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異母妹
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自室にてティタンの事が頭から離れず物思いに耽っていたところ、ドタドタと音がした。こんな無礼で乱暴な足音は一人しかいない。
「相変わらず辛気臭い顔ですね」
急に押しかけてそんな事を言ってくる。
異母妹はハンカチで鼻を抑え、顔をしかめた。
「そしてお義姉様はちゃんとお風呂に入ってます?鼻が曲がりそうな臭いですわ」
失礼なと思い、ため息をついた。
毎日しっかり湯浴みはしているしもちろん衣類も洗っている。だが、異母妹のように花びらを浮かべてたっぷりと身体を磨き上げるなどの贅沢はしていない。
夕食後から日付が変わるまで執務をしているので、湯浴みにかける時間も少ない。
ひとこと言えば十倍くらいにして返してくるので、ため息をつきつつ話を逸らす。
「それで今日は何を話に来たの?王宮がバタバタしていたわ、大事な話があるのでしょ?」
「ええそうよ、何と隣国からパーティのお誘いが来たの。表向きは国交の為だけど、王子の花嫁候補を探していると聞くわ」
うっとりと話す異母妹カレンは王太子妃に憧れ顔を紅潮させている。
庶子であるため、この国では王位継承権も持たず、王が目覚めてないので正式な王族とは見とめられていない。今は何も持たない彼女でも、見初められ王太子妃となれば労せず地位を得ることが出来る!と考えているようだ。
リンドールでも茶会などに参加し結婚相手を探していたがマナーや教養がなく、お世辞は言われるものの婚約者を見つける事は出来なかった。
いやいやながら家庭教師に教えられ、最近は少しマシになったようだが…
「一応お義姉様にも招待は来ています、引き立て役としてがんばって下さいね」
本当は秘密にするはずだったのに、王族からの誘いを無視してしまうのは国交に良くないと大臣から言われたのだ。
だが、知らされたのはパーティの3日前。今から準備するなど時間もお金もない。
「私はこの日のためのドレスをオーダーしております。お披露目が楽しみだわ」
うきうきとそう言うと出ていった。肌のメンテナンスで忙しいそうだ。
(そのお金もどこから出てると思ってるのよ)
怒りを押し込め、すぐに使用人達を集める。
3日ではろくな用意は出来ないが、出来る限り失礼のないよう準備しなくては。
招待状も手元にない為、どのような準備が必要か予測しか立てられない。
隣国の王子は二人。
第一王子エリックとこの前会った第二王子ティタンだ。
今回のパーティというのは時期的に第二王子の20歳の誕生日を兼ねているのだろう。
節目のものとなるためまぁまぁ大切なパーティになるはずだ、さすがに焦る。
へそくりを使い、母の頃に馴染みであった仕立て屋に行き、既製品ではあるが未発表のドレスとそれに似合うアクセサリーを探してくる。流行とは少し違うが礼は欠かないだろう。
さすがにボサボサの髪では行けないと宰相に埋め合わせを申し込み、公務を休んで身体磨きに勤しんだ。
メイド達は久しぶりにする主君のメイクアップに大張り切りだ。
「こうやってお嬢様のお手入れをするのは久しぶりです」
「ピッカピカにするので任せてください」
香油を入れたお湯の中でたっぷりとマッサージを受ける。
優しく髪も梳かれ、髪型をどうするかでメイド達は揉めていた。
途中カレンが探りを入れにこようとしたが執事に、国交のための準備なので不備があれば外交問題に発展すると忙しさを理由に追い返された。
国交と言われれば普段のようにギャーギャー騒ぐわけにもいかないようで大人しく帰っていった。
ドレスは白から紫に変わるグラデーションでところどころに宝石が散りばめられている。
そのドレスに金糸で刺繍をしてもらい、王太子殿下のそれぞれの髪色を意識したものに急ピッチで仕上げてもらった。
(ティタン様に会えるのね)
今度はしっかりとドレスアップした姿で会うのだ。期待に胸が高まる。
このパーティは伯爵家以上の爵位を持つものにしか許されてない。上位貴族のマナーが必要になるため、果たしてカレンが我が国の恥とならないかとても心配だ。
そして自分のオッドアイ。人によっては不気味と言われている。
茶会を欠席していた理由でもあるのだ。
国王の瞳が青であり、それを受け継いだ色のはずだが、ミューズは片方だけ。
なので、両方青い瞳を持つカレンはまさしく国王の娘として世間から見られ、本来ならあり得なかい事だが強く否定することも出来ず受け入れられてしまった。
同じく両の瞳が青い第一王子であるリオンもこのパーティの際は学校から帰ってくるそうだ。
今年で14歳。
母を亡くした後は行儀奉公として母の親類のところへ身を寄せ、12の年から魔術学校へ通っている。
王宮の異変を察した宰相が色々な理由をつけ、カレンと大臣からリオンを遠ざけたのだ。
