【書籍化進行中】悪役令嬢の兄です、ヒロインはそちらです!こっちに来ないで下さい

たなぱ

文字の大きさ
162 / 174
後日編

事態の行方 対応

しおりを挟む




「お、おれが聖者…?昨日………から…?」



 素晴らしい笑顔で国王陛下は「そうだ」と頷きおれを見る…しかも国王陛下だけじゃなくて、王妃様も父様もしっかりとおれの目を見てコクリと力強く頷く
 レオに至ってはキラキラしてる顔でおれを見てくる
 聖者って何…?この国で聖女って存在はいるけど聖者って存在はいない筈だ…おれが聖者?になって何の事態の解決になるんだ?って思ってたら国王陛下が物凄く詳しく教えてくれた


 今回の聖女ルチアの件、おれが共有していたこの世界は乙女ゲームだって事実はもちろん、他の世界に住んでる人がルチアの身体を乗っ取り悪さをしていたなんて説明しても、信じて貰うのは正直難しい
 過去に事例が無い、他の世界があると王家は信じているのか?って夢物語だと言われて逆に疑われるって状況になるのが当然
 だから、今回の件を上手く人々が信じやすい形に加工し真実として公表する計画を立てている
丁度よく、事前に王妃様が魔物憑きを疑い、更には魔獣の血が塗られた日記が発見された、この事を上手く利用し、魔物憑きによる事件として収束させようとしていると国王陛下は仰った

流れ的にはこうだ、聖女ルチアが幼い頃胎内で徐々に侵食.成長する新種の魔物憑きに罹り、聖女としての意識とは別に、無意識に人として考えられない行動を行ってしまう症状に見舞われた
 徐々に徐々に胎内で魔物が成長し、聖女ルチアの心が食われ、ついには人に危害を加えるまでになってしまったと…
だが、女神様がこの事態に気付き、聖女の心を魔物からを救おうと聖者を遣わした
 聖者が女神様より授かった力で無事に聖女から魔物の魂が離れ、元に戻ることが出来た…そういう流れであれば上手くなんとか貴族諸共信じ込ませることができるらしい…

 異世界から来た魂が聖女ルチアに乗り移り、自分がヒロインだと前世の兄を消そうとしていた…って話よりは、これまでに隣国を中心に多様な魔物憑きと呼ばれる状況.症状が見られているため、信憑性もある
現場、魔物憑きって状況はこの国ではあまり発生率事態少ないが、聖女の代替わり…前回の聖女から今回の聖女に移り変わるまでの期間に事件は起きてしまった

聖女ルチアの精神が未熟な幼い頃に魔物が胎内に侵入し憑いてしまったとなれば本当に悲しい事故として扱える
新種の魔物憑きは一見すると普通の人として過ごせてしまうため発見されることも無く、人々を救いたい聖女の気持ちと聖女の魔力を喰らい、動いた結果、聖女を操り聖光魔法を使い人々を治すと同時に洗脳していた…そんな悲しい事件

あれは聖女ルチアの皮を被った別の存在だったと、納得せざるおえない状況を作り、今後幼い聖女を守る法と守りも必要になってくるって話にも持っていきたいと国王陛下は語った


「ルディヴィス、君には女神から聖女を救うべく選ばれた聖者として今後、対応して欲しい
現在、各々が事件の原因は新種の魔物憑きだったという体で既に動いているが、しかし、そんな話急に言われても信じられないと言うものも少なからず居るには居る…だが、聖女にしか使用できない力を君が使えるようになっており見せつければどうだ?
女神様からの意志だと信じざる終えないだろう?」

「女神様はきっとこう動く事を求められていたと思うのです…あの日、ルディヴィスに重なるように見えたあの輝くお姿は悲しげで、協力を願う様子がありました…
原因が人でなく、魔物であれば誰も不幸にはなりません…わが国では国民全員が魔物憑きについてもっと学んでおくべきだった…そう思考を変えることもできるんです
どうですか?ルディヴィス…やってくれますか…?」



国王夫妻がおれを見て問いかけてくる
真実に嘘が混じってるけど、確かにこの流れだったら真に悪いのは魔物憑きって症状って事で全て丸く収まる…これまで桃香が起こしたとんでもないあれこれも…なんとかなる…!聖女ルチアを社会的に救う事ができる!
なら、おれの答えは簡単だ


「やります、やらせてください…聖女ルチアをちゃんと救いたいのはおれも同じです!!………昨日から聖者だったと上手く動きます!」



聖者だろうがなんだろうがやってやる
おれの中では魔物憑きの魔物が桃香だったと思えば全く問題ない、嘘偽りなく桃香を聖女ルチアから引きずり出し、確かに救ったんだから
てか、よく考えても桃香はモンスターだと思う、前世的に言うなら自己中と言うなの化け物だ
自己中が心優しい少女の身体を奪った悲劇…それを女神様がなんとかしようとした…うん、いける



おれの言葉に国王夫妻や父様は良かった…とホッとしている様子が見られた



国王夫妻と父様達との謁見の後、おれはとりあえずルチアの様子をみたいと希望し、ジェイス第二王子の部屋に向かう
廊下ですれ違うメイドや兵士達には既におれが聖者として女神様から使命を受けたと話がされているのか、以前から此処に王妃教育で来ている時よりも数倍拝まれる変な経験をしながら…

