離縁しようぜ旦那様

たなぱ

文字の大きさ
133 / 139
第二章 離縁の危機再び!?記憶喪失編

夫夫での使い方

しおりを挟む





テンションが上がりまくったチュウ太くんとノヴィ、おれの三人はアデルバイト辺境伯で商品開発部を発足するというところまで話し合い、新たに違う香りの化粧水と乳液、クリームっぽいのも作り出して全員ツヤツヤお肌になった。

どの商品も初めてにしてはかなりいい出来に仕上がったと思う。実験体として試作品を試す予定だったのに美肌になるのが楽しくて変な扉を開きそうになった程だ。


これなら一度、現状をフリード様に報告して今後の戦略についても許可を貰い、メアリー達女性陣の意見も聞こうと言う事になり、二人に使い切りサイズの試作品を預け、おれはフリード様の元へ向かった。


やはり商品販売のターゲットである女性の意見は重要。そのうち試してもらうつもりではいたけど、想像よりも上手く作れた為、今夜にでもメアリー達に使って欲しい。
もちろん純粋に皆によろこんで欲しいという気持ちもある。


おれ的にはフリード様にも喜んで欲しい、どんな反応するかな?と、色々反応を考えながら廊下を進む。

とは言えまだ夕方だ。まだ執務中だったら仕事の迷惑にもなるし、夕食後に報告しようかな……と、執務室の扉をノックする前に考えていると、おれが行動する前に突然扉が開き、フリード様に抱きしめられた。


「リデン、どうした?作りたいモノは完成したのか?ん……?肌艶が良くなっているのはそのせいか?」

「ふぇ?え、あ、うん!もちろん!!そうそう!」


ノックしてないのに!もう!!おれの気配に気づいてくれる旦那様かっこよすぎるっ!!



◇ ◇ ◇




流れるようにフリード様に抱きかかえられ、執務室にある休憩用のソファに座る。
未だに驚くが、おれの足音とかで気配を察知してくれる旦那様が可愛すぎる。

それだけじゃなく、お仕事で日々お疲れのようで、執務室に来るといつもフリード様はおれを膝に乗せて抱きしめ、首の匂いを嗅いだり腹を撫でて甘えてくるのだから堪らない。

かっこいいのに甘えん坊という素晴らしい属性に改めて感謝しつつ、好きにさせすぎると仕事場でエッチな展開になる為、フリード様の手を取ってさっそく成果を報告した。



「フリード様、とりあえずこれが今日の成果ね、基礎化粧品って言ったらいいのかな?風呂上がりとかに肌に塗ると保湿とかができるんだ」

「これがリデンの作りたかった物か、ふむ……匂いから察するに植物の汁か?容器の蓋にこの国じゃお目にかかれないレベルの魔法陣が刻んであるな」

「匂いだけで原材料バレそう!まぁまぁ、詳しい説明は使ってからな!とりあえずこの魔法陣に向かっておれと同時に流してみて?」


おれよりも幾分か大きいフリード様の手を取り、化粧水の入った瓶を二人で握る。
愛し合ってるからこそできる、互いの魔力を合わせて放出するって動作を合図に合わせて瓶に流し込むと、淡いピンク色の化粧水がフリード様とおれの魔力を合わせた色へ変化する。

全属性持ちのおれは全種の魔力を放出すると、混ざり合って闇色になるが、それがフリード様の美しい氷の様な青と混ざり合い、調和し、最終的に星々が闇に煌めく夜空の様な色合いに変化した。


「……美しいな。魔力交換をしている番に反応するのか?それだけじゃない、魔法陣が薄く何重にも重なって中の液体に変化をもたらしている?」

「大正解。フリード様、よく見てて?これは化粧水って言って、肌を整える物なんだ……祖国にも似たようなのあるけど、これは一般的なのとは違う、使用者の魔力に反応する」


瓶の蓋を開け、夜空のように輝く化粧水を手に取り、軽く馴染ませてからフリード様の手に塗り込む。
優しく優しく大きな手を揉み解すように塗っていくと、あっという間に浸透し、午前中にチュウ太くん達と試したモチモチツヤ肌効果だけじゃない、魔力を分かち合える夫婦用の効果も作用し始める。


