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第四章『輝宗の死』
伊達政宗、輝宗を殺すのは伊達じゃない その弐壱
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怒り狂った怪人二十面相は攻撃をしたが、ルパンとホームズのコンビに勝てるはずはなかった。配下も皆無、怪人二十面相はルパンに蹴り飛ばされる。
「ルパン! 二度目の負けがそんなに嫌か!?」
「フッ! つまらん。ホームズを守ると決めたんだから、私はホームズに降りかかる火の粉を払う。その火の粉が、今回は二十面相なんだよ」
「覚えていろ! 日本の宝を盗むということは、日本の名探偵・明智小五郎と日本の大怪盗・怪人二十面相を相手にするということだ! 次は必ず勝つぞ!」
「楽しみにしている。私を負かすほどの強敵との戦いは本望だ」
怪人二十面相は隠し扉の先に姿を消した。
ホームズはホッとして、ルパンと握手をする。「協力に感謝する。モラン大佐から逃れるために、これからも頼む」
「モラン大佐を捕まえるのは、確かホームズシリーズの六冊目の単行本『シャーロック・ホームズの帰還』に収められた短編『空き家の冒険』だったかな?」
「そうだ。それまでは僕をモラン大佐から守ってくれ」
「心得ている。その代わり、日本での泥棒を手伝ってくれよ」
「もちろんさ。全九冊にもなるホームズシリーズを、君にまっとうさせる。それより、ここは怪人二十面相のアジトだ! 怪人二十面相の泥棒道具がまだたくさんあるはずだぜ」
ルパンはちらりと、アジトの壁の棚にある泥棒道具を見つめる。
「僕も協力して怪人二十面相の泥棒道具を運び出すよ」
「ああ、助かる。では、配下も呼ぼう。──フリッツ!」
フリッツは焦りながら、ルパンの元に駆け寄った。「はい、どうしましたか?」
「日本にいる配下を全員呼び集めろ。そして、このアジトの中の道具を地上に運び出せ」
「わかりました!」
ルパンとホームズはいち早く、アジトにある泥棒道具を確認した。そして、ルパンは四角い箱を手に持って大喜びをした。
「どうしたんだい、ルパン?」
「二十面相がこの『空飛ぶ箱』を使って空を飛んでいたんだ。これを使えば泥棒がかなりはかどるんじゃないか?」
「空を飛ぶ!? そんなことが出来るのか?」
「日本には『百聞は一見にしかず』という言葉があるらしくてね、何回か聞くより一回見た方が早いってわけだよ」
「的確な言葉だ。では、地上に出てその箱を試してみよう」
「私もこれを試すのは初めてだが、怪人二十面相は私の前で使っていた。捜査方法は何となくわかる」
「それは良い!」
二人は地上に出て、ルパンは箱を背負ってみた。すると、両足が地面から少しずつ離れていった。
ホームズは目を見開く。「時代とは移り変わるものだね!」
「ハハハ! こりゃすごい! さすが二十面相だ。こんな泥棒道具を生み出すとは! 私を以前、倒しただけのことはある」
ルパンは好きなように空中を飛び回った。キレイに旋回する方法を見つけ、ホームズを驚かせた。
「エンジンは最低限しかない。だからか、はるか上にはなかなか飛ばない。これは、改良の余地がありそうだ。あとで小細工に長けた者を手配しよう」
ルパンは地上に降りて、次はホームズが箱を背負った。飛ぶとバランスを取るのには苦労したが、ホームズは数分でコツを掴んだ。そして、自由に飛んだ。
「ホームズ! そろそろエンジンが──」
ルパンがそう言いかけた時、箱のエンジンが切れてホームズは地面に真っ逆さまに落ちた。
「いたたたた......」
「大丈夫か?」
「ああ、一応はね」
ルパンは箱をフリッツに預けると、二人で再度アジトから怪人二十面相の泥棒道具を運び出した。
それから、ルパンとホームズは日本の宝を盗んでいった。怪人二十面相、否、明智小五郎はルパン一味の逮捕に尽力したが、まんまと出し抜かれた。それは、ルパン一味が改良した空飛ぶ箱のお陰である。
その後、ルパンはイギリスのワトスンの元に送り届けられた。ホームズは老人の変装をして、本を何冊か小脇に抱えた。ワトスンの後ろに回ると、ワトスンはホームズにぶつかり、ホームズの持っていた本が地面に落ちた。
ワトスンは老人に変装したホームズを見る。「あ、すみません!」
ホームズはイタズラに、嫌な顔をして見せた。するとワトスンは本を拾い上げてホームズに返し、人混みに分け入っていった。
ホームズはニヤリと笑った。「この変装でワトスンのところへ行ったら、さぞ面白かろう!」
ワトスンの向かう書斎に先回りしたホームズは、ワトスンが入ってから扉を叩く。するとメイドが出てきて、ワトスンの元へ通された。
ホームズはギョッとしたワトスンを、内心笑った。「私が来て、驚きましたか?」
「それはもちろん。先ほどは気を悪くさせてすみません」
「いえ、私は本を拾ってくれて助かりました。最近は腰がうまく曲がらないもので。
私はあなたを見つけて後を付けていきました。お礼を言いに来たのです」
「それはわざわざありがとうございます」
「おや」ホームズはワトスンの後ろの本棚を指差した。「そこの本棚、少し乱雑に本が入れられていやしませんか?」
