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第三話:私のご主人様はいつから起きていたのだろうか?
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きっかり5分後、ティアはもう一度ネムリに声を掛ける。
「ご主人様~起きてくださ~い…」
寝ている人に声を掛けると言う後ろめたさからか、ティアの声は尻蕾になって行く。
不安に苛まれ、ティアの目に涙が浮かび始めた頃…。
「いい匂い~」
ネムリから相変わらずの間延びした口調の返答が返ってくる。
ゆっくりと起き上がるネムリはそのままベッドから(それでも半分寝た状態で)出ると、そのままテーブル席に着く。
「ご飯、出来たの?」
「はっ、はい!直ぐにご用意致します!!」
座ってゆっくりと振り返り、声をかけられるまで惚けていたティアは慌てて直ぐに夕食の準備に取り掛かる。
そしてティアが全ての料理を出し終えると、ネムリは直ぐに料理に手を伸ばそうとする。
「ご主人様!?」
「ん~?」
「料理は毒が入っている可能性があります、それなのに直ぐに手を伸ばされるとは何をお考えなのですか!?」
「直ぐに私を殺して自由になるにはまだ体力が付いてない。それに、作っている人間が毒味前提の料理に毒入れないでしょ~」
「確かに…それはそうかも知れないですが…」
「私を本気で殺すなら、もっと信頼を得てからじゃないとね~」
「殺すなどと、滅相もない…!」
間延びした口調で的確な答えが返ってくる。
そして、そう言いながら確たる自信で料理を口へと運ぶ。
ただの平民の様な食べ方ではなく、優雅に上品に、何処かでマナーを教えられたのではないかと思う様な食べ方をする。
そんな彼女の姿に見蕩れていたティアを見て、ネムリは首を傾げる。
「食べないの~?」
「私は、ご主人様のお零れを頂ければ…」
「おやおや~、ご主人様の指示が聞けないのかな~?」
意地悪く聞くネムリに、ティアはどうしたものかと悩む。
当然お零れが貰えるように細工をして僅かに量は増やしているが、自分も一緒に食べるなどと想定していなかったので、正しくネムリが口をつけている料理が全てだった。
それを知ってか知らずか、ネムリはどんどん食事を進めていき、結局ティアがどうしようか考えているウチに料理が全て無くなってしまった。
最後のひと口を名残惜しそうに見るティアだったが、彼女の口に入る頃には諦めて目を伏せていた。
「そろそろ料理冷めちゃうかな~」
だからこそ、ネムリが言った言葉が理解出来ずに頭をあげる。
お皿には冷めるも何も料理は既に何も無い。
それはその料理を作っていたティアが誰よりも分かっていた。
「やっぱり料理は一緒に食べないとね~。ほら、ティアちゃんも座って~、ネムリお姉さんと一緒に食べようね~」
そう言ってネムリの向かいの席に座らされるティア、目を白黒させながらネムリを見上げる。
「おはよう『夢想花』」
ガラスが割れる音と同時に世界がヒビ割れ、目の前には温かい料理が並べられていた。
ネムリはゆっくりと自分が座っていた席に戻ると、食べて無くなっていたはずの料理も元に戻っていた。
「私のユニークスキル『夢想花』は、私が眠っている間、私の夢の世界に来てもらうこと~。改めておはよう、ティアちゃん」
そう言ったネムリは優しそうな眼差しでティアの事を見詰めていた。
「ご主人様~起きてくださ~い…」
寝ている人に声を掛けると言う後ろめたさからか、ティアの声は尻蕾になって行く。
不安に苛まれ、ティアの目に涙が浮かび始めた頃…。
「いい匂い~」
ネムリから相変わらずの間延びした口調の返答が返ってくる。
ゆっくりと起き上がるネムリはそのままベッドから(それでも半分寝た状態で)出ると、そのままテーブル席に着く。
「ご飯、出来たの?」
「はっ、はい!直ぐにご用意致します!!」
座ってゆっくりと振り返り、声をかけられるまで惚けていたティアは慌てて直ぐに夕食の準備に取り掛かる。
そしてティアが全ての料理を出し終えると、ネムリは直ぐに料理に手を伸ばそうとする。
「ご主人様!?」
「ん~?」
「料理は毒が入っている可能性があります、それなのに直ぐに手を伸ばされるとは何をお考えなのですか!?」
「直ぐに私を殺して自由になるにはまだ体力が付いてない。それに、作っている人間が毒味前提の料理に毒入れないでしょ~」
「確かに…それはそうかも知れないですが…」
「私を本気で殺すなら、もっと信頼を得てからじゃないとね~」
「殺すなどと、滅相もない…!」
間延びした口調で的確な答えが返ってくる。
そして、そう言いながら確たる自信で料理を口へと運ぶ。
ただの平民の様な食べ方ではなく、優雅に上品に、何処かでマナーを教えられたのではないかと思う様な食べ方をする。
そんな彼女の姿に見蕩れていたティアを見て、ネムリは首を傾げる。
「食べないの~?」
「私は、ご主人様のお零れを頂ければ…」
「おやおや~、ご主人様の指示が聞けないのかな~?」
意地悪く聞くネムリに、ティアはどうしたものかと悩む。
当然お零れが貰えるように細工をして僅かに量は増やしているが、自分も一緒に食べるなどと想定していなかったので、正しくネムリが口をつけている料理が全てだった。
それを知ってか知らずか、ネムリはどんどん食事を進めていき、結局ティアがどうしようか考えているウチに料理が全て無くなってしまった。
最後のひと口を名残惜しそうに見るティアだったが、彼女の口に入る頃には諦めて目を伏せていた。
「そろそろ料理冷めちゃうかな~」
だからこそ、ネムリが言った言葉が理解出来ずに頭をあげる。
お皿には冷めるも何も料理は既に何も無い。
それはその料理を作っていたティアが誰よりも分かっていた。
「やっぱり料理は一緒に食べないとね~。ほら、ティアちゃんも座って~、ネムリお姉さんと一緒に食べようね~」
そう言ってネムリの向かいの席に座らされるティア、目を白黒させながらネムリを見上げる。
「おはよう『夢想花』」
ガラスが割れる音と同時に世界がヒビ割れ、目の前には温かい料理が並べられていた。
ネムリはゆっくりと自分が座っていた席に戻ると、食べて無くなっていたはずの料理も元に戻っていた。
「私のユニークスキル『夢想花』は、私が眠っている間、私の夢の世界に来てもらうこと~。改めておはよう、ティアちゃん」
そう言ったネムリは優しそうな眼差しでティアの事を見詰めていた。
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