「……っ、これは、とんでもない代物を作り出したな」

「いいでしょ?フリード様、気持ちいい?」

「ああ……」


それは何か、それは愛おしくなる相手の魔力を角質層で感じることが可能な最強の温もり保湿作用だ。

素肌で抱きしめ合うような、舌を絡めて唾液を交換するキスのような、優しく心地いい魔力交換をおれ達が作り出した基礎化粧品で体験できる。
媚薬とは違う、相手の魔力を纏った美容液を肌に取り込む新感覚!エッチな気持ちにはギリギリならない心地よい幸福感、さらに最高の美容体験をお届けできるのだ!

愛情表現まで脳筋傾向なドラレイド帝国の皆さんにはきっと刺さる商品になると確信している。
想像してみて欲しい、妻が自分の魔力で心地よい表情をするだけでなく肌までツヤツヤになり、美しさにさらに磨きがかかる瞬間を。
夫の逞しい手のひらで自分の肌に化粧水とか塗ってほしい!そう甘えたくなるほど夫の手のひらを滑らかにする保湿効果を!


そのまま高ぶってエッチに流れ込むもヨシ、互いの愛を確かめ合ってマッサージなんてしつつ、仲良く穏やかな時間を過ごすのもヨシ、とにかく二人にしか効果を示さない特別なこの商品は愛を深め合うのにきっと役立つ筈はず。

フリード様の手のひらに丁寧に化粧水からクリームまでしっかり塗り込むと、おれ達にもそんな効果がしっかり反映されて……夕飯前だと言うのに激しくフリード様に抱かれたのだった。








しおりを挟む
感想 143

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

王子を身籠りました

青の雀
恋愛
婚約者である王太子から、毒を盛って殺そうとした冤罪をかけられ収監されるが、その時すでに王太子の子供を身籠っていたセレンティー。 王太子に黙って、出産するも子供の容姿が王家特有の金髪金眼だった。 再び、王太子が毒を盛られ、死にかけた時、我が子と対面するが…というお話。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

【完結】愛されたかった僕の人生

Kanade
BL
✯オメガバース 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 お見合いから一年半の交際を経て、結婚(番婚)をして3年。 今日も《夫》は帰らない。 《夫》には僕以外の『番』がいる。 ねぇ、どうしてなの? 一目惚れだって言ったじゃない。 愛してるって言ってくれたじゃないか。 ねぇ、僕はもう要らないの…? 独りで過ごす『発情期』は辛いよ…。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ✻改稿版を他サイトにて投稿公開中です。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

悪役令嬢の兄でしたが、追放後は参謀として騎士たちに囲まれています。- 第1巻 - 婚約破棄と一族追放

大の字だい
BL
王国にその名を轟かせる名門・ブラックウッド公爵家。 嫡男レイモンドは比類なき才知と冷徹な眼差しを持つ若き天才であった。 だが妹リディアナが王太子の許嫁でありながら、王太子が心奪われたのは庶民の少女リーシャ・グレイヴェル。 嫉妬と憎悪が社交界を揺るがす愚行へと繋がり、王宮での婚約破棄、王の御前での一族追放へと至る。 混乱の只中、妹を庇おうとするレイモンドの前に立ちはだかったのは、王国騎士団副団長にしてリーシャの異母兄、ヴィンセント・グレイヴェル。 琥珀の瞳に嗜虐を宿した彼は言う―― 「この才を捨てるは惜しい。ゆえに、我が手で飼い馴らそう」 知略と支配欲を秘めた騎士と、没落した宰相家の天才青年。 耽美と背徳の物語が、冷たい鎖と熱い口づけの中で幕を開ける。

断る――――前にもそう言ったはずだ

鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」  結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。  周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。  けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。  他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。 (わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)  そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。  ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。  そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?

処理中です...