239 / 245
第五章『奥州の覇者』
伊達政宗、隻眼の覇者は伊達じゃない その陸陸
しおりを挟む
柏木が裏切る可能性は100%に近かった。彼女は両親を生き返らせるために錬金術を学んでいて、魔女教の生命の魔女エヴァは不死身。もしエヴァが死者蘇生の方法を教えると柏木に言えば、柏木は喜んでこちらを裏切ると誰もが思っていた。
だから今回の事件でさほど驚いている者はいなかった。柏木が藤堂に硫酸をぶっ掛けた理由はわからないが、その点に関しては仁和が結論を出していた。
数日に渡り柏木の錬金を見ていた藤堂によって、錬金術が政宗側に伝わることをおそれての犯行だと仁和は推測している。ただ数日のうちに作れた薬品の濃度など高が知れているので、結果として藤堂の体を水で洗い流すだけで硫酸は完全に落ちた。
藤堂の体から硫酸が洗い流されると、仁和は灰吹金などを保管していた場所へ向かう。そしてそれらが無事だったことに安堵した。しかし仁和ははたと気付き、保管されていた灰吹金──もとい金鍍金が塗られているだけの丸い石──を掴んで床に投げ捨てた。
柏木が裏切ることは目に見えていたから、灰吹金などの管理は厳重にしているつもりだった。だが、まさか金鍍金を用いて灰吹金の偽物を用意しているとは思わなかった。
「柏木殿が灰吹金だけを偽物とすり替えて盗み出した理由は何でしょうか。......ああ、そういえば錬金術では不老不死が金と関係しているなんて言われていましたね」
金は長い年月を経ても変化しない性質から、不老不死との関連性が錬金術師によって研究されていた。だから柏木は金だけを盗み出したのだ、と仁和は考える。あながち間違ってはいなかった。
しかし柏木はどうやって丸い石に金鍍金をしたのか。仁和はうなり声を上げながら悩み、アマルガムのことを思い出した。
アマルガムとは水銀と他の金属の合金のことだ。金と水銀の合金を''金アマルガム''と言い、金より水銀の方が融点が低いので、金アマルガムを塗った物を火にかざすと水銀だけが蒸発して金だけが表面に残る。
このような鍍金の方法は古くから行われていた。では仮に柏木はその方法で鍍金をしたとして、水銀はどこで調達したのか。簡単なことだ。辰砂である。
辰砂とは天然でも産出されている赤い石で、別名は''賢者の石''。水銀と硫黄の化合物である辰砂は熱すると水銀を得ることが可能で、水銀を用いて金鍍金が出来ることから辰砂は錬金術師に注目された。だからこそ賢者の石とも呼ばれている。
くわしい者なら山で入手可能な辰砂から水銀を得た柏木が、金鍍金で灰吹金の偽物を作り、本物とすり替えられた。多分、柏木も灰吹金が厳重に保管されていることを知ったからこそ、偽物を作ってすり替えたのだろう。完全に仁和はしてやられた。
「これで資金調達の計画はご破算ですか」
無論、愚者の金とも呼ばれる黄鉄鉱などは盗まれてはいないが、見る者が見れば勘づかれてしまう。仁和は深くため息を吐き出し、藤堂の元へ戻った。彼はすでに心を落ち着けていて、戻ってくる仁和に問いかける。
「仁和様、灰吹金はどうでしたか?」
「駄目でした。偽物とすり替えられていました」
「油断していましたね。まさか偽物を作っているとは。一刻も早く主様を見つけて、魔女教の襲撃に備えを──」
灰吹金が盗まれていても藤堂はあまり驚かない。そんなのは彼にとって予想の範囲内で、藤堂が危惧しているのは敵襲であった。そのことを言い終える前に、外から凄まじい爆音が聞こえてくる。もう来たのか、と皆表情が引き締めた。
「敵襲!」仁和は全力で叫ぶ。「おそらく魔女教の襲撃と思われます! 戦える者は鎧を纏って死地へ! 戦えぬ者は後方支援! 戦いの火蓋はもう落とされています!」
