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1 婚約破棄
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本日は月に一度の婚約者とのお茶会。冷めてしまった紅茶を見つめながら、伯爵令嬢のフィリアは早くこの苦行のような時間が終わって欲しいと思っていた。
(最高な場所での最悪な時間だわ)
一級品を集められた素晴らしい応接セットに、壁には国宝級の絵画が飾られ、目を奪われるような最高級の応接間にいるというのに、フィリアの気持ちはもう何も感じない。
全ての原因は目の前に座る婚約者のせいだ。
濃い金色の髪に、薄い空色の瞳をもつ彼は顔立ちも美しく、目が合った令嬢は皆彼を見て頬を赤らめる。
12歳のフィリアが婚約者同士の顔合わせで初めて会った時に、同じ歳のランドルフの美しさに胸の鼓動を高まらせながら頬を染めたのはもう過去の話。
今は高級品で揃えられた応接間と同じように何も感じない。フィリアにとってはただの美しいだけの王子だ。
この国の第三王子であるランドルフは、生母が元側妃で、侯爵家の出身だった。
側妃の子とはいえ、母親が侯爵家出身なので、ランドルフは自分の血筋に自信を持っている。
最初は側妃もランドルフも高位貴族の令嬢を婚約者にと望んでいた。
しかし、ランドルフにとって母親違いの兄達は王妃の子供で、王妃は元公爵令嬢だった為に、ランドルフの婚約者が政治的に力を持つ貴族では王位継承権争いが起こりかねないと、大臣たちからストップがかかってしまった。
更に王妃が早世してしまった為、ランドルフの母親が側妃から王妃へと繰り上がったが、ランドルフは生まれながらに臣籍へ下る事は決められていたので、ランドルフには政治的な力は持っていないが裕福な高位貴族の跡取り令嬢への婿入りを求められていた。
そしてこの国でその条件プラス年齢的にも合った令嬢はフィリア一人だったのだ。
フィリアの家は古くから商会を営んでいて、その規模は国内で一番大きく、他国にもいくつも支店を構えている。
国の公共事業にもいくつも援助していて、税も国内で最も多く納めているので、祖父の代から陞爵を勧められてきた。しかし、これ以上爵位が上がると商いまで手が回らなくなるとフィリアの祖父も父も固辞してきた。
しかし第三王子と婚約した事で、王子の臣籍降下先が伯爵家では家格が低いと言われ、結婚後は侯爵になる事が決まっている。
侯爵となると納める税が更に増え、今より更に国へ尽くす事を求められるだろう。
王家からの婚約の打診は、伯爵の立場では断る事が出来なかった。そんなフィリアと第三王子との政略でしかない婚約。
結婚後はフィリアの父親のポナー伯爵は商会の仕事に専念することになっていて、領地や家政の仕事は全てフィリアが行う事になっている。ランドルフはといえば、領地の事も何も学ぼうとしないので、フィリアと父親の稼いだ金を消費するだけの、お飾りの侯爵閣下になる予定だ。
そんな旨味だらけの結婚に何の不満があるのだろうかとフィリアは内心思っている。
「おい、話を聞いているのか?」
「……はい、聞いております」
「お前はそういうところがダメなのだ。容姿が美しければ少しぐらい欠点があっても許されるが、お前は違うのだからもっと努力をしないといけない。お前のその茶色の瞳と髪色はまるで平民のようではないか。下位貴族だから平民の血が混ざっているのは仕方がないが、平民の中でも美しい者もいるのに、どうしてお前はそのような地味な見た目なのだ。」
美しい王妃によく似たランドルフは、美しい事は大切な事であると、当時は側妃だった王妃に言われて育ってきた。
王妃と同じ金色の髪と水色の瞳は高位の人間の色だと言われてきたランドルフは人を美醜で判断する人間に育っていた。
ランドルフは様々な不満をフィリアにぶつけてくるが、容姿と伯爵家の家格の低さというフィリアではどうしようも出来ないところを特に多く指摘してくる。
男爵家や子爵家なら国内では下位だが、伯爵家は上位貴族に分けられている。しかしランドルフに言わせると、上位貴族の中で一番家格が低いので、フィリアの家は下位貴族になるそうだ。
フィリアのポナー家は伯爵家の中では歴史が古く、一度だけだが王女が降嫁したこともあるし、再三に渡る陞爵の話を断っているほどの家なので、上位貴族たちの間でも決して蔑まれるような家ではない。
「先日は宝石商に会ったが、実に金に汚かった。あやつらは貴族とは違って王族に忠誠心を示そうとする気持ちが無い。王族に相応しい宝石を持ってくるように伝えたのに、予算を越えるからとこの俺に二流品を勧めてきた」
フィリアはランドルフと婚約して6年目だが、誕生日にしか贈り物を貰った事がない。最初の数年は二流品以下の宝石を゙使った小さなアクセサリーで、ここ最近は誕生日に花のみが送られてくる。花にはカードすら添えられていない。
見目麗しいランドルフには近づく令嬢も多く、お気に入りの令嬢には婚約者用の予算を使い、アクセサリーを贈っているらしい。予算の横領だが、それを咎める者はいない。
夜会で行き会う令嬢がこれ見よがしにフィリアにアクセサリーを見せながら、ランドルフがいかに自分を大切にしている事を自慢してくるので、聞きたくもない情報がフィリアの耳に入ってくる。
どの令嬢も皆美しく、金色の髪に青や緑色の瞳を持っていた。
そしてフィリアとの茶会にも当然のように令嬢を侍らせている。
「ランドルフさまぁ~。わたくしもっと大きな宝石のものが欲しいですぅ」
「そうだな。次の誕生日にはしっかりしたものを贈ろう。美しいマレーネが着ければどんな宝石も霞むがな」
「あーん、もぅ、ランドルフさまったらぁ」
二人掛けのソファでランドルフの隣のに座った令嬢がランドルフの胸の辺りに軽く触れると、彼女のプラチナブロンドをランドルフが手に取ってみずからの唇に寄せる。
(いつもこんな物を見せられて、気持ちが悪いわ)
ここ数ヶ月のお茶会はいつもマレーネがランドルフの隣に座っている。その前は違う令嬢が座っていた。
「マレーネはまるで女神のようだな。ずっと見ていても飽きない。金を持っている事だけが取り柄の地味な女とは大違いだ。それにお前は茶色の頭に地味な色の服をいつも着ているから、令嬢たちから枯葉令嬢と呼ばいるそうだな。図々しくも俺の婚約に収まっているくせに、俺に恥をかかせてばかりの女で俺は恥ずかしい」
「ふふっ、事実でもそんな事をおっしゃったらフィリア様を傷付けてしまいますよ。それに枯葉だって何かの役に立つことがあるかもしれませんし」
「このような女に情けをかけるとは、キミは本当に優しい女性なんだな。この枯葉女は枯葉なりに自分の立場を弁えているからな。マレーネのような美しく心優しい公爵令嬢とみすぼらしい己を比べようなどと愚かな事は考えまいから、自らを蔑んで傷つく事なんてなかろう」
そう言ってランドルフはマレーネの指に自分の指を絡ませる。二人がどれだけ睦み合おうと構わないが、早く退室させて欲しい、しかしフィリアには自分からは帰る事が許されていない。
(公爵令嬢といっても、元々は男爵か子爵出身なのに)
マレーネはギレット公爵家の分家筋の低位貴族の出身で、男子しか生まれなかった公爵家へ数年前に養子に入り、まず第二王子の婚約者となった。
しかし、理由は分からないが第二王子との婚約は半年ほど前に解消され、今は婚約者がいない。
「いつも思うんだ。キミのような美しい女性が婚約者だったら、どれだけ毎日が楽しいだろうかと。兄上の婚約者として紹介された時に、私がどれだけ絶望したのかキミは知らないだろう」
フィリアはマレーネよりも先にランドルフと婚約を結ばされたが、王太子や第二王子に紹介された事は無い。
ランドルフは王族としては残らないし、自分は王子妃教育を受けないので、そういうものだと思っていた。
兄君たちにご挨拶しなくても良いのかと一度だけランドルフに尋ねたのだが、お前のような下賤な者が兄上たちに会えると思っていたなんて傲慢な態度だと言われてしまったので、何も言えずにいた。
「でも、私はもう自分の心に嘘をつく事が出来ない。キミの事を愛している。私たちの崇高で美しい愛はもう誰にも邪魔はさせない!」
目の前の茶番劇をフィリアは冷めた気持ちで眺めていたのだが、ランドルフが突然キッとフィリアに顔を向けて、鋭い眼光で睨んだ。
「フィリア・ポナー、貴様との汚らわしい婚約は真実の愛に敗れたのだ!今日ここで婚約を破棄する!」
あまりにも突然の事だったので、フィリアはすぐに返事をする事が出来なかった。
婚約者だから協力しろと、王家の公共事業にはたくさん出資をさせられてきた。
建設途中の橋がいくつもあるし、先日はランドルフとフィリアの結婚式を来年挙げるからと、大聖堂の改修はほとんどポナー家持ちで進めている途中なのに、王子自らの婚約破棄。
