悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです! こっちに来ないでください

たなぱ

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反撃編

聖なる光の秘密

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「皆さんも知っていると思いますが、聖光魔法は文字通り、聖なる光の魔法です
これは、現状聖女にしか使用できません…
ですが…
そうですね、順を追って説明します…まずこれを見てください」


マイズはルイ王子の側に寄り添うように立ち、おれたちを見ると話し始めた
おれが聖光魔法みたいなものを使えるって…その根拠についての話を

マイズは胸にしまっていた丸い玉を取り出し皆に見せながら説明し始める
なんだろう?って見ると…それは紛れもなく、幼い頃のおれが…魔法を覚えたてのおれが始めて魔力で削った…みんなにプレゼントするぞー!って気合いで作成した宝石の石だった


「これはルディヴィスが幼い頃、始めて魔法に触れ、魔力を駆使して削り…私たちにプレゼントしてくれた物です
一見普通の丸い宝石ですが…この石には常時治癒や健康の加護を所有者に与えるような魔法が宿っています…同時に魔力の影響を受ける当時9歳のシャルティも同じ物を持っていた事実…を知っていますか?」


魔法を常時相手に付与する石…!?!
周囲がざわつく…嘘だろって雰囲気が立ち込める…
おれだって…それを作った本人でさえ同じ気持ちだ
ヘルリの事があって魔力がいかに危険なものかも分かってる…なのに…常時発動するそんな危険な物をシャルティに持たせていたっていうのか!?


「ま、待ってくださいまし…私は貰った日からずっと宝石を持っていますが…何も魔力の影響を受けておりません…………こんなにも元気ですわ!?
……………いえ、違いますわ…私、これまで大きく体調を崩したりせずに健康なのって………まさか………」


手持ちのポーチからシャルティもおれがあげた宝石を取り出し、胸に抱き締め語る
レオンハルト殿下も、マイズもヘルリも…各々宝石を取り出し見つめてるのがわかった


「はい、そのまさかでしょうね…
この事実に気付いてから…イグニスと共にこれまで調査をしてきました…その結果、この魔法は私たちが知るどの魔法とも違う事がわかっています
幼いルディヴィスが作った物…魔法の基礎すら知らない彼がどうやって魔法を宝石に込めたのか…
もしや思いや願いが宝石に移るなんてことあるのか?と…同じ事をイグニスと実験続けていたんです…しかし、宝石を同じ状態にする事は出来なかった」


「ああ、色々調べた…石の種類かのか?魔力の属性なのか?それとも研磨するスピードなのか?とか考えられる全て調べてた
マイズと相談して直接幼児にこの石を持たせるのは流石に倫理に反するからって、そこは臨床的には調べられていない…けど、偶然自分の親戚の子が部屋に侵入してさ、この宝石キレイって触れちゃった事があるんだ
まずい!って思ったけど…その時も何も影響は無く…ちょうど外で遊んで変な草を触ってたみたいで、爛れてた皮膚が…よくなっているように見えた…
まるで皮膚の爛れの原因が取り除かれたみたいだった…
あと…ルディヴィスがこのネックレス…これも、これまで作ってきた試作品も全部同じ様な効果があるのは検証済みだ」


イグニスはそう言うと首に着けてくれているポチ太郎アクセサリーを撫で、おれが試作品で作ってた指輪の一つを手に乗せてみんなに見せてきた
ルイ王子の歓迎会で招待客に配った残りの試作品を…
なにそれ…おれ、そんなヤバそうなもの作ったつもりなんて無いのに、なんでそんな変な効果が付与されてるんだ…?聖女じゃないのに、おれ…男なのに…なんで…


「……………なぁ、その魔法の効果ってさ…まさか精神に異常を、魅了とかそういうのにも効果ってあったりするのか…?
俺達、ルディから宝石貰ってから嬉しくてずっと持ち歩いてるだろ?
だから…聖女の香水だっけ…それに好感度アップ?とかいう魅了みたいな効果あったのに…臭いだけで効果無かったのも…」