「「行くぞおおおぉぉぉぉぉ!?」」
仁和は当然非戦闘要員だ。鎧を纏うものの、武器は持たず後方支援に回る。寺は寺で襲撃に備えてはいるものの、攻撃を仕掛ける気はないようだ。
東野と忠義はいつものように後方で弓を構えている。前方ではジョセフやクロークなどの人外が並び、人外に準ずる強さを誇るホームズを筆頭にした者達はその横を陣取っていた。
寺から一歩出れば砂埃が舞っていて視界不良なのだが、これは魔女教による爆撃のせいだ。爆撃と言っても、魔女教からしてみたら挨拶のために放ったに過ぎないのだが。
砂埃や煙の奥から話し声やら足音が聞こえる。それが次第に大きくなり、ある集団が姿を現し始めた。その集団を引き連れ、先頭に立っているのは生命の魔女エヴァ。彼女を視界に捉え、九頭竜は驚きを禁じ得ない。
「おや、お出迎えのようだ」エヴァは立ち止まり、集団を代表して挨拶をする。「諸君、初めましてかな。我々は魔女教信徒! さあ、戦争を始めよう!」
否、本人には挨拶のつもりしかない開戦宣言をエヴァは始めたのである。これには隣りに立つセシリアがエヴァに訂正するように耳打ちし、咳払いをしてから挨拶をやり直した。
「コホンッ! 失礼した。私は魔女教断罪執行担当、魔女格のエヴァだ。早速だが、殺し合おうか」
「おいエヴァ、それでは説明になっていないだろ。もう良い、我が説明をする」
さすがにしびれを切らしたようだ。
「ではセシリアに任せよう」
「引き受けた。──さてこちらの話しはまとまったので、まずは説明をさせてもらおう。我々は新興宗教・魔女教。我は魔女教統括担当、魔女格のセシリアだ。
そちらに元罪人格のエリアスと剣崎、それとエヴァの飼っていた犬っころがいるはずだが?」
セシリアに自分の名前が呼ばれたので、エリアスは剣崎とともに前に出る。
「お久しぶりですね、魅惑の魔女。私や剣崎君に何かご用で?」
「この裏切り者めがっ! 我は貴様が気に入らんが、教祖様はエリアスに戻ってきてもらいたいそうだ。どうする?」
「私が魔女教に戻って欲しくば教祖が頭を下げに来い、と言っていたとお伝えください」
「そうか、ならば蹂躙するまでだ。柏木とかいう奴からそっちの情報は大分手に入れているからな。どうやら当主不在のようだな」
「お屋形様には何か事情があるのでしょう。新参者の私には推し量れないお方ですから」
「まさか政宗という若造をエリアスがそこまで買うとは。過大評価じゃないか、まったく」
実際にエリアスは政宗のことを買いかぶり過ぎている節があるが、この発言で政宗を慕っていたエリアスや仁和などの配下がブチ切れた。
この発言が政宗陣営を開戦へと駆り立てることになる。当然、当の本人である政宗は知るよしもなかった。
だから今回の事件でさほど驚いている者はいなかった。柏木が藤堂に硫酸をぶっ掛けた理由はわからないが、その点に関しては仁和が結論を出していた。
数日に渡り柏木の錬金を見ていた藤堂によって、錬金術が政宗側に伝わることをおそれての犯行だと仁和は推測している。ただ数日のうちに作れた薬品の濃度など高が知れているので、結果として藤堂の体を水で洗い流すだけで硫酸は完全に落ちた。
藤堂の体から硫酸が洗い流されると、仁和は灰吹金などを保管していた場所へ向かう。そしてそれらが無事だったことに安堵した。しかし仁和ははたと気付き、保管されていた灰吹金──もとい金鍍金が塗られているだけの丸い石──を掴んで床に投げ捨てた。
柏木が裏切ることは目に見えていたから、灰吹金などの管理は厳重にしているつもりだった。だが、まさか金鍍金を用いて灰吹金の偽物を用意しているとは思わなかった。
