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03転生者
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「本当にここが最古のギルド?」
「ほ、本当ですよ! 失礼ですね」
男が目覚めた場所は【オリエント】と呼ばれる国最古のギルドであった。
しかし、そのギルドにかつての面影は無く、古びたテーブルと埃の被った床が歴史を感じさせるのみである。
「でも、ギルドって事は人がいるはずだろ? みんなクエストに行ってるのか」
「そ……それは」
シャルルと名乗る少女は顔を下に向けた。何か言いたくない事でもあるかのように顔を引きつらせて。
「いや、なんかごめん」
「いいんですよ。いまオリエントに所属しているのは私と経理番のみですから、他の人達は父が死んでから出て行ってしまいました」
「君のお父さんが、このギルドの代表だったのか」
「はい……」
二人の間に流れる短い沈黙。
それは、このギルドの事をあまり尋ねない方がいいとのシャルルからの意思表示だったのかもしれない。
「あ、あのさ。そう言えばなんで俺がここにいる? 転生者ってもっと神殿とか教会とかで現れるんじゃないのか?」
「多分、王様が支配している神殿からあなたが現れたんだと思いますよ! その後すぐに王政府の判断で各ギルドに転生者が割り振られる仕組みなんです」
「だから、俺はここにいるのか」
「そうです! 本当に久しぶりなんですよ~。父が死んでから初めてじゃないですかね。転生者がギルドに割り振られたのは……これでクエストを受注できます」
「ん? でも、転生者じゃなくても異世界で生まれた人でもギルドでクエストを受注できるだろ?」
「できはしますが、ステータスに【職業】があるのが転生者のみなんですよ」
「職業?」
「はい! これを見た方が早いかな」
シャルルは男に職業の説明が書かれた紙を差し出した。手書きで書かれたそれは、男の為にシャルルが急いで用意したように思える。
●職業の四分類
剣士→剣を装備できる。
銃士→銃を装備できる。
盾士→盾を装備できる。
魔士→杖を装備できる。
シャルルが男にニヤついた顔を見せていると、男は逆に顔をしかめて言葉を続けた。
「雑すぎない?」
「しょうがないでしょ! さっき急いで書いたんです!」
「まぁ、何となく分かったよ。ありがとう」
「ふふふ。そうでしょうそうでしょう。じゃあ、見せてもらいましょうかね」
「何を?」
「あなたの職業をよ」
そう言うとシャルルは魔法陣の描かれたカードを取り出して、男の体に近づけた。
すると徐々にそのカードに男のステータスがに刻み込まれていく。
「俺の職業か……今までフリーターだったのに、こんな形で職が見つかるなんてな……」
「どうしたんですか? そんなに目を潤ませて」
「いや、なんでもないさ。それでどうだった? 俺の職業は」
「そうですね。あなたのは、ってあれ? こ……これは……」
「どうした?」
シャルルは、刻みついた男のステータスを見せる為に男にカードを渡した。
名前【リスト】
職業【無職】
Lv.1
HP10/10
MP10/10
攻撃力10
防御力10
速力10
魔力10
「な、なんだよこれ」
男はカードの内容を見て手を震わせ、シャルルは口を手で押さえながら何とか声を出した。
「私、初めて見ましたよ。無職ってなんですか?」
「こっちが聞きたいよ……前より職歴が悪化してるじゃないか……」
「ほ、本当ですよ! 失礼ですね」
男が目覚めた場所は【オリエント】と呼ばれる国最古のギルドであった。
しかし、そのギルドにかつての面影は無く、古びたテーブルと埃の被った床が歴史を感じさせるのみである。
「でも、ギルドって事は人がいるはずだろ? みんなクエストに行ってるのか」
「そ……それは」
シャルルと名乗る少女は顔を下に向けた。何か言いたくない事でもあるかのように顔を引きつらせて。
「いや、なんかごめん」
「いいんですよ。いまオリエントに所属しているのは私と経理番のみですから、他の人達は父が死んでから出て行ってしまいました」
「君のお父さんが、このギルドの代表だったのか」
「はい……」
二人の間に流れる短い沈黙。
それは、このギルドの事をあまり尋ねない方がいいとのシャルルからの意思表示だったのかもしれない。
「あ、あのさ。そう言えばなんで俺がここにいる? 転生者ってもっと神殿とか教会とかで現れるんじゃないのか?」
「多分、王様が支配している神殿からあなたが現れたんだと思いますよ! その後すぐに王政府の判断で各ギルドに転生者が割り振られる仕組みなんです」
「だから、俺はここにいるのか」
「そうです! 本当に久しぶりなんですよ~。父が死んでから初めてじゃないですかね。転生者がギルドに割り振られたのは……これでクエストを受注できます」
「ん? でも、転生者じゃなくても異世界で生まれた人でもギルドでクエストを受注できるだろ?」
「できはしますが、ステータスに【職業】があるのが転生者のみなんですよ」
「職業?」
「はい! これを見た方が早いかな」
シャルルは男に職業の説明が書かれた紙を差し出した。手書きで書かれたそれは、男の為にシャルルが急いで用意したように思える。
●職業の四分類
剣士→剣を装備できる。
銃士→銃を装備できる。
盾士→盾を装備できる。
魔士→杖を装備できる。
シャルルが男にニヤついた顔を見せていると、男は逆に顔をしかめて言葉を続けた。
「雑すぎない?」
「しょうがないでしょ! さっき急いで書いたんです!」
「まぁ、何となく分かったよ。ありがとう」
「ふふふ。そうでしょうそうでしょう。じゃあ、見せてもらいましょうかね」
「何を?」
「あなたの職業をよ」
そう言うとシャルルは魔法陣の描かれたカードを取り出して、男の体に近づけた。
すると徐々にそのカードに男のステータスがに刻み込まれていく。
「俺の職業か……今までフリーターだったのに、こんな形で職が見つかるなんてな……」
「どうしたんですか? そんなに目を潤ませて」
「いや、なんでもないさ。それでどうだった? 俺の職業は」
「そうですね。あなたのは、ってあれ? こ……これは……」
「どうした?」
シャルルは、刻みついた男のステータスを見せる為に男にカードを渡した。
名前【リスト】
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HP10/10
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攻撃力10
防御力10
速力10
魔力10
「な、なんだよこれ」
男はカードの内容を見て手を震わせ、シャルルは口を手で押さえながら何とか声を出した。
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「こっちが聞きたいよ……前より職歴が悪化してるじゃないか……」
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