不要な僕と化け物公爵様

たなぱ

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お屋敷案内

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家令さんとメイド長の2人に嫁いできたこと?を紹介してもらい、今日はフレイズ様も僕に給餌しながら同じ物を食べてる光景を見れてなんとなく安心した

16歳にもなって誰かに食事を食べさせてもらってるって状況はもちろん恥ずかしいけど…消化の良いものを準備してくれてるみたいで嬉しいし美味しいから特に嫌だと言う場面でも無い
フレイズ様は僕が沢山食べると嬉しそうな顔をするから気分が悪くならない程度に沢山食べようってそっちの方が大切だ
パンとスープだけの生活からこんなにも豪華な食事に変わって胃がびっくりして吐いてしまったりしたら申し訳無いし…




ゆっくりと食事を味わった後、僕はやはり抱っこされたまま、予定通りルドレッド公爵家の屋敷内を案内されている
サージェス伯爵家とは比べ物にならないくらい大きなお屋敷だとまだ数部屋しか回ってないのに感じるし、確実に一人で出歩いたら迷子になると思うくらい大きい…
フレイズ様のお部屋から真っ直ぐ進んだ先が食堂、その途中が書斎なのはわかった

「アレン、ここがこの屋敷の図書室だ
鍵は掛けていない部屋だ、本が読みたい場合はいつでも使用するといい
何か欲しい本があれば俺かヤジェに言いなさい、取り寄せてあげよう」

「……………はい、お気遣いありがとうございます…
本は好きです…サージェス伯爵家でよく読んでいましたので」


自宅の中とは思えないほど大きな図書室…
大きな本棚は天井まで届いてるし、その本棚全てにぎっしり本が詰まっている
2階部分もあるみたい?………だ、一生掛けても読み切れないんじゃないかなって本の量に圧倒されてしまう

いつでも使用していいって言葉は素直に嬉しいし、もしかしたら母様の持ってた刺繍の本もあるかもしれない
明日からさっそく本を読んでもいいかな?と、少しだけワクワクしている自分がいる


「アレンは本が好きなのか……ならここに隣国で流行っているソファベッドでも準備するのもありだな…俺が仕事をしている間、快適に過ごせるよう準備させよう」

「…………そふぁ…べ………?………いえ、お気遣いありがとうございます」


そふぁ何とかが何かわからないがフレイズ様が餌の僕に準備してくれると言うなら有り難く受け入れよう
この図書室にもしかしたら家畜用の美味しい肉質を作る方法の本とか…あるかもしれないし…探してみるたら早く食べて貰えるかもしれない



そんな事を考えつつ、広い屋敷にある部屋だったり庭だったりをゆっくり案内してもらった
応接室はサージェス伯爵家にあったものの2倍の大きさがあって会議とかできそうだったり…玄関ホールに飾ってある調度品や照明も高級感が溢れてて触れたら怖いと感じたり…誰も居ないけど広い厨房も見せてもらった

最後に案内された場所はルドレッド公爵家は庭
大きくて…色とりどりの知らない花が咲き誇っていたのが印象的の素晴らしい庭、中庭にガゼボもあってすごく雰囲気がいい
昨日大雨だったのに、今日は雲一つない快晴で所々雨粒に濡れてるからか庭の美しさが最大限に引き出されている気もする

どうしよう…お屋敷案内って楽しい
自分の知らない場所を見るのってこんなにもドキドキするんだ…



「ルドレッド公爵家は歴史がかなり古い、屋敷自体も増築と改装工事を行ってきたから一人で出歩くと迷子になる、散歩等したい時には必ずアデリナを連れて行くんだ」

「……………はい、分かりました」


迷子になる可能性があると言われてやっぱりと思ってしまう…それほどこのお屋敷は大きいんだ
広すぎるからか分からないが今思うと…案内されてない部屋もあった…
なんだろう…視界の端に見えたのは大きな南京錠や鎖で開かないように封印されているみたいな部屋とか、真っ暗な廊下の先にあった部屋…あと、地下室?みたいな入り口もあったような気がする

なんの部屋なのか興味がないわけじゃないけど、フレイズ様が案内しないって事は僕に関係のない部屋なのだろう
もしかしたら…人外の人を喰らう化け物公爵と呼ばれているフレイズ様が人を閉じ込めたり喰らうための部屋だったりするんだろうか…?



化け物と世間から呼ばれているフレイズ様がどんな風に食事をするのかわからない…戦場で全員を喰らうなんて伝説も残るくらいなんだから人の姿をしていないのかも………?
…………どうしよう、少し楽しみだ
僕の見る夢…知らない世界の夢では四角い画面の中で未知の生物が暴れていたりした
もしかしたらあんな感じの生物なのだろうか?頭からぱっくりこみ込まれたりするんだろうか…?
食べて頂ける日が来たら最後に見せてくれるかもしれない…その時が来たら目に焼き付けて母様への土産話にしよう


長い長い廊下をフレイズ様の自室に向けて戻りつつ、僕はそんな事を考える
暫く廊下を進み、部屋に戻るとフレイズ様は僕をベットに座らせ一緒に屋敷を回っていたアデリナさんを下がらせこう言った



「疲れただろう?アレン、昼食まで一度休もう
休む前に怪我の包帯も一度交換してやるから服を脱ぎなさい」

「……………はい、わかりました」


フレイズ様自ら僕の怪我?を治療してくれるのか…そんなに酷い怪我していた覚えは無いけどお言葉に甘えよう
人前で服を脱ぐって、普通なら恥ずかしいとか躊躇する場面なのに、フレイズ様言われると何処か嬉しいと思えてしまうのも不思議だ














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