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第二章 離縁の危機再び!?記憶喪失編
夫夫での使い方
しおりを挟むテンションが上がりまくったチュウ太くんとノヴィ、おれの三人はアデルバイト辺境伯で商品開発部を発足するというところまで話し合い、新たに違う香りの化粧水と乳液、クリームっぽいのも作り出して全員ツヤツヤお肌になった。
どの商品も初めてにしてはかなりいい出来に仕上がったと思う。実験体として試作品を試す予定だったのに美肌になるのが楽しくて変な扉を開きそうになった程だ。
これなら一度、現状をフリード様に報告して今後の戦略についても許可を貰い、メアリー達女性陣の意見も聞こうと言う事になり、二人に使い切りサイズの試作品を預け、おれはフリード様の元へ向かった。
やはり商品販売のターゲットである女性の意見は重要。そのうち試してもらうつもりではいたけど、想像よりも上手く作れた為、今夜にでもメアリー達に使って欲しい。
もちろん純粋に皆によろこんで欲しいという気持ちもある。
おれ的にはフリード様にも喜んで欲しい、どんな反応するかな?と、色々反応を考えながら廊下を進む。
とは言えまだ夕方だ。まだ執務中だったら仕事の迷惑にもなるし、夕食後に報告しようかな……と、執務室の扉をノックする前に考えていると、おれが行動する前に突然扉が開き、フリード様に抱きしめられた。
「リデン、どうした?作りたいモノは完成したのか?ん……?肌艶が良くなっているのはそのせいか?」
「ふぇ?え、あ、うん!もちろん!!そうそう!」
ノックしてないのに!もう!!おれの気配に気づいてくれる旦那様かっこよすぎるっ!!
◇ ◇ ◇
流れるようにフリード様に抱きかかえられ、執務室にある休憩用のソファに座る。
未だに驚くが、おれの足音とかで気配を察知してくれる旦那様が可愛すぎる。
それだけじゃなく、お仕事で日々お疲れのようで、執務室に来るといつもフリード様はおれを膝に乗せて抱きしめ、首の匂いを嗅いだり腹を撫でて甘えてくるのだから堪らない。
かっこいいのに甘えん坊という素晴らしい属性に改めて感謝しつつ、好きにさせすぎると仕事場でエッチな展開になる為、フリード様の手を取ってさっそく成果を報告した。
「フリード様、とりあえずこれが今日の成果ね、基礎化粧品って言ったらいいのかな?風呂上がりとかに肌に塗ると保湿とかができるんだ」
「これがリデンの作りたかった物か、ふむ……匂いから察するに植物の汁か?容器の蓋にこの国じゃお目にかかれないレベルの魔法陣が刻んであるな」
「匂いだけで原材料バレそう!まぁまぁ、詳しい説明は使ってからな!とりあえずこの魔法陣に向かっておれと同時に流してみて?」
おれよりも幾分か大きいフリード様の手を取り、化粧水の入った瓶を二人で握る。
愛し合ってるからこそできる、互いの魔力を合わせて放出するって動作を合図に合わせて瓶に流し込むと、淡いピンク色の化粧水がフリード様とおれの魔力を合わせた色へ変化する。
全属性持ちのおれは全種の魔力を放出すると、混ざり合って闇色になるが、それがフリード様の美しい氷の様な青と混ざり合い、調和し、最終的に星々が闇に煌めく夜空の様な色合いに変化した。
「……美しいな。魔力交換をしている番に反応するのか?それだけじゃない、魔法陣が薄く何重にも重なって中の液体に変化をもたらしている?」
「大正解。フリード様、よく見てて?これは化粧水って言って、肌を整える物なんだ……祖国にも似たようなのあるけど、これは一般的なのとは違う、使用者の魔力に反応する」
瓶の蓋を開け、夜空のように輝く化粧水を手に取り、軽く馴染ませてからフリード様の手に塗り込む。
優しく優しく大きな手を揉み解すように塗っていくと、あっという間に浸透し、午前中にチュウ太くん達と試したモチモチツヤ肌効果だけじゃない、魔力を分かち合える夫婦用の効果も作用し始める。
「……っ、これは、とんでもない代物を作り出したな」
「いいでしょ?フリード様、気持ちいい?」
「ああ……」
それは何か、それは愛おしくなる相手の魔力を角質層で感じることが可能な最強の温もり保湿作用だ。
素肌で抱きしめ合うような、舌を絡めて唾液を交換するキスのような、優しく心地いい魔力交換をおれ達が作り出した基礎化粧品で体験できる。
媚薬とは違う、相手の魔力を纏った美容液を肌に取り込む新感覚!エッチな気持ちにはギリギリならない心地よい幸福感、さらに最高の美容体験をお届けできるのだ!
愛情表現まで脳筋傾向なドラレイド帝国の皆さんにはきっと刺さる商品になると確信している。
想像してみて欲しい、妻が自分の魔力で心地よい表情をするだけでなく肌までツヤツヤになり、美しさにさらに磨きがかかる瞬間を。
夫の逞しい手のひらで自分の肌に化粧水とか塗ってほしい!そう甘えたくなるほど夫の手のひらを滑らかにする保湿効果を!
そのまま高ぶってエッチに流れ込むもヨシ、互いの愛を確かめ合ってマッサージなんてしつつ、仲良く穏やかな時間を過ごすのもヨシ、とにかく二人にしか効果を示さない特別なこの商品は愛を深め合うのにきっと役立つ筈はず。
フリード様の手のひらに丁寧に化粧水からクリームまでしっかり塗り込むと、おれ達にもそんな効果がしっかり反映されて……夕飯前だと言うのに激しくフリード様に抱かれたのだった。
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