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5.魔王
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重い音を立てて、玉座の間の扉が開いた。
俺とエディスは身構え、魔王の存在を探す。
「居ない……?」
俺はつぶやく。
まっすぐ奥に見える大きな玉座は空。誰も腰掛けていない。
「ダイチ、あそこに誰か居ます」
エディスが何かを見つけたようだ。
周囲に警戒しながら、部屋の隅の方に歩いていく。
「気をつけろよ」
俺はエディスの横に並ぶ。そしてふと、エディスの顔を見る。
魔王との決戦を目前に控えてるときに言うことではないかも知れないが、可愛いし美しい。
外見的には日本のテレビに出てくるアイドルにだって負けてないだろう。
身につけているのは無骨な印象すらある革鎧だが、それがすごく絵になっている。
それはそうと、エディスが見つけたのは、子供のようだった。
青い肌の色は、彼が人間でなく魔族であることを示していた。
その子供は、部屋の隅に座り込み、左手に持った水晶球を覗き込んでいる。
(なんだかスマホいじりに熱中してる子供みたいだな)
そんな印象を受けた。
「ねえ君、聞きたいことがあるんだけど」
エディスが警戒しながらその少年に話しかける。
「えっ」
少年は、その時初めてこちらに気づいたようだ。
そして、とても無邪気でまぶしい喜びの表情を見せた。
「うわあ、人間のひとだ! 誰? どうやってここに来たの?」
それを聞いたエディスは少し困惑したようで、一瞬俺の方をうかがったが、
「私達は、魔王を倒すためにここまで来たの」
そう言った。
「あー……」
少年は納得したような、しょんぼりしたような顔になる。
「そうなんだ……」
そしてそれっきり、口を閉ざしてしまう。
「ねえ、魔王がどこにいるのか教えてくれないかしら」
エディスが少し強い調子で言う。
「うーん……」
困ったような顔になる少年。
「僕の作品、見てくれる?」
しばらくして少年が言ったのがそれだった。
そう言ってスキップしながら、部屋の中央に向かう。
「作品?」
俺は少し苛立ちながら聞き返した。
「僕の趣味! 見たら感想聞かせて! そうしたら、魔王のこと教えてあげる!」
床に魔法陣が浮かび上がり、光の柱が現れて消え、そこに何かが出現した。
それは、異形の存在。
タコの足のような触手のうごめく塊。
その触手すべては、塊の中央の、人間の少女の体から生えていた。
「ああー……、ああー……」
その少女は完全に精神が崩壊しているらしく、意味のないうめき声をもらすばかりだった。
「これが作品? 最低の趣味だな!」
俺はショックを受けながらも、謎の少年に向かって毒づく。
「それが感想?」
興味深そうに少年がこちらを見る。
「まさか、魔王は……」
エディスが身構え、謎の少年との距離を取る。
「僕」
謎の少年――魔王――は、簡潔に答えた。
俺とエディスは身構え、魔王の存在を探す。
「居ない……?」
俺はつぶやく。
まっすぐ奥に見える大きな玉座は空。誰も腰掛けていない。
「ダイチ、あそこに誰か居ます」
エディスが何かを見つけたようだ。
周囲に警戒しながら、部屋の隅の方に歩いていく。
「気をつけろよ」
俺はエディスの横に並ぶ。そしてふと、エディスの顔を見る。
魔王との決戦を目前に控えてるときに言うことではないかも知れないが、可愛いし美しい。
外見的には日本のテレビに出てくるアイドルにだって負けてないだろう。
身につけているのは無骨な印象すらある革鎧だが、それがすごく絵になっている。
それはそうと、エディスが見つけたのは、子供のようだった。
青い肌の色は、彼が人間でなく魔族であることを示していた。
その子供は、部屋の隅に座り込み、左手に持った水晶球を覗き込んでいる。
(なんだかスマホいじりに熱中してる子供みたいだな)
そんな印象を受けた。
「ねえ君、聞きたいことがあるんだけど」
エディスが警戒しながらその少年に話しかける。
「えっ」
少年は、その時初めてこちらに気づいたようだ。
そして、とても無邪気でまぶしい喜びの表情を見せた。
「うわあ、人間のひとだ! 誰? どうやってここに来たの?」
それを聞いたエディスは少し困惑したようで、一瞬俺の方をうかがったが、
「私達は、魔王を倒すためにここまで来たの」
そう言った。
「あー……」
少年は納得したような、しょんぼりしたような顔になる。
「そうなんだ……」
そしてそれっきり、口を閉ざしてしまう。
「ねえ、魔王がどこにいるのか教えてくれないかしら」
エディスが少し強い調子で言う。
「うーん……」
困ったような顔になる少年。
「僕の作品、見てくれる?」
しばらくして少年が言ったのがそれだった。
そう言ってスキップしながら、部屋の中央に向かう。
「作品?」
俺は少し苛立ちながら聞き返した。
「僕の趣味! 見たら感想聞かせて! そうしたら、魔王のこと教えてあげる!」
床に魔法陣が浮かび上がり、光の柱が現れて消え、そこに何かが出現した。
それは、異形の存在。
タコの足のような触手のうごめく塊。
その触手すべては、塊の中央の、人間の少女の体から生えていた。
「ああー……、ああー……」
その少女は完全に精神が崩壊しているらしく、意味のないうめき声をもらすばかりだった。
「これが作品? 最低の趣味だな!」
俺はショックを受けながらも、謎の少年に向かって毒づく。
「それが感想?」
興味深そうに少年がこちらを見る。
「まさか、魔王は……」
エディスが身構え、謎の少年との距離を取る。
「僕」
謎の少年――魔王――は、簡潔に答えた。
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