「柏木殿が灰吹金だけを偽物とすり替えて盗み出した理由は何でしょうか。......ああ、そういえば錬金術では不老不死が金と関係しているなんて言われていましたね」
金は長い年月を経ても変化しない性質から、不老不死との関連性が錬金術師によって研究されていた。だから柏木は金だけを盗み出したのだ、と仁和は考える。あながち間違ってはいなかった。
しかし柏木はどうやって丸い石に金鍍金をしたのか。仁和はうなり声を上げながら悩み、アマルガムのことを思い出した。
アマルガムとは水銀と他の金属の合金のことだ。金と水銀の合金を''金アマルガム''と言い、金より水銀の方が融点が低いので、金アマルガムを塗った物を火にかざすと水銀だけが蒸発して金だけが表面に残る。
このような鍍金の方法は古くから行われていた。では仮に柏木はその方法で鍍金をしたとして、水銀はどこで調達したのか。簡単なことだ。辰砂である。
辰砂とは天然でも産出されている赤い石で、別名は''賢者の石''。水銀と硫黄の化合物である辰砂は熱すると水銀を得ることが可能で、水銀を用いて金鍍金が出来ることから辰砂は錬金術師に注目された。だからこそ賢者の石とも呼ばれている。
くわしい者なら山で入手可能な辰砂から水銀を得た柏木が、金鍍金で灰吹金の偽物を作り、本物とすり替えられた。多分、柏木も灰吹金が厳重に保管されていることを知ったからこそ、偽物を作ってすり替えたのだろう。完全に仁和はしてやられた。
「これで資金調達の計画はご破算ですか」
無論、愚者の金とも呼ばれる黄鉄鉱などは盗まれてはいないが、見る者が見れば勘づかれてしまう。仁和は深くため息を吐き出し、藤堂の元へ戻った。彼はすでに心を落ち着けていて、戻ってくる仁和に問いかける。
「仁和様、灰吹金はどうでしたか?」
「駄目でした。偽物とすり替えられていました」
「油断していましたね。まさか偽物を作っているとは。一刻も早く主様を見つけて、魔女教の襲撃に備えを──」
灰吹金が盗まれていても藤堂はあまり驚かない。そんなのは彼にとって予想の範囲内で、藤堂が危惧しているのは敵襲であった。そのことを言い終える前に、外から凄まじい爆音が聞こえてくる。もう来たのか、と皆表情が引き締めた。
「敵襲!」仁和は全力で叫ぶ。「おそらく魔女教の襲撃と思われます! 戦える者は鎧を纏って死地へ! 戦えぬ者は後方支援! 戦いの火蓋はもう落とされています!」
「「行くぞおおおぉぉぉぉぉ!?」」
仁和は当然非戦闘要員だ。鎧を纏うものの、武器は持たず後方支援に回る。寺は寺で襲撃に備えてはいるものの、攻撃を仕掛ける気はないようだ。
東野と忠義はいつものように後方で弓を構えている。前方ではジョセフやクロークなどの人外が並び、人外に準ずる強さを誇るホームズを筆頭にした者達はその横を陣取っていた。
寺から一歩出れば砂埃が舞っていて視界不良なのだが、これは魔女教による爆撃のせいだ。爆撃と言っても、魔女教からしてみたら挨拶のために放ったに過ぎないのだが。
砂埃や煙の奥から話し声やら足音が聞こえる。それが次第に大きくなり、ある集団が姿を現し始めた。その集団を引き連れ、先頭に立っているのは生命の魔女エヴァ。彼女を視界に捉え、九頭竜は驚きを禁じ得ない。
「おや、お出迎えのようだ」エヴァは立ち止まり、集団を代表して挨拶をする。「諸君、初めましてかな。我々は魔女教信徒! さあ、戦争を始めよう!」
否、本人には挨拶のつもりしかない開戦宣言をエヴァは始めたのである。これには隣りに立つセシリアがエヴァに訂正するように耳打ちし、咳払いをしてから挨拶をやり直した。