「ええ、流石察しがいいですね?レオンハルトの想像通りですよ
この宝石は身体に害を及ぼす物を除外するんてす…風邪等引きにくいのもその為…身につけている事で直接的ではなく間接的に作用してその効果を発揮する…

ルイ王子の歓迎会で聖女に対して同情的な顔をしていた者が居たのを覚えてますか?彼らはルディヴィスが同封した試作品の装飾品を付けていない者たちです
これまで聖女にのめり込む人も皆、ルディヴィスの作った装飾品を持っていない者たちばかりなんです

そして、もう一つの事実…私たちに出来なかったこの宝石への魔力を付与する行為…聖光魔法のような効能を付与する事…それをルイ王子はする事が出来ました」


マイズはルイ王子の手を取り、指に嵌めた指輪を撫でつつ語る
これまで調べてきた事の事実、そこから導き出される仮説を…

聖光魔法は文字通り聖なる光の魔法だ、奇跡と呼べる治癒の力を魔力の影響を受ける幼子に使用可能な唯一の存在
だが、この石の状態を見るに、おれもルイ王子もどう考えても聖光魔法と同等の事が出来る、その可能性が高い…と
光属性ではない為、聖光魔法とは言えないが恐ろしく近しい力がある…それを効果をある程度維持したまま宝石に移す事も可能、逆にこれは聖女も出来るのだと言う

おれたちに出来て、マイズ達に出来ない…その差は何なのか…?言葉に出さなくてもみんな察しているみたいだった




異世界転生




これをしている存在か、そうでないか…そこが境目なのではないかって…きっと、みんなも同じ事を考えている
ヒロインに与えられし奇跡の力…
おれは聖女について乙女ゲームの設定を思い出してみると、違和感に気付いた
ヒロインは設定上、この国で生まれ平和に暮らしていたが、ある日突然その力に目覚め、奇跡の乙女として保護されるって始まり方をする…


「光の聖女に愛を灯す」ってゲームの世界
聖女の力に目覚めたヒロインが悪役令嬢に負けずに攻略対象と愛を育む物語の世界
でも、よくよく考えたらゲームの中で力に目覚めたヒロインは自分の意思で動いている訳じゃない、プレイヤーに操作されて動いてるよな?

もしかして…もしかしてだけど…ヒロインは器なのか?この世界の存在じゃない人間を受け入れて動く器なのだとしたら…
他の世界のプレイヤーだからこそ、聖光魔法を使えるって事はあったりしないか?
…おれもルイ王子も聖女も異世界転生をした他の世界の住人だった存在…だから特異な力を使える…それは理由になるんじゃ…
それに…



「この事とルイ王子からの破滅についての助言…2つがルディヴィスに抱いていた気持ちは恋心じゃないって事実を気付くきっかけになりました
私、マイズという存在は乙女ゲームで聖女の聖光魔法に憧れ、強い依存を示し、その力を愛する…
ルイ王子が言う運営の歪んだ性癖が込められた存在なんです…当初の目的は違いましたが、ルイ王子の婚約者候補となって彼の魔力を見る機会が増え…想像は確信に変わりました

今、ルディヴィスにあった恋心の様な感情…それがルイ王子にあります…自分の意思とは関係なく、どうしようもなく憧れのように惹かれている私がいます」

「マイズ、それはもしかして…強制力…?なのか?」

「おそらくはそうでしょう…これは私の意思とは別の感情…そう感じます、ですが別の感情もある…だから、ある考えに至った
……私達は定められた役割を持つ存在としての感情と自らの意思で生きる感情どちらも持ち合わせているんじゃないかって…
まるで乙女ゲームの世界という強制力に満ちた箱庭に各々の現実が混ざり合うような……歪な世界がここなんじゃないかって…そう思うんです…」










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