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第50話 婚約者はどこに(リヴィオ視点)
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「遅いな……」
呼び出しておいて一向に来ない学園長に首を傾げる。
そもそも何の話であろうか。
(最近変何かあっただろうか。もしかして手続きに不備があった?)
エカテリーナ様と婚約した事で生活が一変し、それによって様々な書類を提出した。
ブルックリン侯爵家の執事にも見せて一緒に確認してもらったのだが、何か駄目なものでもあっただろうか。
(でも普通ならそれらは事務職員が担当するよな。学園長直々の話なんて、そうないだろ)
もやもやしながら待つも、一向に来る気配がない。
(話は後日にしてもらおう)
さすがにエカテリーナ様を待たせ過ぎだ。申し訳ないと思いながら椅子から立ち上がり、応接室を出る。
その足でそこらにいた教員を捕まえ、学園長への伝言を頼むと不思議そうな顔をされた。
「本日学園長はお休みしていますが」
「は?」
その言葉に一瞬理解が追い付かない。
「いや、俺は伝言を受けたのです。学園長から話しがあるという事で、ここで待っていたのですが」
「それはおかしいですね。何かの行き違いがあったのでしょうか?」
教員に嘘をついている素振りは見えない。
(どういう事だ?)
違和感を感じ、挨拶もそこそこに急いで走り出した。
学園長から話があると伝えてくれたのは級友だ、だが彼が嘘を吐くとも思えない。
運良くすぐに彼を見つけることが出来たので、声を掛けた。
「おぉどうした? そんなに慌てて」
「教えて欲しい。学園長から話があるっていうのは、いつ言われたんだ?」
学園長はいなかったので、日にちを間違えた可能性がある。
「えっ、今日だけど。ラウドにそう頼まれて」
「ラウド? 誰だそいつは」
俺はそんな者知らない。少なくとも知り合いではない。
「あぁ~ローシュ様の友人というか取り巻きというか、その内の一人だよ。学園長に頼まれたんだけれど、ローシュ様と仲違いしているリヴィオに話しかけるのは気まずいからって。何かあったのか?」
「あぁ。学園長は休みでいなかった。無駄に時間を潰したよ」
「マジか! ごめん、そんな事になってると知らなくて」
そう謝る級友を怒るわけにもいかず、話をそこそこで切り上げて、エカテリーナ様の待つ場所へと向かった。
そうして足早に歩いているとまた誰かに声を掛けられる。
警戒するが、どうやらエカテリーナ様からの伝言を預かっているらしく、それを伝えに来ただけだと言われる。
「タリフィル子爵家に呼ばれた?」
またその名だ。
詳しくは知らないのだが、一体何なんだろう。
そこにはローシュ様も居ると言われ、苛立ちが募る。
(何故また二人が会わねばならないのだ)
会わねばならない理由があるにしろ、何故エカテリーナ様は俺を置いて行ってしまったのか。
(ポエットが一緒だからとは大丈夫だとは思うが……もしかして彼に会いたかったのか?)
嫌な気持ちは拭えず、早く追いかけなければと馬車へと向かう。
侯爵家の馬車を見つけ、駆け寄ろうとしたところで後ろから声を掛けられた。
(今日は一体何なんだ)
色々な者に引き止められるわエカテリーナ様はいないわで、苛々が止まらない。
「怖い顔をしているなリヴィオ。何があった」
(何故カルロス様がここに?)
振り向いた先にいた人物を見て怒りを一瞬忘れてしまった。
だが、エカテリーナ様とローシュが一緒かもしれないというのが頭を過ぎり、今は急ぎたい気持ちでいっぱいだった。
「エカテリーナ様がタリフィル子爵家へと向かったそうなので、急ぎ追いかけるところです」
「タリフィル子爵家、ね。そこに本当に彼女が居ると思うか?」
「……どういう意味ですか」
含みのあるカルロス様の言葉に、俺は彼を真っ直ぐに見る。
「簡単だ。俺はエカテリーナ嬢とローシュがどこに居るのか知っている。タリフィル子爵家ではなく、別な場所にいるというのをね」
それはこのまま子爵家へ向かっても、二人には会えないという事だ。
カルロス様は何故すぐに教えてくれないのだろう。
「ではその場所を教えてください」
「残念ながらただでは教えられない。リヴィオ、お前と取引がしたいんだ」
カルロス様は何を取引しようというのか。
「俺は何も持ちえません。そんな俺がカルロス様の望むようなものなど持っているわけがない」
「あるさ。充分なものが」
芝居がかったように話す彼は、真っすぐに俺を見つめてくる。
「リヴィオ。お前が俺を主と認め誓う事。それがエカテリーナ嬢の所在を教える条件だ」
呼び出しておいて一向に来ない学園長に首を傾げる。
そもそも何の話であろうか。
(最近変何かあっただろうか。もしかして手続きに不備があった?)