「コホンッ! 失礼した。私は魔女教断罪執行担当、魔女格のエヴァだ。早速だが、殺し合おうか」
「おいエヴァ、それでは説明になっていないだろ。もう良い、我が説明をする」
さすがにしびれを切らしたようだ。
「ではセシリアに任せよう」
「引き受けた。──さてこちらの話しはまとまったので、まずは説明をさせてもらおう。我々は新興宗教・魔女教。我は魔女教統括担当、魔女格のセシリアだ。
そちらに元罪人格のエリアスと剣崎、それとエヴァの飼っていた犬っころがいるはずだが?」
セシリアに自分の名前が呼ばれたので、エリアスは剣崎とともに前に出る。
「お久しぶりですね、魅惑の魔女。私や剣崎君に何かご用で?」
「この裏切り者めがっ! 我は貴様が気に入らんが、教祖様はエリアスに戻ってきてもらいたいそうだ。どうする?」
「私が魔女教に戻って欲しくば教祖が頭を下げに来い、と言っていたとお伝えください」
「そうか、ならば蹂躙するまでだ。柏木とかいう奴からそっちの情報は大分手に入れているからな。どうやら当主不在のようだな」
「お屋形様には何か事情があるのでしょう。新参者の私には推し量れないお方ですから」
「まさか政宗という若造をエリアスがそこまで買うとは。過大評価じゃないか、まったく」
実際にエリアスは政宗のことを買いかぶり過ぎている節があるが、この発言で政宗を慕っていたエリアスや仁和などの配下がブチ切れた。
この発言が政宗陣営を開戦へと駆り立てることになる。当然、当の本人である政宗は知るよしもなかった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
名もなき民の戦国時代
のらしろ
ファンタジー
徹夜で作った卒論を持って大学に向かう途中で、定番の異世界転生。
異世界特急便のトラックにはねられて戦国時代に飛ばされた。
しかも、よくある有名人の代わりや、戦国武将とは全く縁もゆかりもない庶民、しかも子供の姿で桑名傍の浜に打ち上げられる。
幸いなことに通りかかった修行僧の玄奘様に助けられて異世界生活が始まる。
でも、庶民、それも孤児の身分からの出発で、大学生までの生活で培った現代知識だけを持ってどこまで戦国の世でやっていけるか。
とにかく、主人公の孫空は生き残ることだけ考えて、周りを巻き込み無双していくお話です。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
本能寺からの決死の脱出 ~尾張の大うつけ 織田信長 天下を統一す~
bekichi
歴史・時代
戦国時代の日本を背景に、織田信長の若き日の物語を語る。荒れ狂う風が尾張の大地を駆け巡る中、夜空の星々はこれから繰り広げられる壮絶な戦いの予兆のように輝いている。この混沌とした時代において、信長はまだ無名であったが、彼の野望はやがて天下を揺るがすことになる。信長は、父・信秀の治世に疑問を持ちながらも、独自の力を蓄え、異なる理想を追求し、反逆者とみなされることもあれば期待の星と讃えられることもあった。彼の目標は、乱世を統一し平和な時代を創ることにあった。物語は信長の足跡を追い、若き日の友情、父との確執、大名との駆け引きを描く。信長の人生は、斎藤道三、明智光秀、羽柴秀吉、徳川家康、伊達政宗といった時代の英傑たちとの交流とともに、一つの大きな物語を形成する。この物語は、信長の未知なる野望の軌跡を描くものである。
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる