離縁しようぜ旦那様

たなぱ

文字の大きさ
48 / 149
溺愛編

初めてのお宿





暫く野営を挟みながらまったり馬車旅をしつつ、行きでは通らなかった街道を通る
馬車の旅も楽しみたくて、早く帰りたいけど旅もしたいおれの為に、レラージェ国とドラレイド帝国との国境付近、その中でも特に大きな街で一泊する事にした為だ

この街は国境と言うこともあり獣人の人も多くいるいい感じの街、タレットタウン
ここで今晩、宿を取ることになった



パカパカと街を囲む城門を通り、美しい街並みを見ながら街中へ進む…思えばお宿に泊まるなんて事初めてでは…?普通に野営とか、別荘とか、お呼ばれして客間に泊まることはあっても、お宿は初だ
防犯上貴族はあまり市街の宿に泊まらない…その土地に別荘を買うほうが防犯面もいいし簡単だからと土地ごと買って家を建てる、実際ハミルトン公爵家でも気に入った土地に別荘が建っているし…



だからこそ!商人や冒険者達が多く利用するお宿体験が出来るなんてなんて楽しみ過ぎる!
しかしなんと言ってもこの世界でお宿初心者のおれには何処が良いとかまるで分からず、フリード様とイノシシパン屋御者なおじちゃんの案で、そこそこお高いけどでっかい風呂付きのお宿を取ることになった

なんとそのお宿は大型哺乳類型の人が獣化しても入れるサイズの共用風呂もあるらしい…!すごい
流石にドラゴンサイズとかになると宿の大きさを超えてしまう為、無理だがそれでも風呂の大きさはこの街一番!それが売りのお宿なのだと…楽しみ過ぎる



お宿に行く前に、タレットタウンの名物を食べたり街を観光したりしながら楽しく過ごす
ここはレラージェ国の外れ…ドラレイド帝国に近い位置にある為か獣人と人の恋人同士な関係も見かけて何故か嬉しくなった
レラージェ国的には姫様と第二王子の婚姻で国の架け橋にって話だったけど、市街では身近に種族を超えて仲良くしてるって事がわかってすごくいいなって思う




それは、おれ達にも言えることで…まさに貴族がという感じでここに来てないおれ達に対して、街の人は優しいし、街の人目線での今回の出来事を聞くことが出来た

「あんた達、観光かい?あまり見ない顔だから…大きな声じゃ言えないがレラージェ国の王子様とドラレイド帝国の姫様の件があったろう?それを回避してくださったハミルトン公爵様とアデルバイト辺境伯様件をこの街のみんなは感謝してるんだ!それもあって獣人と人が仲むずまじい姿を見るのが好きでねぇ
これ、おまけだよ持っていってたくさんお食べ!」


「狼の獣人に人族で仲良しなんて嬉しくなるねぇ、この街は一度危機に瀕したと言ってもいい、ハミルトン公爵家とアデルバイト辺境伯の事は知ってるかい?
ドラレイド帝国の騎士が教えてくれたんだ、彼らのおかげで戦争が回避されたってな!だからオレはお前たちみたいな恋人に優しい店主ってわけよ!」


そう言って街の名物が入ったオマケをくれる出店のおばちゃん店主とか、一品多く出してくれるおじちゃん店主とかそういう人が沢山いて
おれとフリード様の婚約が色んな形で平和に実を結んでいる気がして嬉しかった



馬車を一度預けてからゆったりと街を巡り、イノシシパン屋御者おじちゃんがオススメするパン屋も巡り…日が少し傾き始めた頃おれ達は宿に入った
おれとフリード様で一部屋、ランクは下がるがここまで自由に観光させてくれる御者おじちゃんにお礼も込めて同じ宿で部屋を取る
防犯的な意味ではイノシシ種族はとんでもなく猪突猛進に強いらしいので一人でも大丈夫なのだと

そんなこんなでフリード様と当日空いてた一番いい部屋に向かったのだ




一言で今の気持ちを表そう




「最高…!!!」





ええ、もう最高過ぎる!お宿やばくない!?!生前でも体験できなかったこれってスイートルームじゃん!!!な、素晴らしい部屋がおれ達を迎えてくれる
広い室内、広いお風呂、どデカいベッド、広いトイレ…!そのどれもが美しい…!トイレなんて大中小3つも設置してある…なんで!?!

よくわからないがとてもいいお宿って事はわかった
はしゃぐおれを優しく見守るフリード様に甘えて、フッカフカのでっかいベッドで貴族らしくもなく、年甲斐もなく飛び跳ねてしまうくらい楽しい

精神年齢を足したらおじちゃんの癖しておれは本気で楽しんで、しっかりと防音防振破損防止魔法を付与した上で、誰にも迷惑をかけないようにベッドから大ジャンプしてフリード様にキャッチしてもらうとかいう大人が何してんの?って事で疲れるまで遊んだのだ



「宿は楽しいか?リデン
夕食時間まで時間があるが、先に風呂に入るか?」

「年甲斐もなくはしゃぐくらいとても楽しい!この宿好きです!お風呂…あのでっかい風呂だよな!?入りたい!」


もう慣れたもんで抱っこされながら風呂を望んだおれ、そしてそのまま風呂に向かうフリード様
それはつまり…つまり…!!一緒にお風呂って事になる訳で…………
全然嫌じゃない、むしろその肉体美を拝んでやろうって軽いつもりでいたのだ…風呂、つまり全裸…



