これを逃したらもう会えないと思った

久々の再会

「ねぇ、何年ぶり？」
「えーっ、六年ぶりかな？」
「超久しぶりじゃん。」


そう会話しているのは私、今井　千花（センカ）と同級生だった中川　サクラ。

成人式をしてから早六年。
高校の同窓会があるとのことで彼氏もいない私は
いつもより少し気合を入れて参加している。

私の予想していた通り、左手の薬指に指輪をする女子が多いことに
精神的ダメージを与えられる。



「ねぇねぇ、千花って高校時代誰か好きな人いなかったの？」
「えー…誰かいたかな？」
「それほどの記憶？（笑）
　あたしはサッカー部の先輩が大好きだったなー。」
「そういえば、サクラいつもグランドのフェンスの所で先輩の応援してたよね。」
「懐かしすぎる。先輩今、何してるんだろ…。」
「そうだね～。」


そう、私たちが他愛もない会話をしていると一人の男性が私たちに話しかけてきた。



「…あれ？千花じゃね？」

「え…っと…。」


私が名前が出ずに気まずそうにしていることに気付いたのか、
その男性は自己紹介をしてくれた。