完全に桃香を引きずり出して帰せたとは思うけど…あの映し出された魔力の見た目はやっぱり心配ではあったから


もしかしたら聖女ルチアは二度と目覚めない…なんて最悪の事態になっていない事を祈り、おれはレオとジェイス第二王子の部屋の前に立った








しおりを挟む
感想 192

あなたにおすすめの小説

ブラコンすぎて面倒な男を演じていた平凡兄、やめたら押し倒されました

あと
BL
「お兄ちゃん!人肌脱ぎます!」 完璧公爵跡取り息子許嫁攻め×ブラコン兄鈍感受け 可愛い弟と攻めの幸せのために、平凡なのに面倒な男を演じることにした受け。毎日の告白、束縛発言などを繰り広げ、上手くいきそうになったため、やめたら、なんと…? 攻め:ヴィクター・ローレンツ 受け:リアム・グレイソン 弟:リチャード・グレイソン  pixivにも投稿しています。 ひよったら消します。
誤字脱字はサイレント修正します。
また、内容もサイレント修正する時もあります。
定期的にタグも整理します。

批判・中傷コメントはお控えください。
見つけ次第削除いたします。

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

婚約者の王子様に愛人がいるらしいが、ペットを探すのに忙しいので放っておいてくれ。

フジミサヤ
BL
「君を愛することはできない」  可愛らしい平民の愛人を膝の上に抱え上げたこの国の第二王子サミュエルに宣言され、王子の婚約者だった公爵令息ノア・オルコットは、傷心のあまり学園を飛び出してしまった……というのが学園の生徒たちの認識である。  だがノアの本当の目的は、行方不明の自分のペット(魔王の側近だったらしい)の捜索だった。通りすがりの魔族に道を尋ねて目的地へ向かう途中、ノアは完璧な変装をしていたにも関わらず、何故かノアを追ってきたらしい王子サミュエルに捕まってしまう。 ◇拙作「僕が勇者に殺された件。」に出てきたノアの話ですが、一応単体でも読めます。 ◇テキトー設定。細かいツッコミはご容赦ください。見切り発車なので不定期更新となります。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

ノリで付き合っただけなのに、別れてくれなくて詰んでる

cheeery
BL
告白23連敗中の高校二年生・浅海凪。失恋のショックと友人たちの悪ノリから、クラス一のモテ男で親友、久遠碧斗に勢いで「付き合うか」と言ってしまう。冗談で済むと思いきや、碧斗は「いいよ」とあっさり承諾し本気で付き合うことになってしまった。 「付き合おうって言ったのは凪だよね」 あの流れで本気だとは思わないだろおおお。 凪はなんとか碧斗に愛想を尽かされようと、嫌われよう大作戦を実行するが……?

「自由に生きていい」と言われたので冒険者になりましたが、なぜか旦那様が激怒して連れ戻しに来ました。

キノア9g
BL
「君に義務は求めない」=ニート生活推奨!? ポジティブ転生者と、言葉足らずで愛が重い氷の伯爵様の、全力すれ違い新婚ラブコメディ! あらすじ 「君に求める義務はない。屋敷で自由に過ごしていい」 貧乏男爵家の次男・ルシアン(前世は男子高校生)は、政略結婚した若き天才当主・オルドリンからそう告げられた。 冷徹で無表情な旦那様の言葉を、「俺に興味がないんだな! ラッキー、衣食住保証付きのニート生活だ!」とポジティブに解釈したルシアン。 彼はこっそり屋敷を抜け出し、偽名を使って憧れの冒険者ライフを満喫し始める。 「旦那様は俺に無関心」 そう信じて、半年間ものんきに遊び回っていたルシアンだったが、ある日クエスト中に怪我をしてしまう。 バレたら怒られるかな……とビクビクしていた彼の元に現れたのは、顔面蒼白で息を切らした旦那様で――!? 「君が怪我をしたと聞いて、気が狂いそうだった……!」 怒鳴られるかと思いきや、折れるほど強く抱きしめられて困惑。 えっ、放置してたんじゃなかったの? なんでそんなに必死なの? 実は旦那様は冷徹なのではなく、ルシアンが好きすぎて「嫌われないように」と身を引いていただけの、超・奥手な心配性スパダリだった! 「君を守れるなら、森ごと消し飛ばすが?」 「過保護すぎて冒険になりません!!」 Fランク冒険者ののんきな妻(夫)×国宝級魔法使いの激重旦那様。 すれ違っていた二人が、甘々な「週末冒険者夫婦」になるまでの、勘違いと溺愛のハッピーエンドBL。

愛してやまなかった婚約者は俺に興味がない

了承
BL
卒業パーティー。 皇子は婚約者に破棄を告げ、左腕には新しい恋人を抱いていた。 青年はただ微笑み、一枚の紙を手渡す。 皇子が目を向けた、その瞬間——。 「この瞬間だと思った。」 すべてを愛で終わらせた、沈黙の恋の物語。   IFストーリーあり 誤字あれば報告お願いします!

【完結】悪役令息の伴侶(予定)に転生しました

  *  ゆるゆ
BL
攻略対象しか見えてない悪役令息の伴侶(予定)なんか、こっちからお断りだ! って思ったのに……! 前世の記憶がよみがえり、反省しました。 BLゲームの世界で、推しに逢うために頑張りはじめた、名前も顔も身長もないモブの快進撃が始まる──! といいな!(笑) 本編完結しました! おまけのお話を時々更新しています。 きーちゃんと皆の動画をつくりました! もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです。 インスタ @yuruyu0 絵もあがります Youtube @BL小説動画 プロフのwebサイトから両方に飛べるので、もしよかったら! 本編以降のお話、恋愛ルートも、おまけのお話の更新も、アルファポリスさまだけですー! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

処理中です...