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第35話 鷹の国 新たな出会い
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「うぅ、お腹すいたです」
マオがお腹を抑え、ふらふらとした足取りで道を歩く。
「もう少しで街に着くよ、ほら」
リオンはマオを励ますように支え、前方を指差した。
見えてきたのは高い外壁を備えた大きな国だ。
ラタから馬車で鷹の国ファルケに行こうとしたがなかなか馬車が空かず、仕方なしに徒歩にて向かっていたのだが、途中で魔獣に襲われ、倒したはいいものの食料が駄目になってしまった。仕方なしに食料なしで進んでいたのだが、食べ盛りのマオが一番早くに音を上げた。
「猫族は数日食べなくても平気でしょうが」
カミュは呆れたような声を上げる。
すぐに泣きごとをいうマオの素直過ぎる性格はカミュの生真面目な性格とは合わないようだ。
王族ではなくなってもリオンは主だ。
どんなことがあろうとも仕えると決めているので、今回の同行もマオの為というよりもリオンの為である。
尻尾が不機嫌そうに揺れていた。
「個人差があるです。それに荷物係はカミュなのです、何故あんなトロイ攻撃を避けられなかったですか?」
責める様な口調にムッとする。
「それはお前がこっちに向かって来たから魔獣もこっちに来たからだろうが。大人しく囮になっていたら倒せたのに」
魔獣を倒したのはカミュである。
獣系の魔獣であればそのまま食料にも出来たが、さすがに蟲系は食指が動かなかった。
その為飲まず食わずになってしまったのだ。
「まぁまぁ。もう間もなく街に着くし、そしたらご飯いっぱい食べよ? お腹すくと怒りっぽくなってしまうよね」
リオンの宥めに二人は無言になった、とりあえず言い合いは止めてくれたようだ。
確かにファルケまでもう目と鼻の先だ。余計なエネルギーは使いたくない。
二人はリオンに気づかれないようにらみ合いながら歩みを進めていく。
まだまだ仲良くなれそうになかった。
「身分証、ですか」
「残念ながら身元が怪しいものを通すわけには行かないのです。何か示すものはありませんか?」
門番に丁寧に言われ、リオンは考える。
失念していた、今まではヴォールク王家の紋を見せれば家臣も通れたが、今のリオンは王族ではない。
住居のあるラタで手続きをして身分証を手に入れておけばよかったのだが、そこまで頭が回っていなかった。
「ラタに行けばあるのですが……」
「今ファルケとラタの交流が盛んでなかなか馬車も掴まりませんものね。こちらで手続きをしますので、三日ほどお待ちいただければ」
「三日? どこで待つというのですか?」
マオは切羽詰まった様子で門番に詰め寄る。
「あなた方は悪い方には見えませんが、中にはいれられない決まりになってまして。外での待機となってしまいます」
「すみませんが僕達は食料を失ってしまい、出来ればすぐにでも中に入りたいのです。それが無理ならせめて彼女だけでも何か食べさせてほしい」
「申し訳ありませんが、特例は受けることは出来ず」
頭を下げる門番に食い掛りそうなマオを宥める。
「残念だけど少し待つようになるね。大人しくしていよう」
「三日なんて、待てません!」
マオはそう言うとひと気のない場所から城壁を登り始める。
「マオ?! 危ないから、戻っておいで!」
「そもそもヴォールクでもこうやって入ったです。大丈夫なのです」
「うわぁ逞しい。ってそうではなくて」
リオンとカミュは狼族だ、マオのような事は出来ない。
「駄目だよ、戻って! ここファルケの城壁は高いんだよ、落ちたら死んでしまう」
「そんなヘマはしないですよ」
するすると登るマオはもはや一番上に達しそうだ。
(中でご飯を買ってリオン様達に渡すです、そうしたらこんな無茶しても怒らないと思うです)
心配をかけているのはわかる。だが、二人だって相当空腹なはずだ。
僅かに残った食料の水も彼らは何も言わずにマオに渡してくれていた。
なのに泣き言も言わないのだ。
「早く二人にお腹いっぱいに食べてもらいたいです。うわっ!」
そんな思いで登っていると突風が吹いた。
マオは耐え切れずについに壁から手が離れてしまう。
「「マオ!!」」
(落ちる!!)
