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横恋慕
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吉岡のアパートは単身者向けのワンルームで、広さも古さも俺のところとそう変わらなかった。だが、俺の家のように足の踏み場もないほどに散らかっているということはなく、几帳面にも物があるべきところにきっちりと収まっていた。二人分の背広と荷物をその辺の椅子に置く。ベッドと棚の間にテーブルが置かれていたが、俺のような身体の大きい男にはちと狭い。テーブル脇にクッションを引っ張り出し、俺は勝手に床に座った。
酔いも醒めてきたのか、よろよろとはしているがようやく一人で歩けるようになった吉岡が、俺の前にビール缶を一つ置いた。発泡酒でもカロリーゼロでもない贅沢なおビール様だ。俺は単純に嬉しくなって、プルタブを押し込むと一気に喉に流し込んだ。冷えた炭酸が喉を通っていく快感が堪らない。俺は一気に半分飲み干すと、残りをちびちびと楽しむ。
向かいで胡座をかいている吉岡は俺が買ってやった茶を口にしていた。緩めた首元からくっきりとした鎖骨が見える。こいつ、中にTシャツとか着てないのか。大きめのワイシャツの隙間から見える引力のある暗がりから強引に目を反らし、大げさに部屋を見回した。
「いやぁ、綺麗にしてんなぁ! 俺の部屋とは大違いだぜ」
「……そうか?」
「ああ。彼女が片付けてくれんのか? 羨ましいなぁ」
おどけたように言う俺を、吉岡が黙って見つめた。非難がましい目ではないが、肯定や含羞といったものではなさそうだ。やっぱり別れたのだろうか。沈黙が気まずい。
「……何か訊いちゃいけねえこと訊いたみたいで悪かった」
「――じゃないよ」
何かを呟いた吉岡が、妙に濡れた目で俺を見ていた。目を逸らさぬまま、長い指がネクタイにかかり、ゆっくりと外していく。俺は魅入られたようにその光景を呆然と眺めていた。
「……彼女じゃないんだ」
しゅる、と衣摺れの音を鳴らしてネクタイが襟から抜かれた。
「強いて言うなら、俺が彼女――かもな」
「え」
吉岡が膝と手を床につき、一気に俺との間を詰めた。四つん這いになった重力でサイズの大きなワイシャツがたわみ、吉岡の首元から引き締まった臍までが丸見えだった。俺は動けぬまま身体を強張らせた。至近距離から潤んだ目がこちらを覗き込んでいた。吉岡が、彼女? 俺は胸元から目をそらし、理解できないままにとにかく沈黙を回避しようと頭に浮かんだことを口走る。
「じょ、女装とかそういうアレ? なんて、違えよな、ハハ……」
「外見の問題じゃないんだ」
お前は分かってるんだろう? と、顔を寄せた耳に囁かれ、俺は身をすくませた。目の前の吉岡は悲しげな、それでいて妙に色っぽい顔で微笑していた。こいつは、俺がいやらしい目で見ていたことに気づいてたっていうのか――。俺の心を見透かしたように吉岡が言う。
「……高田の目が俺を見るたびにゾクゾクしてたよ。分かるんだ、そういうの。初めてじゃなかったし」
「お、俺は……」
「寂しいんだ。……抱いてくれないか」
……ごくり。自分が喉を鳴らしたことにも気づかず、目の前の濡れた瞳に魅入られる。ゆっくりと吉岡の顔が近づき、唇が触れ合った。互いに酒臭い、熟れた柿のような匂いのするキスだった。だがそれが却って生々しく感じられ、俺は夢中になって吉岡の舌にしゃぶりついた。
「ん……っ、ふふ」
ぴちゃ、ぐちゅ、と湿った音を立て、舌を絡ませ合う。俺は吉岡の細い腰を撫で、吉岡は俺の肩や首を撫でながら、何度も角度を変えて口付けあった。こんなキスをするのは久々だ。こんなに気持ちのいいものだったかな。舌同士を擦り付け合い、甘い唾液をすする。吉岡の長い指が俺のベルトにかかったのがぼんやりした頭を現実に引き戻した。
「……っ、ま、て。吉岡っ」