次期国王になる大事な弟に何かあっては大変とミューズも同意している。
手紙でやり取りしているものの久しぶりに会えるのが楽しみだ。
「相変わらず辛気臭い顔ですね」
急に押しかけてそんな事を言ってくる。
異母妹はハンカチで鼻を抑え、顔をしかめた。
「そしてお義姉様はちゃんとお風呂に入ってます?鼻が曲がりそうな臭いですわ」
失礼なと思い、ため息をついた。
毎日しっかり湯浴みはしているしもちろん衣類も洗っている。だが、異母妹のように花びらを浮かべてたっぷりと身体を磨き上げるなどの贅沢はしていない。
夕食後から日付が変わるまで執務をしているので、湯浴みにかける時間も少ない。
ひとこと言えば十倍くらいにして返してくるので、ため息をつきつつ話を逸らす。
「それで今日は何を話に来たの?王宮がバタバタしていたわ、大事な話があるのでしょ?」
「ええそうよ、何と隣国からパーティのお誘いが来たの。表向きは国交の為だけど、王子の花嫁候補を探していると聞くわ」
うっとりと話す異母妹カレンは王太子妃に憧れ顔を紅潮させている。
庶子であるため、この国では王位継承権も持たず、王が目覚めてないので正式な王族とは見とめられていない。今は何も持たない彼女でも、見初められ王太子妃となれば労せず地位を得ることが出来る!と考えているようだ。
リンドールでも茶会などに参加し結婚相手を探していたがマナーや教養がなく、お世辞は言われるものの婚約者を見つける事は出来なかった。
いやいやながら家庭教師に教えられ、最近は少しマシになったようだが…
「一応お義姉様にも招待は来ています、引き立て役としてがんばって下さいね」
本当は秘密にするはずだったのに、王族からの誘いを無視してしまうのは国交に良くないと大臣から言われたのだ。
だが、知らされたのはパーティの3日前。今から準備するなど時間もお金もない。
「私はこの日のためのドレスをオーダーしております。お披露目が楽しみだわ」
うきうきとそう言うと出ていった。肌のメンテナンスで忙しいそうだ。
(そのお金もどこから出てると思ってるのよ)
怒りを押し込め、すぐに使用人達を集める。
3日ではろくな用意は出来ないが、出来る限り失礼のないよう準備しなくては。
招待状も手元にない為、どのような準備が必要か予測しか立てられない。
隣国の王子は二人。
第一王子エリックとこの前会った第二王子ティタンだ。
今回のパーティというのは時期的に第二王子の20歳の誕生日を兼ねているのだろう。
節目のものとなるためまぁまぁ大切なパーティになるはずだ、さすがに焦る。
へそくりを使い、母の頃に馴染みであった仕立て屋に行き、既製品ではあるが未発表のドレスとそれに似合うアクセサリーを探してくる。流行とは少し違うが礼は欠かないだろう。
さすがにボサボサの髪では行けないと宰相に埋め合わせを申し込み、公務を休んで身体磨きに勤しんだ。
メイド達は久しぶりにする主君のメイクアップに大張り切りだ。
「こうやってお嬢様のお手入れをするのは久しぶりです」
「ピッカピカにするので任せてください」
香油を入れたお湯の中でたっぷりとマッサージを受ける。
優しく髪も梳かれ、髪型をどうするかでメイド達は揉めていた。
途中カレンが探りを入れにこようとしたが執事に、国交のための準備なので不備があれば外交問題に発展すると忙しさを理由に追い返された。
国交と言われれば普段のようにギャーギャー騒ぐわけにもいかないようで大人しく帰っていった。
ドレスは白から紫に変わるグラデーションでところどころに宝石が散りばめられている。
そのドレスに金糸で刺繍をしてもらい、王太子殿下のそれぞれの髪色を意識したものに急ピッチで仕上げてもらった。
(ティタン様に会えるのね)
今度はしっかりとドレスアップした姿で会うのだ。期待に胸が高まる。
このパーティは伯爵家以上の爵位を持つものにしか許されてない。上位貴族のマナーが必要になるため、果たしてカレンが我が国の恥とならないかとても心配だ。
そして自分のオッドアイ。人によっては不気味と言われている。
茶会を欠席していた理由でもあるのだ。
国王の瞳が青であり、それを受け継いだ色のはずだが、ミューズは片方だけ。
なので、両方青い瞳を持つカレンはまさしく国王の娘として世間から見られ、本来ならあり得なかい事だが強く否定することも出来ず受け入れられてしまった。
同じく両の瞳が青い第一王子であるリオンもこのパーティの際は学校から帰ってくるそうだ。
今年で14歳。
母を亡くした後は行儀奉公として母の親類のところへ身を寄せ、12の年から魔術学校へ通っている。
王宮の異変を察した宰相が色々な理由をつけ、カレンと大臣からリオンを遠ざけたのだ。
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手紙でやり取りしているものの久しぶりに会えるのが楽しみだ。
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