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第四章『輝宗の死』
伊達政宗、輝宗を殺すのは伊達じゃない その弐零
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怪人二十面相から逃れるため、ルパンは小屋に入った。しかし、荒い呼吸で気付かれて、谷底に落とされてしまう。
「二十面相!」
ルパンは叫んだ。だが、怪人二十面相はじっと落ちるまで見つめているだけだった。ルパンは助かるために、泥棒に使う道具で何かないか懐を探った。
「そうか、何もない」
眼光を鋭く光らせたルパンは小屋の壁にしがみついて、地面に直撃する際にダメージを最小限に抑えるために宙をうまい具合に舞った。ルパンが着地する頃には、小屋は半壊だった。
「一周忌にはここに来てやる」
怪人二十面相が去ってから、ルパンは小屋から抜け出す。
「フゥ」ルパンは岩にもたれかかる。「さすが柔道が生まれた国、Japonだ。野蛮すぎる」
汚れた服を脱ぐと、配下を呼び寄せて新たな服に着替える。小道具もポケットに入れて、何とか様になった。
「フリッツ。ホームズは?」
ルパンに呼ばれたフリッツという配下は、返事をしてから駆け寄った。「ホームズは怪人二十面相のアジトで、現在幽閉されています」
「そうか。アジトへ向かおう」
「それと、そろそろホームズは山羊の盲腸のチューブに入った手紙を読むことでしょう」
「それは良い。それに間に合うように急ぐか」
「はい」
二人は車に乗り込んで、ルパンは運転席でハンドルを握った。フリッツは実弾の入った銃を持って、後方を警戒した。
「そこを右です」
「ああ、右だな?」
ルパンはハンドルを操作して右に曲がり、道なりに進んだ。フリッツが、ストップ、と言うとルパンは降車した。
「ここの地下にアジトがあるようです」
「威力の低い黒色火薬を持ってこい。実弾銃を持った傭兵崩れも連れてくるんだ」
「わかりました」
人を殺さないのがモットーのルパンは、フリッツが持ってきた黒色火薬とマッチを持った。
「ホームズが紙幣を監視役に渡し、怪人二十面相がホームズの元へ行ったら教えろ」
怪人二十面相の配下は怪人二十面相に忠実だ。ホームズが監視役に紙幣を渡したら、必ず監視役は怪人二十面相に報告する。そうしたら、怪人二十面相はホームズの元へ行くはずだ。
怪人二十面相を入り口から遠ざければ、配下を相手にするだけだからルパンは一瞬でアジトを乗っ取れる。
これはルパンの作戦であり、緊急時の場合に備えてホームズが指にはめていたチューブに、今回の作戦内容を書いた手紙を入れていたのだ。この手紙を読んだホームズは、紙幣で怪人二十面相を引き寄せた。
「ボス。ホームズが怪人二十面相を引き寄せました」
「やるな、ホームズ!」
ルパンは黒色火薬を怪人二十面相のアジトに投げ込んだ。するとたちまち爆発し、ルパンはアジトに乗り込む。
「掛かってこい!」
ルパンは素手で対人戦闘をし、アジトのほとんどを掌握した。
作戦がうまくいったのだとわかったホームズは、腕を組んだ。「僕はコカインが欲しいね。パイプでも良いよ。ああ、パイプは陶器製のもので頼むよ」
「貴様、図ったな」
「探偵とはそういうもので、泥棒なら一手先を読むものだ。君は僕とルパンのコンビには敵わない」
「ルパン単体には勝利を収めた」
「それは君が人を殺したから勝てたんだ。ルパンから聞いた。君はルパンを倒すためにルパンの配下を殺したようだね」
「チッ! このやろう! 俺を舐めるなよ!」
「まあ落ち着け。君はすぐにルパンに倒されるんだ」
ホームズの言葉通り、ルパンは怪人二十面相の前に現れた。「待たせたな、二十面相」
「一周忌まで待っていればいいものを、貴様!」
「感情が高ぶっているようだ。冷静さを欠けば、私を倒すことは出来ないぜ」
「俺は冷静さに欠くかもしれんが、ルパンは合理性に欠くよ。このホームズを助け出すために、アジトにまで足を運ぶとはな」
「ホームズを守ると約束したから、助け出すためにアジトに来るのは当然のことだ」
「どいつもこいつもつまらん奴だ」
ルパンはつい笑ってしまう。「つまらん奴がドイツで良かった。ドイツではなくフランスがつまらん奴だったら、私はショックなのでね」
ルパンはフランスで生まれた小説の主人公である。
「くだらない洒落だ」
「日本語はうまくなっただろ?」
二人の会話を聞きながら、ホームズは牢屋の扉を自力で解錠した。
「ホームズ、来い」
「ああ、わかっている。陶器製のパイプとコカインはあるだろうね?」
「あとで持ってこさせる」
ルパンとホームズは合流し、怪人二十面相の方へ向いた。
怪人二十面相は眉間に皺を寄せた。「ちくしょう! テメェら二人を相手にしてやる! 掛かってこい!」
配下が全員やられて、アジトを乗っ取られた怪人二十面相はやけくそだった。怪人二十面相としては珍しい実弾銃を手にして、銃口を二人に向ける。
ルパンは歯ぎしりをする。「ついに実弾銃を持ったか」
「先輩だからと図に乗るな、ルパン。覚悟しろ。谷底に落ちなかったことを後悔するんだな!」
