忘れた恋のはずだった

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心の変化

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 中2の時、私は過ちを冒してしまった。
 目立ちたくなかった私は、陰キャを極める方向で毎年普通に生活するように努めていた。しかし、中2の時、それが叶わなかったのだ。
 中2に上がってすぐ、体力テストがあった。5月末に体育祭があるからバタバタしていたが。私は控えめに生きようとしているが、体力テストでは全力を尽くしてしまう。50メートル走なんかは大好きで8秒でゴールする。それでもこれまでは目立つ事がなかった。その記録を抜く人が適度にいたから。なのに、今年はその記録を抜くくらい足の速い人がいなかった。クラスで1番。選抜リレーに選ばれた。その時、私の人生は変わってしまったのだ。その頃私は書道部に入っていた。幽霊部員ではあったが。今でもその会話をハッキリと思い出せる。
「え、庄野めっちゃ速いじゃん」
「何部?」
「書道部なんだって」
「え! 文化部なのにこんなに速いの?」
「腹筋バキバキなんじゃない?」
「書道部でそんな事するの!?」
「腹筋ワンダーコアしてるんじゃない笑」
「やば笑」
「すげぇ笑」
 クラスで言う、陽キャ・一軍男子女子が、学活の時間の、みんなが静かにしてるこの時間、私の話をしている。目立つ事がなかったはずなのに、みんなが私を見ている。




でも、何故か嫌じゃなかった。




 その1年、私は陽キャ女子、二軍ぐらいの立ち位置でみんなと接したいた。私の人生にこんな事が起きるなんて想像してなかった。
 正直楽しかった。一軍のみんなが「あの人、怖い」なんて言ってる人と普通に会話だってしていた。修学旅行もすごく楽しかった。
 でも、それが全て今の私にした。
『からかい』
 もちろん、陽キャの立ち位置になれば男子と関わることだって多くなるって事は薄々勘づいてはいた。それが、私の悪夢だった。
 毎日毎日、男子からいじられ、笑いながらも「やめて」なんて言って。そんな日々がずっと続いた。正直それが原因で私は男子恐怖症みたいな感じになった。
 中3にあがった時、私は友達を1人しか作らなかった。しかもその子は元々保育園が同じだった子。元から友達だった子。つまり、3年生になってから作った友達は1人も居ない。挙句の果てには、この1年間、私は家族関係の男の人以外の男性と1度も喋っていない。きっとこのまま私はこの中学校を卒業するだろう。あと2ヶ月もないうちに受験を受け、卒業する。そもそも、高校に上がるのだから高3で友達作ってもバラバラになるんだから意味無いなんて思ってたから別にいい。
 そんなこんなで、私は人が少なくて、男子が少ないこの高校、学科に入学する事にした。そこでだったら、私にも少しの居場所があるんじゃないかなって思ったから。
「お母さん。携帯貸して~」
「また~?」
「この間借りたの1週間前だから」
『美咲~。今日は付き合ってくれてありがとね』
 そうメールを送ってふと思った。
 自分の携帯を持っていないっていうのも友達が出来ない原因なのではないだろうかと。
「携帯買って」
「高校入学したらね」
「えー、もうすぐじゃん」
「じゃあ、我慢して」
 これだから、人生生きているのが嫌になるんだよなんて、思っても口にすること無く。いつもみたいに聞こえてないフリして部屋に戻るのだ。
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