3 / 10
病院の扉は、運と根性が幾重にも重なり、ゆっくりと、開く①
しおりを挟む《2022年3月4日 王子、小1、6歳》
ママリが、王子を病院に通わせていることを知ると、まわりから、まぁ、色々な反応が返ってきます。
「病院⁉うちは、行かせられないわぁ。」
「旦那が、許してくれない。」
というような、返答しづらいコメントも、たまにあります。
が、意外と多いのが、
「精神科?なんのために?」
という、病院を全く信じていない感じの、コメントです。
「え?めっちゃ、いいよー☆★」
と、ママリが詳しく説明すると、実際には、思い込みで話しをしている場合も、多いです。
日本社会の、精神科の扱いは、こんな感じでしょうか?
未知の洞窟。
暗くて、ネバネバしていて、行きたくないし、行く必要のない場所、でしょうか?
ママリには、言わないけど、もしかしたら、子供達に、「チャタ君はおかしいから、一緒に遊んだらダメ。」と、言っている親も、いるかもしれません。
でも、ひと昔前と比べたら、今、あからさまな差別はほとんどありません。
でも、誤解は、山のようにあります。
いや、地球上の山の数じゃ、おさまらん。
宇宙中の、星の数ほど、あります。
困っているその子と、関係のない人間が、誤解をしている分には、あまり問題はありません。
でも、困っているその子の、近い人間達が、誤解に誤解を重ね、偏見を真に受けて、その子に、必要な手を差し伸べないことを、ママリは、とても、残念に思っています。
子供の発達には、段階があります。
3歳までに、脳や体のおおよそが、6歳までに、子供のかなりの部分が、出来上がるようです。
発達障害の子供の療育は、6歳までが重要だと、言われました。
なぜなら、何かが起きた後にとる、対策、ではなく、何かが起きるかもしれないから、その前に、「準備」が、できるかもしれないからです。
例えば、字が書けなさそうだと言われたら、座る練習よりも、字の練習や対策を、小さな頃からして、そのような特徴がある自分に慣れることが、できるかもしれません。
だから、もし、「あれ?」と思ったら、実は、1日も早く、相談する必要が、あるのです。
ママリの書くことは、多くの方々から、嫌がられ、批判されるかもしれません。
それでも、王子とママリの経験したことが、少しでも、誰かの勇気になるならと、考えています。
王子とママリの話を聞いて、実際に病院に行った子や、学校に話した家族がいます。
あきらかに、王子家も、その家族も、学校も、みんなが、情報不足です。
情報不足なんです。
だから、情報をつかみに、まずは、とりあえず、行こう、病院へ☆
《病院までの道のり はじまり編》
王子が、年中の冬 (4歳11ケ月) 、はじまりは、市から来た、1本の電話でした。
忘れもしません。
あの日の朝、とても悲しいことがあって、ママリは、ひどく、落ち込んでいました。
3歳で時計を読み、数字を並べては萌えている王子は、ママリから見て、普通ではない気がしていました。
王子の才能を、伸ばしてあげたい。
そう思い、小学校受験を考えはじめていました。
ちょうど、王子の幼稚園には付属の小学校があり、希望者のみ、園が終わってから、受験勉強をするクラスが、ありました。
王子は当時、幼児用のパズル系、育脳系のドリルやワークにはまっていて、実は、小学校の受験勉強の内容が、王子の、大好物だったのです☆
そこで、ママリは、とりあえず、そのクラスに王子を入れたのですが、初日だったその日、王子が、
「幼稚園に、行きたくない。」
と、言ったのです。
王子が、園や学校に行きたくないと言ったのは、後にも先にも、この1回だけです。
「Yさんがいるから、こわい。」
「そのクラスには、行かない。」
Yさんは、王子を叩いていた、クラスメイトでした。
王子は、お勉強クラスを、ずっと、楽しみにしていました。
それなのに、Yさんの影響で、王子が好きなことを、諦めなきゃいけないなんて。
叩かれても、何もできない王子。
叩かれたことを、伝えることもできない王子。
叩かれているせいで、自分の好きなことを、諦めると言う王子。
ママリは、
「そのクラスには、先生が沢山、ずっと、いるから、絶対に、叩かれないから、行ってきなさい。」
と、無理やり、王子を送り出しました。
実際、叩かれることなく、楽しかったと笑顔で、王子は帰ってきました。
王子は、年中の春から夏にかけて、Yさんに叩かれていて、叫べない、避けれない、逃げられない、やり返せない、先生に言うこともできない、ので、ただひたすら、我慢していたらしいです。
そして、相談に行ったママリに、担任の先生は、
「Yさんは、人を叩くような子ではありません。」
「チャタ君…そんなことを言ったんですか。」
と、事実確認もしないまま、毒を、放ったわけです。
ママリは、HPが1の状態に陥りましたが、色々とあり、結局、ママリが、折れました。
この先生は大ベテランで、他の親達から、信頼されていました。
大事になれば、王子が転園せざるを得ないと、考えたからです。
ママリは、鎌を持って、死装束で幼稚園に殴り込むつもりでいましたが、王子が「他の幼稚園には、行きたくない。」と言ったので、一緒に、生きることを選びました。
そんなことを、思い返していた時に、スマホに、着信がありました。
「市の育児担当ですが、チャタ君は、じゃんけん、できるようになりましたか?」
ママリの頭の中は、?で、埋め尽くされました???
