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やる気のない娘
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時間が経つのは早いもので、今日は例のパーティー当日。アルノルド家を含め、国中の女性達はこの日を楽しみにしていた。1部の例外を除いて。
その例外である、パーティーをめんどくさいの一言で片付ける娘、アリステラは今日も家事雑事に勤しむ。
昼になると、小綺麗に着飾ったラムザやエディナ達は家の前に停まった馬車に乗り込んでいく。その前に嫌味を言うのを忘れないのは、流石といったところか。縦ロールを揺らしながらエディナはアリステラを睨みつける。そして、それに続くように、サーシャもツインテールを触りながら一言釘を刺す。
「アリステラ!じゃあ私達は行ってくるわ、留守中もしっかり灰被って掃除でもしておくのね!」
「私達がいないからって、私達のリボン盗んだら許さないわよ」
…あのリボンが万人受けすると思っている時点で、サーシャは駄目なのでは。
彼女が好んでいるリボンは、真っ赤なリボンにフリフリが沢山ついている。そして、そのリボンは彼女と同じように主張が激しい。何せ、サイズが特注サイズなのだから。一般的な男性ならば、そんな派手なものを付けた娘、隣に並ばれたくないだろう。
誰がお前の派手リボンを盗むんだよ…と心の中で突っ込みつつ、彼女達を見送る。
「はい、行ってらっしゃいませ皆様。早く出立なさらないと、道が混んでしまいます。くれぐれもお気をつけて」
「えぇ、貴方は家で大人しくしていなさい」
ラムザがそう言い捨て、馬車が動き出す。馬車が見えなくなるまで見送った後、アリステラは拳を握り、それを勢い良く空に突き上げた。
「やっふぅぅぅーぃ!今宵は酒盛りだふぅぅぅぅ!!」
その声に家中の使用人が応える。窓という窓、ドアというドアから使用人が顔を出し、歓声を上げる。ここには今、束の間の自由を謳歌しようとする者しかいない。
「やっとあの我儘親子が行ったか!皆、今宵と言わず、今から酒の準備だー!」
「たまにはこういうのもイイわよねぇ~」
家の中庭にテーブルや軽食を手際良く設置したターナーもイイ笑顔を浮かべている。日々我儘なラムザ親子に辟易している使用人らの心は1つだった。
パーティーに行ったあの親子は少なくとも明日の昼まで帰ってこない。王都で泊まるからだ。その間、使用人達が何をしようと咎める者もいないため、彼らは思いっきりハメを外そうとしていた。
ちなみに、キートス国ではお酒は16歳から飲める。メルヴィルや他の数人を除けば、皆法律上は飲める。勿論、18になるアリステラもそのうちの1人だ。
「これ、奥方に内緒で隠しておいた超ヴィンテージもののワインだぜ…!」
「よっしゃ、まずはそいつから空にしてやろーぜ!!」
こうして秘密の酒盛り会が開催された。
その例外である、パーティーをめんどくさいの一言で片付ける娘、アリステラは今日も家事雑事に勤しむ。
昼になると、小綺麗に着飾ったラムザやエディナ達は家の前に停まった馬車に乗り込んでいく。その前に嫌味を言うのを忘れないのは、流石といったところか。縦ロールを揺らしながらエディナはアリステラを睨みつける。そして、それに続くように、サーシャもツインテールを触りながら一言釘を刺す。
「アリステラ!じゃあ私達は行ってくるわ、留守中もしっかり灰被って掃除でもしておくのね!」
「私達がいないからって、私達のリボン盗んだら許さないわよ」
…あのリボンが万人受けすると思っている時点で、サーシャは駄目なのでは。
彼女が好んでいるリボンは、真っ赤なリボンにフリフリが沢山ついている。そして、そのリボンは彼女と同じように主張が激しい。何せ、サイズが特注サイズなのだから。一般的な男性ならば、そんな派手なものを付けた娘、隣に並ばれたくないだろう。
誰がお前の派手リボンを盗むんだよ…と心の中で突っ込みつつ、彼女達を見送る。
「はい、行ってらっしゃいませ皆様。早く出立なさらないと、道が混んでしまいます。くれぐれもお気をつけて」
「えぇ、貴方は家で大人しくしていなさい」
ラムザがそう言い捨て、馬車が動き出す。馬車が見えなくなるまで見送った後、アリステラは拳を握り、それを勢い良く空に突き上げた。
「やっふぅぅぅーぃ!今宵は酒盛りだふぅぅぅぅ!!」
その声に家中の使用人が応える。窓という窓、ドアというドアから使用人が顔を出し、歓声を上げる。ここには今、束の間の自由を謳歌しようとする者しかいない。
「やっとあの我儘親子が行ったか!皆、今宵と言わず、今から酒の準備だー!」
「たまにはこういうのもイイわよねぇ~」
家の中庭にテーブルや軽食を手際良く設置したターナーもイイ笑顔を浮かべている。日々我儘なラムザ親子に辟易している使用人らの心は1つだった。
パーティーに行ったあの親子は少なくとも明日の昼まで帰ってこない。王都で泊まるからだ。その間、使用人達が何をしようと咎める者もいないため、彼らは思いっきりハメを外そうとしていた。
ちなみに、キートス国ではお酒は16歳から飲める。メルヴィルや他の数人を除けば、皆法律上は飲める。勿論、18になるアリステラもそのうちの1人だ。
「これ、奥方に内緒で隠しておいた超ヴィンテージもののワインだぜ…!」
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こうして秘密の酒盛り会が開催された。
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