ワトスンは振り返って、本棚の本を直した。そしてまた振り返ると、ホームズは変装を解いた。
「やっ! ほ、ホームズ!」
ワトスンは変装を解いたホームズを見て、ひどく驚いた。本を落とした老人がワトスンを訪ねてきた時より、ギョッとした。そして、気絶して床に突っ伏した。
「ルパン! 二度目の負けがそんなに嫌か!?」
「フッ! つまらん。ホームズを守ると決めたんだから、私はホームズに降りかかる火の粉を払う。その火の粉が、今回は二十面相なんだよ」
「覚えていろ! 日本の宝を盗むということは、日本の名探偵・明智小五郎と日本の大怪盗・怪人二十面相を相手にするということだ! 次は必ず勝つぞ!」
「楽しみにしている。私を負かすほどの強敵との戦いは本望だ」
怪人二十面相は隠し扉の先に姿を消した。
ホームズはホッとして、ルパンと握手をする。「協力に感謝する。モラン大佐から逃れるために、これからも頼む」
「モラン大佐を捕まえるのは、確かホームズシリーズの六冊目の単行本『シャーロック・ホームズの帰還』に収められた短編『空き家の冒険』だったかな?」
「そうだ。それまでは僕をモラン大佐から守ってくれ」
「心得ている。その代わり、日本での泥棒を手伝ってくれよ」
「もちろんさ。全九冊にもなるホームズシリーズを、君にまっとうさせる。それより、ここは怪人二十面相のアジトだ! 怪人二十面相の泥棒道具がまだたくさんあるはずだぜ」
ルパンはちらりと、アジトの壁の棚にある泥棒道具を見つめる。
「僕も協力して怪人二十面相の泥棒道具を運び出すよ」
「ああ、助かる。では、配下も呼ぼう。──フリッツ!」
フリッツは焦りながら、ルパンの元に駆け寄った。「はい、どうしましたか?」
「日本にいる配下を全員呼び集めろ。そして、このアジトの中の道具を地上に運び出せ」
「わかりました!」
ルパンとホームズはいち早く、アジトにある泥棒道具を確認した。そして、ルパンは四角い箱を手に持って大喜びをした。
「どうしたんだい、ルパン?」
「二十面相がこの『空飛ぶ箱』を使って空を飛んでいたんだ。これを使えば泥棒がかなりはかどるんじゃないか?」
「空を飛ぶ!? そんなことが出来るのか?」
「日本には『百聞は一見にしかず』という言葉があるらしくてね、何回か聞くより一回見た方が早いってわけだよ」
「的確な言葉だ。では、地上に出てその箱を試してみよう」
「私もこれを試すのは初めてだが、怪人二十面相は私の前で使っていた。捜査方法は何となくわかる」
「それは良い!」
二人は地上に出て、ルパンは箱を背負ってみた。すると、両足が地面から少しずつ離れていった。
ホームズは目を見開く。「時代とは移り変わるものだね!」
「ハハハ! こりゃすごい! さすが二十面相だ。こんな泥棒道具を生み出すとは! 私を以前、倒しただけのことはある」
ルパンは好きなように空中を飛び回った。キレイに旋回する方法を見つけ、ホームズを驚かせた。
「エンジンは最低限しかない。だからか、はるか上にはなかなか飛ばない。これは、改良の余地がありそうだ。あとで小細工に長けた者を手配しよう」
ルパンは地上に降りて、次はホームズが箱を背負った。飛ぶとバランスを取るのには苦労したが、ホームズは数分でコツを掴んだ。そして、自由に飛んだ。
「ホームズ! そろそろエンジンが──」
ルパンがそう言いかけた時、箱のエンジンが切れてホームズは地面に真っ逆さまに落ちた。
「いたたたた......」
「大丈夫か?」
「ああ、一応はね」
ルパンは箱をフリッツに預けると、二人で再度アジトから怪人二十面相の泥棒道具を運び出した。
それから、ルパンとホームズは日本の宝を盗んでいった。怪人二十面相、否、明智小五郎はルパン一味の逮捕に尽力したが、まんまと出し抜かれた。それは、ルパン一味が改良した空飛ぶ箱のお陰である。
その後、ルパンはイギリスのワトスンの元に送り届けられた。ホームズは老人の変装をして、本を何冊か小脇に抱えた。ワトスンの後ろに回ると、ワトスンはホームズにぶつかり、ホームズの持っていた本が地面に落ちた。
ワトスンは老人に変装したホームズを見る。「あ、すみません!」
ホームズはイタズラに、嫌な顔をして見せた。するとワトスンは本を拾い上げてホームズに返し、人混みに分け入っていった。
ホームズはニヤリと笑った。「この変装でワトスンのところへ行ったら、さぞ面白かろう!」
ワトスンの向かう書斎に先回りしたホームズは、ワトスンが入ってから扉を叩く。するとメイドが出てきて、ワトスンの元へ通された。
ホームズはギョッとしたワトスンを、内心笑った。「私が来て、驚きましたか?」
「それはもちろん。先ほどは気を悪くさせてすみません」
「いえ、私は本を拾ってくれて助かりました。最近は腰がうまく曲がらないもので。
私はあなたを見つけて後を付けていきました。お礼を言いに来たのです」
「それはわざわざありがとうございます」
「おや」ホームズはワトスンの後ろの本棚を指差した。「そこの本棚、少し乱雑に本が入れられていやしませんか?」
ワトスンは振り返って、本棚の本を直した。そしてまた振り返ると、ホームズは変装を解いた。
「やっ! ほ、ホームズ!」
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