その方は、続けました。
「3歳時の、発達状況を記入した用紙から、連絡をしています。」
ああ、確かに。
確かに、ありました。
そんなことが。
市から送られてきた調査書に、『じゃんけん、できますか?』の項目が、ありました。
ママリは、「できる」に、〇をつけようとしましたが、パパ虫が、
「できる、っていうのは、いつ、どこでも、100%、完璧にできる場合にのみ、あてはまる。」
と言って、「できない」に、〇をつけたまま、提出したのでした。
それを、わざわざ、追ってくれているなんて‼
じゃんけんは、もうできるようになっていたので、特に、問題はありませんでした。
でも、「何か、気になることはありますか?」という担当の方の質問に、ママリは、堪えきれず、王子のことを、話しました。
正直、この日でなければ、ママリは、もう元気になっていて、王子が、「外でちょっとできないくらい、大したことじゃない、家でできていればいいや。」と、詳しい話は、しなかったかもしれません。
忙しい日だったら、「王子の性格が不憫で。」なんて話、しなかったと思います。
でもこの時、ママリは、弱っていました。
朝の一件を、誰かに、話したかったんです。
すると、今度一度、市の施設で、カウンセラーに話を聞いてもらったらどうですか、気が楽になりますよ、と言われ、ママリは、早速、面談の予約を入れたのです。
《カウンセリング 1日目》
ママリは、王子 (4歳11ケ月) が、家でできること、外でできないこと、数字が好きなこと等を、説明しました。
その後、王子に、いくつかの問題が出されました。
ざっとまとめると、
紙に、6人の顔+表情が描いてあり、どのような表情かを当てるように、言われました。
王子は、泣いている、のみ、時間がかかったけど、分かりました。
嬉しい、驚いている、怒っている等は、分かりませんでした。
普通の人間にとっては、簡単な問題らしいです。
結果は、なんと。
他人と会う、話すことが、難しいレベル
「幼稚園に、行けていますか??」
と聞かれる、レベルらしいです。
では、実際の王子はというと、
「幼稚園大好き、行きたい♥」
でも、
先生にプリントを渡す、友達と話す、質問に答える、等はできない、状態でした。
そこで、
「話すことの、代わりになる方法を、考えてあげてください。」
「他の子と、無理に遊ばせると、チャタ君にとっては、プレッシャーになるかもしれません。」
なので、今後は、
『できないことは、諦めましょう。』
と、言われました。
ママリ、顎が、外れる↓↓
外れました。
外れましたよ。
びっくりしました。
表情が、分からない?
