不要な僕と化け物公爵様

たなぱ

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運命の夜会 開場

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Side ゲルン.サージェス




本日行なわれる王家主催の夜会、これは毎年この時期に毎年行なわれている
この日はある意味特別、夜会へデビューを行う子供たちが主役ではあるが、それだけではない
子と子の繋が新たな結びつきや事業開拓にも繋がる可能性を示した重要な日でもある
だからこそ、王宮の大ホール…この場所には国内にいるほぼ全ての貴族の当主とその伴侶が参加する為に訪れる
かなり大規模な舞踏会と言っていい


その大切な夜会が始まるまでもう暫く…私達は早めに到着し、ガレット公爵とその傘下の貴族達と落ち合い、まるで商談でもするように夜会開始前まで妻と共に個室で今日の計画について再確認をする予定だ
今日はマイトの晴れ舞台だけではない、私にとっても大切な舞台なのだから入念に準備は必要
ガレット公爵家だけでなく人外を排除しようとする全ての貴族が私の力を望む日…!私が世界に認められる日でもあるのだから…!!!

遂にこの日が来た
待ちに待ったこの日が来た…!!!


「おお!サージェス伯爵殿!!貴殿の到着を待っていた!今日は頼んだぞ…!その国の未来の為に…!こちらも可能な限り準備を整えてある、後は化け物を炙り出せば全て解決だ…!
それはそうとして今夜の夜会、息子達の晴れ姿を観るのも親の役目、楽しもうじゃないか」

「ガレット公爵殿…!お早いお着きで!ええ、もちろんです!
お役に立てれば我が家としても鼻が高い!是非お任せ下さい!!息子のマイト間もなく到着します、あの子も計画に一役買ってくれますので、是非ご挨拶させて下さい」

「おお…!そうか!是非とも会いたい!
そう言えば息子が噂していたよ、学園に男児とは思えぬほど美しい美男がいると、それが貴殿の息子だろう?ははは!是非とも我が息子とも仲良くしてほしいものだよ!
それに、サージェス伯爵夫人も本当に美しい…君たちは姿形からもこの国の美しい光なのかもしれないな」

「まぁ、ガレット公爵様ったら…お褒めにあずかり光栄ですわ」





見ろ!私の有能さを既に崇めている!この国の光だと言う!私も妻も息子のマイトもこの日を境に伯爵家以上の地位と名誉を得るのだ…!

そろそろ会場にはマイトとデオンくんが到着するはず…きっと会場を沸かせているに違いない
本当にマイトはピルメによく似て可愛い…きっとデオンくん以上の子息からも見初められてしまうだろうな?
それもまた一つの輝きだ



私は最高の舞台で最高の瞬間に役目を真っ当しよう、そうだな…夜会が始まり国王陛下がご挨拶された後が一番目立つ…!その瞬間を狙うべきだ…!!!





……………………
………………
…………



Side マイト




見たこともないくらい美しい王宮にお呼ばれして、社交デビューを祝う夜会に参加する、それがぼくの最近の楽しみだった

凄く沢山この日まで準備して…好きでもないアレン兄さんを思い出しながら商人を騙して騙して騙して…伯爵家じゃ買えないような素敵な衣装を沢山買ってもらったし♡
その中でも特にお気に入りを身に纏って、格好いいデオン様にエスコートされて…初めての夜会に今来てる…!

楽しい…楽しい…
夜会って楽しい…♡♡



「マイト♡とても綺麗だ…ううん、可愛くもある…こんな素敵な奥さんも貰える自分がとても幸せだよ」

「嬉しい…デオン様ありがとうございます♡」


美しいシャンデリアがぼくを照らしてる…!素敵な音楽がぼくの為に流れてる!
沢山の令嬢もいるけど、ドレスに顔が負けてない?ぼくの方が断然可愛いし美しい…!!

会場に入ってからずっと好意の目で見られてるのがわかる♡令嬢の悔しそうな目も勿論あるけどね?
でも、しょうがない事、ぼくの方が何倍も可愛いんだから…♡


舞踏会が始まるまでの時間、ぼくはデオン様にエスコートされながら会場を回る


「デオン!その子がマイトか!?うわっ、物凄く可愛いな!?始めまして!
おれはパージス!家は辺境伯な!デオンの友達って感じだ!あ、こっちはエッド!こいつもデオンの友達な!」

「何してるんですかパージス、ここは王家主催の舞踏会ですよ?礼儀作法を忘れたんですか?
始めましてサージェス伯爵子息、僕はペルッチ侯爵家のエッドです」

「あ♡ぼくはマイト、マイト.サージェスです…!
よろしくお願いします皆さん♡
ぼく、夜会初めてだからドキドキしちゃって…」



この人達はパージス様もエッド様♡
デオン様のお友達も格好いい…♡ぼくに興味津々って感じが最高だ…♡
高位貴族がぼくを囲んで可愛いと褒めてくれる!美しいと愛でてくれる…!これが母様の言ってた美しい者の定めなんだね…♡

楽しい、楽しい、楽しいよ♡母様…♡♡




そんなぼくの楽しい楽しい時間に邪魔者が入ったのは、舞踏会の開始まで…国王陛下のお言葉までもう間もなくの頃…
衛兵の放った一言で




「ルドレッド公爵家当主!!!、フレイズ様のご到着です!!!」





ぼくを見ていた優しい眼差しが全て会場の入り口に向かったから……



誰よりも遅く、誰よりも目立つ…存在が現れたから…












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