そう、フリード様のフリード様を初めて間近で見ることになるのだから…






感想 145

あなたにおすすめの小説

邪神の祭壇へ無垢な筋肉を生贄として捧ぐ

BL
世間に秘された名門男子校・平坂学園体育科 空手の名選手であった高尾雄一は、新任教師として赴任する 高潔な人格と鋼のように鍛えられた肉体 それは、学園にとって最高の生贄の候補に他ならなかった 至高の筋肉を持つ、精神を削られ意志をなくした青年を太古の神に捧げるため、“水”、“風”、“土”の信奉者達が暗躍する 意志をなくし筋肉の操り人形と化した“デク” 消える教師 山奥の男子校で繰り広げられるダークファンタジー

過保護すぎる家族に囲まれて育ったら、外の世界が危険すぎました 〜冷酷公爵の父と最強兄たちに溺愛される日々〜

由香
恋愛
過保護な父と兄たちに囲まれて育った少女。 初めての外は危険だらけ——のはずが、全部“秒で解決”。 溺愛×コメディ×ほんのり成長の、ほっこり家族物語。

お忍び中の王子様、毎日路地裏の花屋に通い詰めては俺を口説くのをやめてください。~公務がお忙しいはずでは?~

メープル
BL
不愛想な店主・ネイトが営む小さな花屋の軒先には、雨音に混じって場違いな男が立ち尽くしていた。 不審者と決めつけたネイトが、迷わず足元の如雨露の冷水を浴びせると――フードの下から現れたのは、整った顔立ちの男、ヴァンスだった。 ​以来、ヴァンスは毎日のように店に現れるようになる。 作業台の隅に居座り、ネイトが淹れる安い茶を啜りながら、ハサミの鳴る音を黙って眺める日々。 自分を王子とも知らないネイトの不遜な態度に、ヴァンスはただ優しく目を細めていた。

転生天使は平穏に眠りたい〜社畜を辞めたら美形王子の腕の中でとろとろに甘やかされる日々が始まりました〜

メープル
BL
毎日深夜まで残業、食事はコンビニの冷たいパン。そんな社畜としての人生を使い果たし、過労死した俺が転生したのは――なんと、四枚の美しい羽を持つ本物の天使だった。 ​「今世こそは、働かずに一生寝て過ごしたい!」 ​平穏な隠居生活を夢見るシオンは、正体を隠して王国の第一王子・アリスターの元に居候することに。ところが、この王子、爽やかな笑顔の裏で俺への重すぎる執着を隠し持っていた!?

おバカでビッチなオメガが、表向きスパダリイケメンだけど本当は腹黒執着ストーカーアルファにつかまって、あっという間にしまわれちゃう話

トオノ ホカゲ
BL
おバカでビッチなオメガ・藤森有は、ある日バイト先のカフェで超ハイスぺイケメンの男を見つける。その男・一ノ瀬海斗は弁護士で年収2000万(推定)、顔は超イケメンで高身長の細マッチョ、しかも紳士で優しいという完璧さ。有は無理を承知でアタックをかけるが、なぜだかするすると物事はうまく運び――?   

借金のカタで二十歳上の実業家に嫁いだΩ。鳥かごで一年過ごすだけの契約だったのに、氷の帝王と呼ばれた彼に激しく愛され、唯一無二の番になる

水凪しおん
BL
名家の次男として生まれたΩ(オメガ)の青年、藍沢伊織。彼はある日突然、家の負債の肩代わりとして、二十歳も年上のα(アルファ)である実業家、久遠征四郎の屋敷へと送られる。事実上の政略結婚。しかし伊織を待ち受けていたのは、愛のない契約だった。 「一年間、俺の『鳥』としてこの屋敷で静かに暮らせ。そうすれば君の家族は救おう」 過去に愛する番を亡くし心を凍てつかせた「氷の帝王」こと征四郎。伊織はただ美しい置物として鳥かごの中で生きることを強いられる。しかしその瞳の奥に宿る深い孤独に触れるうち、伊織の心には反発とは違う感情が芽生え始める。 ひたむきな優しさは、氷の心を溶かす陽だまりとなるか。 孤独なαと健気なΩが、偽りの契約から真実の愛を見出すまでの、切なくも美しいシンデレラストーリー。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

可愛いは有罪

零壱
BL
───「可愛い」とは理性を狂わせる「罪」である。 美貌・頭脳・魔法に剣の腕前まで完璧な公爵子息リオハルト・ユーグリウスには、ただ一つ、致命的な欠点があった。 それは─── “かわいげ”がないこと。 鉄面皮、超合金と揶揄されるほど動かぬ表情筋。 圧倒的合理主義からくる感情の伝わらない言動。 完璧すぎて、人間味が壊滅的だった。 父侯爵にも匙を投げられたリオハルトは、己を変えようと一念発起。 学園の中庭で“可愛いとは何か?”を観察し続けること、一カ月。 数多の生徒の中でただ一人、リオハルトが“可愛い”と刮目したのは───騎士科の平民、ジーク。 弟子入りを申し出たその日から、ジークの前でだけリオハルトの完璧な理性が音を立てて崩れていく。 理性で“かわいげ”を解明しようとしては惨敗するポンコツ貴族(受)と、不屈の忍耐でそれを受け止める平民(攻)。 クスッと笑えて、気づけば胸を撃ち抜かれている。 理性崩壊系・文学ラブコメ、堂々開幕。 ※他サイトにもタイトル話、二話目、三話目のみ再掲。 ※二年前の作品です。改稿しようとして断念しました。