【書籍化進行中】悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです!こっちに来ないで下さい

たなぱ

文字の大きさ
113 / 174
陽動編

ウロウロ結果

しおりを挟む





 陽動作戦の一つ、みんなと仲良くしまくって挑発しようと並行して行う事になった例のアレ
 一晩で気合いで作り、レオンハルト殿下達にプレゼントして常に着用してもらうようお願いしてるポチ太郎モチーフのネックレス…

 それを見た聖女はどんな反応をするのか…本当におれの前世のクソ妹なのか、正直かなり気になっていた事だ…三人目の異世界転生者に驚きすぎて記憶飛びかけてたけど…!


 レオンハルト殿下は改めてみんなを見て、マイケルが淹れ直してくれた紅茶を一口飲んでから話し始めた
 おれとレオンハルト殿下がキスする現場を見せ付け煽った日、その後の周囲をウロウロして接触する事で見たことを…


「かなり興味深い光景が見れたぞ?想像以上の反応をされた…そう言っていいと思う
 ルディの前世の妹かどうか…俺自身が元を知ってる訳じゃないから、それはわからないが…普通にこのネックレスに食い付いてきた」


「レオ、聖女が食い付いてって、どんな風に…?ポチ太郎とか土佐犬とかそんなワードは出たりした?」


「いや、ポチ太郎とかのワードは言わなかった

 ルディと別れた後、走り去った聖女を追いかけたら中庭の噴水前でしゃがみながら俯いててな…具合でも悪いのか?って、聞いてみたんだ
 そうしたら恐ろしく嬉しそうな顔でこちらを見てきた…レオくん優しいんだねとか言って…その時、俺の首にあるこのネックレスに気づいたんだろうな?

 驚き…とはまた違ったなんとも言えない顔でじっとネックレスを直視して、『素敵なアクセサリー…そんなの持ってるの?どこで買ったの?』と、聞いていた…俺はどこで買ったとも言わずに大切な人からのプレゼントなんだって答えたよ…そしたら『大切な人って誰?誰なの?』ってこのネックレスに触れようとしてきたんだ

 まさかコレに触ろうとするなんて思わなくてな…触るなって言いそうになったけどさ、その瞬間第二王子が現れて…聖女を回収して行った…」



 第二王子の登場タイミングが絶妙過ぎるが、このネックレスに対して聖女は『そんなの持ってるの?』って言う部分、ちょっと怪しくないか?
 まるで俺がこんなアクセサリーを持っていることがおかしいって言ってるみたいに感じたよ



 そう言ってニヤリと笑うレオンハルト殿下の表情は危険なかっこよさと言うんだろうか…なんかドキドキする…
 ルイ王子に至ってはレオンハルト王子!?それはネックレス触られたらふざけんなってなるやつ!?いいね!!いいよ!すごく!!って喜んでいる……?うん…よくわからない


「ウロウロしてくれてありがとう、レオ…情報すごくたすかった」

 レオンハルト殿下の話から、聖女はポチ太郎ネックレスに何かしら心当たりがあると考えられる…
 ポチ太郎ってワードが出てきたら一発でクソ妹だと分かるが、そう簡単に尻尾を出さないのか…はたまた違うただの転生者なのか…

 おれがお前、桃香だろ?って聞いてみるのが早いと考えてしまうが…それでは聖女が本気でクソ妹だった時に不味い…兄が自分の世界を邪魔してると確実に思われてシャルティに、今以上の被害が出るかもしれない

 あちらから、おれが兄かも知れないと思わせて、行動を起こさせる…正体を明かさずに聖女がボロを出すのを誘う展開が一番安全だ…
ある程度ウロウロを続けたらきっとボロを出してくるって考えていると、ルイ王子が挙手していた


「その、乙女ゲームで用意されてたアクセサリーとも全然違うかっこいい?ネックレスで聖女を釣り上げ作戦してるんですね?
 なる程…あ、あの!ちょっといいですか!?
 実は…やりたくないと断り続けてやってないんですけど…実は一応隣国の王子って事で…僕の歓迎会が前に開催予定だったんです
来日すら内密に!レオンハルト殿下とかにもフワッと伝えるくらいで逃げてたので…ですが、ジャンクフード神の為に一肌脱ぎたい!いや、一前髪脱ぎます!

 余分にそのネックレスありませんか?僕ももさもさを捨ててルイになりますんで、その日だけ…攻略対象全員で、そのアクセサリーを着ける…そして聖女に一気に見せる…四方八方から前世アクセサリー揺さぶりを掛けてみる…とか、どうでしょうか…?」


 ルイ王子の歓迎会
 本当ならもう少し前に開催されていた筈のイベント…隣国の王子初登場って感じでこの国の聖女も紹介される顔合わせイベントが乙女ゲームにそう言えばあった
 学年違いのルイ王子とメインストーリーでの交流開始はもっと後、文化祭とかのイベントから?だった気がする…でも個別ストーリーなら顔合わせしてから偶然会うとかで交流していく、そのきっかけになる歓迎会での顔合わせ…
 その現場で隠しを除く攻略対象者全員がポチ太郎を身に着ける?聖女の前で?これ見よがしに?



それって…




「いい案ですね…各自聖女の前をウロウロしてもいいですが、一斉に同じ物を付けてると見せつける案、私は賛成です
 ルイ王子の協力が無ければ実現しない、登場さえしてないと思われてた隣国の王子までも、ルディヴィスの味方となってる現状を見せ反応を見るのは大いに意味があるかと…!」


「わ、私も賛成です!すごく心に揺さぶりを掛けれそうで…!
 後、ずっと気になってた事がありますの…この世界が乙女ゲームなら私もゲーム仕様の見た目で攻略対象な皆さんと楽しそうにその場にいたら…聖女様はどのような反応をするか…って!
 それもその歓迎会でやってみてもいいですか?」


 マイズとシャルティの賛同を皮切りにレオンハルト殿下やイグニス達もみんないい案だって言ってくれる、聖女へ接触禁止例を出しているヘルリも、聖女が禁止例を無視して近寄ってくるか見たいと協力を申し出てくれた
 おれだけでは絶対出来ない事、自然な流れで聖女へ大きく陽動を掛けられる作戦だ



「でも、大丈夫?ルイ王子は逃げて逃げてここまで過ごしてきたのに…それにシャルティだって聖女になんて言われるか…わからないのに

ヘルリだってトラウマがある、みんなも歓迎会の会場だと逃げ場が無いくらいたぶん臭い香水?の匂いとか嗅ぐことになりそうな気がするよ…?それでも協力してくれるのか…?」



クソ妹だったらどうしようと、最悪の事態を考えて皆には無駄に関わり合って不幸になって欲しくない…そう思っていた
ウロウロとか偵察とか、そんなに長時間関わらない所で協力してもらえるだけでも嬉しかったのに…
みんな、おれの方を見て素敵な笑顔で『聖女が何であれ、ルディヴィス一人の問題じゃない、抱え込まなくていい、一緒に戦おう』って…言ってくれるんだ




どうしよう…普通に嬉しくて、心が温かくなった








しおりを挟む
感想 192

あなたにおすすめの小説

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。

フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」  可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。  だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。 ◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。 ◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...