ホームズはルパンからステッキを渡されて、先を怪人二十面相に向ける。ルパンも実弾銃を怪人二十面相に向けていて、怪人二十面相は雄叫びを上げた。戦争開始の合図であろう。
「二十面相!」
ルパンは叫んだ。だが、怪人二十面相はじっと落ちるまで見つめているだけだった。ルパンは助かるために、泥棒に使う道具で何かないか懐を探った。
「そうか、何もない」
眼光を鋭く光らせたルパンは小屋の壁にしがみついて、地面に直撃する際にダメージを最小限に抑えるために宙をうまい具合に舞った。ルパンが着地する頃には、小屋は半壊だった。
「一周忌にはここに来てやる」
怪人二十面相が去ってから、ルパンは小屋から抜け出す。
「フゥ」ルパンは岩にもたれかかる。「さすが柔道が生まれた国、Japonだ。野蛮すぎる」
汚れた服を脱ぐと、配下を呼び寄せて新たな服に着替える。小道具もポケットに入れて、何とか様になった。
「フリッツ。ホームズは?」
ルパンに呼ばれたフリッツという配下は、返事をしてから駆け寄った。「ホームズは怪人二十面相のアジトで、現在幽閉されています」
「そうか。アジトへ向かおう」
「それと、そろそろホームズは山羊の盲腸のチューブに入った手紙を読むことでしょう」
「それは良い。それに間に合うように急ぐか」
「はい」
二人は車に乗り込んで、ルパンは運転席でハンドルを握った。フリッツは実弾の入った銃を持って、後方を警戒した。
「そこを右です」
「ああ、右だな?」
ルパンはハンドルを操作して右に曲がり、道なりに進んだ。フリッツが、ストップ、と言うとルパンは降車した。
「ここの地下にアジトがあるようです」
「威力の低い黒色火薬を持ってこい。実弾銃を持った傭兵崩れも連れてくるんだ」
「わかりました」
人を殺さないのがモットーのルパンは、フリッツが持ってきた黒色火薬とマッチを持った。
「ホームズが紙幣を監視役に渡し、怪人二十面相がホームズの元へ行ったら教えろ」
怪人二十面相の配下は怪人二十面相に忠実だ。ホームズが監視役に紙幣を渡したら、必ず監視役は怪人二十面相に報告する。そうしたら、怪人二十面相はホームズの元へ行くはずだ。
怪人二十面相を入り口から遠ざければ、配下を相手にするだけだからルパンは一瞬でアジトを乗っ取れる。
これはルパンの作戦であり、緊急時の場合に備えてホームズが指にはめていたチューブに、今回の作戦内容を書いた手紙を入れていたのだ。この手紙を読んだホームズは、紙幣で怪人二十面相を引き寄せた。
「ボス。ホームズが怪人二十面相を引き寄せました」
「やるな、ホームズ!」
ルパンは黒色火薬を怪人二十面相のアジトに投げ込んだ。するとたちまち爆発し、ルパンはアジトに乗り込む。
「掛かってこい!」
ルパンは素手で対人戦闘をし、アジトのほとんどを掌握した。
作戦がうまくいったのだとわかったホームズは、腕を組んだ。「僕はコカインが欲しいね。パイプでも良いよ。ああ、パイプは陶器製のもので頼むよ」
「貴様、図ったな」
「探偵とはそういうもので、泥棒なら一手先を読むものだ。君は僕とルパンのコンビには敵わない」
「ルパン単体には勝利を収めた」
「それは君が人を殺したから勝てたんだ。ルパンから聞いた。君はルパンを倒すためにルパンの配下を殺したようだね」
「チッ! このやろう! 俺を舐めるなよ!」
「まあ落ち着け。君はすぐにルパンに倒されるんだ」
ホームズの言葉通り、ルパンは怪人二十面相の前に現れた。「待たせたな、二十面相」
「一周忌まで待っていればいいものを、貴様!」
「感情が高ぶっているようだ。冷静さを欠けば、私を倒すことは出来ないぜ」
「俺は冷静さに欠くかもしれんが、ルパンは合理性に欠くよ。このホームズを助け出すために、アジトにまで足を運ぶとはな」
「ホームズを守ると約束したから、助け出すためにアジトに来るのは当然のことだ」
「どいつもこいつもつまらん奴だ」
ルパンはつい笑ってしまう。「つまらん奴がドイツで良かった。ドイツではなくフランスがつまらん奴だったら、私はショックなのでね」
ルパンはフランスで生まれた小説の主人公である。
「くだらない洒落だ」
「日本語はうまくなっただろ?」
二人の会話を聞きながら、ホームズは牢屋の扉を自力で解錠した。
「ホームズ、来い」
「ああ、わかっている。陶器製のパイプとコカインはあるだろうね?」
「あとで持ってこさせる」
ルパンとホームズは合流し、怪人二十面相の方へ向いた。
怪人二十面相は眉間に皺を寄せた。「ちくしょう! テメェら二人を相手にしてやる! 掛かってこい!」
配下が全員やられて、アジトを乗っ取られた怪人二十面相はやけくそだった。怪人二十面相としては珍しい実弾銃を手にして、銃口を二人に向ける。
ルパンは歯ぎしりをする。「ついに実弾銃を持ったか」
「先輩だからと図に乗るな、ルパン。覚悟しろ。谷底に落ちなかったことを後悔するんだな!」
ホームズはルパンからステッキを渡されて、先を怪人二十面相に向ける。ルパンも実弾銃を怪人二十面相に向けていて、怪人二十面相は雄叫びを上げた。戦争開始の合図であろう。
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