吉岡の肩を掴んで焦って引き剥がす。なぜ? と頰を染めた吉岡が首を傾げた。まだ俺には理性が残っている。ひどく細くはなっていたが。
「お前、その、どういうつもりで俺を誘ってるんだ」
「言っただろ、寂しいって。もう、オナニー程度じゃ満足できないんだ、俺の身体」
そう言って自嘲的に笑う吉岡の蠱惑的な告白に息を飲みつつ、かろうじて首を振る。
「そうじゃなくて、お前、その、恋人がいるんじゃないのか?」
「ああ――」
吉岡が目を伏せた。痛ましい表情が妙に艶かしくて、慰めて優しくしてやりたいという思いと、更にめちゃくちゃにして泣かせてやりたいという思いが同時に湧き上がる。吉岡の薄い肩に置いた手に、じわりと力がこもった。
「一ヶ月ほど海外出張でさ、今、日本にいないんだ。……今まで週に2、3度は抱かれてたのに、もう2週間も我慢してる。仕事や酒に逃げたけど、やっぱり耐えられない。こんないやらしい身体にしたのはあの男のせいだから――だから、いいんだ」
吐き捨てるように吉岡は言う。……やっぱり男なのか。ていうか週に2、3度って相当なペースじゃねえかよ。相手はよほど絶倫なのか、それともよほど若いのか。いや、そこはどうでもいい。問題はそこじゃない。
「……でも、その、浮気……じゃねえかよ」
俺は渋った。面倒ごとに巻き込まれたくないという気持ちもあったが、むしろ嫉妬する気持ちのほうが強かった。俺はただのオモチャ代わりなのかよ。……恋人代わりなのかよ、と。
「高田には迷惑をかけない。……それに、バレたところでおしおきを受けるのは俺さ」
目を細めて笑う吉岡の表情に、こいつは寧ろ自ら「おしおき」を受けたいのだと悟った。恋人に焼きもちを焼かせ、その気持ちの大きさを測りたいわけだ。そのために俺をダシにしようとしてるんだ。ふつふつと心の奥から嗜虐心が湧き出してきた。なら、お望み通り抱いてやろうじゃねえか。めちゃくちゃにしてやる。
俺は吉岡の細い身体をベッドの側面に力づくで押し付け、後頭部に回した手で短い髪を掴むと、無理やり仰向かせて開いた唇に深く口づけた。舌で口内を蹂躙し、わざと唾液を送り込み、吉岡の熱い舌になすりつけた。こく、と吉岡の喉が鳴る。吉岡が俺の唾液を飲んだのだ、と思うと頭が熱くなった。
ベッドの側面に身を凭せ掛け、荒い息をつく吉岡の身体を跨いで膝立ちになると、俺は既にスラックスの中で硬く盛り上がっていたペニスを吉岡の眼前に突き出した。頰に血を昇らせた吉岡が上目遣いで俺を見る。その目には期待と歓喜が宿っていた。
「……久々のちんぽなんだろ。味わえよ」
俺はわざと卑猥な言葉を投げかけた。吉岡を辱めたいと湧き上がる気持ちとともに、吉岡自身がこれを望んでいるという確信があった。現に吉岡は俺の屹立の根元に鼻先を埋めて嬉しげに頬ずりしていた。普段なら、少し指紋がついただけでもすぐに拭くような吉岡が、眼鏡のレンズに亀頭が乗ってもお構いなしだ。目を閉じて、うっとりした顔ですんすんと饐えた匂いを嗅ぎ続けている。もしかしたら、汚れたことにも気づいてないのかもしれない。正直臭いを嗅がれる俺の方が恥ずかしいが、そこは気取られるわけにはいかない。
「一日洗ってないちんぽの匂い、そんな好きかよ? 物欲しそうな顔してんぞ、吉岡」
そう言って吉岡の頬を撫でると、甘えるように掌を甘噛みされた。ぞくぞくと俺の背筋に興奮が走る。落ちた前髪を指で掻き上げてやると、嬉しげに先端にキスを落とされ、そのまま口内に収められた。唾液たっぷりでとろとろの口内は熱く、舌がそれ単体の生き物のようにぐねぐねと俺の肉竿に絡みついた。ペニス全体があたたかくねとつく粘膜に包まれ、尖らせた舌先で鈴口をくじられ、カリを舌全体で舐め上げられ……、情けないことに俺は吉岡のプロ並みの手管に翻弄されていた。悔し紛れに口を開いたが、その声は上ずっていた。
「ン、あ……、うまいな、お前……。これも、彼氏に仕込まれたのかよ……?」
