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第39話 獅子の国 対話
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「こうして話すことを許可して頂きありがとうございます」
リオンは深々と頭を下げた。
「驚いた、君は確か……」
「リーとお呼びください」
ティタンが全てを言う前にリオンがは偽名で呼ぶように頼む。
「リー……殿とはだいぶ昔に会った記憶があるが、何故にファルケの使者としてきている? たしかあなたの国はこの前とても大変なことになったよな」
「えぇ。今はその影響で住まいを移し、別な国にいるのですけれど、人を探してファルケ国へと来ました。そこでエリック様に助けられ、その代わりにと頼まれたのです。二コラ様を迎えに行って欲しいと」
リオンは言われたとおりの事を言った。
なかなか面倒な話を聞かされ、正直国と国の話に首を突っ込みたくはなかったのだが、マオの兄かもしれない人物が捕らえられたかもしれないという話と、解決したらエリックがバックアップしてくれるという話を聞いたために、訪れたのだ。
「あいにくと彼はこの外交の要の人物なので、会わせてあげることは出来ない。今の状況では特に」
「まさか牢に閉じ込めたりしているですか?」
実の兄にそのような扱いをしていたら許せない。
「いいや。どうにも彼が主犯だとは思えなくてな、普通の客室に監視付きで待機してもらっている。彼の部下たちも同様に客室にいるが、彼の部下たちも誰が怪しくて、誰が正しいのかわからなくてな。直感型の俺には駆け引きの自信がない」
恥ずかしそうにティタンは苦笑した。
「今回の件も鼻の利くものがいたおかげで早めに対処できたが、ファルケがこのような事をする理由もわからなくてな。もしもわかるならば教えて欲しい」
「……僕は一応ファルケの者として来たのですけれど」
余りにも他国から来たリオンを信じすぎなのではないかと心配だ。
リオンが平気で嘘をついたり騙そうとしたら信じてしまうのではないかと思ってしまう。
「なに、俺は勘が良い。リー殿ならば忖度なく話をしてくれると思ってな」
人の良い笑顔をむけられ、リオンは何とも言えない表情になる。
「あまりそういう態度を出さない方がいいですよ。足元をすくわれないかとても心配です」
この人の好さで騙されないか心配だ。
(エリック様とは大違いだ)
エリックはある意味王族として出来上がっていた。
表情を抑える術を知り、駒になりそうなものを利用するのに躊躇いもない。
たまたまごたついた中でエリックと出会ってしまったが為にリオンは利用されてしまったが、リオンにも益のある話なので断らなかった。
「ありがとう、心配してくれて。参考にさせて頂く」
そう言うティタンの目が細められる。
「だがこれまで謀ろうとした者は今まで全て引き裂いてきている。その証拠にレーヴェが危うくなった話はないだろう?」
「……確かにそうですね」
味方なら頼もしい言葉だが、今はまだだ。というより敵側だろう。
肝は冷え、悪寒が走る。
(僕ではこの人に勝てないな。カミュと二人でやり合って、マオを逃がせるかどうかだ)
体格差もあるし、戦いの経験も豊富だろう。
話し合いが苦手だといっていたが、なかなか表情を使い分けるものだ。
そんな時にノックの音が響いた。
「お話の途中ですみません、ティタン様」
焦ったような様子で兵士が入ってくる。
「失礼、リー殿」
席を外し、何やら廊下で話し合いをし、戻って来る。
「すまないが、少しこの部屋で待っていてくれ。あなた達を出すわけには行かなくなった」
苦い顔をしてティタンは兵士たちに見張りを頼む。
「待機してもらっていたファルケ国の者達が部屋から抜け出したようだ。件の二コラ殿もな」
リオンは深々と頭を下げた。
「驚いた、君は確か……」
「リーとお呼びください」
ティタンが全てを言う前にリオンがは偽名で呼ぶように頼む。
「リー……殿とはだいぶ昔に会った記憶があるが、何故にファルケの使者としてきている? たしかあなたの国はこの前とても大変なことになったよな」
「えぇ。今はその影響で住まいを移し、別な国にいるのですけれど、人を探してファルケ国へと来ました。そこでエリック様に助けられ、その代わりにと頼まれたのです。二コラ様を迎えに行って欲しいと」
リオンは言われたとおりの事を言った。
なかなか面倒な話を聞かされ、正直国と国の話に首を突っ込みたくはなかったのだが、マオの兄かもしれない人物が捕らえられたかもしれないという話と、解決したらエリックがバックアップしてくれるという話を聞いたために、訪れたのだ。
「あいにくと彼はこの外交の要の人物なので、会わせてあげることは出来ない。今の状況では特に」
「まさか牢に閉じ込めたりしているですか?」
実の兄にそのような扱いをしていたら許せない。
「いいや。どうにも彼が主犯だとは思えなくてな、普通の客室に監視付きで待機してもらっている。彼の部下たちも同様に客室にいるが、彼の部下たちも誰が怪しくて、誰が正しいのかわからなくてな。直感型の俺には駆け引きの自信がない」
恥ずかしそうにティタンは苦笑した。
「今回の件も鼻の利くものがいたおかげで早めに対処できたが、ファルケがこのような事をする理由もわからなくてな。もしもわかるならば教えて欲しい」
「……僕は一応ファルケの者として来たのですけれど」
余りにも他国から来たリオンを信じすぎなのではないかと心配だ。
リオンが平気で嘘をついたり騙そうとしたら信じてしまうのではないかと思ってしまう。
「なに、俺は勘が良い。リー殿ならば忖度なく話をしてくれると思ってな」
人の良い笑顔をむけられ、リオンは何とも言えない表情になる。
「あまりそういう態度を出さない方がいいですよ。足元をすくわれないかとても心配です」
この人の好さで騙されないか心配だ。
(エリック様とは大違いだ)
エリックはある意味王族として出来上がっていた。
表情を抑える術を知り、駒になりそうなものを利用するのに躊躇いもない。
たまたまごたついた中でエリックと出会ってしまったが為にリオンは利用されてしまったが、リオンにも益のある話なので断らなかった。
「ありがとう、心配してくれて。参考にさせて頂く」
そう言うティタンの目が細められる。
「だがこれまで謀ろうとした者は今まで全て引き裂いてきている。その証拠にレーヴェが危うくなった話はないだろう?」
「……確かにそうですね」
味方なら頼もしい言葉だが、今はまだだ。というより敵側だろう。
肝は冷え、悪寒が走る。
(僕ではこの人に勝てないな。カミュと二人でやり合って、マオを逃がせるかどうかだ)
体格差もあるし、戦いの経験も豊富だろう。
話し合いが苦手だといっていたが、なかなか表情を使い分けるものだ。
そんな時にノックの音が響いた。
「お話の途中ですみません、ティタン様」
焦ったような様子で兵士が入ってくる。
「失礼、リー殿」
席を外し、何やら廊下で話し合いをし、戻って来る。
「すまないが、少しこの部屋で待っていてくれ。あなた達を出すわけには行かなくなった」
苦い顔をしてティタンは兵士たちに見張りを頼む。
「待機してもらっていたファルケ国の者達が部屋から抜け出したようだ。件の二コラ殿もな」
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