不要な僕と化け物公爵様

たなぱ

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運命の夜会 幾つかの真実

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Side フレイズ





準備は整った

食人花を受け入れ内密に共存している件を知ってる国王陛下にはある程度演技をして頂き、こちら側の話しに会わせて貰うよう打ち合わせをしていたが、取り敢えず成功したと言っていい
会場の中央に集められた害虫と言うなの餌を見下ろし、困惑する反応からこちら側の思惑には気付いてない事を確認する


早く終わらせよう…
愛する可愛い妻、アレンを苦しめる要因などこの世界には必要ない…不要なのはアレンでは無く貴様らだ
アレンの腰をしっかりと抱き寄せ、全てを終わらせる為に俺は害虫を一掃する為、真実を告げた




「…………まず、サージェス伯爵夫妻、貴様らには俺の妻、アレンに対する殺害未遂の容疑が掛かっている
長期に渡る躾と称した虐待を繰り返し、食事に毒を混入、摂取させ続け毒殺しようと画策した事は既に調査済みだ

更にはアレンが継ぐはずだったサージェス伯爵家を乗っ取る為に、病だと偽り表へ一切出さず、外の世界との情報を遮断させ、屋根裏部屋へ押し込め生活させていた…
ゲルン.サージェス…お前が主体となり、およそ7年間、アレンが病を理由に衰弱死するのを狙いっていた事は分かっている
又、アレンが母フレメアと共に自宅へ帰ってこなさったあの日にも、事件に巻き込まれた可能性があると使用人が発言したにも関わらず探しに行くことすらしなかった…それも、サージェス伯爵家を乗っ取れるいい機会だと考えていたのだろう?

そしてピルメ.サージェス、貴様はアレンの母フレメアへの個人的な恨みから、アレンへの躾と称した虐待を酷くさせていたな?
それだけでは無く、フレメアが存命時にも彼女の全てが気に入らないと勝手に癇癪を起こし、全てを奪う為にゲルン.サージェスへの肉体関係を求め、子を成している

ゲルンだけではなく同時期に複数の男性とも肉体関係を気付き、その中でフレメアが邪魔だと繰り返し発言していた事も調査済みだ
その時期からサージェス伯爵家へ後妻として入るまでの期間、まるでフレメアが間もなく死ぬ事を分かっていたかのようだったと、貴様の関係者が発言していた」

「な、何を言うんですか!?ルドレッド公爵…!!!私は私は決してアレンからサージェス伯爵家を奪おう等と!!ましてや虐待!?監禁!?そんな事をするわけが…!!!」

「私だってフレメアに恨みなんて…!旦那様とはフレメアなんて知らずに知り合っただけで…!
アレンへの躾だって躾はみんなしているものでしょう!?酷い事なんてしていませんわ!
フレメアがいつ死ぬかなんてそんな事………!!」

「口を閉じろ、罪人、まだ俺の話しは終わっていない…………
今、俺が発言した事は全て証拠があっての言動だ
言い訳をしたいなら今では無く、連行後、取り調べ中にしろ

話を戻そう…………
アレンの母、フレメアの死についてだが、通常の野盗の仕業では無いことがピルメ.サージェスが放った言動を元に当時の関係者を洗い出し、再調査の末に分かった
フレメア.サージェスの死の真相…それに関係しているのがピルメ.サージェス…お前がゲルン.サージェス以外に肉体関係を持った男達だ」

「「「はっ…!!?!?!」」」



俺の言葉にガレット公爵を含めた何人もの男が酷く動揺しているのが分かる

アレンの為に全ての害虫を駆除する…邪魔な者達を全て収穫する、その調査の中でとんでもない事実が浮き彫りになってきた…


今回アレンが虐待を家族から受けていた件と、ガレット公爵家等がルドレッド公爵家を含めた化け物と噂がある家系を排除しようとしていた件がある意味繋がっていたのだ


アレンが屋根裏部屋に閉じ込められた虐待を受けるきっかけとなった母の死…
あの日、アレンの母が乗る馬車が野盗に襲われたのは偶然ではない、ましてやただの野盗の仕業ではない…
ピルメ.サージェスと肉体関係を持っていたガレット公爵家を含む複数の男共が関係している



事件の真実はピルメ.サージェスからフレメアという女侯爵の話を聞き、上手く利用出来ると思った事がきっかけだろう…更にはサージェス伯爵家の領土で取れる希少な鉱石も狙った上で犯行を計画…

ルドレッド公爵家がサージェス伯爵家の馬車を襲い、女侯爵を食らったという噂を作り上げ、阿呆なサージェス伯爵家の婿を今後懐柔し、化け物を釣り上げる餌として上手く使う為に、この事件は計画され、実行された…


自らの権力をもっと強めるには化け物と噂をされながらも、国の要である俺やベゼルが邪魔で邪魔で仕方がない…なんとかして権力を削ぎ落とし自信の私腹を肥やしたい…そんな願いを叶える為、都合の良い存在だったアレンの母は殺されたんだ



「貴様等が俺達の力を削ぐ為、金の為にサージェス伯爵家という特殊な家柄…フレメアを利用した事は分かっている
フレメア側の親族は流行り病で既に他界している者が多く、何かが起きてもこれは事件だと騒ぐ者も少ない…夫である男はその実家諸共、自己肯定感を味わえればどんな話にでも乗る阿呆しかいない…
女侯爵として単独で行動する彼女はとても扱いやすかったんだろうな?

あの時期、あの事件が起きた場所には俺がかなりの頻度で仕事の為に行き来していた道だ
その道で馬車が人食いの化け物に襲われ食われた…そんな筋書きを得る為にアレンとフレメアを乗せた馬車は襲われた
馬車の外へ逃げ出したのをわざわざ捕まえて馬車の中で殺し直し、無駄に肉を削ぎ落としてまで、餌箱らしさまで表現したんだろう…?

そうだろう?なぁ?ガレット公爵…と、その派閥の男共?

しかし、その計画はある意味失敗した…そうだな?
アレンの母が襲われた日と俺がその道を通る日が偶然にも1日ズレてしまったからだ…本来同じ日にあの道を通る事でルドレッド公爵家が犯人だという捏造証拠を作る筈だった…が失敗
更には、まさか俺が襲われ朽ちた馬車の中に踏み込み、アレンを救い出しサージェス伯爵家に送り届けてしまう等思ってもいなかった…

最終的に貴様等が雇った野盗役の男共と連携が上手く取れていなかった為に想像とは違う結果になってしまった…………違うか?」


「「「「………………っ!!!」」」」



なんでそんな事まで分かっているんだと言わんばかりの表情で更に青ざめるガレット公爵家とその他の男共を睨みつつトドメを刺す


「そして今回、貴様らサージェス伯爵夫妻、ガレット公爵、ペルッチ侯爵を筆頭とした家々の者は化け物に嫁いで食われたと決めつけ、家族ぐるみでアレンの死を利用し、俺の屋敷に武装私兵を送り込み化け物である証拠を掴む為に動いた

これが事件の真相…真実だ」











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