じゅぷぷ、といやらしい音を立て、唾液でぬらぬらと濡れた肉茎が口から押し出された。吉岡が濡れ光る唇で笑い、長い指で自らの柔らかな唇を押し開いた。
「なあ、高田。ここまんこ代わりにして腰振ってくれよ……。そのまま出してくれていいから」
舌がちらりと唇を舐め、俺は一瞬でまんまとその挑発に煽られた。肉茎を乱暴に口に押し込むと、吉岡の髪を掴んで固定し、一心に腰を振り立てた。眼鏡のフレームが下腹に当たるし、えずくような不吉な声が時折あがるが、俺は敢えて気にせず喉に剛直を突き入れた。煽ったのはこいつだ。俺の知ったこっちゃない。
先端が喉の壁に当たっているのが分かる。飲み込むような喉の締まり。大量に湧き出すとろとろの唾液。全体を包みこむ柔らかな熱。吸引といやらしい音。俺の腰を愛おしげに撫でる吉岡の手。全てがたまらなかった。
「吉岡っ、出すからな! 俺のザーメン、全部飲めよ!」
俺は強い調子で囁くと、めちゃくちゃに腰を振り、尿道を駆け上る熱い精子をそのままの勢いでぶちまけた。びゅるっ! びゅびゅびゅっ! と喉の奥に熱い飛沫を叩きつる。片手で吉岡の頭を自分の下腹にぴったりと押し付け、片手をベッドについてぜいぜいと荒い息を吐いた。忙しくてしばらくまともにオナニーすらしていなかったから、さぞ濃いのが出たことだろう。吉岡の苦しげな鼻息で陰毛がそよぐのがくすぐったかった。
「う、あ……」
喉の奥にまで俺の肉茎を咥え込んだまま、ごく、ごくと吉岡が喉を鳴らし、イッたばかりの敏感な亀頭を喉でしごかれて俺は思わず喘いだ。ゆっくりと口から引き出すと、尿道に残った精液まで余さず吸われた。吉岡が口を開け、赤い舌に絡んだ泡立った白濁を見せつけて、ごくりと飲み込んだ。
「はあっ……」
精液臭い熱い息を嬉しげに吐く吉岡の髪は乱れ、前髪がほとんど額に落ちかかり、幼さと事後の卑猥さを醸し出していた。ふと下に目を落とすと、吉岡の屹立がスラックスの前立てを押し上げているのが見えた。
「ンあっ……」
「ちんぽしゃぶりながらおっ勃てるとか、とんだ変態だな、吉岡よ」
俺は股間の膨らみを躊躇いなく掴み、服の上から形を確かめるようにゆっくり上下させた。大きさはそこそこのようだ。吉岡が身をすくませ、俺にしがみつく。他人の勃起に触れるなんて今まで考えたこともなかったのだが、吉岡を泣かせるためなら何でもできる気がした。
酔いも醒めてきたのか、よろよろとはしているがようやく一人で歩けるようになった吉岡が、俺の前にビール缶を一つ置いた。発泡酒でもカロリーゼロでもない贅沢なおビール様だ。俺は単純に嬉しくなって、プルタブを押し込むと一気に喉に流し込んだ。冷えた炭酸が喉を通っていく快感が堪らない。俺は一気に半分飲み干すと、残りをちびちびと楽しむ。
向かいで胡座をかいている吉岡は俺が買ってやった茶を口にしていた。緩めた首元からくっきりとした鎖骨が見える。こいつ、中にTシャツとか着てないのか。大きめのワイシャツの隙間から見える引力のある暗がりから強引に目を反らし、大げさに部屋を見回した。
「いやぁ、綺麗にしてんなぁ! 俺の部屋とは大違いだぜ」
「……そうか?」
「ああ。彼女が片付けてくれんのか? 羨ましいなぁ」
おどけたように言う俺を、吉岡が黙って見つめた。非難がましい目ではないが、肯定や含羞といったものではなさそうだ。やっぱり別れたのだろうか。沈黙が気まずい。
「……何か訊いちゃいけねえこと訊いたみたいで悪かった」
「――じゃないよ」
何かを呟いた吉岡が、妙に濡れた目で俺を見ていた。目を逸らさぬまま、長い指がネクタイにかかり、ゆっくりと外していく。俺は魅入られたようにその光景を呆然と眺めていた。
「……彼女じゃないんだ」
しゅる、と衣摺れの音を鳴らしてネクタイが襟から抜かれた。
「強いて言うなら、俺が彼女――かもな」
「え」
吉岡が膝と手を床につき、一気に俺との間を詰めた。四つん這いになった重力でサイズの大きなワイシャツがたわみ、吉岡の首元から引き締まった臍までが丸見えだった。俺は動けぬまま身体を強張らせた。至近距離から潤んだ目がこちらを覗き込んでいた。吉岡が、彼女? 俺は胸元から目をそらし、理解できないままにとにかく沈黙を回避しようと頭に浮かんだことを口走る。
