶対ない



「リナルド様、絶対ヒロイン♂…何か変化を感じてますよね…?聖夜祭でこんな展開ゲームに無い…闇の聖獣様と異質な神を並べるとかそんな…おかしい展開ある訳がない…」


「エアの言う通りだな…絶対ヒロイン♂が何か企んでる…小さい断罪イベントを起こさないように隠れてみた腹いせなのか…レヴィル様とラドラ様が捕まらない焦燥感からなのか…理由は分からないが卒業パーティーを待たずに何かしようとしてるだろうな…確実に」


授業が終わると同時に猫の精霊パワーで確実な空気と化してエアと話す、そこにラドラ様達も自然と合流し、話し合った

皆が皆、ヒロイン♂がここで何かを仕掛けてくるとしか思えない状況だと認識し、おそらくおれとエアの同調効果でヒロイン♂に対する周囲の反応が変わった事で何か焦ってるのでは?と結論に至る



元々のゲームを知っていたエアも知らない展開、おれの既視感も反応しないと言うことは猫の精霊も知らない物語…
決められたシナリオでない今回の異質な聖夜祭で何が起きるのか想像もつかないが、良くないことだとらなんとなくわかる



たが、強制力の働きにくい異例の状況はこちらとしても好都合だ…………













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