エカテリーナ様と婚約した事で生活が一変し、それによって様々な書類を提出した。
ブルックリン侯爵家の執事にも見せて一緒に確認してもらったのだが、何か駄目なものでもあっただろうか。
(でも普通ならそれらは事務職員が担当するよな。学園長直々の話なんて、そうないだろ)
もやもやしながら待つも、一向に来る気配がない。
(話は後日にしてもらおう)
さすがにエカテリーナ様を待たせ過ぎだ。申し訳ないと思いながら椅子から立ち上がり、応接室を出る。
その足でそこらにいた教員を捕まえ、学園長への伝言を頼むと不思議そうな顔をされた。
「本日学園長はお休みしていますが」
「は?」
その言葉に一瞬理解が追い付かない。
「いや、俺は伝言を受けたのです。学園長から話しがあるという事で、ここで待っていたのですが」
「それはおかしいですね。何かの行き違いがあったのでしょうか?」
教員に嘘をついている素振りは見えない。
(どういう事だ?)
違和感を感じ、挨拶もそこそこに急いで走り出した。
学園長から話があると伝えてくれたのは級友だ、だが彼が嘘を吐くとも思えない。
運良くすぐに彼を見つけることが出来たので、声を掛けた。
「おぉどうした? そんなに慌てて」
「教えて欲しい。学園長から話があるっていうのは、いつ言われたんだ?」
学園長はいなかったので、日にちを間違えた可能性がある。
「えっ、今日だけど。ラウドにそう頼まれて」
「ラウド? 誰だそいつは」
俺はそんな者知らない。少なくとも知り合いではない。
「あぁ~ローシュ様の友人というか取り巻きというか、その内の一人だよ。学園長に頼まれたんだけれど、ローシュ様と仲違いしているリヴィオに話しかけるのは気まずいからって。何かあったのか?」
「あぁ。学園長は休みでいなかった。無駄に時間を潰したよ」
「マジか! ごめん、そんな事になってると知らなくて」
そう謝る級友を怒るわけにもいかず、話をそこそこで切り上げて、エカテリーナ様の待つ場所へと向かった。
そうして足早に歩いているとまた誰かに声を掛けられる。
警戒するが、どうやらエカテリーナ様からの伝言を預かっているらしく、それを伝えに来ただけだと言われる。
「タリフィル子爵家に呼ばれた?」
またその名だ。
詳しくは知らないのだが、一体何なんだろう。
そこにはローシュ様も居ると言われ、苛立ちが募る。
(何故また二人が会わねばならないのだ)
会わねばならない理由があるにしろ、何故エカテリーナ様は俺を置いて行ってしまったのか。
(ポエットが一緒だからとは大丈夫だとは思うが……もしかして彼に会いたかったのか?)
嫌な気持ちは拭えず、早く追いかけなければと馬車へと向かう。
侯爵家の馬車を見つけ、駆け寄ろうとしたところで後ろから声を掛けられた。
(今日は一体何なんだ)
色々な者に引き止められるわエカテリーナ様はいないわで、苛々が止まらない。
「怖い顔をしているなリヴィオ。何があった」
(何故カルロス様がここに?)
振り向いた先にいた人物を見て怒りを一瞬忘れてしまった。
だが、エカテリーナ様とローシュが一緒かもしれないというのが頭を過ぎり、今は急ぎたい気持ちでいっぱいだった。
「エカテリーナ様がタリフィル子爵家へと向かったそうなので、急ぎ追いかけるところです」
「タリフィル子爵家、ね。そこに本当に彼女が居ると思うか?」
「……どういう意味ですか」
含みのあるカルロス様の言葉に、俺は彼を真っ直ぐに見る。
「簡単だ。俺はエカテリーナ嬢とローシュがどこに居るのか知っている。タリフィル子爵家ではなく、別な場所にいるというのをね」
それはこのまま子爵家へ向かっても、二人には会えないという事だ。
カルロス様は何故すぐに教えてくれないのだろう。
「ではその場所を教えてください」
「残念ながらただでは教えられない。リヴィオ、お前と取引がしたいんだ」
カルロス様は何を取引しようというのか。
「俺は何も持ちえません。そんな俺がカルロス様の望むようなものなど持っているわけがない」
「あるさ。充分なものが」
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