「じょ、女装とかそういうアレ? なんて、違えよな、ハハ……」
「外見の問題じゃないんだ」
お前は分かってるんだろう? と、顔を寄せた耳に囁かれ、俺は身をすくませた。目の前の吉岡は悲しげな、それでいて妙に色っぽい顔で微笑していた。こいつは、俺がいやらしい目で見ていたことに気づいてたっていうのか――。俺の心を見透かしたように吉岡が言う。
「……高田の目が俺を見るたびにゾクゾクしてたよ。分かるんだ、そういうの。初めてじゃなかったし」
「お、俺は……」
「寂しいんだ。……抱いてくれないか」
……ごくり。自分が喉を鳴らしたことにも気づかず、目の前の濡れた瞳に魅入られる。ゆっくりと吉岡の顔が近づき、唇が触れ合った。互いに酒臭い、熟れた柿のような匂いのするキスだった。だがそれが却って生々しく感じられ、俺は夢中になって吉岡の舌にしゃぶりついた。
「ん……っ、ふふ」
ぴちゃ、ぐちゅ、と湿った音を立て、舌を絡ませ合う。俺は吉岡の細い腰を撫で、吉岡は俺の肩や首を撫でながら、何度も角度を変えて口付けあった。こんなキスをするのは久々だ。こんなに気持ちのいいものだったかな。舌同士を擦り付け合い、甘い唾液をすする。吉岡の長い指が俺のベルトにかかったのがぼんやりした頭を現実に引き戻した。
「……っ、ま、て。吉岡っ」
吉岡の肩を掴んで焦って引き剥がす。なぜ? と頰を染めた吉岡が首を傾げた。まだ俺には理性が残っている。ひどく細くはなっていたが。
「お前、その、どういうつもりで俺を誘ってるんだ」
「言っただろ、寂しいって。もう、オナニー程度じゃ満足できないんだ、俺の身体」
そう言って自嘲的に笑う吉岡の蠱惑的な告白に息を飲みつつ、かろうじて首を振る。
「そうじゃなくて、お前、その、恋人がいるんじゃないのか?」
「ああ――」
吉岡が目を伏せた。痛ましい表情が妙に艶かしくて、慰めて優しくしてやりたいという思いと、更にめちゃくちゃにして泣かせてやりたいという思いが同時に湧き上がる。吉岡の薄い肩に置いた手に、じわりと力がこもった。
「一ヶ月ほど海外出張でさ、今、日本にいないんだ。……今まで週に2、3度は抱かれてたのに、もう2週間も我慢してる。仕事や酒に逃げたけど、やっぱり耐えられない。こんないやらしい身体にしたのはあの男のせいだから――だから、いいんだ」
吐き捨てるように吉岡は言う。……やっぱり男なのか。ていうか週に2、3度って相当なペースじゃねえかよ。相手はよほど絶倫なのか、それともよほど若いのか。いや、そこはどうでもいい。問題はそこじゃない。
「……でも、その、浮気……じゃねえかよ」
俺は渋った。面倒ごとに巻き込まれたくないという気持ちもあったが、むしろ嫉妬する気持ちのほうが強かった。俺はただのオモチャ代わりなのかよ。……恋人代わりなのかよ、と。
「高田には迷惑をかけない。……それに、バレたところでおしおきを受けるのは俺さ」
目を細めて笑う吉岡の表情に、こいつは寧ろ自ら「おしおき」を受けたいのだと悟った。恋人に焼きもちを焼かせ、その気持ちの大きさを測りたいわけだ。そのために俺をダシにしようとしてるんだ。ふつふつと心の奥から嗜虐心が湧き出してきた。なら、お望み通り抱いてやろうじゃねえか。めちゃくちゃにしてやる。
俺は吉岡の細い身体をベッドの側面に力づくで押し付け、後頭部に回した手で短い髪を掴むと、無理やり仰向かせて開いた唇に深く口づけた。舌で口内を蹂躙し、わざと唾液を送り込み、吉岡の熱い舌になすりつけた。こく、と吉岡の喉が鳴る。吉岡が俺の唾液を飲んだのだ、と思うと頭が熱くなった。
ベッドの側面に身を凭せ掛け、荒い息をつく吉岡の身体を跨いで膝立ちになると、俺は既にスラックスの中で硬く盛り上がっていたペニスを吉岡の眼前に突き出した。頰に血を昇らせた吉岡が上目遣いで俺を見る。その目には期待と歓喜が宿っていた。