王子は、表情豊かな子で、王子の感情と表情は一致していましたし、ママリの顔を見て、少しの目の動きで、機嫌を察することも、できていました。
ただ、確かに、外では、表情を出すことが、少なかったです。
この、人間の顔が認識できない、表情も分からない問題の詳細は、分かりづらいので、後日、改めて書きます。
そしてママリは、王子が、友達と遊ぶことが苦手なのを、克服するために、毎日、園の後、友達のいる公園に、連れていっていました。
当然、王子自身も、ママリの「友達と遊べるようになってほしい。」という気持ちを知っていたでしょうから、確かに、嫌だったとしても、ママリに向かって、嫌だとは言えなかったでしょう。
この日を境に、ママリは、
王子に、どうしたいかを聞いてから、遊びの予定をいれるようにしました。
他のことも、王子に聞いてから、行動するようになりました。
ママリの、王子にこうなってほしい、こうしてほしい、という想いは、封印しました。
今考えてみると、これは、王子にとって、ありがたいことだったと思います。
ママリ達は、王子が、手ぶらで冒険にでかけて、モンスターと素手で戦っていたのに、他の人間の子共達が、生まれながらに武器を持っていることを、そもそも、知りませんでした。
人間の常識をもとに、王子を、育てていたのです。
でも、そもそも、王子は、言葉は悪いのですが、宇宙人です。
生粋の、数星の王子だったのです。
この日、ママリは、人間の常識を、捨てました。
王子家に必要なのは、人間の育児書に書いてある、育児方法ではありません。
目の前にいる、王子を見て、王子の声を聞いて、ママリ達には理解ができなくても、対策を一緒に練っていくことが、王子の最強武器になるのだと、気がつきました。
実は、口唇裂の育児でも、ママリは、度々、度々、旅々、失敗し、失敗を重ねてきました。
その時も、ネット・育児書は、見まくっても、「ほぼ、信じないぞぉ。」と、心に決めていましたが、改めて、人間界との決別を、誓った日でした。
ママリはこの日、吹っ切れました。
王子を見て、モヤモヤモヤモヤしていたことが、実は、全く意味のない、ちっぽけな、ママリが、勝手に悩んでいることで、本当は、もっともっと、大変で、切実な、問題が、ゴロゴロと、石ころのように、そこら中に転がっていて、王子が、転びまくっていたわけです。
一刻も早く、防具屋に、行かなくちゃ!!
《今回のラッキー 一覧》
ラッキー 1
市(国?)が、子育て分野に力を入れていた → 発達状況調査、フォロー
ラッキー 2
石頭なパパ虫がいた → じゃんけんの報告により、市から連絡が来る
ラッキー 3
ママリが弱っていた → 市の相談員に、最近の王子の様子を話した
次回は、市の育児相談での、カウンセリング二回目の様子を、お伝えします♪
田中ビネーⅤという、IQがでる、発達検査をしますよ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
月弥総合病院
僕君☾☾
キャラ文芸
月弥総合病院。極度の病院嫌いや完治が難しい疾患、診察、検査などの医療行為を拒否したり中々治療が進められない子を治療していく。
また、ここは凄腕の医師達が集まる病院。特にその中の計5人が圧倒的に遥か上回る実力を持ち、「白鳥」と呼ばれている。
(小児科のストーリー)医療に全然詳しく無いのでそれっぽく書いてます...!!
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
私のドレスを奪った異母妹に、もう大事なものは奪わせない
文野多咲
恋愛
優月(ゆづき)が自宅屋敷に帰ると、異母妹が優月のウェディングドレスを試着していた。その日縫い上がったばかりで、優月もまだ袖を通していなかった。
使用人たちが「まるで、異母妹のためにあつらえたドレスのよう」と褒め称えており、優月の婚約者まで「異母妹の方が似合う」と褒めている。
優月が異母妹に「どうして勝手に着たの?」と訊けば「ちょっと着てみただけよ」と言う。
婚約者は「異母妹なんだから、ちょっとくらいいじゃないか」と言う。
「ちょっとじゃないわ。私はドレスを盗られたも同じよ!」と言えば、父の後妻は「悪気があったわけじゃないのに、心が狭い」と優月の頬をぶった。
優月は父親に婚約解消を願い出た。婚約者は父親が決めた相手で、優月にはもう彼を信頼できない。
父親に事情を説明すると、「大げさだなあ」と取り合わず、「優月は異母妹に嫉妬しているだけだ、婚約者には異母妹を褒めないように言っておく」と言われる。
嫉妬じゃないのに、どうしてわかってくれないの?
優月は父親をも信頼できなくなる。
婚約者は優月を手に入れるために、優月を襲おうとした。絶体絶命の優月の前に現れたのは、叔父だった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる