地味という理由で勇者パーティを追放されたので、私の考える最強パーティを作って追い抜いてやろうと思います。

こゆき

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1 勇者パーティからの追放

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勇者というものをご存知だろうか。 
そう、RPGゲームでよくある、『アレ』の事だ。

神やら 神官やら国王やらに選ばれた、国を救う英雄。
……の、はずなんだけど。

 「ナギ!お前をパーティから追放する!!」
「はあ。そうですか。一応理由を聞いても?」

私が異世界転移した先の勇者とやらは、随分違う気質のようだ。
3人の女性を侍らせながら意気揚々と宣言する『この世界の勇者』に、気の抜けた声が漏れたのは仕方ないと思う。


※※※


私、小毬 凪は、剣と魔法の世界に転移した。 
何とも在り来りな話だが、通勤のため電車待ちの最前列に並んでいたら酔っ払いに背後からぶつかられてそのままお陀仏。
気がついたらRPGゲームのような世界にぽつんと放り出されていたのだ。

スーツ姿で草原に座り込む私を拾ってくれたのは近所で薬売りを営むおじいさん──後の師匠となる人物だった。

師匠からこの世界の常識、生きる術、そして薬師としての知識と技術の全てを叩き込まれた私は、2年前に独り立ちした。
というか、独り立ちせざるを得なかった。
なんてったって、朝起きたら師匠がひとつの置き手紙を残して消えていたのだから。

『もう大丈夫じゃろ。あとは気張って生きろ。じゃあの☆』

なんとも気の抜ける、クソじ──じゃない、タヌキじじ……でもなく、師匠らしいと思った。
ちなみに手紙は感動のあまり握り潰していたらしく、シワッシワになっていた。
次にあったらお礼をたくさんしようと思う。ええ、それはもうたっっっくさん。
そのために、独り立ちした今でも私は薬の調合の修行を欠かした事は無い。
最近では「1滴垂らしただけで毛髪を全て枯らす薬」や「腸内でガスの発生が止まらなくなる薬」などを開発した。師匠へと送るのがとても楽しみだ。

……話が逸れた。
師匠の話になると、それはもう多大なる感謝と愛が溢れてしまうのは私の悪癖だ。

まあ、そんなこんなで独り立ちした私は、この世界のギルドへ所属することにしたのだ。

この世界には魔法が存在する。
そして、魔物も。
魔力を持たず魔法を使えない一般市民では強力な魔物に太刀打ち出来ない。
そのため、魔物を倒す術を持つ者達──『冒険者』へと依頼をし、金銭と引き換えに魔物を駆逐して貰うのだ。そして冒険者達は金銭を得て生活をたてる。
実にwin-winな関係だ。

そして、その依頼のやり取りが円滑に進むようにと作られたのが、『ギルド』だ。 
まあ、ここら辺は漫画やゲームでお馴染みだろう。無駄な説明は要らないと思う。

ギルドに所属する冒険者の種類は様々だ。
剣士、魔法使い、治癒者、獣操縦士──……そして私のような調合師とか。
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