「……久々のちんぽなんだろ。味わえよ」
俺はわざと卑猥な言葉を投げかけた。吉岡を辱めたいと湧き上がる気持ちとともに、吉岡自身がこれを望んでいるという確信があった。現に吉岡は俺の屹立の根元に鼻先を埋めて嬉しげに頬ずりしていた。普段なら、少し指紋がついただけでもすぐに拭くような吉岡が、眼鏡のレンズに亀頭が乗ってもお構いなしだ。目を閉じて、うっとりした顔ですんすんと饐えた匂いを嗅ぎ続けている。もしかしたら、汚れたことにも気づいてないのかもしれない。正直臭いを嗅がれる俺の方が恥ずかしいが、そこは気取られるわけにはいかない。
「一日洗ってないちんぽの匂い、そんな好きかよ? 物欲しそうな顔してんぞ、吉岡」
そう言って吉岡の頬を撫でると、甘えるように掌を甘噛みされた。ぞくぞくと俺の背筋に興奮が走る。落ちた前髪を指で掻き上げてやると、嬉しげに先端にキスを落とされ、そのまま口内に収められた。唾液たっぷりでとろとろの口内は熱く、舌がそれ単体の生き物のようにぐねぐねと俺の肉竿に絡みついた。ペニス全体があたたかくねとつく粘膜に包まれ、尖らせた舌先で鈴口をくじられ、カリを舌全体で舐め上げられ……、情けないことに俺は吉岡のプロ並みの手管に翻弄されていた。悔し紛れに口を開いたが、その声は上ずっていた。
「ン、あ……、うまいな、お前……。これも、彼氏に仕込まれたのかよ……?」
じゅぷぷ、といやらしい音を立て、唾液でぬらぬらと濡れた肉茎が口から押し出された。吉岡が濡れ光る唇で笑い、長い指で自らの柔らかな唇を押し開いた。
「なあ、高田。ここまんこ代わりにして腰振ってくれよ……。そのまま出してくれていいから」
舌がちらりと唇を舐め、俺は一瞬でまんまとその挑発に煽られた。肉茎を乱暴に口に押し込むと、吉岡の髪を掴んで固定し、一心に腰を振り立てた。眼鏡のフレームが下腹に当たるし、えずくような不吉な声が時折あがるが、俺は敢えて気にせず喉に剛直を突き入れた。煽ったのはこいつだ。俺の知ったこっちゃない。
先端が喉の壁に当たっているのが分かる。飲み込むような喉の締まり。大量に湧き出すとろとろの唾液。全体を包みこむ柔らかな熱。吸引といやらしい音。俺の腰を愛おしげに撫でる吉岡の手。全てがたまらなかった。
「吉岡っ、出すからな! 俺のザーメン、全部飲めよ!」
俺は強い調子で囁くと、めちゃくちゃに腰を振り、尿道を駆け上る熱い精子をそのままの勢いでぶちまけた。びゅるっ! びゅびゅびゅっ! と喉の奥に熱い飛沫を叩きつる。片手で吉岡の頭を自分の下腹にぴったりと押し付け、片手をベッドについてぜいぜいと荒い息を吐いた。忙しくてしばらくまともにオナニーすらしていなかったから、さぞ濃いのが出たことだろう。吉岡の苦しげな鼻息で陰毛がそよぐのがくすぐったかった。
「う、あ……」
喉の奥にまで俺の肉茎を咥え込んだまま、ごく、ごくと吉岡が喉を鳴らし、イッたばかりの敏感な亀頭を喉でしごかれて俺は思わず喘いだ。ゆっくりと口から引き出すと、尿道に残った精液まで余さず吸われた。吉岡が口を開け、赤い舌に絡んだ泡立った白濁を見せつけて、ごくりと飲み込んだ。
「はあっ……」
精液臭い熱い息を嬉しげに吐く吉岡の髪は乱れ、前髪がほとんど額に落ちかかり、幼さと事後の卑猥さを醸し出していた。ふと下に目を落とすと、吉岡の屹立がスラックスの前立てを押し上げているのが見えた。
「ンあっ……」
「ちんぽしゃぶりながらおっ勃てるとか、とんだ変態だな、吉岡よ」
俺は股間の膨らみを躊躇いなく掴み、服の上から形を確かめるようにゆっくり上下させた。大きさはそこそこのようだ。吉岡が身をすくませ、俺にしがみつく。他人の勃起に触れるなんて今まで考えたこともなかったのだが、吉岡を泣かせるためなら何でもできる気がした。
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