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騎士の困惑
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シリル・エルトゥーレはティルダの騎士だった。人探しのため、遠く離れたキートス国まで赴き、ようやく探し求めた人物を見つけたと思ったら、その人はとても不自由な生活を送っていた。その事実に胸を痛め、何とかしてその人ーー彼女を救ってあげたいと思っていた。
が、今シリルの目の前に広がっている光景は、一体何なのだろうか。
訪れたアルノルド家は、昼間から楽しげに酒を飲む使用人達でいっぱいだ。
「あ、あの…この騒ぎは一体…?」
取り敢えず、近くにいた女性に声をかけてみる。すると、彼女は酒で赤くなった顔をシリルに近づけて、にっこり笑った。
「今日は王子様主催のパーティーでしょ?それに行った奥方と娘がいない間に、あたしらはあたしらで楽しんでんのよ!」
そのまま腕に抱きつかれそうになり、シリルは礼を言い、慌てて女性から距離を取った。
下町の飲み屋か、ここは!
しかし、まぁ。確かに、今くらいしか使用人は楽しめないのだろう。そうは思うが、真昼間からこれはどうなんだ。田舎貴族だからこそ、あまり人の訪れもないかもしれない、それも王都に注目が集まる今日ならば。
色々言いたいことはあるものの、シリルはそれよりも大事なことを思い出した。何がって、シリルは彼女に会いに来たのだから。
自然と目線はブロンドの娘を探す。シリルの大事な人はすぐに見つかった。何故なら、騒ぎの中心にいる少女こそ、アリステラその人だったからだ。
「馬小屋寝室が何だー!」
「慣れれば問題なーし!」
「風呂の着替え隠されるのが何だー!」
「予備あれば憂いなーし!」
アリステラの言葉に他の使用人らが、声を合わせて応える。その内容もすぐにでも問いただしたいものばかりだったが、シリルは必死に自分を抑えた。
いつもは眼鏡を掛けているアリステラだったが、今はそれを外している。ブロンドの髪に暁色の瞳、その特徴は確かに彼女の母親にそっくりだ。ティルダで社交界の華だと讃えられたカタリナに。
その魅力はやはり、隠しきれない。酒を飲んで開放的になった男達も、アリステラに見とれている。
「いや、でもさ俺はエディナらより、アリスのが美少女だと思うんだよなぁ」
「確かに!私もアリスに可愛い服いっぱい着てほしいって常々思ってたのよね」
アリステラの近くにいた女性が、アリステラに後ろから抱きつく。敵意もないようなので放っておいたが、次の瞬間シリルはそれを後悔した。
「こんなにスタイルもいいのに!勿体ない、勿体ないわっ!ドレス着たら男達の視線は独り占めに決まってるわよぅ~!」
「やだ、もう…クラリッサったら、どこ触ってるのよ~」
後ろから抱きしめていた女性は、そう言いながらアリステラの胸を揉む。男なら即座に切り捨てるところだが、女性ということもあり、シリルは対応に困った。酒も飲んでいないのに、顔を赤くするシリルを、男達が勝手に仲間と決め込み、肩を組む。
「クラリッサも良い仕事しやがるよな!男共の羨ましそうな面ぁ見ろよ!」
「……………るな…」
「え?」
「…っ、アリステラ様に不埒な手で触るな……!」
シリルの限界はここまでだった。シリルは強引にアリステラを騒ぎの中から連れ出した。
が、今シリルの目の前に広がっている光景は、一体何なのだろうか。
訪れたアルノルド家は、昼間から楽しげに酒を飲む使用人達でいっぱいだ。
「あ、あの…この騒ぎは一体…?」
取り敢えず、近くにいた女性に声をかけてみる。すると、彼女は酒で赤くなった顔をシリルに近づけて、にっこり笑った。
「今日は王子様主催のパーティーでしょ?それに行った奥方と娘がいない間に、あたしらはあたしらで楽しんでんのよ!」
そのまま腕に抱きつかれそうになり、シリルは礼を言い、慌てて女性から距離を取った。
下町の飲み屋か、ここは!
しかし、まぁ。確かに、今くらいしか使用人は楽しめないのだろう。そうは思うが、真昼間からこれはどうなんだ。田舎貴族だからこそ、あまり人の訪れもないかもしれない、それも王都に注目が集まる今日ならば。
色々言いたいことはあるものの、シリルはそれよりも大事なことを思い出した。何がって、シリルは彼女に会いに来たのだから。
自然と目線はブロンドの娘を探す。シリルの大事な人はすぐに見つかった。何故なら、騒ぎの中心にいる少女こそ、アリステラその人だったからだ。
「馬小屋寝室が何だー!」
「慣れれば問題なーし!」
「風呂の着替え隠されるのが何だー!」
「予備あれば憂いなーし!」
アリステラの言葉に他の使用人らが、声を合わせて応える。その内容もすぐにでも問いただしたいものばかりだったが、シリルは必死に自分を抑えた。
いつもは眼鏡を掛けているアリステラだったが、今はそれを外している。ブロンドの髪に暁色の瞳、その特徴は確かに彼女の母親にそっくりだ。ティルダで社交界の華だと讃えられたカタリナに。
その魅力はやはり、隠しきれない。酒を飲んで開放的になった男達も、アリステラに見とれている。
「いや、でもさ俺はエディナらより、アリスのが美少女だと思うんだよなぁ」
「確かに!私もアリスに可愛い服いっぱい着てほしいって常々思ってたのよね」
アリステラの近くにいた女性が、アリステラに後ろから抱きつく。敵意もないようなので放っておいたが、次の瞬間シリルはそれを後悔した。
「こんなにスタイルもいいのに!勿体ない、勿体ないわっ!ドレス着たら男達の視線は独り占めに決まってるわよぅ~!」
「やだ、もう…クラリッサったら、どこ触ってるのよ~」
後ろから抱きしめていた女性は、そう言いながらアリステラの胸を揉む。男なら即座に切り捨てるところだが、女性ということもあり、シリルは対応に困った。酒も飲んでいないのに、顔を赤くするシリルを、男達が勝手に仲間と決め込み、肩を組む。
「クラリッサも良い仕事しやがるよな!男共の羨ましそうな面ぁ見ろよ!」
「……………るな…」
「え?」
「…っ、アリステラ様に不埒な手で触るな……!」
シリルの限界はここまでだった。シリルは強引にアリステラを騒ぎの中から連れ出した。
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