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ヴィクトリア朝イギリス
アヘン窟「金の棒」
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短編『唇の捩れた男』では、アヘン窟である『金の棒』が登場します。アヘン窟はアヘンの販売や喫煙などをしていた場所です。さすがのホームズもアヘンには手を出していません。
【所在地】
作中での描写だと、『金の棒』はロンドン橋の下手の北岸に並ぶ高い荷揚げ場の裏にある汚らしいアッパースワンダム小路にあるようです。
ロンドン橋と交差するテムズ河の左岸に通じている下町にテムズ街、ロンドン橋の下手にロワーテムズ街、上手にアッパーテムズ街があります。しかし、橋の下流側河岸に大きな税関の建物があり、作中の描写と符合しません。
上流側であるアッパーテムズ街には荷揚げ場がいくつもあり、街並みも作中の描写通りです。そのことからアッパースワンダムはアッパーテムズのことで、『金の棒』はロンドン橋の上流側にあったと考えるのが妥当であるようでして、作中でロンドン橋の下流側だと記されていたのは本当の場所を隠すためのフェイントだと平賀三郎さんが言っています。
現にワトスンは正典を書く際に架空の地名を使ったりしています。くわしくは『ヴィクトリア朝イギリス』の章の『地理学』の頁で後述します。
齋藤長三さんによると、『金の棒』は作中で『ポール波止場のそば』という描写があることから、ロンドン橋の西側にあるトリッグ小路にあったと推測されるようです。
【金の棒】
作中での記述によると、『金の棒』の経営者は悪辣なインド水夫です。ホームズは以前、この『金の棒』を捜査に利用したため経営者であるインド水夫を怒らせてしまい、命を狙われていました。そのため、ホームズは変装をして『金の棒』を訪れるしかありませんでした。
ホームズは仇敵を捜しにアヘン窟『金の棒』にやって来ていました。『金の棒』の裏のポール荷揚げ場寄りに落し戸があり、ホームズの言うところの仇敵は、月のない夜にはそこからテムズ河に死体を運び出していました。
この仇敵が誰であるかはわからす終いで終わってしまい、この仇敵については正典で言及されていません。ただ、大体の人は『ホームズの仇敵=モリアーティ教授』だと連想するはずです。
この仇敵がモリアーティ教授かはわかっていませんが、もしそうだったとしたら『金の棒』とモリアーティ教授の一味が繫がっていたことになります。『金の棒』の経営者もホームズを殺そうと誓っていますし、かなり物騒なアヘン窟です。
ホームズも『金の棒』のことを『この界隈でもあの家ほどいまわしい、のろわれた場所はないのだよ。』と言っています。
平賀三郎さんもテムズ河への死体を運ぶ方法について、『ロンドン塔の反逆者の門をヒントにしてモリアティ教授ならこんな死体処理システムを考えたかもしれない。』と言っていて、ワトスンが『金の棒』の正確な場所を記さなかったのは、このような物騒な側面があったからかもしれません。
【テムズ河】
テムズ河のそばに『金の棒』がありました。『唇の捩れた男』を読んだ人は知っていると思いますが、乞食に変装して物乞いをしてお金を稼いでいた人物が『金の棒』で変装を解いていたら窓越しに妻に見つかってしまい、変装前の服を隠すためにポケットにありったけの小銭を詰めて重り代わりにして窓からテムズ河に落とします。
それから妻が来ても、夫の方は乞食に変装しているのでまったく気付かれません。しかしテムズ河に落とした服など見つかってしまい、乞食ヒュー・ブーンは自分ネビル・セントクレア殺害の容疑で捕まってしまうという面白い真相です。
乞食の変装が妻にバレなかったことについて平賀さんは、当時はコンタクトレンズはなく眼鏡も文字を読むときだけ使ったり、貴婦人が柄の付いた虫眼鏡のようなレンズを片手に持って細かいものを見たり、照明も暗かった時代なのでバレなかったのではないかとしています。しかしそれでも、『変装は成立したということにしておこう。』と言っています。
ブーンはテムズ河に服のポケットに重りを入れて投げますが、潮の満ち引きで衣類が発見されます。正典にも『干潮時には水が引くが、潮がみちるとすくなくとも四フィート半は水がくるらしい。』と書かれています。
どういうことかと言うと、テムズ河は高低差が少なく、ロンドンは河口から七十キロメートル離れていても潮の干満の影響を受けました。河なのに干潮と満潮がある、ということです。
このテムズ河ですが、正典で重要な役割をかなり果たしています。長編『四つの署名』では、ホームズとワトスンは警察のランチ艇に乗ってテムズ河上で犯人達を追跡する場面があります。ワトスンがメアリー・モースタンに告白したのも、テムズ河上です。
短編『オレンジの種五つ』では、テムズ河にて依頼人の死体が発見されました。犯人達に依頼人を殺されたのです。結局は犯人達も死亡し、ちょっと後味の悪い結末となります。
アヘン窟『金の棒』は『唇の捩れた男』で一回しか登場していないにも関わらず、様々な謎を持っています。こういうことがたくさんあるから、ホームズの研究はまだまだ続いているのです。
【所在地】
作中での描写だと、『金の棒』はロンドン橋の下手の北岸に並ぶ高い荷揚げ場の裏にある汚らしいアッパースワンダム小路にあるようです。
ロンドン橋と交差するテムズ河の左岸に通じている下町にテムズ街、ロンドン橋の下手にロワーテムズ街、上手にアッパーテムズ街があります。しかし、橋の下流側河岸に大きな税関の建物があり、作中の描写と符合しません。
上流側であるアッパーテムズ街には荷揚げ場がいくつもあり、街並みも作中の描写通りです。そのことからアッパースワンダムはアッパーテムズのことで、『金の棒』はロンドン橋の上流側にあったと考えるのが妥当であるようでして、作中でロンドン橋の下流側だと記されていたのは本当の場所を隠すためのフェイントだと平賀三郎さんが言っています。
現にワトスンは正典を書く際に架空の地名を使ったりしています。くわしくは『ヴィクトリア朝イギリス』の章の『地理学』の頁で後述します。
齋藤長三さんによると、『金の棒』は作中で『ポール波止場のそば』という描写があることから、ロンドン橋の西側にあるトリッグ小路にあったと推測されるようです。
【金の棒】
作中での記述によると、『金の棒』の経営者は悪辣なインド水夫です。ホームズは以前、この『金の棒』を捜査に利用したため経営者であるインド水夫を怒らせてしまい、命を狙われていました。そのため、ホームズは変装をして『金の棒』を訪れるしかありませんでした。
ホームズは仇敵を捜しにアヘン窟『金の棒』にやって来ていました。『金の棒』の裏のポール荷揚げ場寄りに落し戸があり、ホームズの言うところの仇敵は、月のない夜にはそこからテムズ河に死体を運び出していました。
この仇敵が誰であるかはわからす終いで終わってしまい、この仇敵については正典で言及されていません。ただ、大体の人は『ホームズの仇敵=モリアーティ教授』だと連想するはずです。
この仇敵がモリアーティ教授かはわかっていませんが、もしそうだったとしたら『金の棒』とモリアーティ教授の一味が繫がっていたことになります。『金の棒』の経営者もホームズを殺そうと誓っていますし、かなり物騒なアヘン窟です。
ホームズも『金の棒』のことを『この界隈でもあの家ほどいまわしい、のろわれた場所はないのだよ。』と言っています。
平賀三郎さんもテムズ河への死体を運ぶ方法について、『ロンドン塔の反逆者の門をヒントにしてモリアティ教授ならこんな死体処理システムを考えたかもしれない。』と言っていて、ワトスンが『金の棒』の正確な場所を記さなかったのは、このような物騒な側面があったからかもしれません。
【テムズ河】
テムズ河のそばに『金の棒』がありました。『唇の捩れた男』を読んだ人は知っていると思いますが、乞食に変装して物乞いをしてお金を稼いでいた人物が『金の棒』で変装を解いていたら窓越しに妻に見つかってしまい、変装前の服を隠すためにポケットにありったけの小銭を詰めて重り代わりにして窓からテムズ河に落とします。
それから妻が来ても、夫の方は乞食に変装しているのでまったく気付かれません。しかしテムズ河に落とした服など見つかってしまい、乞食ヒュー・ブーンは自分ネビル・セントクレア殺害の容疑で捕まってしまうという面白い真相です。
乞食の変装が妻にバレなかったことについて平賀さんは、当時はコンタクトレンズはなく眼鏡も文字を読むときだけ使ったり、貴婦人が柄の付いた虫眼鏡のようなレンズを片手に持って細かいものを見たり、照明も暗かった時代なのでバレなかったのではないかとしています。しかしそれでも、『変装は成立したということにしておこう。』と言っています。
ブーンはテムズ河に服のポケットに重りを入れて投げますが、潮の満ち引きで衣類が発見されます。正典にも『干潮時には水が引くが、潮がみちるとすくなくとも四フィート半は水がくるらしい。』と書かれています。
どういうことかと言うと、テムズ河は高低差が少なく、ロンドンは河口から七十キロメートル離れていても潮の干満の影響を受けました。河なのに干潮と満潮がある、ということです。
このテムズ河ですが、正典で重要な役割をかなり果たしています。長編『四つの署名』では、ホームズとワトスンは警察のランチ艇に乗ってテムズ河上で犯人達を追跡する場面があります。ワトスンがメアリー・モースタンに告白したのも、テムズ河上です。
短編『オレンジの種五つ』では、テムズ河にて依頼人の死体が発見されました。犯人達に依頼人を殺されたのです。結局は犯人達も死亡し、ちょっと後味の悪い結末となります。
アヘン窟『金の棒』は『唇の捩れた男』で一回しか登場していないにも関わらず、様々な謎を持っています。こういうことがたくさんあるから、ホームズの研究はまだまだ続いているのです。
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