【書籍化進行中】悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです!こっちに来ないで下さい

たなぱ

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乙女ゲーム編

皆の気持ち

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今まで隠してきたことを全部吐き出した 




おれがみんなを大切に思ってることも、幸せになって欲しいからこれまで動いてきた事も…生前の精神年齢を足すとおれはマイケルよりも年上なんだよって事も…何もかも…素直に話した
そして、みんなに抱きしめられながらこれまで聞けなかったみんなの気持を聞いたんだ…



「ルディヴィス、お前が何を知ってても関係ない…俺もお前に確かに救われたんだ…あの日ルディヴィスに言われて初めて命の尊さを知って…ルディヴィスが隣で支えてくれる未来を想像して…良き王になりたいと思った…
国民の為にって1番に考えてない辺り俺もルディヴィスと一緒なんじゃないかな?ルディヴィス、俺はお前が小さい頃から本当に大好きだ…これからもそれは変わらない…」


「そうですよ、私だってルディヴィスに出会ってなかったら光を得られなかった自分が嫌いでどうしようもなくて…きっと光に群がる虫のように狂信者になっていたと思います…
それはきっと幸せじゃない…家族とも和解できなかった悲しい私の未来になっていました
それに、この世界がゲームの世界だって決まった訳じゃないです、私達は自分の意志で考えて行動してます…ルディヴィスもそうでしょう?」



泣きじゃくるおれの頭を時々交互に誰かが撫でてくれる…レオンハルト殿下とマイズが言ってくれた言葉はこれまでおれがしてきた事を肯定してくれる事実で…本当に嬉しかった
二人を皮切りにヘルリはおれ達に救われて良かったと、おれの従者になれてシャルティを助けられる番犬にもなれて、今が幸せで大切だと言ってくれる、それに人狼化を暴走させようとして来た聖女が怖くて仕方ないって…

イグニスも商人になる夢を叶えてくれたのはおれだと言ってくれる、乙女ゲームの物語通りに進んでいたら自分は騎士だったと…でもその未来よりもおれと共同開発して商人になる未来を自分で選択して今いるんだって…あと聖女は香水臭くて怖いとも教えてくれた


マイケルも便乗して「聖女様、おじさんにまで色目使ってくるんですよ?やばくないです?やばいです…いやほんとおじさん困ってるんですよ!ルディヴィス様!
皆さん絶対、ルディヴィス様とシャルティ様を見ている方が恐ろしく癒されるんですよ…俺にはわかります、いやほんと大きな声で言えます」とか言ってた…
マイケル…そんなにヒロインに狙われてたのか…?顔がいいって大変だな…?



どれくらい時間が経ったかわからない…でも、本心を伝えてからずっと泣きじゃくるおれが落ち着くまで…みんなは誰一人として部屋から出ていかずに待っていてくれた…その事も嬉しくて、男なのに中々涙が止まらなくて…気がついたら目も鼻も真っ赤になっていた


「ごめん、もう…大丈夫…大丈夫だから…………」


そう言ったけど誰も離れてくれない…前後左右からしっかり抱き締められてる謎感覚を堪能し続ける…
色んな話をして、みんなの気持を聞いて…よく見たらみんなも涙ぐんでて、マイケルに至ってはハンカチで涙を拭いてた…ハンカチ持ってるのかマイケル…


下校時間になるまで、みんなで抱きしめ合う不思議な時間を過ごした


それぞれ帰宅する事になって、「これからもよろしく」っておれが言おうとしたら全員で同じ事考えてハモったのは今後忘れない、いい思い出だと思う

今日合った聖女様…いやヒロインである聖女の行動についてはまた明日話し合おうって事になった

レオンハルト殿下達が調べてくれていた聖女の発言を纏めた音声…今日はその一部しか聞いていないから明日までに全部とりあえず聞いて、おれとシャルティが知る情報を踏まえて対応を練りたいのだと言う…なるほど?

おれと同じく、みんなもシャルティが断罪される未来を変えたいと言ってくれる…聖女よりも悪役令嬢となる可能性を秘めていたシャルティを信じてくれる…この世界は乙女ゲームだけど違うって言ってたイグニスの言葉を思い出しながら帰路に着いた



「ルティ、今日は本当にありがとう…ルティが居なかったらぼくは駄目になってたかもしれない…
本当にありがとう…」

「いいえ、お礼を言われる程の言葉していませんわ…お義兄様は一人で抱え込み過ぎなんです…もっと皆様を頼ってもいいと思いますわ!勿論私も頼って下さいまし?」


そう言っておれの頭を撫でるシャルティ…どうしようおれの義妹って妹なのにお姉ちゃんのような暖かさまであるの?凄くない?可愛いだけじゃないの凄くない?
今日だけでおれは色々なみんなの一面を知れてよかったと思う






………………………
………………
…………



その夜、レオンハルト殿下から預かったマイズやイグニスも参加しての、聖女様の調査結果…と言うなのどう考えても盗聴記録をシャルティと一緒に聞いた
聖女怖いと話していたヘルリ達には酷だろうと二人で寄り添って締め切った室内で聞く…

しかし、今日聞いたものよりもさらに録音されている聖女の声が大きいなんて思ってなくて…ヘルリにもマイケルにも…そして父様達にも早々にバレてしまい、何故かみんなでリビングを使用し防音魔法を使用し、ラジオ感覚で聞くことになってしまったなんて…きっとレオンハルト殿下達は想像していないだろう


けど、ある意味この事故が…聖女様が無謀にも悪役令嬢を作り出そうとする事態を学園以外にも広げてくれる事になったのだ





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