小柄な体躯を受け止めようと二人は青褪めた表情で駆け出した。
マオがお腹を抑え、ふらふらとした足取りで道を歩く。
「もう少しで街に着くよ、ほら」
リオンはマオを励ますように支え、前方を指差した。
見えてきたのは高い外壁を備えた大きな国だ。
ラタから馬車で鷹の国ファルケに行こうとしたがなかなか馬車が空かず、仕方なしに徒歩にて向かっていたのだが、途中で魔獣に襲われ、倒したはいいものの食料が駄目になってしまった。仕方なしに食料なしで進んでいたのだが、食べ盛りのマオが一番早くに音を上げた。
「猫族は数日食べなくても平気でしょうが」
カミュは呆れたような声を上げる。
すぐに泣きごとをいうマオの素直過ぎる性格はカミュの生真面目な性格とは合わないようだ。
王族ではなくなってもリオンは主だ。
どんなことがあろうとも仕えると決めているので、今回の同行もマオの為というよりもリオンの為である。
尻尾が不機嫌そうに揺れていた。
「個人差があるです。それに荷物係はカミュなのです、何故あんなトロイ攻撃を避けられなかったですか?」
責める様な口調にムッとする。
「それはお前がこっちに向かって来たから魔獣もこっちに来たからだろうが。大人しく囮になっていたら倒せたのに」
魔獣を倒したのはカミュである。
獣系の魔獣であればそのまま食料にも出来たが、さすがに蟲系は食指が動かなかった。
その為飲まず食わずになってしまったのだ。
「まぁまぁ。もう間もなく街に着くし、そしたらご飯いっぱい食べよ? お腹すくと怒りっぽくなってしまうよね」
リオンの宥めに二人は無言になった、とりあえず言い合いは止めてくれたようだ。
確かにファルケまでもう目と鼻の先だ。余計なエネルギーは使いたくない。
二人はリオンに気づかれないようにらみ合いながら歩みを進めていく。
まだまだ仲良くなれそうになかった。
「身分証、ですか」
「残念ながら身元が怪しいものを通すわけには行かないのです。何か示すものはありませんか?」
門番に丁寧に言われ、リオンは考える。
失念していた、今まではヴォールク王家の紋を見せれば家臣も通れたが、今のリオンは王族ではない。
住居のあるラタで手続きをして身分証を手に入れておけばよかったのだが、そこまで頭が回っていなかった。
「ラタに行けばあるのですが……」
「今ファルケとラタの交流が盛んでなかなか馬車も掴まりませんものね。こちらで手続きをしますので、三日ほどお待ちいただければ」
「三日? どこで待つというのですか?」
マオは切羽詰まった様子で門番に詰め寄る。
「あなた方は悪い方には見えませんが、中にはいれられない決まりになってまして。外での待機となってしまいます」
「すみませんが僕達は食料を失ってしまい、出来ればすぐにでも中に入りたいのです。それが無理ならせめて彼女だけでも何か食べさせてほしい」
「申し訳ありませんが、特例は受けることは出来ず」
頭を下げる門番に食い掛りそうなマオを宥める。
「残念だけど少し待つようになるね。大人しくしていよう」
「三日なんて、待てません!」
マオはそう言うとひと気のない場所から城壁を登り始める。
「マオ?! 危ないから、戻っておいで!」
「そもそもヴォールクでもこうやって入ったです。大丈夫なのです」
「うわぁ逞しい。ってそうではなくて」
リオンとカミュは狼族だ、マオのような事は出来ない。
「駄目だよ、戻って! ここファルケの城壁は高いんだよ、落ちたら死んでしまう」
「そんなヘマはしないですよ」
するすると登るマオはもはや一番上に達しそうだ。
(中でご飯を買ってリオン様達に渡すです、そうしたらこんな無茶しても怒らないと思うです)
心配をかけているのはわかる。だが、二人だって相当空腹なはずだ。
僅かに残った食料の水も彼らは何も言わずにマオに渡してくれていた。
なのに泣き言も言わないのだ。
「早く二人にお腹いっぱいに食べてもらいたいです。うわっ!」
そんな思いで登っていると突風が吹いた。
マオは耐え切れずについに壁から手が離れてしまう。
「「マオ!!」」
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小柄な体躯を受け止めようと二人は青褪めた表情で駆け出した。
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