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やっと叶った願い

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 生まれてから17年間、僕の人生はずっと満たされなかった。僕は名門高校のサッカー部でキャプテンを務めている。高校サッカーではトップクラスのゴール数を決め、早くもJリーグのJ1クラブからスカウトを受けている。
 みんなうらやましがるが、これでも僕は満たされない。

 僕は勉強も全教科まんべんなく高得点を取れる。前学期の期末テストでは、総合得点が学年トップだった。それを知った名門大学からも誘いを受けている。
 しかしそれで僕の心は、満たされない。

 この日僕のチームは都大会で優勝し、全国大会への道が開いた。優勝したときの約束を香奈実ちゃんとしている。それは僕の人生初のアレだ。
 スタジアムの裏、静寂に立つ僕の前に香奈実ちゃんが現れた。僕は何も言わずに口をすぼめる。香奈実もそれに応え、しっかりと唇を合わせてくれた。初めての味わいは、ミントのようにさわやかだった。
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