領主教育を受けて、領主の仕事の引き継ぎをしているフィリアは、これまでポナー家から引っ張ってきたお金をどうするのかと考えていた。
※主人公にとって1話が1番厳しい仕様になっています。
不快に感じられた方がいらっしゃいましたら、申し訳ありません。
(最高な場所での最悪な時間だわ)
一級品を集められた素晴らしい応接セットに、壁には国宝級の絵画が飾られ、目を奪われるような最高級の応接間にいるというのに、フィリアの気持ちはもう何も感じない。
全ての原因は目の前に座る婚約者のせいだ。
濃い金色の髪に、薄い空色の瞳をもつ彼は顔立ちも美しく、目が合った令嬢は皆彼を見て頬を赤らめる。
12歳のフィリアが婚約者同士の顔合わせで初めて会った時に、同じ歳のランドルフの美しさに胸の鼓動を高まらせながら頬を染めたのはもう過去の話。
今は高級品で揃えられた応接間と同じように何も感じない。フィリアにとってはただの美しいだけの王子だ。
この国の第三王子であるランドルフは、生母が元側妃で、侯爵家の出身だった。
側妃の子とはいえ、母親が侯爵家出身なので、ランドルフは自分の血筋に自信を持っている。
最初は側妃もランドルフも高位貴族の令嬢を婚約者にと望んでいた。
しかし、ランドルフにとって母親違いの兄達は王妃の子供で、王妃は元公爵令嬢だった為に、ランドルフの婚約者が政治的に力を持つ貴族では王位継承権争いが起こりかねないと、大臣たちからストップがかかってしまった。
更に王妃が早世してしまった為、ランドルフの母親が側妃から王妃へと繰り上がったが、ランドルフは生まれながらに臣籍へ下る事は決められていたので、ランドルフには政治的な力は持っていないが裕福な高位貴族の跡取り令嬢への婿入りを求められていた。
そしてこの国でその条件プラス年齢的にも合った令嬢はフィリア一人だったのだ。
フィリアの家は古くから商会を営んでいて、その規模は国内で一番大きく、他国にもいくつも支店を構えている。
国の公共事業にもいくつも援助していて、税も国内で最も多く納めているので、祖父の代から陞爵を勧められてきた。しかし、これ以上爵位が上がると商いまで手が回らなくなるとフィリアの祖父も父も固辞してきた。
しかし第三王子と婚約した事で、王子の臣籍降下先が伯爵家では家格が低いと言われ、結婚後は侯爵になる事が決まっている。
侯爵となると納める税が更に増え、今より更に国へ尽くす事を求められるだろう。
王家からの婚約の打診は、伯爵の立場では断る事が出来なかった。そんなフィリアと第三王子との政略でしかない婚約。
結婚後はフィリアの父親のポナー伯爵は商会の仕事に専念することになっていて、領地や家政の仕事は全てフィリアが行う事になっている。ランドルフはといえば、領地の事も何も学ぼうとしないので、フィリアと父親の稼いだ金を消費するだけの、お飾りの侯爵閣下になる予定だ。
そんな旨味だらけの結婚に何の不満があるのだろうかとフィリアは内心思っている。
「おい、話を聞いているのか?」
「……はい、聞いております」
「お前はそういうところがダメなのだ。容姿が美しければ少しぐらい欠点があっても許されるが、お前は違うのだからもっと努力をしないといけない。お前のその茶色の瞳と髪色はまるで平民のようではないか。下位貴族だから平民の血が混ざっているのは仕方がないが、平民の中でも美しい者もいるのに、どうしてお前はそのような地味な見た目なのだ。」
美しい王妃によく似たランドルフは、美しい事は大切な事であると、当時は側妃だった王妃に言われて育ってきた。
王妃と同じ金色の髪と水色の瞳は高位の人間の色だと言われてきたランドルフは人を美醜で判断する人間に育っていた。
ランドルフは様々な不満をフィリアにぶつけてくるが、容姿と伯爵家の家格の低さというフィリアではどうしようも出来ないところを特に多く指摘してくる。
男爵家や子爵家なら国内では下位だが、伯爵家は上位貴族に分けられている。しかしランドルフに言わせると、上位貴族の中で一番家格が低いので、フィリアの家は下位貴族になるそうだ。
フィリアのポナー家は伯爵家の中では歴史が古く、一度だけだが王女が降嫁したこともあるし、再三に渡る陞爵の話を断っているほどの家なので、上位貴族たちの間でも決して蔑まれるような家ではない。
「先日は宝石商に会ったが、実に金に汚かった。あやつらは貴族とは違って王族に忠誠心を示そうとする気持ちが無い。王族に相応しい宝石を持ってくるように伝えたのに、予算を越えるからとこの俺に二流品を勧めてきた」
フィリアはランドルフと婚約して6年目だが、誕生日にしか贈り物を貰った事がない。最初の数年は二流品以下の宝石を゙使った小さなアクセサリーで、ここ最近は誕生日に花のみが送られてくる。花にはカードすら添えられていない。
見目麗しいランドルフには近づく令嬢も多く、お気に入りの令嬢には婚約者用の予算を使い、アクセサリーを贈っているらしい。予算の横領だが、それを咎める者はいない。
夜会で行き会う令嬢がこれ見よがしにフィリアにアクセサリーを見せながら、ランドルフがいかに自分を大切にしている事を自慢してくるので、聞きたくもない情報がフィリアの耳に入ってくる。
どの令嬢も皆美しく、金色の髪に青や緑色の瞳を持っていた。
そしてフィリアとの茶会にも当然のように令嬢を侍らせている。
「ランドルフさまぁ~。わたくしもっと大きな宝石のものが欲しいですぅ」
「そうだな。次の誕生日にはしっかりしたものを贈ろう。美しいマレーネが着ければどんな宝石も霞むがな」
「あーん、もぅ、ランドルフさまったらぁ」
二人掛けのソファでランドルフの隣のに座った令嬢がランドルフの胸の辺りに軽く触れると、彼女のプラチナブロンドをランドルフが手に取ってみずからの唇に寄せる。
(いつもこんな物を見せられて、気持ちが悪いわ)
ここ数ヶ月のお茶会はいつもマレーネがランドルフの隣に座っている。その前は違う令嬢が座っていた。
「マレーネはまるで女神のようだな。ずっと見ていても飽きない。金を持っている事だけが取り柄の地味な女とは大違いだ。それにお前は茶色の頭に地味な色の服をいつも着ているから、令嬢たちから枯葉令嬢と呼ばいるそうだな。図々しくも俺の婚約に収まっているくせに、俺に恥をかかせてばかりの女で俺は恥ずかしい」
「ふふっ、事実でもそんな事をおっしゃったらフィリア様を傷付けてしまいますよ。それに枯葉だって何かの役に立つことがあるかもしれませんし」
「このような女に情けをかけるとは、キミは本当に優しい女性なんだな。この枯葉女は枯葉なりに自分の立場を弁えているからな。マレーネのような美しく心優しい公爵令嬢とみすぼらしい己を比べようなどと愚かな事は考えまいから、自らを蔑んで傷つく事なんてなかろう」
そう言ってランドルフはマレーネの指に自分の指を絡ませる。二人がどれだけ睦み合おうと構わないが、早く退室させて欲しい、しかしフィリアには自分からは帰る事が許されていない。
(公爵令嬢といっても、元々は男爵か子爵出身なのに)
マレーネはギレット公爵家の分家筋の低位貴族の出身で、男子しか生まれなかった公爵家へ数年前に養子に入り、まず第二王子の婚約者となった。
しかし、理由は分からないが第二王子との婚約は半年ほど前に解消され、今は婚約者がいない。
「いつも思うんだ。キミのような美しい女性が婚約者だったら、どれだけ毎日が楽しいだろうかと。兄上の婚約者として紹介された時に、私がどれだけ絶望したのかキミは知らないだろう」
フィリアはマレーネよりも先にランドルフと婚約を結ばされたが、王太子や第二王子に紹介された事は無い。
ランドルフは王族としては残らないし、自分は王子妃教育を受けないので、そういうものだと思っていた。
兄君たちにご挨拶しなくても良いのかと一度だけランドルフに尋ねたのだが、お前のような下賤な者が兄上たちに会えると思っていたなんて傲慢な態度だと言われてしまったので、何も言えずにいた。
「でも、私はもう自分の心に嘘をつく事が出来ない。キミの事を愛している。私たちの崇高で美しい愛はもう誰にも邪魔はさせない!」
目の前の茶番劇をフィリアは冷めた気持ちで眺めていたのだが、ランドルフが突然キッとフィリアに顔を向けて、鋭い眼光で睨んだ。
「フィリア・ポナー、貴様との汚らわしい婚約は真実の愛に敗れたのだ!今日ここで婚約を破棄する!」
あまりにも突然の事だったので、フィリアはすぐに返事をする事が出来なかった。
婚約者だから協力しろと、王家の公共事業にはたくさん出資をさせられてきた。
建設途中の橋がいくつもあるし、先日はランドルフとフィリアの結婚式を来年挙げるからと、大聖堂の改修はほとんどポナー家持ちで進めている途中なのに、王子自らの婚約破棄。
領主教育を受けて、領主の仕事の引き継ぎをしているフィリアは、これまでポナー家から引っ張ってきたお金をどうするのかと考えていた。
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